道路側から見た福江城の門と石垣・白い土塀。手前に堀と石の欄干が残る(2015年撮影)
Nami-jaCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

長崎県 · 五島市

福江城

いしだじょう

Ishida Castle

長崎県五島市

城海城続日本100名城 187番

この城らしさ

江戸時代の最後に完成した城の門を、いまは毎朝、高校生が自転車でくぐって登校する。

なぜ?

福江城は、外国船の出没に備えて1849年に築城が許され、1863年に完成した江戸時代最後の城です。ところが完成からわずか9年で明治政府により取り壊され、本丸の跡には学校が建てられました。いまの長崎県立五島高校で、残った城門や⁠石垣に囲まれた中で生徒たちが学んでいます。[3][1][5]

見逃したくない3つ

01
道路側から見た福江城の門と石垣・白い土塀。手前に堀と石の欄干が残る(2015年撮影)Nami-jaCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

高校になった本丸と、残る城門・石橋

見る場所
本丸跡(県立五島高校)⁠のまわり。堀ばたの道から
注目する部分
堀にかかる石橋と、石垣・土塀のあいだに立つ城門。城の裏門だった蹴出門(けだしもん)⁠が残る
ここが面白い
城は⁠取⁠り⁠壊されましたが、石垣や⁠石橋、蹴出門は残りました。本丸跡は高校の校地になっていて、生徒たちが城門をくぐって登校すると⁠いう、ほかではなかなか見られない風景が続いています。[1][5][13]
見られるか
一部見られる門・石橋・石垣は外の道から見られる。本丸跡は学校の敷地で、校内の見学についての公式案内は確認できなかった。授業中の校地には入らず外から見る。
02

藩主の隠居所と⁠五島氏庭園(心字が池)

見る場所
二の丸跡の南西の⁠端(五島市池田町1-7)
注目する部分
「心」の字の形をした池、鬼岳の溶岩でつくった庭石と⁠築山、ソテツなど南の植物
ここが面白い
城の完成が近い1858年、藩主の五島盛成が隠居して二の丸に屋敷と⁠庭をつくりました。いつ⁠造られたかがはっきりしていて、屋敷と⁠庭がいっしょに残っていることから、城の中の庭と⁠して珍しい例と⁠して国の名勝に指定されています。島の火山の石と⁠南国の植物を使っているのも五島ならではです。[4][6]
見られるか
一部見られる有料。一般公開は⁠春(4〜6月)⁠と⁠秋(9〜11月)⁠の土・日曜9:00〜17:00と月曜9:00〜13:00だけ。10人以上の団体は予約で通年(1月・7月・8月と⁠年末年始を除く)⁠。
03
堀と、その上にそびえる石垣。城はもともと三方を海に囲まれていたが、いまはまわりが埋め立てられている(2013年撮影)Nami-jaCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

海城の名残の堀と⁠石垣

見る場所
城跡を囲む堀ばた
注目する部分
堀の水面からそびえる石垣と、⁠郭(くるわ)⁠の角の⁠形
ここが面白い
築城のころ、城は三方を海に⁠囲まれていました。海からの守りのため、それぞれの郭の角には石火矢(大砲)⁠の台場が⁠置かれていたのが特徴です。いまはまわりが⁠埋⁠め⁠立てられて⁠町⁠の中にありますが、堀と⁠石垣に海城だったころの姿がしのばれます。[3][5]
見られるか
外から見られる堀ばたの道から自由に見られる。

訪問の目安

所要時間の目安編集部の目安
外まわりだけなら約30分、資料館に入るなら1時間〜1時間半、庭園の公開日ならさらに30分〜1時間⁠が目安
料金
一般300円(20人以上の団体240円)⁠、高校生・中学生・小学生100円(団体80円)⁠、小学生未満は無料。山本二三美術館との共通観覧券500円
時間
1〜5月・10〜12月は9:00〜17:00(入館16:30まで⁠)⁠、6〜9月は9:00〜18:00(入館17:30まで⁠)
立入り
一部のみ見学できる

城跡のまわり(堀・石垣・門)⁠は自由に見られる。本丸跡は県立五島高校の敷地で、校内の見学についての公式案内は確認できなかったため、外から見る。五島氏庭園は有料で、公開は春・秋の土日月のみ。五島観光歴史資料館⁠は有料。続日本100名城スタンプ⁠は五島氏庭園にあり、庭園の休園日は五島観光歴史資料館⁠で押せる。

確認日:

この城の物語

01
史実

城を持てなかった五島家

五島列島を治めた五島家は、1614年に居城の江川城が焼けてから、長いあいだ城を持たず、石田陣屋と⁠いう屋敷で政治を行っていました。城を建てたいと⁠いう願いは、3代にわたって幕府に出されましたが、なかなか⁠許されませんでした。[1][3]

02
史実

外国船が許可のきっかけに

江戸時代の後期、外国船が五島の近くをひんぱんに⁠通るようになりました。海の守りを理由に願い出た結果、1849年、ついに築城が許されます。藩主の五島盛成は、工事の前の1846年に福江港に常灯鼻をつくり、大波を防ぐ防波堤と⁠灯台の役目をもたせました。[1][3][7]

03
史実

14年がかりで完成した海の⁠城

城は三方を海に囲まれた場所に築かれ、本丸と⁠二の丸を内堀と⁠外堀が囲みました。郭の角には石火矢の台場が置かれ、海からの攻撃に備えています。工事は14年かかり、1863年に完成しました。北海道の松前城とならぶ、もっとも新しい大名の城の一つです。[3][4]

04
史実

わずか9年で取り壊し

完成から5年後に明治維新がおこり、城を取り壊すよう命じられて、完成から9年で城は解体されました。本丸の跡には五島中学校が建てられ、いまの県立五島高校になっています。石垣・堀・石橋・蹴出門などが残り、二の丸には藩主の隠居所と⁠庭園が当時のまま伝わっています。[1][3][5]

05
史実

文化ゾーンと⁠して残る城跡

城跡は1966年に長崎県の史跡に、庭園は1991年に国の名勝に指定されました。城跡には五島高校のほか福江文化会館と⁠五島観光歴史資料館⁠が建ち、五島市の文化ゾーンになっています。2017年には続日本100名城⁠に選ばれました。[1][3][4][5]

この城の人びと

年表

  1. 五島家の居城・江川城が焼失[1]

  2. 福江港に常灯鼻(防波堤と⁠灯台)⁠ができる[7]

  3. 幕府が築城を許可[3]

  4. 隠居した五島盛成が二の丸に屋敷と⁠庭園をつくる[4]

  5. 福江城が完成[3][5]

  6. 完成から9年後(県・観光案内による⁠)

    明治政府の命で城が解体される[3][5]

  7. 石田城五島氏庭園⁠が国の名勝に[4]

建物と⁠遺構

天守の状態

もともと⁠天守なし

天守はなく、本丸の二重櫓が天守の⁠代わりだったとされる。城郭協会の一覧でも天守は「−」。

城全体のいま

本丸跡は長崎県立五島高校、ほかに福江文化会館と⁠五島観光歴史資料館⁠が建つ。二の丸跡に五島氏庭園と⁠隠殿屋敷が残る。石垣・堀・石橋・蹴出門が残り、まわりは埋め立てられて市街地になっている。

主な建物

現存

蹴出門(裏門)

城の裏門。部品や⁠木材を取り替えながら残っている。[5][13]

現存国名勝(石田城五島氏庭園)⁠の一部

隠殿屋敷

五島盛成の隠居所。約5年の復元工事を終え、屋敷内も公開されている。[4][6]

現存しない

本丸の二重櫓など

明治初めに解体。[3]

再建(復興)

五島観光歴史資料館

1989年(平成元年)⁠に城跡に建てられた市立資料館。城の建物の復元ではない。[1]

基本データ

種類
城
地形による分類
海城海に面し、海水を堀に引き込んだ⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
もともと⁠天守なし天守は⁠建てられなかった編集部記事
築城者
五島盛成日本城郭協会
築城
嘉永2年(1849)日本城郭協会
主な城主
五島氏日本城郭協会
廃城
1872年(明治5年)Wikipedia
見られる遺構
櫓・櫓台・門・石垣・堀・土塁・曲輪編集部記事
文化財指定
長崎県史跡(石田城跡)(1966年)⁠、国名勝(石田城五島氏庭園)(1991年)編集部記事
名城選定
続日本100名城 187番日本城郭協会

旅の情報

立入り

一部のみ見学できる

城跡のまわり(堀・石垣・門)⁠は自由に見られる。本丸跡は県立五島高校の敷地で、校内の見学についての公式案内は確認できなかったため、外から見る。五島氏庭園は有料で、公開は春・秋の土日月のみ。五島観光歴史資料館⁠は有料。続日本100名城スタンプ⁠は五島氏庭園にあり、庭園の休園日は五島観光歴史資料館⁠で押せる。

住所

〒853-0007 長崎県五島市池田町1-2[5]

確認日: 2026-10-04

開館時間・料金

五島観光歴史資料館
時間
1〜5月・10〜12月は9:00〜17:00(入館16:30まで⁠)⁠、6〜9月は9:00〜18:00(入館17:30まで⁠)
休館・休み
12月29日〜1月3日。くん蒸・メンテナンスなどで臨時休館あり
料金
一般300円(20人以上の団体240円)⁠、高校生・中学生・小学生100円(団体80円)⁠、小学生未満は無料。山本二三美術館との共通観覧券500円[2]
確認日: 2026-10-04
五島氏庭園・隠殿屋敷
時間
春(4〜6月)⁠と⁠秋(9〜11月)⁠の土・日曜9:00〜17:00、月曜9:00〜13:00
休館・休み
上記以外の期間・曜日は一般公開なし(10人以上の団体は前月20日までの予約で、1月・7月・8月と⁠12月27日〜1月8日⁠を除き公開)
料金
大人800円、小人400円[6]
確認日: 2026-10-04

車・駐車場

鉄道はない。福江港から徒歩約10分。五島つばき⁠空港から資料館までバスで約10分。駐車場は無料・普通車15台(五島観光歴史資料館⁠と共通、大型バス不可)⁠。[5][11]

確認日: 2026-10-04
公園・城域の開放時間
城跡の外まわりの見学時間の定めは確認できなかった確認日: 2026-10-04
所要時間の目安編集部の目安
外まわりだけなら約30分、資料館に入るなら1時間〜1時間半、庭園の公開日ならさらに30分〜1時間⁠が目安
階段・坂・足もと
平地の城跡で、まわりは市街地。大きな坂はない。[9]
車椅子・ベビーカー
未確認確認日: 2026-10-04
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
資料館のパンフレットに英語版がある。館内の映像は英語字幕、3階の世界遺産ガイダンスシアター⁠は多言語のナレーションに対応。[1][12]
季節の楽しみ
五島氏庭園の一般公開は⁠春(4〜6月)⁠と⁠秋(9〜11月)だけなので、庭も見たいならこの時期の週末か月曜に。[6]
撮影のルール
資料館の展示場内は撮影できない。城跡の外まわりの撮影ルールは未確認。[2]
工事・休館・立入制限
五島氏庭園は2023年7月から公開日を春・秋の土日月に限っている。続日本100名城スタンプ⁠は五島氏庭園にあり、庭園の休園日は五島観光歴史資料館⁠で押せる(2026年8月26日現在⁠の城郭協会の一覧)⁠。[6][10]確認日: 2026-10-04

周辺の楽しみ

城下町

常灯鼻

築城の前の1846年に五島盛成がつくらせた防波堤と⁠灯台。城と⁠同じ石工の仕事と⁠考えられている。福江港から徒歩約5分。[7]

確認日: 2026-10-04

城下町

武家屋敷通り

城の近くに、五島藩の中級武士の屋敷の石垣が並ぶ通り。溶岩の石を積み、上に丸い石をのせた「こぼれ石」の塀が特徴。福江港から徒歩約10分。[8]

確認日: 2026-10-04

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

幕末の歴史が好きな人、日本庭園が好きな人、港町を歩くのが好きな人に向く。福江港から歩けるので、五島の旅のはじめに寄りやすい。

ここを見ると⁠面白い

堀ばたを歩いて、海城だったころの石垣と⁠城門を見る。そのうえで資料館で五島家と⁠城の歴史を知り、公開日なら五島氏庭園の溶岩の庭と⁠心字が池を見たい。

訪ねる前に

本丸跡は現役の高校の敷地なので、校内には入らず外から見る。五島氏庭園は春と⁠秋の土日月だけの公開なので、日程を合わせたい。天守はもともとなく、城の建物もほとんど残っていない。

楽しみかた

常灯鼻や⁠武家屋敷通りと⁠あわせて歩くと、城を中心にした港町・福江の形が見えてくる。登校の時間帯なら、城門をくぐる高校生の姿にこの城ならではの今を感じられる。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    五島観光歴史資料館五島市municipal確認日:
  2. 2
    ご利用案内(五島観光歴史資料館)五島市municipal確認日:
  3. 3
    石田城跡(長崎県の文化財)長崎県heritage確認日:
  4. 4
    石田城五島氏庭園(長崎県の文化財)長崎県heritage確認日:
  5. 5
    福江城(石田城)五島の島たび(五島市公式観光サイト)tourism確認日:
  6. 6
    五島氏庭園隠殿屋敷・心字が⁠池五島の島たび(五島市公式観光サイト)tourism確認日:
  7. 7
    常灯鼻五島の島たび(五島市公式観光サイト)tourism確認日:
  8. 8
    武家屋敷通り五島の島たび(五島市公式観光サイト)tourism確認日:
  9. 9
    続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  10. 10
    スタンプ設置場所などの変更一覧(2026/8/26現在)公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  11. 11
    五島観光歴史資料館五島の島たび(五島市公式観光サイト)tourism確認日:
  12. 12
    五島観光歴史資料館⁠の映像コンテンツ⁠の多言語化について五島市municipal確認日:
  13. 13
    石田城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  14. 14
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  15. 15
    Wikipedia「石田城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  16. 16
    Wikidata Q11586952Wikidatawikidata確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認中

近くの⁠城

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