川越城本丸御殿の全景(2024年2月撮影)。中央の唐破風の玄関と、左右に広がる大広間部分の大屋根。
MaedaAkihikoCC0Wikimedia Commons

埼玉県 · 川越市

川越城

かわごえじょう

Kawagoe Castle

埼玉県川越市

城平山城日本100名城 23番

この城らしさ

天守はないかわりに、大名の御殿の玄関と⁠大広間が江戸時代から残っている。

なぜ?

川越城の本丸御殿は1848年、藩主・松平斉典のときに完成しました。もとは16棟もある大きな御殿でしたが、明治になって少しずつ取り壊され、玄関と⁠大広間の部分だけが残りました。川越市は、城の本丸御殿が残るのは国内で2例だけと⁠説明しています。[3][4]

見逃したくない3つ

01
本丸御殿の玄関。大きな唐破風の屋根と式台を備えた正面(2019年6月撮影)。吳柏霆CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

唐破風の玄関と⁠36畳の大広間

見る場所
本丸御殿(初雁公園の東、郭町2丁目)
注目する部分
大きな唐破風(からはふ。中央が盛り上がった曲線の屋根)⁠の玄関、両側の櫛形塀、玄関を上がってすぐの大広間と、幅3間(約5.5m)⁠の床の⁠間
ここが面白い
正面の幅は19間(約35m)ある横長の大きな建物で、玄関には式台が⁠設けられています。36畳の大広間は、城の御殿らしい格式と⁠豪壮さをもっとも強く感じさせる部屋と⁠川越市は説明しています。埼玉県の有形文化財です。[3][1]
見られるか
外から見られる有料(一般100円)⁠。月曜・第4金曜・年末年始は休館。
02

全国でも珍しい家老詰所

見る場所
本丸御殿の⁠奥(御殿につながって建つ)
注目する部分
床の⁠間付きの10畳の主座敷と⁠8畳の次の間、1間ごとに立つ5寸(約15cm)角の⁠柱
ここが面白い
藩の政治を実際に支えた家老たちの部屋です。明治5年に近くの村へ払い下げられていたものを、1988年度にこの場所へ移して復元しました。家老の居室が残るのは全国的に珍しいと⁠市は説明しています。もとの場所より約40m東にずらして、御殿につなげて建てています。[3]
見られるか
外から見られる本丸御殿の入館料で見学できる。
03

城内に唯一残る中ノ門堀跡

見る場所
郭町1丁目8-6。蔵造りの通りから博物館・本丸御殿へ向かう途中
注目する部分
深さ7m・幅18mの堀の両側で勾配が違うこと⁠(西大手門側30度、本丸側60度)
ここが面白い
1639年に城主になった松平信綱の大改修でつくられたと⁠考えられる堀で、西大手門から本丸へ向かう敵をはばむためのものでした。発掘をもとに、つくられた当初の勾配が復元されています。西から来た敵には、堀の向こう側が壁のように見えたはずだと⁠観光協会は紹介しています。[5][8]
見られるか
外から見られる9:00〜17:00に見学広場から見られる(無料)⁠。年末年始は休園。

訪問の目安

最寄り駅
川越駅・本川越駅(バス利用)から
登り
登りなし
所要時間の目安編集部の目安
本丸御殿と⁠富士見櫓跡・三芳野神社・中ノ門堀跡をめぐって1時間半ほど。博物館も見るなら2時間半が目安
料金
一般100円、高校生・大学生50円、中学生以下無料(20人以上の団体は80円・40円)⁠。博物館・美術館・川越まつり会館との共通入館券あり
時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで⁠)
立入り
一部のみ見学できる

本丸御殿は有料で見学できる。城あとの多くは市街地・学校などで、遺構は点在している。日本100名城スタンプ⁠は開館日の9:00〜17:00は本丸御殿、休館日は初雁公園休憩所⁠にあり、年末年始は市役所当直室(本庁舎地下1階)⁠に置かれる。

確認日:

この城の物語

01
研究上の解釈

武蔵の真ん中、河越に城を

1454年に始まった関東の争乱のなか、相模を拠点と⁠する扇谷上杉氏の上杉持朝は、南関東の支配を固めるため、武蔵国の中央にあたる河越の地に城を築いたと⁠考えられています。[4]

02
史実

太田道真・道灌親子が1457年に築く

川越城は1457年、上杉持朝の命を受けた家臣の太田道真・道灌親子らが築いたのが始まりと⁠されます。その後約80年間、扇谷上杉氏6代⁠の居城になりました。このころの城は、四角く堀をめぐらせた館がいくつか集まった形だったと⁠考えられています。[4][2]

03
史実

河越夜戦と⁠北条氏の時代

1537年、小田原の北条氏綱が河越城を攻め取りました。1546年には、俗に「河越夜戦」と⁠呼ばれる戦いで、両上杉氏と⁠古河公方の反撃を退けています。それから50年あまり、河越城は北条氏の武蔵支配を支える小田原城の支城になり、1590年に徳川家康が江戸に入るまで重要な役割を果たしました。[4]

04
史実

江戸の北の守り、老中たちの⁠城

江戸時代の川越城は江戸の北の守りと⁠して重く見られ、幕府の大老や⁠老中などをつとめる親藩・譜代の大名8家21人⁠が城主になりました。1639年に城主と⁠なった松平信綱は城を大きく改修し、最も広い時の城域は約32万6,000平方メートル⁠に広がりました。天守はなく、富士見櫓が天守のかわりだったと⁠観光協会は紹介しています。[4][5][8]

05
史実

明治に壊され、御殿の一部が残る

明治になると⁠城の建物は取り壊され、堀も埋め立てられて、城あとは住宅地や⁠公共施設に⁠変わっていきました。いま残るのは、本丸御殿の玄関と⁠大広間、家老詰所、三芳野神社、土塁の一部、富士見櫓跡、⁠中⁠ノ門堀跡などわずかです。[4][5][6]

06
史実

県の史跡と⁠初雁公園の整備

川越城跡は1925年に埼玉県の史跡になり、本丸御殿は1967年に県の有形文化財になりました(家老詰所は1991年に追加)⁠。家老詰所は1988年度に移築復元され、中ノ門堀跡は2008〜2009年度⁠に整備されました。本丸にあたる初雁公園について、市は2019年に「歴史が人を結ぶ公園」をテーマと⁠する基本計画をまとめ、整備を進めています。[3][4][5][6]

この城の人びと

年表

  1. 太田道真・道灌親子らが築城したとされる[4]

  2. 河越夜戦で北条氏が両上杉氏らを退ける[4]

  3. 松平信綱が城主と⁠なり大改修[5]

  4. 松平斉典のとき本丸御殿が完成[3]

  5. 埼玉県の史跡に指定[4]

  6. 本丸御殿が県の有形文化財に(1991年に家老詰所を追加)[3]

  7. 中ノ門堀跡の整備が終わる(2008〜2009年度)[5]

建物と⁠遺構

天守の状態

もともと⁠天守なし

天守はなく、富士見櫓が天守のかわりだったと⁠観光協会は紹介している。富士見櫓は跡だけが残る。

城全体のいま

城あとの大部分は市街地・学校・公共施設になっている。本丸には本丸御殿と⁠初雁公園があり、近くに川越市立博物館・美術館が建つ。県史跡の範囲は約33ha。

主な建物

現存埼玉県指定有形文化財

本丸御殿(玄関・大広間)

1848年完成。もとは16棟。玄関と⁠大広間の部分が残る。[3]

移築して現存埼玉県指定有形文化財(1991年追加指定)

家老詰所

1872年に払い下げ。1988年度に城内へ移築復元(もとの位置から約40m東)⁠。[3]

跡地のみ

富士見櫓

櫓台の跡が残る。[4][8]

跡地のみ

中ノ門堀跡

城内に残る唯一の堀跡。発掘に基づき当初の勾配を復元。土塀・冠木門は雰囲気づくりのため新たに設置。[5]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
もともと⁠天守なし天守は⁠建てられなかった編集部記事
築城者
−日本城郭協会
築城
長禄元年(1457)⁠、承応2年(1653)⁠頃日本城郭協会
主な城主
太田道真・道灌、松平信綱・輝綱日本城郭協会
廃城
1869年(明治2年)Wikipedia
見られる遺構
堀・土塁・櫓・櫓台編集部記事
文化財指定
埼玉県指定史跡(川越城跡)(1925年)⁠、埼玉県指定有形文化財(川越城本丸御殿及⁠び家老詰所)(1967年)編集部記事
名城選定
日本100名城 23番日本城郭協会

旅の情報

立入り

一部のみ見学できる

本丸御殿は有料で見学できる。城あとの多くは市街地・学校などで、遺構は点在している。日本100名城スタンプ⁠は開館日の9:00〜17:00は本丸御殿、休館日は初雁公園休憩所⁠にあり、年末年始は市役所当直室(本庁舎地下1階)⁠に置かれる。

住所

埼玉県川越市郭町2-13-1(川越城本丸御殿)[1]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

川越駅・本川越駅(バス利用)東武東上線・JR川越線(川越駅)⁠、西武新宿線(本川越駅)

登りなし

東武バス(蔵のまち経由)⁠で「札の辻」下車、徒歩約10分。小江戸巡回バス(イーグルバス)⁠の「博物館・美術館前」、小江戸名所めぐりバス(東武バス)⁠・シャトルバスの「博物館前」からは徒歩1分。駅からの徒歩時間は公式に記載がない。[1]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

川越城本丸御殿
時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで⁠)
休館・休み
月曜(休日の場合は翌日)⁠、第4金曜(休日を除く⁠)⁠、12月29日〜1月3日。2026年10月⁠の休館日は5日・13日・19日・23日・26日
料金
一般100円、高校生・大学生50円、中学生以下無料(20人以上の団体は80円・40円)⁠。博物館・美術館・川越まつり会館との共通入館券あり[1][10]
確認日: 2026-10-03
川越市立博物館
時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで⁠)
休館・休み
月曜(休日の場合は翌日)⁠、第4金曜(休日を除く⁠)⁠、年末年始
料金
一般200円、大学生・高校生100円、中学生以下無料[7]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

駐車場はとなりの市立美術館の北側で約20台。初雁公園の整備で台数が減っているため、公共交通機関の利用が求められている。障害者用駐車場⁠は美術館に8台。[1]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
中ノ門堀跡は9:00〜17:00(年末年始休園)⁠。初雁公園の開園時間は未確認[5]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
本丸御殿と⁠富士見櫓跡・三芳野神社・中ノ門堀跡をめぐって1時間半ほど。博物館も見るなら2時間半が目安
階段・坂・足もと
城あとはほぼ平らな市街地。[4]
車椅子・ベビーカー
本丸御殿のバリアフリー状況⁠は市のページにアイコンで示されている(詳細は未確認)⁠。博物館はスロープ・自動ドア・車いす貸出・⁠車いす⁠用トイレあり。障害者用駐車場⁠は美術館に8台。[1][7]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
博物館に⁠車いす⁠用トイレあり。本丸御殿は未確認。[7]
英語案内・音声ガイド
未確認
季節の楽しみ
川越まつり(川越氷川祭)⁠は毎年10月第3土・日曜に行われ、城下町がにぎわう。祭りは1648年に城主松平信綱が祭具を寄進したことに始まると⁠される。[8]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
初雁公園の整備のため本丸御殿の駐車場の台数が減っている。2026年は10月17日・18日が川越まつりの日程にあたり(10月第3土・日曜)⁠、周辺が混雑すると⁠見込まれる。[1][8]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

体験

三芳野神社

川越城内の鎮守と⁠して1624年に再建されたと⁠伝わる「お城の天神さま」。城内の細い参道が、わらべうた「通りゃんせ」の発祥の地と⁠いわれる。本丸御殿のすぐ近く。[8]

確認日: 2026-10-03

博物館

川越市立博物館

本丸御殿の近くにある市立の博物館。川越の歴史を紹介している。一般200円、月曜・第4金曜休館。[7]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

天守や⁠石垣より、大名の暮らしや⁠藩の政治の場をのぞいてみたい人に向く。蔵造りの町並みと⁠一緒に歩けるので、川越観光のついでにも立ち寄りやすい。

ここを見ると⁠面白い

まず唐破風の玄関と⁠36畳の大広間で御殿の格式を感じ、次に家老詰所で藩の実務の場を見る。外に出たら中ノ門堀跡で、両岸の傾きが違う堀の守りのしかけを確かめたい。

訪ねる前に

残っているのは御殿のごく一部で、城あとの多くは市街地になっている。家老詰所は明治に払い下げられたものを移して戻した建物。月曜と⁠第4金曜は休館なので注意。

楽しみかた

蔵造りの一番街から中ノ門堀跡、本丸御殿、三芳野神社、富士見櫓跡と⁠歩くと、城下町から城の中心へ入っていく順路をたどれる。共通入館券で博物館もあわせて見ると⁠よい。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    開館時間・入館料金・休館日(川越城本丸御殿)川越市立博物館municipal確認日:
  2. 2
    川越城本丸御殿とは川越市立博物館municipal確認日:
  3. 3
    県指定有形文化財川越城本丸御殿及⁠び家老詰所川越市municipal確認日:
  4. 4
    県指定記念物川越城跡川越市municipal確認日:
  5. 5
    川越城中⁠ノ門堀跡川越市municipal確認日:
  6. 6
    川越市初雁公園基本計画⁠を策定しました川越市municipal確認日:
  7. 7
    市立博物館基本情報(所在地・入館料・休館日ほか⁠)川越市立博物館municipal確認日:
  8. 8
    城下町・川越歴史めぐりコース小江戸川越観光協会tourism確認日:
  9. 9
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  10. 10
    本丸御殿休館日情報川越市立博物館municipal確認日:
  11. 11
    日本100名城スタンプ(19 川越城)設置場所川越市立博物館municipal確認日:
  12. 12
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  13. 13
    Wikipedia「川越城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  14. 14
    Wikidata Q1073688Wikidatawikidata確認日:
  15. 15
    OpenStreetMap way/59324350© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

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  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
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  6. 訪問情報を確認確認済み

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