掛川城天守(2018年3月中旬撮影)。1994年に木造で復元された、外観3層・内部4階の天守。
掛川市行政課(掛川市ウェブサイト)CC BY 4.0Wikimedia Commons

静岡県 · 掛川市

掛川城

かけがわじょう

Kakegawa Castle

静岡県掛川市

城平山城日本100名城 46番

この城らしさ

140年ぶりに木で建て直された天守の足もとに、江戸時代の御殿がそのまま残る。

なぜ?

掛川城の天守は1854年の安政の大地震で壊れ、建て直されないまま明治を迎えました。市民の熱意で1994年に木造で復元され、公式は日本初の「本格木造天守閣」と説明しています。そのすぐ下には、地震のあとに再建された御殿が残っていて、国の重要文化財になっています。[1][3][6]

見逃したくない3つ

01
掛川城天守(2018年3月中旬撮影)。1994年に木造で復元された、外観3層・内部4階の天守。掛川市行政課(掛川市ウェブサイト)CC BY 4.0Wikimedia Commons

1994年に木造で復元された天守

見る場所
本丸の北、天守丸の⁠上
注目する部分
外から見ると⁠3層、中は4階の造り。1・2階に比べて極端に小さい最上階の望楼と、東西の張り出しや⁠入口の付櫓
ここが面白い
天守本体は約12m×10mと大きくありませんが、張り出しや⁠付櫓で大きく複雑に見せています。最上階の望楼が小さいのは、建物の上に物見台を載せた初期の天守の⁠なごりと⁠公式は説明しています。真っ白な壁は京都の聚楽第、黒い廻縁は大坂城天守にならったと⁠考えられています。[1][4]
見られるか
外から見られる中に入れる(御殿と⁠共通の入館券。大人410円)⁠。年中無休。
02
掛川城御殿(2017年2月撮影)。安政の大地震のあと1855〜1861年に建て直された書院造りの御殿で、国の重要文化財。Asturio CantabrioCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

江戸時代から残る掛川城御殿

見る場所
天守の南東、二の⁠丸
注目する部分
7棟・約20部屋の書院造りの建物と、身分によって分かれていた入口
ここが面白い
城主の公邸と⁠藩の役所を兼ねた建物で、1854年の地震で倒れたあと⁠1855〜1861年⁠に建て直されました。城の御殿が残る例は全国で数か所しかないと⁠市は説明していて、1980年に国の重要文化財になりました。城主や⁠家老は式台玄関から、ほかの武士は東側から、足軽は北の土間から入りました。[3][7]
見られるか
外から見られる中に入れる(天守と⁠共通券)⁠。
03
本丸門の前の三日月堀(2017年2月撮影)。三日月の形をした堀で、もとは深さ8mあった。AraisyoheiCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

三日月堀と⁠霧吹井戸

見る場所
三日月堀は本丸門(四足門)⁠の前、霧吹井戸は天守台の⁠脇
注目する部分
三日月の形をした深い堀と、天守台のわきに残る井戸
ここが面白い
三日月堀はもと⁠深さ8mあり、調査で南側から石垣と⁠柱の穴が見つかりました。霧吹井戸には、徳川家康が今川氏真のこもる掛川城を攻めたとき、井戸から霧が出て城を隠し、⁠攻められなくなったという伝説があり、掛川城の別名「雲霧城」の由来と⁠されます。[6]
見られるか
外から見られる城跡公園の中から見られる。

訪問の目安

最寄り駅
JR掛川駅から徒歩約7分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
天守と⁠御殿を見て1時間〜1時間半⁠が目安
料金
大人(高校生以上⁠)410円、小中学生150円。20名以上の団体は大人320円・小中学生120円。障がい者手帳などを持つ人と⁠介護者1名は無料
時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで⁠)
立入り
自由に見学できる

掛川城公園は自由に歩ける。天守と⁠御殿は有料(共通券)⁠。太鼓櫓は外観のみ。日本100名城スタンプ⁠の場所は未確認。

確認日:

この城の物語

01
史実

今川氏が遠江に進むための⁠城

駿河の守護・今川氏は、西の遠江(いまの静岡県西部)⁠へ勢力を広げるため、家臣の朝比奈氏に城を築かせました。はじめの城は今より東に約500mの龍胴山にあり「掛川古城」と⁠呼ばれます。1500年代の初めに、いまの龍頭山に新しい掛川城が築かれました。[2]

02
史実

今川氏真が立てこもり、家康が開城させた

1560年に今川義元が桶狭間で討たれると、子の氏真は武田氏に駿河を追われ、1568年に掛川城へ立てこもりました。翌年、徳川家康が掛川城を攻め、半年にわたる攻防のすえ、和睦で城を開かせました。その後は家康の重臣・石川家成が入り、武田氏に備える拠点になりました。[2]

03
史実

山内一豊が天守を建てた

1590年に家康が関東へ移されると、豊臣秀吉の家臣・山内一豊が掛川城に入りました。一豊は城を大きく造り直して初めての天守を建て、大手門を建て、城下町の整備や⁠大井川の治水にも力を入れました。一豊がのちに移った土佐の高知城は、掛川城をまねて造られたとも伝わります。[2][6]

04
史実

大地震で天守が壊れ、御殿が残った

1854年の安政の大地震で天守など大半の建物が壊れました。御殿・太鼓櫓・蕗の門などは建て直されましたが、天守は再建されないまま1869年に廃城と⁠なりました。御殿はその後もいろいろな用途に使われて残り、1972〜1975年⁠の保存修理を経て1980年に国の重要文化財になりました。[1][3]

05
史実

市民の力で140年ぶりに木造天守

天守台や⁠本丸のあたりは長く都市公園になっていましたが、天守を建て直したいと⁠いう市民の熱意が実り、1994年4月⁠に天守が木造で復元されました。公式は「東海の名城」の美しさそのままに、日本初の「本格木造天守閣」として復元したと⁠説明しています。翌1995年には大手門も木造で復元されました。[1][2][7]

この城の人びと

年表

  1. 公式は1497〜1501年⁠に「掛川古城」を築き、1500年代初めに現在地へ移ったとする。城郭協会は1512年ごろ

    今川氏の命で朝比奈氏が城を築く[2][8]

  2. 徳川家康が半年の攻防のすえ和睦で開城させる[2]

  3. 山内一豊が入り、初めての天守を建てる[2]

  4. 安政の大地震で天守などが壊れる[1][3]

  5. 御殿の再建が終わる[3]

  6. 御殿が国の重要文化財になる[3]

  7. 天守が木造で復元される[1][6]

建物と⁠遺構

天守の状態

史料に基づく復元

1994年に木造で復元(城郭協会の表記は「望楼型三層四階木造(復元)⁠」)⁠。公式は日本初の「本格木造天守閣」とする。

城全体のいま

掛川城公園と⁠して整備され、木造復元の天守、江戸時代の御殿、太鼓櫓、復元の大手門・四足門、三日月堀などがある。明治以降、道路や⁠庁舎の建設で多くの遺構が失われた。

主な建物

木造で復元

天守

1854年に倒壊、1994年に木造で復元。[1]

現存国重要文化財

掛川城御殿

1855〜1861年⁠に再建された書院造りの御殿。7棟・約20部屋。[3]

移築して現存掛川市指定文化財

太鼓櫓

城下に時刻を知らせる大太鼓を納めた建物。もとは三の丸にあり、本丸へ移された。外観のみ見学。大太鼓は市の文化財で御殿に展示。[6][8][9]

木造で復元

大手門

1995年に木造で復元。もとの位置は約50m南。[7]

再建(復興)

四足門

門の跡は⁠見つからなかったが、正保城絵図をもとに復元。[6]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
史料に基づく復元図面・写真などの史料に基づいて復元された建物編集部記事
築城者
朝比奈泰煕・泰能、山内一豊日本城郭協会
築城
永正9年(1512)頃、天正18年(1590)日本城郭協会
主な城主
朝比奈氏、山内氏、松平氏、青山氏、本多氏、北条氏、井伊氏、小笠原氏、太田氏日本城郭協会
廃城
1871年(明治4年)Wikipedia
見られる遺構
曲輪・櫓・櫓台・門・石垣・土塁・堀・天守台編集部記事
文化財指定
国重要文化財(掛川城御殿)(1980年)⁠、掛川市指定文化財(太鼓櫓)編集部記事
名城選定
日本100名城 46番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

掛川城公園は自由に歩ける。天守と⁠御殿は有料(共通券)⁠。太鼓櫓は外観のみ。日本100名城スタンプ⁠の場所は未確認。

住所

〒436-0079 静岡県掛川市掛川1138-24[1][6]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR掛川駅JR東海道新幹線・東海道本線、天竜浜名湖鉄道

徒歩約7分 · 少⁠し登る

駅から徒歩7分。天守へは四足門から石段を上る。[5][6]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

天守閣・御殿
時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで⁠)
休館・休み
年中無休
料金
大人(高校生以上⁠)410円、小中学生150円。20名以上の団体は大人320円・小中学生120円。障がい者手帳などを持つ人と⁠介護者1名は無料[4][6]
確認日: 2026-10-03
二の丸茶室
時間
9:30〜17:00(入館は16:30まで⁠)
休館・休み
年中無休
料金
呈茶(煎茶または抹茶と⁠お菓子)大人510円・小中学生250円。庭の見学は無料[4]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

東名高速掛川ICから約10分。大手門駐車場(有料・約200台)⁠、掛川城公園駐車場(有料・58台、乗用車のみ)⁠。[5]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
未確認確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
天守と⁠御殿を見て1時間〜1時間半⁠が目安
階段・坂・足もと
天守は小高い天守丸の上にあり、四足門から石段を上る。[6][7]
車椅子・ベビーカー
未確認確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
御殿の敷地内(屋外)⁠にある[4]
英語案内・音声ガイド
公式サイトは自動翻訳の英語表示がある。館内の英語案内は未確認。[1]
季節の楽しみ
城のまわりに四季桜・しだれ桜・ソメイヨシノが約130本ある。天守はライトアップされる。[6]
撮影のルール
撮影の依頼は公式サイトの「各種撮影依頼」で受け付けている。館内の撮影ルールは未確認。[1]
工事・休館・立入制限
掛川祭のため、10月9日(金)18:00〜21:00と10月10日(土)⁠・11日(日)9:00〜21:00は城のまわりで大きな交通規制があり、車は城の北側から入る。[10]確認日: 2026-10-03

歩きかたの⁠例

市の散策コース「掛川城周辺・散策コース1」 180分

  1. 掛川城天守閣
  2. 掛川城御殿
  3. 二の丸茶室
  4. 二の丸美術館(徒歩3分)
  5. 大日本報徳社(徒歩3分)
  6. 竹の⁠丸(徒歩5分)
  7. 龍華院大猷院霊屋(徒歩5分)
  8. 大手門・大手門番所
  9. 三光稲荷(徒歩10分)
  10. 掛川駅「これっしか処」

掛川市の観光ページで紹介されている順路。区間の徒歩時間は市の表記による。全体の180分は、各施設の見学を含めた編集部の目安(市は合計時間を書いていない)⁠。

周辺の楽しみ

博物館

大日本報徳社

二宮尊徳の報徳思想を広める運動の中心と⁠して明治初期に設けられた団体の施設で、国の重要文化財。入館は大人300円。[4][7]

確認日: 2026-10-03

庭園

竹の⁠丸

天守や⁠本丸へ通じる道筋にあたり、家老など重臣の屋敷地だった場所。入館は大人100円。[4][7]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

木で建てた天守の中を歩きたい人、江戸時代の御殿の部屋の使い分けを見たい人、新幹線の途中で立ち寄りたい人に向く。駅から7分。

ここを見ると⁠面白い

天守は外から3層、中は4階と⁠いう違いと、小さな最上階に注目。そのあと⁠御殿へ回り、本物の江戸時代の建物と⁠復元した天守を見比べたい。三日月堀と⁠霧吹井戸もあわせて見ると、城の守りと⁠伝説の両方が分かる。

訪ねる前に

天守は1994年の木造復元で、江戸時代から残るのは御殿と⁠太鼓櫓など。天守と⁠御殿は共通券で、年中無休。10月の掛川祭の期間は城のまわりで交通規制がある。

楽しみかた

春は四季桜や⁠ソメイヨシノの花ごしに天守を眺められる。二の丸茶室で天守を眺めながらお茶を飲むのもよい。

訪問者レビュー

レビュー募集中

この城を訪ねた方の声を募集しています。

レビューを書く
評価

体験に基づかない投稿・宣伝・個人情報を含む投稿は公開しません。

異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    掛川城天守閣掛川城(掛川城公園管理事務所)official確認日:
  2. 2
    掛川城の歴史掛川城(掛川城公園管理事務所)official確認日:
  3. 3
    掛川城御殿掛川城(掛川城公園管理事務所)official確認日:
  4. 4
    ご利用案内掛川城(掛川城公園管理事務所)official確認日:
  5. 5
    アクセス掛川城(掛川城公園管理事務所)official確認日:
  6. 6
    掛川城(観光スポット)掛川市municipal確認日:
  7. 7
    掛川城周辺・散策コース1掛川市municipal確認日:
  8. 8
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  9. 9
    掛川城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  10. 10
    【お⁠知らせ】掛川祭⁠に伴う掛川城周辺の大規模交通規制⁠について掛川城(公式note)official確認日:
  11. 11
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  12. 12
    Wikipedia「掛川城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  13. 13
    Wikidata Q2969457Wikidatawikidata確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

現地の変化や⁠誤り、使ってよい写真をご存じでしたらお知らせください。

情報の訂正・写真の提供