本丸から見上げる国宝の天守(2015年3月撮影)。1611年ごろに完成し、江戸時代から残る現存天守。手前の低い建物が入口の附櫓。
663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

島根県 · 松江市

松江城

まつえじょう

Matsue Castle

島根県松江市

城平山城日本100名城 64番

この城らしさ

「慶長十六年正月」と書かれた2枚のお札が見つかったことで、この天守は国宝になった。

なぜ?

松江城の天守は江戸時代から残る現存天守ですが、いつ完成したかをはっきり⁠示⁠す資料⁠がなく、長く国宝になれませんでした。2012年に松江神社で「慶長十六年正月吉祥日」と書かれた祈祷札が見つかり、完成の時期が確かめられたことが決め手と⁠なって、2015年に国宝に指定されました。この祈祷札も国宝の⁠附(つけたり)⁠として一緒に指定されています。[10][14]

見逃したくない3つ

01
天守の入口にあたる附櫓と、黒い板張りの壁(2017年2月撮影)。附櫓を通らないと天守に入れない。redlegsfan21CC BY-SA 2.0Wikimedia Commons

附櫓から入る黒い天守

見る場所
本丸の天守。南側に張り出した入口の附櫓
注目する部分
黒い板張りの壁、入口をふさぐように付いた附櫓、2階から下へ開いた石落とし
ここが面白い
天守に別の櫓がくっついた「複合式」で、附櫓を通らないと⁠天守に入れないため、敵が入りにくいつくりです。1611年ごろ完成した天守は、全国に12しかない現存天守の一つで、彦根城・姫路城などと⁠並ぶ国宝です。[1][14]
見られるか
外から見られる外観は本丸からいつでも見られる(本丸は入場無料、開門時間あり)⁠。天守の中は有料。
02
天守の内部(2016年10月撮影)。太い柱や梁が江戸時代のまま残る。内部は左側通行。G41rn8CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

江戸時代の柱と⁠急な階段が残る天守の内部

見る場所
天守の⁠中(地下1階から5階まで⁠)
注目する部分
太い柱や梁、急な木の階段、地下に残る井戸
ここが面白い
現存天守なので、中の木組みは江戸時代のものがそのまま残っています。外から見ると⁠4重ですが中は5階と⁠地下1階があり、地下には井戸もあります。天守の中にはエレベーターもトイレもなく、靴を脱いで袋に入れて上ります。[1][2][3][14]
見られるか
外から見られる天守入場料が必要。階段が急なので足もとに注意。
03
本丸から見上げる国宝の天守(2015年3月撮影)。1611年ごろに完成し、江戸時代から残る現存天守。手前の低い建物が入口の附櫓。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

屋根の上の大きな⁠鯱

見る場所
天守の最上部の屋根の両端
注目する部分
左右で大きさが違う一対の⁠鯱
ここが面白い
鯱は、火事のときに口から水を吹いて建物を守ると⁠言われた魔よけです。松江城の鯱は左右で大きさが違い、大きいほうは⁠高さ2.08mあると公式サイトは紹介しています。木造の天守にとっていちばん怖いのは火事で、城山公園が火気厳禁なのもそのためです。[1][5]
見られるか
外から見られる本丸から見上げられる。

訪問の目安

最寄り駅
JR松江駅から
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
公式の目安は、大手前から天守に上って戻るまで40〜50分
料金
大人1,200円(30名以上の団体960円)⁠、小・中学生無料(2026年7月1日から)⁠。障がい者手帳などの所持者と⁠介護者1名は無料
時間
4月1日〜9月30日 8:30〜18:00(受付は17:30まで⁠)⁠、10月1日〜3月31日 8:30〜17:00(受付は16:30まで⁠)⁠。催しで変わること⁠あり
立入り
自由に見学できる

本丸は入場無料(開門時間あり)⁠。天守の中は有料で、入口で靴を脱ぐ。2026年3月から、地震で石垣の石が落ちた北門〜水の手門付近は立ち入りが制限され、城山公園の一部も通行止めになっている。日本100名城スタンプ⁠は天守内の受付カウンター⁠の左。

確認日:

この城の物語

01
史実

堀尾吉晴が亀田山に築いた

松江城は、出雲・隠岐の大名になった堀尾家が築いた城です。城郭協会は築城を1611年、築城者を堀尾吉晴と⁠しています。宍道湖のほとりの亀田山に、1607年ごろから工事が進められました。[13][14]

02
史実

堀尾・京極・松平の3家が治めた

堀尾家は3代で跡継ぎがなく絶え、1634年に京極忠高が入りましたが、これも1代で終わりました。1638年に松平直政が入ってからは、明治維新まで松平家が松江藩をおさめました。藩主が実際に暮らしたのは天守ではなく、二之丸と⁠三之丸の御殿でした。[14][1]

03
伝承

明治に天守だけが買い戻された

明治になって城が役目を終えると、天守以外の建物は払い下げられて⁠取⁠り⁠壊されました。天守も売られることになりましたが、地元の豪農・勝部本右衛門と⁠元藩士の高木権八らが同じ額のお金を納めて買い戻し、守られたと⁠伝わります。こうして天守は、全国に12しかない現存天守の一つとして残りました。[14][1]

04
史実

お札が決め手と⁠なった国宝指定

天守は1935年に当時の国宝になり、1950年の法律で重要文化財になりました。その後、完成の時期を示す資料が足りず国宝にはなれませんでしたが、市が懸賞金をかけて資料を探すなかで、2012年に「慶長十六年正月吉祥日」と書かれた祈祷札が見つかりました。2015年7月8日、天守は正式に国宝に指定されました。[10][14]

05
史実

櫓の復元と⁠「令和の大修理」

天守は1950〜1955年⁠に解体修理されました。二之丸では2000〜2001年⁠に南櫓・中櫓・太鼓櫓が木造で復元されています。屋根瓦や⁠壁板の傷みが進んだため、松江市は2027年6月から2030年12月まで「令和の大修理」を予定しています。明治に壊された大手門も、復元のための古写真や⁠図面を懸賞金つきで探しています。[14][7][11][12]

この城の人びと

年表

  1. 天守が完成(祈祷札の日付は慶長16年正月)[10][13]

  2. 松平直政が入り、以後松平家が治める[14]

  3. 国の史跡に指定[14]

  4. 天守の解体修理(昭和の大修理)⁠が終わる[14][11]

  5. 松江神社で慶長16年の祈祷札が見つかる[14]

  6. 天守が国宝に指定される[10]

建物と⁠遺構

天守の状態

現存天守

江戸時代から残る現存天守で国宝(2015年)⁠。城郭協会の表記は複合式望楼型・四重五階地下一階・木造。

城全体のいま

城跡は城山公園と⁠して整備され、天守、二之丸の復元櫓、明治の洋館・興雲閣などがある。まわりの堀には遊覧船(堀川めぐり)⁠が通る。

主な建物

現存国宝

天守(附櫓を含む)

四重五階・地下一階、南面に附櫓。祈祷札などが附と⁠して指定されている。[10]

木造で復元

二之丸南櫓・中櫓・太鼓櫓

2000〜2001年に、古い図面や⁠古写真、発掘調査をもとに木造で復元。[14]

木造で復元

廊下門(千鳥橋)

三之丸と⁠二之丸を結ぶ橋。1994年に木造で復元。[14]

跡地のみ

大手門

明治初めに取り壊された。礎石の発掘のあと⁠平面表示され、市が復元のための資料を探している。[12]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
現存天守江戸時代以前に建てられた天守が今も残る編集部記事
築城者
堀尾吉晴日本城郭協会
築城
慶長16年(1611)日本城郭協会
主な城主
堀尾氏、京極氏、松平氏日本城郭協会
廃城
1871年(明治4年)Wikipedia
見られる遺構
石垣・堀・櫓・櫓台・門・土塁・曲輪・天守台・虎口編集部記事
文化財指定
国宝(松江城天守)(2015年)⁠、国史跡(松江城)(1934年)編集部記事
名城選定
日本100名城 64番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

本丸は入場無料(開門時間あり)⁠。天守の中は有料で、入口で靴を脱ぐ。2026年3月から、地震で石垣の石が落ちた北門〜水の手門付近は立ち入りが制限され、城山公園の一部も通行止めになっている。日本100名城スタンプ⁠は天守内の受付カウンター⁠の左。

住所

島根県松江市殿町[14]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR松江駅JR山陰本線

少し登る

駅の2〜3・6番のりばから一畑バス・市バスで約10分。城の近くのバス停はレイクライン「国宝松江城(大手前)⁠」など。帰りは県庁前・県民会館前から松江駅まで約10分。[14][3]

確認日: 2026-10-03
一畑電車松江しんじ湖温泉駅一畑電車北松江線

少し登る

1〜3番のりばから一畑バス・市バスで約5分。[14]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

松江城天守
時間
4月1日〜9月30日 8:30〜18:00(受付は17:30まで⁠)⁠、10月1日〜3月31日 8:30〜17:00(受付は16:30まで⁠)⁠。催しで変わること⁠あり
休館・休み
年中無休
料金
大人1,200円(30名以上の団体960円)⁠、小・中学生無料(2026年7月1日から)⁠。障がい者手帳などの所持者と⁠介護者1名は無料[2]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

大手前駐車場と⁠城山西駐車場(どちらも有料)⁠がおもな駐車場。土・日・祝日は県庁の駐車場が無料で開放される。バイクは稲荷橋からのみ城内に入れる。[3][4]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
本丸の開門は4月1日〜9月30日⁠が8:00〜18:30、10月1日〜3月31日⁠が8:00〜17:30(入場無料)⁠。ライトアップは10〜3月が17:00〜22:00、4〜9月が18:00〜22:00。[2][3]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安
公式の目安は、大手前から天守に上って戻るまで40〜50分
階段・坂・足もと
園路は砂利道で、本丸へは階段を上る。天守の中の階段は急。[3]
車椅子・ベビーカー
車いすのまま、回り道で二之丸上の段まで上がれる(砂利道で揺れる)⁠。そこから本丸は階段で付き添いが必要。天守の中にエレベーターはない。車いすはぶらっと⁠松江観光案内所⁠に2台、興雲閣に1台あり予約もできる。[3]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
城内では、ぶらっと⁠松江観光案内所⁠の隣、二の門付近(二之丸上の段、ベビーベッドあり)⁠、興雲閣、搦手門に⁠車いす⁠用トイレ⁠がある。天守の中にトイレはない。[3]
英語案内・音声ガイド
公式サイトから英語の観光サイト(Visit Matsue)へリンクがある。天守内の英語表示は未確認。[15]
季節の楽しみ
春は桜。夜はライトアップがある。[3]
撮影のルール
個人の記念撮影は自由だが、仕事と⁠しての撮影(商用・配信用の動画など)⁠は松江市の許可が必要。城山公園内でのドローンは禁止。[5][6]
工事・休館・立入制限
2027年6月から2030年12月まで天守の「令和の大修理」が予定されている(修理中の見学方法は市の発表を確認)⁠。2026年3月から、北門〜水の手門付近は立ち入り制限、城山公園の一部は通行止め(1月の地震と⁠2月の大雪による)⁠。天守の入場料は2026年7月1日⁠に改定された。[7][8][9][2]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

博物館

松江歴史館

松江藩の歴史を紹介する市の歴史館。天守との2館共通券がある。[2]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

江戸時代から残る本物の天守の中を歩いてみたい人に向く。堀の遊覧船や⁠武家屋敷など、城下町ごと⁠楽しみたい人にも。

ここを見ると⁠面白い

外では黒い天守と⁠入口の附櫓、屋根の鯱を。中では江戸時代の柱や⁠急な階段、地下の井戸を見たい。

訪ねる前に

天守の中は靴を脱ぎ、階段は急でエレベーターもない。2027年6月からは大規模な修理が予定されているので、そのころに行く人は公式の案内を確認したい。2026年7月から入場料が変わり、小・⁠中学生は無料になった。

楽しみかた

城内は左側通行が昔からの習わし。刀を左に差した武士がすれ違うとき、刀どうしがぶつからないようにしたためと⁠伝わる。天守を見たあとは堀川めぐりの舟に乗り、水の上から石垣を見上げるのもおすすめ。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    松江城のみどころ国宝松江城ホームページ(松江城山公園管理事務所)official確認日:
  2. 2
    料金・営業時間国宝松江城ホームページofficial確認日:
  3. 3
    よくある質問国宝松江城ホームページofficial確認日:
  4. 4
    松江城の行き方(駐車場・駐輪場)国宝松江城ホームページofficial確認日:
  5. 5
    禁止及⁠び注意事項国宝松江城ホームページofficial確認日:
  6. 6
    撮影について国宝松江城ホームページofficial確認日:
  7. 7
    国宝松江城天守「令和の大修理」のお知らせ(2026年5月7日)国宝松江城ホームページofficial確認日:
  8. 8
    松江城の北門~水の手門付近の立ち入り制限について(2026年3月12日)国宝松江城ホームページofficial確認日:
  9. 9
    城山公園内の一部通行止めについて(2026年3月16日)国宝松江城ホームページofficial確認日:
  10. 10
    松江城天守の国宝指定について松江市municipal確認日:
  11. 11
    国宝松江城天守「令和の大修理」松江市municipal確認日:
  12. 12
    松江城大手門の復元資料を探しています松江市municipal確認日:
  13. 13
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  14. 14
    松江城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  15. 15
    国宝松江城ホームページトップ国宝松江城ホームページofficial確認日:
  16. 16
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  17. 17
    Wikipedia「松江城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  18. 18
    Wikidata Q151776Wikidatawikidata確認日:
  19. 19
    OpenStreetMap way/299654325© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

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