木曽川にかかる犬山橋から見た犬山城(2012年11月)。川に面した崖の上に天守が立つ「後堅固」の城。
AlpsdakeCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

愛知県 · 犬山市

犬山城

いぬやまじょう

Inuyama Castle

愛知県犬山市

城平山城日本100名城 38番

この城らしさ

木曽川の崖の上に⁠立⁠つ江戸時代以前からの天守で、最上階の縁側をぐるりと⁠歩きながら川と⁠濃尾平野を見下ろせる。

なぜ?

犬山城の天守は、建てられた当時から残る「現存天守」で、国宝です。最上階は手すり(高欄)⁠と⁠縁側(廻縁)⁠がまわる望楼になっていて、いまも外に出て一周できます。城は背中側を木曽川の崖に守られた「後堅固(うしろけんご)⁠」⁠の城で、その高さが眺めのよさに⁠もつながっています。[1][5][6]

見逃したくない3つ

01
天守最上階の廻縁(まわりえん)を歩く人たち(2020年1月、犬山成田山から撮影)。KKPCWCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

最上階の廻縁と、木曽川・濃尾平野の眺め

見る場所
天守4階(望楼)⁠の外側をまわる縁側
注目する部分
まわりを囲む高欄(手すり)と、北の木曽川、南に広がる濃尾平野
ここが面白い
4階は高欄と⁠廻縁がまわる望楼で、成瀬氏の時代に改修されたと⁠いわれます。城は濃尾平野と⁠いう扇状地の「扇の要」にあたる場所にあり、公式サイトも最上階からの眺めを見どころと⁠しています。[1][5][4]
見られるか
外から見られる天守に入る(有料)⁠と⁠出られる。混雑時は天守に入るまで1時間以上待つことがある。
02
天守の地下(穴倉)。天守を支える石垣と太い梁が見え、ここが天守の出入口になっている。村国左近CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

天守の入口になる地下の穴倉

見る場所
天守の地下1階・地下2階(穴倉)
注目する部分
天守を支える石垣の内側と、頭上の太い⁠梁
ここが面白い
犬山城の天守は、石垣の中に掘り込んだ穴倉から入るつくりです。地下から最上階まで、狭く急な木の階段を上っていくと、江戸時代以前の建物の中を歩いていることを足で感じられます。[1][2]
見られるか
外から見られる天守の入場券が必要。靴を脱いで入り、階段は狭く急。
03
木曽川にかかる犬山橋から見た犬山城(2012年11月)。川に面した崖の上に天守が立つ「後堅固」の城。AlpsdakeCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

木曽川から見上げる「後堅固」の城山

見る場所
城の北側を流れる木曽川の岸や⁠橋(犬山橋など⁠)
注目する部分
川からせり上がる城山の崖と、その頂に立つ天守
ここが面白い
城は木曽川沿いの標高約80〜85mの独立した⁠丘(城山)⁠に築かれ、背後を崖に守られています。本丸から南へ杉の丸・樅の丸・桐の丸・松の丸を階段のように並べ、川のない南側を固めました。中山道や⁠木曽街道、木曽川の水運をおさえる要の場所でした。[1][7]
見られるか
外から見られる城の外から無料で見られる。

訪問の目安

最寄り駅
名鉄犬山駅西口から徒歩約20分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
公式の目安は30〜40分。土日祝や⁠桜・紅葉の季節は、天守に入るまで1時間以上待つことがある(予約制はない⁠)
料金
一般1,000円、小中学生200円、幼児無料。30人以上の団体は割引(現金のみ)⁠。障がい者手帳を持つ人と⁠付添1人は無料(車いすの場合は付添2人まで⁠)⁠。交通系IC・クレジットカード・QR決済が使える
時間
9:00〜17:00(入場は16:30まで⁠)⁠。混雑時は入場制限あり
立入り
一部のみ見学できる

本丸と⁠天守は入場門から先が有料。天守は靴を脱いで入り、大きな荷物は持ち込めない(券売所横などにコインロッカー)⁠。ペットは入場不可(補助犬は事前に相談)⁠。日本100名城スタンプ⁠は入場門2階の管理事務所(有料エリア)⁠にある。御城印はふもとの犬山城前観光案内所⁠で販売。

確認日:

この城の物語

01
史実

なぜこの場所に城を建てたのか

犬山城は、木曽川の南岸にある小高い山の上にあります。北は川に面した崖で守られ、中山道や⁠木曽街道に通じ、木曽川を使った交易もおさえられる場所でした。そのため戦国時代を通じて、政治や⁠経済の大事な拠点になりました。[1][7]

02
伝承

信長の叔父が築いたと⁠伝わる

公式の説明では、1537年ごろ、織田信長の叔父・織田信康が、近くの木之下城を移して⁠築いたといわれています。ただ、文化庁の解説によると、この築城年を確かめられる史料は⁠見つかっていません。[1][7]

03
史実

天下人たちが奪い合った⁠城

信康の子・信清が信長にそむいたため、信長は城を攻め落とし、家臣の池田恒興を入れました。1584年の小牧・長久手の戦いでは、池田恒興が木曽川を渡って城に入り、羽柴秀吉側の拠点になりました。1600年の関ヶ原の戦いの前には徳川方が⁠攻⁠め⁠取っています。公式サイトは、信長・秀吉・家康がそれぞれこの城を手にしたことが天下取りへの道を開いたと⁠紹介しています。[1][5]

04
史実

成瀬家が幕末まで守った

1617年、尾張藩の重臣(付家老)だった成瀬正成が、2代将軍徳川秀忠から犬山城を与えられました。正成のころに手が加えられ、いまの天守の姿ができたといわれます。以後、成瀬家が幕末まで城主を務めました。[1][7]

05
史実

天守だけが残り、地震で半壊

1871年の廃藩置県で城は愛知県のものになり、天守以外のほとんどの建物が⁠取⁠り⁠壊されました。1891年の濃尾地震では天守が半分壊れました。県は修理を条件に1895年、天守を旧藩主の成瀬家に譲り、成瀬家と⁠犬山の町の人たちが寄付を集めて直しました。[1][7]

06
史実

国宝の天守、財団の城へ

天守は1935年に国宝に指定され、文化財保護法のもとで1952年に国宝に再指定されました。1965年に解体修理が終わっています。長く個人が持つ城でしたが、2004年に財団法人犬山城白帝文庫(いまは公益財団法人)⁠の持ち物になりました。2018年には城跡全体が国史跡に指定されています。[1][6][7]

この城の人びと

年表

  1. 伝承

    織田信康が築いたと⁠伝わる[1][7]

  2. 小牧・長久手の戦いで秀吉側の拠点に[1]

  3. 成瀬正成が城を与えられ、以後成瀬家が幕末まで治める[1][7]

  4. 廃藩置県で天守以外の建物の多くが取り壊される[1]

  5. 濃尾地震で天守が半壊し、のちに修復[1][7]

  6. 天守が国宝に再指定(最初の指定は1935年)[1][6]

  7. 犬山城跡が国史跡に指定[7][8]

建物と⁠遺構

天守の状態

現存天守

望楼型・三重四階地下二階⁠の木造天守(現存)⁠。国宝。公式サイトは「現存する日本最古」と⁠説明している。

城全体のいま

城山の上の本丸に天守が立ち、本丸は有料エリア。ふもとは城下町で、城山には神社もある。天守以外の建物は残っていないが、石垣や⁠空堀、切岸などが残る。

主な建物

現存国宝

天守

1935年国宝、1952年国宝⁠に再指定。1891年の濃尾地震で半壊し修復、1965年に解体修理完了。[1][6]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
現存天守江戸時代以前に建てられた天守が今も残る編集部記事
築城者
織田信康日本城郭協会
築城
天文6年(1537)日本城郭協会
主な城主
織田氏、小笠原氏、成瀬氏日本城郭協会
廃城
1871年(明治4年)Wikipedia
見られる遺構
石垣・土塁・櫓・櫓台・門・堀・曲輪・天守台編集部記事
文化財指定
国宝(犬山城天守)(1952年)⁠、国史跡(犬山城跡)(2018年)編集部記事
名城選定
日本100名城 38番日本城郭協会

旅の情報

立入り

一部のみ見学できる

本丸と⁠天守は入場門から先が有料。天守は靴を脱いで入り、大きな荷物は持ち込めない(券売所横などにコインロッカー)⁠。ペットは入場不可(補助犬は事前に相談)⁠。日本100名城スタンプ⁠は入場門2階の管理事務所(有料エリア)⁠にある。御城印はふもとの犬山城前観光案内所⁠で販売。

住所

〒484-0082 愛知県犬山市犬山北古券65-2[2][3]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

名鉄犬山駅西口名鉄犬山線・小牧線など

徒歩約20分 · 少⁠し登る

西口を出て本町交差点を右へ曲がり、本町通をまっすぐ進む。最後は城山を上る。名鉄名古屋駅から犬山駅までは急行などで約25分。[3][4]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

犬山城(天守・本丸)
時間
9:00〜17:00(入場は16:30まで⁠)⁠。混雑時は入場制限あり
休館・休み
12月29日〜31日
料金
一般1,000円、小中学生200円、幼児無料。30人以上の団体は割引(現金のみ)⁠。障がい者手帳を持つ人と⁠付添1人は無料(車いすの場合は付添2人まで⁠)⁠。交通系IC・クレジットカード・QR決済が使える[2][4]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

ふもとに有料の市営駐車場(犬山城第1〜第3駐車場)⁠と民間のコインパーキング⁠がある。第1駐車場は乗用車・観光バス・二輪可。障がい者手帳による駐車料金の割引はない。名神高速小牧ICなどから約25分。[3][4][5]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
本丸(有料エリア)⁠は天守と⁠同じ9:00〜17:00[2]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安
公式の目安は30〜40分。土日祝や⁠桜・紅葉の季節は、天守に入るまで1時間以上待つことがある(予約制はない⁠)[4]
階段・坂・足もと
本丸へは城山を上る坂道。天守の中は地下2階から4階まで狭く急な階段が続く。動きやすい服装で。[2][4]
車椅子・ベビーカー
国宝のため天守にエレベーターなどはなく、車いすでの天守見学はできない。障がい者向けの別ルートはなく、駐車場からの一般ルートは車いすの自走が難しいので付添が必要。[4]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
入場門を入ってすぐ右側(有料エリア)⁠。天守の中にはトイレも休憩場所もない。[4]
英語案内・音声ガイド
英語の公式サイトがあり、入場門には日本語・英語・中国語(簡体・繁体)⁠・韓国語のパンフレットが置かれている。[4][10]
季節の楽しみ
春は桜と⁠犬山祭、夏は木曽川の鵜飼や⁠花火、秋は紅葉、冬は雪化粧も。天守のライトアップは通年で日没から22時まで(ライトダウンの日を除く。閉城後は中に入れない)⁠。[5][4]
撮影のルール
個人の撮影は自由。自撮り棒・一脚・三脚の使用、動画の生配信、ドローンの飛行は禁止。[2]
工事・休館・立入制限
公式のお知らせ(2026年10月3日確認)⁠に臨時休城や⁠工事の案内はなかった。混雑時は入場制限がある。城山全体が火気厳禁で喫煙場所はない。石垣に登らないこと。[5][2]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

庭園

日本庭園有楽苑(国宝茶室如庵)

織田信長の弟・織田有楽斎が京都に建てた茶室「如庵」(国宝)⁠を移した日本庭園。名鉄犬山遊園駅から徒歩8分。入苑料は大人1,500円。[11]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

江戸時代以前から残る本物の天守の中を歩いてみたい人に、まずすすめたい城。木曽川の景色や⁠城下町歩きとも⁠組⁠み⁠合わせやすい。

ここを見ると⁠面白い

地下の穴倉から入り、急な階段を上るごとに変わる部屋のつくりを見て、最上階の廻縁で外に出る。城を出たら、木曽川の岸や⁠橋から城山の崖を見上げ、川に守られた城の形を確かめたい。

訪ねる前に

天守の中は靴を脱ぎ、階段は狭く急なので、動きやすい服装と⁠脱ぎはきしやすい靴がよい。大きな荷物は持ち込めない。週末や⁠桜・紅葉の時期は待ち時間が長くなるので、開城直後をねらうと⁠よい。

楽しみかた

名鉄犬山駅から本町通の城下町を歩いて城へ向かうと、町と⁠城の位置関係がよく分かる。夜は城下町や⁠木曽川の対岸から、ライトアップされた天守を眺めることもできる。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    犬山城について(歴史・天守・見どころ・城郭構造)国宝犬山城(犬山城管理事務所)official確認日:
  2. 2
    観覧案内国宝犬山城(犬山城管理事務所)official確認日:
  3. 3
    交通案内国宝犬山城(犬山城管理事務所)official確認日:
  4. 4
    よくあるご質問国宝犬山城(犬山城管理事務所)official確認日:
  5. 5
    国宝犬山城トップページ国宝犬山城(犬山城管理事務所)official確認日:
  6. 6
    犬山城天守文化遺産オンライン(文化庁)heritage確認日:
  7. 7
    犬山城跡文化遺産オンライン(文化庁)heritage確認日:
  8. 8
    はじめての犬山(犬山歴史年表)犬山観光ナビ(犬山市観光協会)tourism確認日:
  9. 9
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  10. 10
    Inuyama Castle, National Treasure (English)国宝犬山城official確認日:
  11. 11
    日本庭園有楽苑犬山観光ナビ(犬山市観光協会)tourism確認日:
  12. 12
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  13. 13
    Wikipedia「犬山城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  14. 14
    Wikidata Q1155484Wikidatawikidata確認日:
  15. 15
    OpenStreetMap way/234510746© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

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