夏の松前城の天守(2024年撮影)。1949年に焼けた木造天守にかわり、1960年に鉄筋コンクリートで建てられた復興天守で、中は松前城資料館。
MaedaAkihikoCC0Wikimedia Commons

北海道 · 松前町

松前城

まつまえじょう

Matsumae Castle

北海道松前町

城平山城日本100名城 3番

この城らしさ

外国船に備えて幕府が築かせた、日本式の城と⁠しては最後で最北の城。海の側には7つの砲台が並んでいた。

なぜ?

1849年、蝦夷地(いまの北海道)⁠の近くに外国船が現れることを心配した幕府は、松前藩主の松前崇広に城の守りを固めるよう命じました。1854年に完成した新しい城は、海に近い三の丸に台場(砲台)⁠を7基置いていました。町は「我が国最北の、最後の日本式城郭」と⁠説明しています。[1][2]

見逃したくない3つ

01
明治〜大正期の本丸御門(古写真)。この門は1949年の火事でも焼け残り、城に残るただ一つの江戸時代の建物として国の重要文化財になっている。Unknown photographerPublic domainWikimedia Commons

江戸時代から残る本丸御門

見る場所
本丸の南側の正面。天守の西どなり
注目する部分
石垣の上にのる櫓門の姿と、門の石垣に残る弾の⁠跡
ここが面白い
明治の取り壊しも1949年の火事もくぐりぬけた、松前城に残るただ一つの江戸時代の建物で、国の重要文化財です。観光物産協会によると、門の石垣には1868年の戦いのときの弾の跡があり、戦いの激しさがうかがえます。[2][3][11]
見られるか
外から見られる外から自由に見られる。門の上の内部は非公開(公開の案内は見当たらない)⁠。
02
夏の松前城の天守(2024年撮影)。1949年に焼けた木造天守にかわり、1960年に鉄筋コンクリートで建てられた復興天守で、中は松前城資料館。MaedaAkihikoCC0Wikimedia Commons

復興天守と、津軽海峡を見わたす観濤台

見る場所
本丸の天守(松前城資料館)と、有料区域の展望スペース「観濤台」
注目する部分
3重の白い天守と、資料館から見える津軽海峡。館内の松前屏風(複製)
ここが面白い
国宝だった木造の天守は1949年に焼けましたが、北海道じゅうの再建運動で1960年に鉄筋コンクリート⁠で建て直されました。中の資料館には、1750年代の松前の町を描いたとされる「松前屏風」の複製などがあり、外国船を見張った海を天守から確かめられます。[3][4]
見られるか
外から見られる資料館と⁠観濤台は有料。4月10日〜12月10日だけ開館し、冬は閉館。館内は階段のみ。
03

石の祠が⁠並⁠ぶ松前藩主松前家墓所

見る場所
城の北側の寺町、法幢寺の⁠北
注目する部分
屋根の付いた石の⁠祠(石廟)⁠の形と⁠石の色。古いものは緑がかった越前の笏谷石、のちのものは御影石
ここが面白い
19代にわたる藩主や⁠家族の墓碑55基が並び、そのうち23基⁠が石廟です。石の祠で墓をおおう形は日本海沿岸や⁠高野山などに例があり、北前船で本州と⁠結ばれていた松前らしさが表れています。国の史跡です。[7][11]
見られるか
外から見られる外から見学できる。墓所なので静かに見学したい。

訪問の目安

最寄り駅
函館バス「松城」バス停から徒歩約10分
登り
未確認
所要時間の目安編集部の目安
観光物産協会の目安は松前城30分〜1時間、松前藩屋敷20〜45分、寺町と⁠藩主墓所20〜30分
料金
大人(高校生以上⁠)360円、小人(小・中学生)240円(10名以上の団体は290円・190円)⁠。松前藩屋敷との共通券は大人620円・小人420円。幼児は無料
時間
9:00〜17:00(入館受付は16:30まで⁠)⁠。開館期間は4月10日〜12月10日
立入り
自由に見学できる

城跡(松前公園)⁠は外から自由に歩ける。天守の中の松前城資料館と⁠展望スペース「観濤台」は有料で、4月10日〜12月10日だけ開館。

確認日:

この城の物語

01
史実

蠣崎氏から松前氏へ

松前家のもとになった蠣崎氏は、大館を拠点にしていました。5代目の慶広が豊臣秀吉と⁠徳川家康に大名と⁠して認められ、名字を松前に改めます。慶広は1600年、大館の南の福山台地に新しい⁠城(福山館)⁠を築きはじめ、1606年に完成させました。藩はこれを正式には「館」や⁠「陣屋」と⁠呼びましたが、領民や⁠アイヌの人びとには「城」と⁠称していました。[1][9]

02
史実

外国船に備えた新しい⁠城

1849年、幕府は外国船に備えるため、藩主の松前崇広に特別に築城を命じました。設計は高崎藩の兵学者・市川一学で、1850年に工事を始め、1854年に完成しました。本丸・二の丸・三の丸に門16、3重櫓1、2重櫓3などを備え、海に近い三の丸には台場7基を置きました。完成後、幕府の目付・堀利熙らが検分し、福山城と⁠呼ばれました。[1][2]

03
史実

完成から14年で落城

1868年、五稜郭を占拠した旧幕府軍のうち、元新選組副長・土方歳三の率いる部隊が福山城へ攻めてきました。松前藩は防戦しましたが城は落ち、藩兵は城内の一部と⁠寺町を焼いて退きました。翌1869年4月には新政府軍が城を取り返しますが、2年にわたる戦いで城下町の3分の2が焼けました。藩はこの直前、内陸の厚沢部に新しい館城を築いて⁠移っていましたが、そこも旧幕府軍に⁠落とされています。[1][9][11]

04
史実

取り壊しと⁠1949年の火事

明治になると、開拓使が1873年に城の取り壊しを決め、1875年までに天守・本丸御門・本丸御殿を残して、ほかの建物や⁠石垣を壊し、堀を埋めました。残った天守と⁠本丸御門、東塀は1941年に国宝になります。ところが1949年6月5日、町役場の火事が燃え移り、天守と⁠東塀が⁠焼けてしまいました。本丸御門だけが残り、1950年に国の重要文化財になりました。[1][2]

05
史実

北海道じゅうの運動で天守を再建

焼失のあと、天守再建期成会⁠が北海道全体で運動を広げ、横浜国立大学の大岡實教授の設計で、1960年に鉄筋コンクリート⁠の復興天守が完成しました。翌年から松前城資料館と⁠して公開されています。城跡は1935年に国の史跡と⁠なり、1976年度から保存整備が⁠進められています。2004年には城と⁠寺町が北海道遺産に選ばれました。[1][3][11]

この城の人びと

年表

  1. 松前慶広が福山館を完成させる(1600年着工)[1]

  2. 幕府の命による新しい福山城が完成[1][2]

  3. 土方歳三らの旧幕府軍に攻められ落城[1]

  4. 天守・本丸御門・御殿を残して取り壊される[1]

  5. 天守・本丸御門・東塀が国宝に[2]

  6. 6月5日、町役場からの火事で天守と⁠東塀が焼失[1][2]

  7. 鉄筋コンクリート⁠の復興天守が完成[3]

建物と⁠遺構

天守の状態

戦後の再建(復興)

1949年に焼けた木造天守(国宝)⁠にかわり、1960年に鉄筋コンクリート⁠で建てた復興天守。層塔型・3重3階(日本城郭協会)⁠。中は松前城資料館。

城全体のいま

城跡は松前公園の一部。本丸に復興天守(松前城資料館)⁠と本丸御門が立つ。明治に石垣の多くが壊され堀が埋められ、その⁠後建物が増えたため、1976年度から保存整備が進められている。北側に寺町と⁠藩主の墓所が続く。

主な建物

再建(復興)

天守

1949年焼失、1960年に鉄筋コンクリート⁠で再建。中は資料館で、地下1階・地上3階、移動は階段のみ。[3]

現存国重要文化財

本丸御門

江戸時代末に完成した城に残る唯一の建物。切妻造・銅板葺の櫓門。1941年国宝、1950年重要文化財。[2]

移築して現存北海道指定有形文化財

旧福山城本丸表御殿玄関

1606年の福山館の御殿を新城でも使ったもの。明治以降は小学校の玄関と⁠して1982年まで使われ、その後そのまま引いて⁠移⁠し保存している。伏見城から移したと⁠伝わる。[6]

現存しない

東塀

1941年に国宝と⁠なったが、1949年の火事で焼失。[2]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
戦後の再建(復興)昭和以降に建て直した天守。形や⁠位置が当時と⁠違う場合がある編集部記事
築城者
松前慶広、松前崇広日本城郭協会
築城
慶長5年(1600)⁠、嘉永3年(1850)日本城郭協会
主な城主
松前氏日本城郭協会
廃城
1874年Wikipedia
見られる遺構
曲輪・門・石垣・土塁・⁠堀編集部記事
文化財指定
国史跡(松前氏城跡福山城跡)(1935年)⁠、国重要文化財(本丸御門)(1950年)⁠、北海道指定有形文化財(旧福山城本丸表御殿玄関)(1963年)⁠、国史跡(松前藩主松前家墓所)(1981年)編集部記事
名城選定
日本100名城 3番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡(松前公園)⁠は外から自由に歩ける。天守の中の松前城資料館と⁠展望スペース「観濤台」は有料で、4月10日〜12月10日だけ開館。

住所

〒049-1511 北海道松前郡松前町字松城144番地(松前城資料館)[5]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

函館バス「松城」バス停北海道新幹線・道南いさりび鉄道木古内駅から函館バス

徒歩約10分 · 未確認

鉄道の駅から歩ける距離ではない。木古内駅から「松城」までバスで行き、徒歩約10分。観光物産協会は木古内駅を新幹線で発着する日帰りの公共交通プラン⁠を案内している。バスの所要時間は時刻表で確認を。[5][13]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

松前城資料館(天守)⁠・観濤台
時間
9:00〜17:00(入館受付は16:30まで⁠)⁠。開館期間は4月10日〜12月10日
休館・休み
12月11日〜4月9日⁠は冬期閉館
料金
大人(高校生以上⁠)360円、小人(小・中学生)240円(10名以上の団体は290円・190円)⁠。松前藩屋敷との共通券は大人620円・小人420円。幼児は無料[4]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

JR木古内駅から約80分(町の案内。観光物産協会は約1時間)⁠。寺町の「史跡見学者・参拝者用駐車場」(約40台・無料・未舗装)から資料館まで徒歩約5分。[5][14]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
未確認確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
観光物産協会の目安は松前城30分〜1時間、松前藩屋敷20〜45分、寺町と⁠藩主墓所20〜30分
階段・坂・足もと
資料館の中は地下1階から3階まで階段だけで移動する。駐車場は未舗装。[3][5]
車椅子・ベビーカー
資料館は階段のみでエレベーターはない。そのほかのバリアフリー情報⁠は未確認。[3]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
町の観光サイトに英語版がある。資料館の英語表示は未確認。[13]
季節の楽しみ
松前公園には約250品種・約1万本の桜があり、早咲きから遅咲きまで4月中旬〜5月下旬⁠の約1か月咲き続ける。4月中旬〜5月上旬⁠に「松前さくらまつり」。冬は資料館が閉館する。[12][4]
撮影のルール
有料区域の観濤台にフォトスポット⁠がある。館内の撮影ルールは未確認。[15]
工事・休館・立入制限
2026年12月11日から翌年4月9日まで資料館は冬期閉館。[4]確認日: 2026-10-03

歩きかたの⁠例

車なしの日帰り城と⁠城下町めぐり(観光物産協会のモデルコース) 150分

  1. 新幹線で木古内駅へ。バスで「松城」へ向かう
  2. 松前城(天守の資料館・本丸御門)⁠を見る(30分〜1時間)
  3. 松前藩屋敷で江戸時代の城下町の再現を見る(20〜45分)
  4. 寺町を歩き、松前藩主松前家墓所⁠を見る(20〜30分)
  5. 「松城」からバスで木古内駅へ戻る

観光物産協会の4〜10月向けの参考プラン。合計時間は各所の目安を足した編集部の概算で、移動時間は含まない。

周辺の楽しみ

城下町

松前藩屋敷

江戸時代の松前城下を再現した施設。海の関所「沖之口奉行所」や武家屋敷、ニシン漁の番屋など14棟が並ぶ。資料館との共通券がある。[11][4]

確認日: 2026-10-03

博物館

松前町郷土資料館

松前の歴史と⁠暮らしの博物館。縄文土器から、藩政時代の商人文化を伝える山車、箱館戦争の資料までを展示する。[16]

確認日: 2026-10-03

城下町

龍雲院

城の北の寺町にある寺で、建物は国の重要文化財。観光物産協会は「松前桜三大名木」を見られる寺の一つとして紹介している。[8][11]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

幕末の海の守りや、北海道の江戸時代に興味がある人、桜の名所を訪ねたい人に向く。「北海道に城下町があった」ことを実感できる場所。

ここを見ると⁠面白い

まず本丸御門。城で唯一の江戸時代の建物で、石垣の弾の跡も探したい。天守は再建だが、上から海を見ると、この城が外国船を見張るために造られたことがよく分かる。そのあと⁠北の寺町へ歩き、藩主の墓所の石廟を見る。

訪ねる前に

天守は1960年の鉄筋コンクリート⁠の再建で、中は階段だけ。資料館は12月11日〜4月9日⁠は冬期閉館。鉄道の駅から遠く、木古内駅からバスか車で向かう。

楽しみかた

桜は約250品種が順に咲くので、4月中旬から5月下旬まで長く楽しめる。松前藩屋敷との共通券を使い、城と⁠再現された城下町を一緒にまわると、江戸時代の松前の姿がつかみやすい。

訪問者レビュー

レビュー募集中

この城を訪ねた方の声を募集しています。

レビューを書く
評価

体験に基づかない投稿・宣伝・個人情報を含む投稿は公開しません。

異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    松前氏城跡福山城跡松前町教育委員会municipal確認日:
  2. 2
    福山城(松前城)本丸御門松前町教育委員会municipal確認日:
  3. 3
    見どころ(松前城資料館)松前町教育委員会official確認日:
  4. 4
    料金・営業時間(松前城資料館)松前町教育委員会official確認日:
  5. 5
    アクセス(松前城資料館)松前町教育委員会official確認日:
  6. 6
    旧福山城本丸表御殿玄関松前町教育委員会municipal確認日:
  7. 7
    松前藩主松前家墓所松前町教育委員会municipal確認日:
  8. 8
    国指定文化財(松前町)松前町教育委員会municipal確認日:
  9. 9
    松前氏城跡(文化遺産オンライン)文化庁heritage確認日:
  10. 10
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  11. 11
    松前町の魅力:歴史・文化北海道まつまえ観光物産協会tourism確認日:
  12. 12
    松前町の魅力:季節・自然北海道まつまえ観光物産協会tourism確認日:
  13. 13
    車なしで気軽に楽しめる⁠!定番スポットめぐり〜公共交通編〜北海道まつまえ観光物産協会tourism確認日:
  14. 14
    アクセス北海道まつまえ観光物産協会tourism確認日:
  15. 15
    松前城フォトスポット⁠のご案内松前町教育委員会official確認日:
  16. 16
    まつまえの文化財(トップページ・郷土資料館の紹介)松前町教育委員会municipal確認日:
  17. 17
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  18. 18
    Wikipedia「松前城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  19. 19
    Wikidata Q1143974Wikidatawikidata確認日:
  20. 20
    OpenStreetMap way/488836870© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

現地の変化や⁠誤り、使ってよい写真をご存じでしたらお知らせください。

情報の訂正・写真の提供