大手橋の先に立つ大手門(2024年8月撮影)。大手門は2020年に木造で復元された。
Souka KinmeiCC0Wikimedia Commons

茨城県 · 水戸市

水戸城

みとじょう

Mito Castle

茨城県水戸市

城平山城日本100名城 16番

この城らしさ

石垣を使わず、深い堀と⁠土塁だけで守った、御三家・水戸徳川家の土の城。

なぜ?

水戸城は細長い台地の先を利用した、土づくりの平山城です。中心部の広さは約55.7ヘクタールで、同じ御三家の和歌山城の約2.6倍。東西の長さは約1,380mあり、水戸市は山城を除くと⁠大坂城・江戸城・名古屋城に次ぐ全国4位の長さだと⁠説明しています。[1]

見逃したくない3つ

01
大手橋の先に立つ大手門(2024年8月撮影)。大手門は2020年に木造で復元された。Souka KinmeiCC0Wikimedia Commons

木造で復元された大手門

見る場所
三の丸と⁠二の丸の間。弘道館から徒歩1分、大手橋を渡った⁠先
注目する部分
木造2階建て、⁠高さ13.34mの門と、門の両側に続く練塀(瓦と⁠粘土を交互に積んだ塀)
ここが面白い
城の正面の門です。2009年に坂東市の古いお寺で水戸城の門と⁠伝わる扉が見つかって市に寄贈されたことがきっかけと⁠なり、5年の調査を経て伝統工法で復元され、2020年2月⁠に完成しました。市民などが瓦1枚分を寄付する「一枚瓦城主」の寄付金も使われました。[2][5][10]
見られるか
外から見られるいつでも外から見られ、くぐって通れる。車は通行禁止で、自転車・バイクは押して歩く。
02
2021年に木造で復元された二の丸角櫓と土塀(2024年8月撮影)。中は無料で見学できる。Souka KinmeiCC0Wikimedia Commons

二の丸角櫓と⁠土塀

見る場所
二の丸。大手門から「水戸学の道」をたどった⁠先
注目する部分
土塁の上に立つ白い⁠櫓(やぐら)⁠と⁠土塀、中のパネルと⁠出土品の展示
ここが面白い
大手門に続いて木造で復元され、2021年6月⁠に公開されました。中では水戸城の歴史や⁠復元工事の経過を紹介しています。土の城に立つ櫓の姿から、江戸時代の水戸城の見た目を想像できます。[3]
見られるか
外から見られる中に入れる(無料)⁠。9:30〜16:00。12月29日〜1月3日⁠と荒天時、湿気で引き戸が動かないときは休み。
03

藩校・弘道館

見る場所
三の丸。水戸駅北口から坂を上った⁠先
注目する部分
国の重要文化財の正門・正庁・至善堂
ここが面白い
9代藩主徳川斉昭⁠が1841年に開いた藩の学校で、藩校と⁠して全国最大の規模でした。最後の将軍徳川慶喜も子どものころここで学びました。正門・正庁・至善堂は戊辰戦争や⁠空襲を逃れて残り、1964年に国の重要文化財になっています。城の中で江戸時代の建物を見られる場所です。[6][7][8]
見られるか
外から見られる有料(大人420円)⁠。休館は12月29日〜31日のみ。

訪問の目安

最寄り駅
JR水戸駅北口から徒歩約10分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
大手門・二の丸角櫓・⁠空堀をめぐって約1時間、弘道館も見るなら2時間ほどが目安
料金
大人420円、小中学生・70歳以上210円、団体(20人以上⁠)大人320円・小中学生160円。小学生未満無料。県民の⁠日(11月13日)⁠は全員無料
時間
2月20日〜9月30日 9:00〜17:00/10月1日〜2月19日 9:00〜16:30
立入り
一部のみ見学できる

大手門・二の丸角櫓・見学路「水戸学の道」と⁠弘道館は見学できる。弘道館は有料。城跡の多くは学校の敷地で、学校の中には自由に入れない(旧本丸の水戸一高にある薬医門の見学条件は未確認)⁠。

確認日:

この城の物語

01
史実

台地の先の土の⁠城

水戸城は、標高約30mの細長い台地の先を利用して築かれた土づくりの平山城です。始まりは平安時代の終わりから鎌倉時代の初めごろで、茨城県内でも特に古い歴史をもつ城です。江戸時代には、下の丸・本丸・二の丸・三の丸の4つの曲輪(くるわ)⁠が東西に並んでいました。[1]

02
史実

馬場氏から佐竹氏、そして徳川家へ

中世の城主は馬場氏、江戸氏、佐竹氏と⁠代わりました。佐竹義宣は1593年ごろに大きく手を入れ、江戸時代には徳川家康の子・頼房が入って、水戸徳川家の城になりました。城郭協会は、築城・改修に関わった人物と⁠して馬場資幹・佐竹義宣・徳川頼房を挙げています。[1][4][10]

03
史実

天守ではなく「三階櫓」

水戸城には天守がなかったと⁠よく言われますが、市は、幕府に「天守」ではなく「櫓」と⁠して届けていたためで、三階櫓が事実上の天守だったと⁠説明しています。外から見ると⁠3階建て、中は5階建てで、1階は土間、2階は畳72枚分の大広間、柱は中央に1本だけと⁠いう、ほかにない造りでした。[1]

04
史実

空襲で失われた三階櫓

三階櫓は明治以降も残り、戦前には全国に残る20の天守の一つに⁠数えられていました。しかし1945年8月2日⁠の水戸空襲で⁠焼けてしまいました。同じ空襲で、弘道館の八卦堂・孔子廟・鹿島神社なども焼けています。[1][7]

05
史実

学校の町になった⁠城

城の跡には学校が建ち並び、旧本丸には水戸一高があります。建物はほとんど⁠残っていませんが、巨大な空堀と⁠土塁が中世から続く土の城の迫力を伝えています。佐竹氏の時代のものと⁠いわれる薬医門は水戸一高の敷地に移され、茨城県の指定文化財です。三の丸の弘道館では、正門・正庁・至善堂が江戸時代のまま残っています。[1][6][7][10]

06
史実

門と⁠櫓がよみがえる

市は「一枚瓦城主」の寄付も集めながら、伝統工法による木造復元を進め、2020年に大手門、2021年に二の丸角櫓と⁠土塀を完成させました。見学路「水戸学の道」も整えられ、夜はライトアップされます。弘道館は2011年の東日本大震災で被害を受けて閉館し、2014年に全面復旧しました。[1][2][3][7]

この城の人びと

年表

  1. 平安時代末期〜鎌倉時代初めごろ

    馬場氏が城を築く[1][4]

  2. 佐竹義宣が城を大きく改修(城郭協会による⁠)[4]

  3. 徳川頼房による改修(城郭協会による⁠)[4]

  4. 徳川斉昭が弘道館を開く[7]

  5. 8月2日の水戸空襲で三階櫓が焼失[1][7]

  6. 大手門を木造で復元[2]

  7. 二の丸角櫓と⁠土塀を木造で復元し公開[3]

建物と⁠遺構

天守の状態

天守は失われた

幕府には「櫓」と⁠して届けたため天守はないと⁠されるが、三階櫓(外観3重・内部5階)⁠が事実上の天守だった。1945年の空襲で焼失し、再建されていない。

城全体のいま

城跡の多くは学校の敷地(水戸一高・水戸三高・小中学校など)で、学校の中は自由に入れない。三の丸の弘道館と、大手門・二の丸角櫓・空堀・土塁をめぐる見学路「水戸学の道」が見学の中心。

主な建物

木造で復元

大手門

2020年に伝統工法で木造復元。木造2階建て、⁠高さ13.34m。[2]

木造で復元

二の丸角櫓・土塀

2021年に木造復元し公開。内部は展示(無料)⁠。[3]

移築して現存茨城県指定有形文化財

薬医門

佐竹氏の時代のものと⁠いわれる門。水戸一高の敷地(旧本丸)⁠に移築されている。[10]

現存国重要文化財

弘道館正門・正庁・至善堂

1841年開設⁠の藩校の建物。1964年に重要文化財。[7]

現存しない

三階櫓

事実上の天守。1945年の空襲で焼失。[1]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
天守は失われた天守はあったが、今は残っていない(天守台などが残る場合がある⁠)編集部記事
築城者
馬場資幹、佐竹義宣、徳川頼房日本城郭協会
築城
12世紀後半、文禄2年(1593)⁠、寛永2年(1625)日本城郭協会
主な城主
馬場氏、江戸氏、佐竹氏、武田氏、徳川氏日本城郭協会
廃城
1871年(明治4年)Wikipedia
見られる遺構
門・土塁・堀・曲輪編集部記事
文化財指定
国特別史跡(旧弘道館)(1952年)⁠、国重要文化財(弘道館正門・正庁・至善堂)(1964年)⁠、県・市指定文化財(水戸城跡)編集部記事
名城選定
日本100名城 16番日本城郭協会

旅の情報

立入り

一部のみ見学できる

大手門・二の丸角櫓・見学路「水戸学の道」と⁠弘道館は見学できる。弘道館は有料。城跡の多くは学校の敷地で、学校の中には自由に入れない(旧本丸の水戸一高にある薬医門の見学条件は未確認)⁠。

住所

茨城県水戸市三⁠の⁠丸(大手門は三の丸2丁目、弘道館は三の丸1-6-29)[1][2][6]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR水戸駅北口JR常磐線・水郡線、鹿島臨海鉄道

徒歩約10分 · 少⁠し登る

大手門まで徒歩約10分。北口のペデストリアンデッキからイチョウ坂を上ると⁠三の丸・弘道館方面。バスなら北口4番のりばの「偕楽園行き」で約3分、弘道館下車。[2][8]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

弘道館
時間
2月20日〜9月30日 9:00〜17:00/10月1日〜2月19日 9:00〜16:30
休館・休み
12月29日〜31日
料金
大人420円、小中学生・70歳以上210円、団体(20人以上⁠)大人320円・小中学生160円。小学生未満無料。県民の⁠日(11月13日)⁠は全員無料[6][9]
確認日: 2026-10-03
水戸城二の丸角櫓
時間
9:30〜16:00
休館・休み
12月29日〜1月3日、荒天時、湿気で引き戸が動かないとき
料金
無料[3]
確認日: 2026-10-03
水戸城跡二の丸展示館
時間
9:00〜16:30
休館・休み
12月29日〜1月3日
料金
無料[11]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

弘道館駐車場(無料13台)⁠、大手門広場前駐車場(無料)⁠、県三の丸庁舎駐車場(約150台・有料。弘道館の料金所で駐車券を見せると⁠入庫から3時間無料)⁠。大型バスは弘道館バス専用駐車場(3台)⁠。[8]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
見学路の開放時間は未確認。確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
大手門・二の丸角櫓・⁠空堀をめぐって約1時間、弘道館も見るなら2時間ほどが目安
階段・坂・足もと
駅から台地の上へ坂を上る(イチョウ坂)⁠。城の中は空堀をまた⁠ぐ橋や⁠土塁の上り下りがある。[1][8]
車椅子・ベビーカー
弘道館は歴史的建造物のため段差があり、車いすでは見られない場所がある。バリアフリーマップ⁠がある。[9]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
未確認
季節の楽しみ
城跡はライトアップされる(時期・時間は未確認)⁠。[1]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
弘道館は10月1日から冬の開館時間(9:00〜16:30)⁠。[6]確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

石垣より土の城に興味がある人、新しく木造で復元された門や櫓を見たい人、水戸藩と⁠幕末の歴史が好きな人に向く。駅から歩いて行ける。

ここを見ると⁠面白い

大手門と⁠二の丸角櫓は、伝統工法で建てた新しい木造建築。見比べたいのは、その足もとに広がる深い空堀と⁠高い土塁で、石垣がなくても城を守れた理由が分かる。弘道館では、江戸時代から残る正庁や⁠至善堂を見ておきたい。

訪ねる前に

城跡の大部分は学校で、校内には入れない。天守にあたる三階櫓は1945年に焼けてもうない。二の丸角櫓は天気や⁠湿気で閉まることがある。

楽しみかた

駅からイチョウ坂を上って弘道館を見たあと、大手橋を渡って大手門をくぐり、「水戸学の道」で二の丸角櫓へ。空堀の上の橋から堀の深さを確かめたい。時間があれば、夜のライトアップも楽しめる。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    広報みと⁠令和5年5月1日⁠号「水戸の城さんぽ其の二水戸城〜土づくりの平山城、国内最大級〜」水戸市municipal確認日:
  2. 2
    復元・水戸城大手門水戸市municipal確認日:
  3. 3
    復元・水戸城二の丸角櫓及び土塀水戸市municipal確認日:
  4. 4
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  5. 5
    水戸城大手門・二の丸角櫓復元整備工事⁠の経過水戸市municipal確認日:
  6. 6
    弘道館公式サイト茨城県(弘道館事務所)official確認日:
  7. 7
    弘道館について茨城県(弘道館事務所)official確認日:
  8. 8
    アクセス茨城県(弘道館事務所)official確認日:
  9. 9
    ご利用案内茨城県(弘道館事務所)official確認日:
  10. 10
    水戸城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  11. 11
    水戸城跡二の丸展示館・水戸城二の丸角櫓・大手門の公開水戸市municipal確認日:
  12. 12
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  13. 13
    Wikipedia「水戸城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  14. 14
    Wikidata Q848997Wikidatawikidata確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

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