SHIKAKU DAILY 042
休符
KYUFU
鳴り続けたら 歌じゃなくなる
LYRICS / 042
休符
イントロ ピッ 休符
枕の脇で 画面が白む
八連勤目の 六時四十分だ
椅子では昨日の制服が待ってる
休符
胃の底だけが 先に縮む
通知の列を 親指で払う
送信欄へ「今日は休む」と打つ
打った言葉が 朝よりまぶしい
まだ押せないまま 息を吸う
プリサビ
「休めば迷惑」誰の声だろう
窓の向こうでは 街が私を急かしてる
震える指でも 選べるはずだ
欠けるんじゃない 休符を置くんだ
サビ
休符・休符・休符
今日は休むと いま送る
鳴り続けたら 歌じゃなくなる
私の今日を、私に返す
休符・休符・休符
胸の拍子を 取り戻せ
止まる私は 逃げてはいない
椅子の制服を 今日は着ない
青い矢印を 親指で押した
既読の印が 静かについた
机へ向かう足を 布団へ戻す
冷えたコップを 両手で包む
返事はまだでも 水を飲んだ
朝がようやく 部屋まで届く
プリサビ
返事の音が 枕元で跳ねる
伏せた画面を いまは開かない
待っているのは 許可じゃない
決めた私を 私が守る
サビ
休符・休符・休符
今日は休むと もう送った
空いた拍こそ 歌を息づかせる
私の今日を 私が守る
休符・休符・休符
画面を伏せて 制服を見ない
止まる私も 私のままだ
椅子の制服は 明日まで置く
ブリッジ
六時四十分に 青い送信欄が光る
親指の力を そっと抜いた
返事は枕元で 短く鳴った
画面は伏せたまま 制服を畳む
私が止まっても 朝は壊れない
空いた拍でも 歌は続いてる
許されたから 休むんじゃない
私の今日に 休符を置いた
ラストサビ
休符・休符・休符
今日は休むと 私が決める
鳴り続けたら 歌じゃなくなる
私の今日を、私に返す
休符・休符・休符
休む権利を 誰にも渡さない
空いた拍こそ 明日を鳴らせる
青い矢印で 今日を休みにした
アウトロ
明日の朝も 選ぶのは私
アラームが鳴り出し 指を伸ばす