本丸の中央に仮に移されていたころの天守と岩木山(2022年5月撮影)。1810年に建てられた江戸時代からの天守で、2026年に元の天守台へ戻す工事が進んでいる。
掬茶CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

青森県 · 弘前市

弘前城

ひろさきじょう

Hirosaki Castle

青森県弘前市

城平山城日本100名城 4番

この城らしさ

江戸時代から残る天守が、いまレールの上を動いている。石垣を⁠直すため11年前⁠に引っ越した天守が、2026年、もとの天守台へ戻る途中だ。

なぜ?

天守台の石垣がふくらんで崩れるおそれが出たため、市は2015年に天守を約78m離れた本丸の中央へ引いて移し(曳家)⁠、石垣を積み直しました。石垣の修理が終わり、2026年は天守を元の場所へ戻す「曳戻し」の年です。工事は見学できる形で進められ、11月中に戻る予定です。[4][5][6]

見逃したくない3つ

01
本丸の中央に仮に移されていたころの天守と岩木山(2022年5月撮影)。1810年に建てられた江戸時代からの天守で、2026年に元の天守台へ戻す工事が進んでいる。掬茶CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

東北でただ一つ、江戸時代から残る天守

見る場所
本丸(有料区域)⁠。2026年は曳戻しの途中で、本丸の中を移動中
注目する部分
3重3階の天守の姿と、2026年はその足もとに敷かれた移動用のレールや⁠ローラー
ここが面白い
最初の5重の天守は1627年に落雷で焼けたと⁠伝わります。いまの天守は1810年、9代藩主の津軽寧親が「櫓を建てる」と⁠いう名目で幕府の許しを得て建てたものです。江戸時代から残る天守と⁠しては東北地方で唯一で、国の重要文化財です。[1][3][5][6][7]
見られるか
一部見られる外観のみ。内部は2025年11月24日から休館中で、再開は2033年3月ごろの予定(2025年時点)⁠。外観は2028年秋ごろまで見られ、その後は修理の覆いがかかる。
02
北の郭の北門(亀甲門)(2007年撮影)。築城のころは、この北門が城の正面だった。1階の上の「下屋根」が弘前城の門の特徴。kamoseiroCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

雪国の形をした5つの城門

見る場所
三の丸追手門(市役所前・いまの正面入口)⁠、北の郭の北門(亀甲門)⁠、三の丸東門、二の丸東内門・南内門
注目する部分
1階の上に張り出した「下屋根」と、門と⁠土手でコの字に囲んだ「枡形」
ここが面白い
下屋根は雪を考えて門を高くしたためともいわれ、弘前城の門の特徴です。いまは追手門が正面入口ですが、築城のころは北門(亀甲門)⁠が正面でした。5つの門はすべて江戸時代から残る国の重要文化財です。[1][3]
見られるか
外から見られる外から自由に見られ、くぐることもできる。北門は北の⁠郭(有料区域)⁠の北側にある。
03
曳戻し工事の途中の天守(2026年8月撮影)。レールの上を少しずつ動かし、11月に元の天守台へ戻す予定。掬茶CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

100年ぶりに積み直した本丸の石垣と⁠天守台

見る場所
本丸の東側。北の郭や⁠本丸の展望デッキから
注目する部分
積み直された本丸東面の石垣と⁠天守台、天守を動かすためのレールや⁠ジャッキ
ここが面白い
この石垣は明治にも崩れ、1897年に大工棟梁の堀江佐吉が天守を一度引いて動かしたうえで、1915年に修理を終えています。今回は2016〜2018年⁠に2,185個の石に番号を付けて解体し、調べながら積み直しました。天守の曳戻しは覆いをかけずに行うため、作業のようすを展望デッキから見られます。[4][5][7][8]
見られるか
一部見られる作業日程は天候で変わる。市が作業予定を公開している。本丸の南側は2027年3月末ごろまで一部通行止めで、仮設階段の迂回路がある。

訪問の目安

最寄り駅
バス停「市役所前公園入口」から徒歩約10分
登り
未確認
所要時間の目安編集部の目安
本丸・北の郭と⁠城門をまわって1時間半〜2時間⁠が目安。桜の季節は西濠の散策を足して半日
料金
大人(高校生以上⁠)320円、子ども(小・中学生)100円。団体は大人250円・子ども80円。植物園・藤田記念庭園との共通券は大人520円・子ども160円。5月の最終日曜日は無料
時間
4月1日〜11月23日⁠の9:00〜17:00が有料時間。さくらまつり期間⁠は9:00〜21:00(早咲きの年は通常時間に戻ることがある⁠)
立入り
自由に見学できる

公園は無料で歩ける。本丸・北の郭は4月1日〜11月23日⁠の9:00〜17:00が有料(11月24日〜3月31日⁠は無料)⁠。天守の内部は2025年11月24日から長期休館中。本丸南側は工事のため2027年3月31日ごろまで一部通行止めで、仮設階段の迂回路がある。未申櫓の周辺は立入禁止。日本100名城スタンプ⁠は弘前城情報館と⁠緑の相談所にある。公園内は車・バイクの乗り入れ、ペットの散歩(ケージ・カートは可)⁠、許可のないドローン飛行が禁止。

確認日:

この城の物語

01
史実

台地の端と⁠川筋を生かした⁠城

弘前城は、北へ突き出た台地の北西の端に中心部を置き、北と⁠西のふもとの低地も⁠取りこんでいます。本丸は、西の蓮池を見下ろす急な崖を生かして置かれました。西側は、もとは岩木川の流れだった西濠で⁠守られていました。[4][9]

02
史実

為信が計画し、信枚が完成させた

城は弘前藩の初代藩主・津軽為信が計画しましたが、為信は工事が始まる前に亡くなりました。2代藩主の信枚が1610年に工事を始め、1611年に完成させて、堀越城から移りました。本丸・北の郭・二の丸・三の丸・四の丸・西の郭の6つの郭からなり、東西約500m、南北約1,000m、広さは約50haあります。[4][9]

03
伝承

落雷で天守を失い、「櫓」と⁠して再建

最初の天守は5重で本丸の南西の隅にありましたが、1627年に落雷で焼けたと⁠伝わります。その⁠後長く天守のない時代が続き、1810年、9代藩主の津軽寧親が本丸の南東の隅に3重の天守を建てました。幕府の許しは「隅櫓を建てる」と⁠いう名目で得ています。[1][4]

04
史実

天守・櫓・門がそろって残る

明治になると⁠城は役目を終え、1895年に「弘前公園」と⁠して開かれました。天守のほか、二の丸の3つの隅櫓と⁠5つの城門が江戸時代の姿のまま残り、すべて国の重要文化財です。天守は全国に12しかない江戸時代からの天守の一つです。城跡は1952年に国の史跡に指定されました。[1][4][9]

05
史実

天守を2度動かした石垣修理

天守の下の石垣は、明治の1896年に崩れたとき、翌年に天守を西へ引いて動かして修理しました。それから約100年、石垣がふくらんで再び崩れるおそれが出たため、市は2015年に天守を本丸の中央へ約77.6m引いて移し、2016〜2018年⁠に石垣を解体して積み直しました。2026年はその天守を元へ戻す年で、そのあと⁠耐震対策を⁠含⁠む約70年ぶりの保存修理が予定されています。[4][5][6]

この城の人びと

年表

  1. 2代藩主・津軽信枚が城を完成させる[4][9]

  2. 5重の天守が落雷で焼けたと⁠伝わる[1][4]

  3. 9代藩主・津軽寧親がいまの天守を建てる[1][4]

  4. 弘前公園と⁠して開園[1]

  5. 国の史跡(津軽氏城跡)⁠に指定[9]

  6. 石垣修理のため天守を本丸中央へ曳家[5]

  7. 天守を元の天守台へ戻す曳戻し(11月完了予定)[5][6]

建物と⁠遺構

天守の状態

現存天守

1810年建築⁠の現存天守。層塔型3重3階(日本城郭協会)⁠。2015年に曳家し、2026年に元の天守台へ曳戻し中。内部は2025年11月24日から休館。

城全体のいま

弘前公園と⁠して公開。本丸と⁠北の郭は4月1日〜11月23日⁠が有料区域で、ほかは無料。2026年10月時点、本丸では天守の曳戻し工事と⁠天守台の耐震補強工事が進んでいる。

主な建物

現存国重要文化財

天守

1810年再建。曳戻し後、2028年度から耐震対策を含む保存修理の予定。[4][5]

現存国重要文化財

二の丸辰巳櫓・丑寅櫓・未申櫓

見張りのための隅櫓。形は似ているが、階段の位置や⁠妻の造りが少しずつちがう。未申櫓は2025年1月⁠の大雪で一部が壊れ、周辺は立入禁止。[1]

現存国重要文化財

三の丸追手門・三の丸東門・二の丸南内門・二の丸東内門・北の郭北門(亀甲門)

下屋根と⁠枡形が特徴。築城時の正面は北門(亀甲門)⁠。[1]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
現存天守江戸時代以前に建てられた天守が今も残る編集部記事
築城者
津軽信牧日本城郭協会
築城
慶長16年(1611)日本城郭協会
主な城主
津軽氏日本城郭協会
廃城
1871年Wikipedia
見られる遺構
櫓・櫓台・門・石垣・土塁・堀・曲輪・虎口・天守台編集部記事
文化財指定
国史跡(津軽氏城跡弘前城跡)(1952年)⁠、国重要文化財(天守・櫓3棟・城門5棟)編集部記事
名城選定
日本100名城 4番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

公園は無料で歩ける。本丸・北の郭は4月1日〜11月23日⁠の9:00〜17:00が有料(11月24日〜3月31日⁠は無料)⁠。天守の内部は2025年11月24日から長期休館中。本丸南側は工事のため2027年3月31日ごろまで一部通行止めで、仮設階段の迂回路がある。未申櫓の周辺は立入禁止。日本100名城スタンプ⁠は弘前城情報館と⁠緑の相談所にある。公園内は車・バイクの乗り入れ、ペットの散歩(ケージ・カートは可)⁠、許可のないドローン飛行が禁止。

住所

青森県弘前市大字下白銀町1[1]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

バス停「市役所前公園入口」JR弘前駅からバス(駒越(城西団地)経由藤代営業所行き)

徒歩約10分 · 未確認

バス停から追手門へ徒歩約10分。浜の町経由の便なら「文化センター前」または「中央高校前」で降りて徒歩約10分。[11]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

弘前城(本丸・北の郭有料区域)
時間
4月1日〜11月23日⁠の9:00〜17:00が有料時間。さくらまつり期間⁠は9:00〜21:00(早咲きの年は通常時間に戻ることがある⁠)
休館・休み
11月24日〜3月31日⁠は無料開放。天守内部は2025年11月24日から休館
料金
大人(高校生以上⁠)320円、子ども(小・中学生)100円。団体は大人250円・子ども80円。植物園・藤田記念庭園との共通券は大人520円・子ども160円。5月の最終日曜日は無料[3][1]
確認日: 2026-10-03
弘前城情報館
時間
9:00〜17:00(まつりの期間などは延長あり⁠)
休館・休み
通年開館
料金
未確認[12][13]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

公園内は車の乗り入れ禁止。弘前市役所駐車場、弘前文化センター駐車場、弘前市立観光館駐車場(いずれも有料)⁠を使う。[11][1]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
公園全体の開園時間は未確認。有料区域の有料時間は上記のとおり[3]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
本丸・北の郭と⁠城門をまわって1時間半〜2時間⁠が目安。桜の季節は西濠の散策を足して半日
階段・坂・足もと
公園は広く、郭どうしは橋や⁠坂でつながる。本丸南側は工事中で仮設階段を通る。[2]
車椅子・ベビーカー
未確認確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
公式な英語案内は未確認。指定管理者のサイトは機械翻訳で読める。[13]
季節の楽しみ
春の弘前さくらまつりの期間は、西濠の両岸に桜のトンネルができ、ボートや⁠夜のライトアップも楽しめる。散った花びらが濠を埋める「花筏」も知られる。[1]
撮影のルール
公園内での許可のないドローン飛行は禁止。[1]
工事・休館・立入制限
天守曳戻⁠し工事中(2026年9月末時点⁠で2次移動中、11月中に元の天守台へ戻る予定)⁠。作業日程は市が公開。天守内部は2025年11月24日から2033年3月31日まで休館予定(2025年時点)⁠。外観は2028年秋ごろまで見られ、その後は修理のため覆われる。本丸南側の一部通行止めは2027年3月31日ごろまで。[5][6][14][2]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

庭園

弘前城植物園

弘前公園の中にある有料の植物園。本丸・北の郭、藤田記念庭園との共通券がある。[3]

確認日: 2026-10-03

庭園

藤田記念庭園

弘前市みどりの協会が管理する庭園。弘前城(本丸・北の郭)⁠・植物園との共通券で入れる。[3][13]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

江戸時代の天守・櫓・門を本物で見たい人、城の修理の現場に興味がある人、桜の名所を訪ねたい人に向く。2026年は天守が動くようすを見られるめずらしい年。

ここを見ると⁠面白い

天守は、2015年まで立っていた天守台と、いま進んでいる移動の道すじを見比べたい。城門は下屋根と⁠枡形に注目。本丸の展望デッキからは、積み直した石垣と、天守を動かすレールが見える。

訪ねる前に

天守の内部は2025年11月から数年間入れない。2028年秋ごろからは外観も修理の覆いで見えなくなる予定。本丸の南側は工事で迂回路になっている。曳戻しの作業日は市のページで事前に確認を。

楽しみかた

まず弘前城情報館で城の移り変わりをつかみ、100名城スタンプ⁠もここで押せる。春は西濠の桜のトンネル、ほかの季節は5つの城門を全部まわる「門めぐり」がおすすめ。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    弘前公園弘前市municipal確認日:
  2. 2
    本丸南側の仮設通路について弘前市municipal確認日:
  3. 3
    弘前公園有料区域弘前市municipal確認日:
  4. 4
    弘前城と⁠石垣修理の歴史弘前市municipal確認日:
  5. 5
    弘前城本丸石垣修理事業新着情報・事業スケジュール弘前市municipal確認日:
  6. 6
    弘前城天守の内部公開休止について弘前市municipal確認日:
  7. 7
    天守曳戻⁠し工事⁠の進捗状況について(7月28日時点)弘前市municipal確認日:
  8. 8
    弘前城天守曳戻し - 曳戻⁠し工事弘前市municipal確認日:
  9. 9
    津軽氏城跡(文化遺産オンライン)文化庁heritage確認日:
  10. 10
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  11. 11
    弘前公園(交通・駐車場)一般財団法人弘前市みどりの協会official確認日:
  12. 12
    弘前城情報館弘前市municipal確認日:
  13. 13
    弘前城情報館(重要なお知らせ・スタンプ設置場所)一般財団法人弘前市みどりの協会official確認日:
  14. 14
    弘前城天守曳戻⁠し工事作業予定⁠のお知らせ(9月28日更新・10月2日追記)弘前市municipal確認日:
  15. 15
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  16. 16
    Wikipedia「弘前城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  17. 17
    Wikidata Q328582Wikidatawikidata確認日:
  18. 18
    OpenStreetMap way/757850283© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

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