懐古園の入口に立つ三之門(2017年8月撮影)。1742年の大洪水で流されたあと、1765〜66年ごろに建て直された国の重要文化財。正面の「懐古園」の額は徳川家達の筆。
Asturio CantabrioCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

長野県 · 小諸市

小諸城

こもろじょう

Komoro Castle

長野県小諸市

城平山城日本100名城 26番

この城らしさ

城へ向かうのに坂を上らず、町から下っていく「穴城」。

なぜ?

ふつう城は町より高い場所に建ちますが、小諸城は城下町より低い場所にあります。浅間山のふもとの深い谷を空堀にし、西側は千曲川の崖で守るつくりです。こうした「穴城」は日本でここだけと⁠いわれています。[5][11]

見逃したくない3つ

01
懐古園の入口に立つ三之門(2017年8月撮影)。1742年の大洪水で流されたあと、1765〜66年ごろに建て直された国の重要文化財。正面の「懐古園」の額は徳川家達の筆。Asturio CantabrioCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

懐古園の入口に立つ三之門

見る場所
懐古園の入口。小諸駅から歩いてすぐ
注目する部分
2階建ての門が両側の石垣に渡されている形、左右の塀の矢や⁠鉄砲を撃つ小窓(狭間)⁠、正面の「懐古園」の⁠額
ここが面白い
1742年の大洪水「戌の満水」で流され、1765〜66年ごろに建て直された門で、国の重要文化財です。両側の石垣は、自然石を積んだ本丸の石垣と⁠違い、形を整えた石をすき間なく積んだ「切込みはぎ」。額の字は徳川宗家を⁠継いだ徳川家達⁠が書きました。[3][7]
見られるか
外から見られる外から自由に見られる。門をくぐると⁠有料区域。
02
本丸の北西の隅に残る天守台の石垣(2014年7月撮影)。自然の石をそのまま積んだ野面積み。天守は1626年に落雷で焼け、再建されなかった。shikabane taroCC BY 3.0Wikimedia Commons

野面積みの天守台

見る場所
本丸の北西の⁠隅
注目する部分
本丸の石垣より一段高く、ひとまわり大きな自然の石をそのまま積み上げた石垣
ここが面白い
ここには仙石秀久の時代に、金箔の瓦をのせた3重の天守があったと⁠いわれます。天守は寛永のはじめ(1626年)⁠に落雷で焼け、幕府の許しが出ず再建されませんでした。いまは石垣だけが残っています。[6][11][15]
見られるか
外から見られる懐古園の有料区域内。
03
小諸駅の東側に残る大手門(2017年8月撮影)。1612年に仙石秀久が建てた城の正門で、国の重要文化財。保存修理で江戸時代の姿に戻された。さかおりCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

線路の向こうに残る大手門

見る場所
小諸駅の東側の大手門公園。懐古園とは駅と⁠線路をはさんだ反対側
注目する部分
飾りの少ない太い柱と⁠大きな入母屋屋根の2階建ての⁠門
ここが面白い
1612年に仙石秀久が建てた城の正門で、当時はめずらしい⁠瓦ぶきだったので「瓦門」とも呼ばれたと⁠伝わります。明治以降は料亭や⁠小諸義塾の仮校舎と⁠して使われ、のちに市へ寄贈されて江戸時代の姿に修理されました。国の重要文化財です。[4][8][9][14]
見られるか
一部見られる門は終日開いていて自由に見られる。2階の中は決まった日だけ公開(10:00〜15:00、無料)⁠。

訪問の目安

最寄り駅
小諸駅から徒歩約3分
登り
未確認
所要時間の目安編集部の目安
園内をひと⁠回りするなら1時間ほど、資料館や⁠記念館にも入るなら2時間ほど。大手門までは駅をはさんで歩いて数分
料金
散策券高校生以上300円・小中学生100円。共通券(散策・動物園・徴古館・藤村記念館・小山敬三美術館・小諸義塾記念館)高校生以上500円・小中学生200円(20名以上の団体は400円・150円)⁠。未就学児は保護者同伴で無料
時間
公園 9:00〜17:00。徴古館・藤村記念館・小山敬三美術館⁠は4〜11月 9:00〜17:00、12〜3月 9:00〜16:30(最終入館16:00)
立入り
自由に見学できる

三之門から内側の懐古園は有料(散策券または共通券)⁠。大手門は懐古園の外にあり、門は終日開いている。酔月料金所からは階段があるため車いすで入れない。

確認日:

この城の物語

01
史実

町より低い「穴城」

小諸城は、浅間山から千曲川へ下る土地の形をそのまま生かした城です。浅間山の噴火でできた土地が川にけずられた深い⁠谷(田切地形)⁠を空堀にし、西は千曲川の崖で守ります。そのため城は城下町より低い位置になり、「穴城」と⁠呼ばれます。[5][11][15]

02
伝承

武田信玄が形をつくった

もとは室町・戦国時代の大井氏の城がありました。1554年に甲斐の武田信玄が小諸を手に入れ、この地を重く見て、家臣の山本勘助と⁠馬場信房に新しい縄張り(城の設計)⁠をさせたと⁠小諸市は説明しています。これが小諸城の原型です。[5]

03
史実

仙石秀久が石垣の城に

1590年、豊臣秀吉の天下統一のあと、仙石秀久が5万石で小諸に入りました。秀久は城を大きく作り直し、二の丸・黒門・大手門を建て、子の忠政が三之門などを建てました。いまに残る石垣の多くはこの時代のものです。1600年には、上田城の真田氏を攻める徳川秀忠の軍がこの城の二の丸に陣を置きました。[5][6][13]

04
史実

牧野氏が170年治めた

仙石氏が1622年に上田へ移ったあと、城主は何度も替わり、領地も5万石から⁠小さくなりました。1702年に越後から牧野康重が入ると、明治まで約170年、牧野氏10代がこの城を治めました。[5][10]

05
史実

建物は売られ、2つの門が残った

明治になって城の土地と⁠建物は売りに出され、御殿や⁠門のほとんどは解体されたり⁠移されたりしました。それでも大手門と⁠三之門は元の場所に残りました。本丸の黒門は市内の正眼院の山門と⁠して移され、いまも見られます。天守は江戸時代のはじめに落雷で焼けていて、天守台の石垣だけが残っています。[10][12][6]

06
史実

元藩士が守り、公園「懐古園」に

城が荒れるのを心配した元小諸藩士たちが三之門から内側を買い取り、1880年に本丸跡に懐古神社をまつって「懐古園」と⁠名づけました。1926年には日比谷公園などを手がけた本多静六の設計で公園に生まれ変わりました。大手門は平成に市へ寄贈され、保存修理で江戸時代の姿に戻されています。[5][10][12][9]

この城の人びと

年表

  1. 武田信玄が小諸を手に入れ、城を整備させる[5]

  2. 仙石秀久が5万石で入り、大改修を始める[5]

  3. 大手門が建てられる[4][14]

  4. 落雷で天守が焼ける(再建されず⁠)[6][15]

  5. 牧野康重が入り、以後明治まで牧野氏が治める[5][10]

  6. 元藩士が本丸跡に懐古神社をまつり「懐古園」と⁠名づける[5][10]

  7. 大手門と⁠三之門が国の重要文化財に[3][4]

建物と⁠遺構

天守の状態

天守は失われた

仙石秀久の時代に3重の天守があったと⁠いわれるが、1626年に落雷で焼け、再建されなかった。天守台の石垣が残る(城郭協会の表現は「天守台のみ残る」)⁠。

城全体のいま

三之門から内側が市営の公園「小諸城址懐古園」(有料)⁠。本丸跡に懐古神社があり、園内に動物園・遊園地・美術館・記念館がある。大手門は小諸駅の反対側の大手門公園にあり、城跡は鉄道で分断されている。本丸跡の土地はいまも旧藩士の子孫が持っている。

主な建物

現存国重要文化財

大手門

1612年の建築。明治以降は民間で使われ、平成に市へ寄贈。保存修理で江戸時代の姿に。2階は決まった日に公開。[4][8][14]

現存国重要文化財

三之門

1742年の洪水で流され、1765〜66年ごろ再建。いまの寄棟造・瓦ぶきの屋根は明治中ごろの改築と⁠考えられている。懐古神社の所有。[3][7]

現存しない

天守

1626年に落雷で焼失。天守台の石垣のみ残る。[6][15]

移築して現存

黒門

本丸御殿の入口の門。明治に正眼院へ移され、山門と⁠して残る。園内には礎石が残る。[12][10]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
天守は失われた天守はあったが、今は残っていない(天守台などが残る場合がある⁠)編集部記事
築城者
武田信玄、仙石秀久日本城郭協会
築城
天文23年(1554)⁠、慶長末期(1614~15)日本城郭協会
主な城主
武田氏、仙石氏、徳川氏、松平(久松)氏、青山氏、酒井氏、西尾氏、石川氏、牧野氏日本城郭協会
廃城
1873年 (明治6年)Wikipedia
見られる遺構
門・天守台・石垣・堀・曲輪編集部記事
文化財指定
国重要文化財(大手門・三之門)(1993年)⁠、小諸市名勝(小諸城址懐古園)(2019年)編集部記事
名城選定
日本100名城 26番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

三之門から内側の懐古園は有料(散策券または共通券)⁠。大手門は懐古園の外にあり、門は終日開いている。酔月料金所からは階段があるため車いすで入れない。

住所

〒384-0804 長野県小諸市丁311(懐古園事務所)[2][12]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

小諸駅JR小海線・しなの鉄道

徒歩約3分 · 未確認

駅から懐古園まで徒歩3分。大手門は駅の反対側(東側)⁠にある。北陸新幹線の佐久平駅・軽井沢駅から⁠乗⁠り⁠換えて⁠行ける。[16][11]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

小諸城址懐古園(園内散策・資料館など⁠)
時間
公園 9:00〜17:00。徴古館・藤村記念館・小山敬三美術館⁠は4〜11月 9:00〜17:00、12〜3月 9:00〜16:30(最終入館16:00)
休館・休み
11月30日までは無休。12月〜3月第2週⁠は水曜休園。12月29日〜1月3日
料金
散策券高校生以上300円・小中学生100円。共通券(散策・動物園・徴古館・藤村記念館・小山敬三美術館・小諸義塾記念館)高校生以上500円・小中学生200円(20名以上の団体は400円・150円)⁠。未就学児は保護者同伴で無料[2]
確認日: 2026-10-03
大手門 2階の特別公開
時間
10:00〜15:00(公開日のみ⁠)
休館・休み
2026年度の公開日は10月が土日祝と⁠26〜30日、11月が1〜15日と⁠21〜23日など(こもろ観光局の案内で確認)
料金
無料[8]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

上信越自動車道小諸ICから。懐古園の駐車場は普通車500円・大型車1,500円・二輪車200円(12時間ごと)⁠。紅葉まつり期間(2026年10月24日〜11月23日)⁠の土日祝は第2・第3駐車場も有料(普通車500円)⁠。[2][16]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
9:00〜17:00[2]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
園内をひと⁠回りするなら1時間ほど、資料館や⁠記念館にも入るなら2時間ほど。大手門までは駅をはさんで歩いて数分
階段・坂・足もと
城は城下町より低い位置にあり、城内は谷や⁠石垣で区切られていて坂や⁠石段がある。酔月橋には階段がある。[11][12]
車椅子・ベビーカー
酔月料金所からは車いすで入れない(酔月橋に階段)⁠。多目的トイレがあり、オストメイト対応トイレ⁠は懐古園事務所横。[12]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
多目的トイレはさわやかふれあい⁠館(無料休憩所)⁠・懐古園事務所横・藤村記念館横・大平山(馬場)⁠・児童遊園地にある。第2駐車場横のトイレは使用できない。馬場大平山のトイレは多目的トイレ以外⁠は和式のみ。[12]
英語案内・音声ガイド
こもろ観光局のサイトに英語の見出しがある程度で、英語の案内ページや⁠現地の英語表示は未確認。[11]
季節の楽しみ
日本さくら名所100選。春は「桜まつり」(2026年は4月1日〜25日)⁠、秋は「紅葉まつり」(2026年10月24日〜11月23日)⁠。[11][2]
撮影のルール
未確認。なお、ペットは懐古園内は入れるが、動物園・遊園地は不可(こもろ観光局)⁠。[11]
工事・休館・立入制限
紅葉まつり開催中⁠は第2・第3駐車場が土日祝に有料。大手門2階の公開は日が限られる。[2][8]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

博物館

藤村記念館

懐古園内にある、小諸で教師をしていた島崎藤村の作品や⁠資料を展示する記念館。建物は谷口吉郎の設計。懐古園の共通券で入れる。[17]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

地形を使った城の守りが好きな人、天守がなくても石垣と⁠門でじっくり見たい人、紅葉や⁠桜の名所を歩きたい人に向く。駅から3分なので、軽井沢や⁠佐久平からの寄り道にもなる。

ここを見ると⁠面白い

三之門をくぐって本丸へ向かうと、道が下っていく「穴城」の感覚が分かる。深い谷の空堀、天守台の野面積み、西の端の水の手展望台から見下ろす千曲川⁠も見ておきたい。帰りに駅の反対側の大手門も忘れずに。

訪ねる前に

懐古園は有料で、12月から3月中旬は水曜休み。大手門は懐古園とは別の場所にある。天守は江戸時代のはじめに焼けていて、建物と⁠しては2つの門が見どころになる。

楽しみかた

園内には島崎藤村の詩碑や⁠記念館もあり、城と⁠文学を一緒に楽しめる。秋の紅葉まつりの時期は、夜に灯ろうで飾られた三之門や⁠大手門が見られることもある。

訪問者レビュー

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評価

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  2. 2
    小諸城址懐古園利用案内小諸市municipal確認日:
  3. 3
    小諸城三之門小諸市教育委員会municipal確認日:
  4. 4
    小諸城大手門小諸市municipal確認日:
  5. 5
    懐古園の歴史小諸市municipal確認日:
  6. 6
    天守台こもろ観光局tourism確認日:
  7. 7
    三の⁠門(国・重要文化財)こもろ観光局tourism確認日:
  8. 8
    小諸城大手門 2026年度一般公開日のお知らせこもろ観光局tourism確認日:
  9. 9
    大手門公園(概要)小諸市municipal確認日:
  10. 10
    小諸城から懐古園へこもろ観光局tourism確認日:
  11. 11
    小諸城の歴史 / 小諸城址・懐古園こもろ観光局tourism確認日:
  12. 12
    懐古園マップ(園内マップ)小諸市municipal確認日:
  13. 13
    二の丸跡こもろ観光局tourism確認日:
  14. 14
    小諸城大手門(文化遺産オンライン)文化庁heritage確認日:
  15. 15
    小諸城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  16. 16
    懐古園サイト(アクセス)小諸市municipal確認日:
  17. 17
    藤村記念館施設⁠のご案内小諸市municipal確認日:
  18. 18
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  19. 19
    Wikipedia「小諸城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  20. 20
    Wikidata Q1197137Wikidatawikidata確認日:
  21. 21
    OpenStreetMap node/1948692341© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
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  6. 訪問情報を確認確認済み

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