SHIKAKU DAILY 057
体温
TAION
憎しみは 愛が死に損ねた体温だ
LYRICS / 057
体温
イントロ シャッ――嫌いなままで、手を握る
乾いた音で カーテンの輪が走る
まだ憎い 輪の音が 割れたガラスと重なる
殴られた頬は もう痛まない
あの呼び方を避ける癖だけ 治らない
残り十三分を 時計が削る
握り返さない指を 俺が包んだ
プリサビ
帰るなら今だと 膝が立ちかける
そのとき親指が 掌を押し返す
謝ってほしいと まだ思う俺と
離すなと言う手が 同時に震える
サビ
まだ憎い まだ憎い
許せないままで そばにいる
まだ憎い まだ憎い
生と死を分ける おまえの体温
消えてしまうなら 俺へ残せ
優しさじゃなくて この熱を
嫌いなままで 手を握る
離せないのは 愛だけじゃない
手の甲を横切る 白い縫い跡
割れたガラスの 床がよみがえる
俺を後ろへ押した 同じ手だった
殴った夜だけ 選んで覚えた
その指が今 掌を押し返す
プリサビ
許せはしない 忘れもしない
それでも脈を 指先で追う
切れそうなたび 強く握る
サビ
まだ憎い まだ憎い
許せないままで そばにいる
まだ憎い まだ憎い
生と死を分ける おまえの体温
消えてしまうなら 俺へ残せ
殴った痛みも かばった傷も
嫌いなままで 手を握る
愛だけなんて 言わせはしない
ブリッジ
シャッ シャッ シャッ
握る手の中で 脈が細くなる
許すためじゃない 冷える指を握り直す
憎しみは 愛が死に損ねた体温だ
俺はその熱を 手放さず生きる
ラストサビ
嫌いなままで、手を握る
嫌いなままで、手を握る
まだ憎い まだ憎い
消えた体温が 俺に残る
まだ憎い まだ憎い
許せないことを 消しはしない
それでも最後に あの癖をやめる
アウトロ
兄さん、と呼んだ
その指から 力が抜けた
手にはまだ おまえの体温