本丸御殿(手前)と天守(2018年3月)。御殿は木造で復元され2018年に完成。天守は1959年再建の鉄骨鉄筋コンクリート造で、2018年5月から閉館中。
名古屋太郎CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

愛知県 · 名古屋市中区

名古屋城

なごやじょう

Nagoya Castle

愛知県名古屋市中区

城平城日本100名城 39番

この城らしさ

金の鯱をのせた天守は、いまは中に入れない。戦前の図面と⁠写真をもとに、天守を木でもう一度建てる準備が続いている。

なぜ?

いまの天守は1959年に鉄骨鉄筋コンクリート⁠で再建されたもので、古くなった設備と⁠耐震性の問題から2018年5月⁠に閉館しました。名古屋市は、1932年から作った精密な実測図や⁠ガラス乾板写真など豊富な資料を使い、史実に忠実な木造の天守に建て替える計画を進めています。ただし着工や⁠完成の時期はまだ⁠決まっていません。[1][2][4][5]

見逃したくない3つ

01
本丸御殿でいちばん華やかな上洛殿の上段之間(2018年6月)。金地の障壁画と格天井が見どころ。BaristonCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

よみがえった本丸御殿

見る場所
本丸の天守の南側。入口は中之口部屋横と⁠湯殿書院前の2か⁠所
注目する部分
金地の障壁画(襖や⁠壁の絵)⁠、彫刻欄間、飾り金具。いちばん⁠華やかな上洛殿の天井や⁠欄間
ここが面白い
1615年に尾張藩主の住まいと⁠藩の役所と⁠して完成し、のちに将軍が泊まる御殿になりました。1930年に天守とともに城郭で最初の国宝になりましたが、1945年の空襲で焼けました。戦前の資料をもとに復元工事が行われ、2018年に完成しています。元の御殿の障壁画(襖絵など)⁠の多くは、重要文化財と⁠して残っています。[6][11]
見られるか
外から見られる名古屋城の観覧料で入れる(追加料金なし)⁠。入館は16:00まで。靴を脱いで入り、フラッシュ撮影⁠は禁止。
02
本丸の西南隅櫓(2022年3月)。外から見ると二重だが中は三階。国の重要文化財。Tomio344456CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

江戸時代から残る3つの隅櫓

見る場所
本丸の南西(西南隅櫓)⁠・南東(東南隅櫓)⁠、御深井丸の北西(西北隅櫓)
注目する部分
外から見ると⁠二重なのに中は三階になっている西南・東南隅櫓と、外観三重の大きな西北隅櫓。西南隅櫓の菊の紋の⁠瓦
ここが面白い
天守や⁠御殿が焼けたなかで、築城のころからの姿を伝える建物で、3棟とも国の重要文化財です。西南隅櫓は1921年に石垣が崩れて倒れ、当時管理していた宮内省が1923年に建て直したため、皇室の菊の紋の瓦が使われています。[7]
見られるか
一部見られる外観のみ。内部は通常非公開(特別公開の時期は公式の催し情報を確認)⁠。
03
天守台の石垣と内堀(2015年1月)。天守台の石垣は加藤清正が受け持った。そらみみCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

大名たちが積んだ石垣と⁠「清正石」

見る場所
城内各所の石垣。清正石は本丸東二之門を入った正面
注目する部分
石の表面に刻まれたさまざまな記号(刻印)と、畳約8枚分・推定10トンの巨石
ここが面白い
石垣は家康の命令で西国の大名20家が持ち場を分けて築き、自分の運んだ石を他家と⁠区別するために印を刻んだと⁠みられています。天守台の石垣は加藤清正が受け持ちました。城でいちばん大きな石は清正が運んだと⁠伝わり「清正石」と⁠呼ばれますが、公式サイトは、この場所の担当は黒田長政で、清正の話は近代の作り話だと⁠説明しています。[8][17]
見られるか
外から見られる城内(有料エリア)⁠で見られる。

訪問の目安

最寄り駅
地下鉄名古屋城駅 7番出口から徒歩約5分
登り
未確認
所要時間の目安編集部の目安
公式の目安は本丸御殿を含めて1時間〜1時間30分
料金
大人1,000円(2026年10月1日から。それまでは500円)⁠、名古屋市内在住⁠の65歳以上300円、中学生以下無料。30人以上の団体900円。徳川園との共通券1,040円。現金・クレジットカード・交通系IC・コード決済が使える
時間
9:00〜16:30。本丸御殿と⁠西の丸御蔵城宝館の入場は16:00まで(建物の入口までに着いていること⁠)
立入り
一部のみ見学できる

城内は有料で入れる(正門・東門)⁠。天守は閉館中で中に入れない。隅櫓の内部は通常非公開。本丸御殿・西の丸御蔵城宝館は観覧料に含まれる。ペットはリードをつければ城内に入れるが、本丸御殿など建物の中には入れない(補助犬は可)⁠。

確認日:

この城の物語

01
史実

なぜこの場所に城を建てたのか

関ヶ原の戦いのあとも、豊臣家はまだ大坂にいました。徳川家康は、江戸と⁠上方(京都・大坂)⁠を結ぶ東海道の守りを固めるため、その中間にある尾張に大きな城を置くことにしました。それまで尾張の中心は清須でしたが、家康は名古屋の台地を選び、町ごと⁠清須から移す「清須越」を行いました。ここには室町時代から那古野城がありましたが、その縄張は引き継がず、新しく城と⁠碁盤の目の城下町をつくりました。[10][12]

02
史実

家康が大名20家に築かせた

1610年、家康は加藤清正や⁠福島正則など西国・北国の大名20家に命じて工事を始めさせました(天下普請)⁠。1612年に五層五階・地下一階の天守が完成し、屋根には金の鯱がのりました。延べ床面積は史上最大級でした。家康の子・徳川義直が初代藩主と⁠して入り、名古屋城は御三家筆頭・尾張徳川家の居城になりました。[10][9][2]

03
研究上の解釈

260年続いた尾張徳川家の⁠城

名古屋城は、大坂冬の陣・夏の陣で徳川方が出陣する拠点と⁠なり、その後は江戸時代を通じて尾張徳川家が治めました。巨大な天守や櫓、高い石垣と⁠深い堀は、東海道を守るとともに、諸大名に徳川の力を見せる役目も持っていました。[10]

04
史実

城郭で最初の国宝、そして空襲

明治のはじめには取り壊しが決まりかけましたが、反対の声で残されました。1930年には天守や⁠本丸御殿など24棟が、城郭と⁠して最初の国宝に指定されました。しかし1945年5月⁠の空襲で、天守と⁠本丸御殿は⁠焼けてしまいました。焼け残った3つの隅櫓と⁠門が、いまも江戸時代⁠の建物と⁠して立っています。[9][11][2]

05
史実

1959年の再建と⁠2018年の閉館

天守は市民の多くの寄付により、1959年に鉄骨鉄筋コンクリート⁠で再建されました。外観は焼ける前の天守を再現し、中は博物館と⁠して使われました。2代目の金の鯱もこのとき戦前の実測図をもとに作られ、いまも頂上にのっています。しかし半世紀以上がたち、コンクリートの劣化や⁠耐震性が問題になったため、2018年5月⁠に閉館しました。城そのものは開いています。[2][4][5][9]

06
史実

木造天守の復元計画はいまどこまで

名古屋市は2017年に天守の木造復元の事業を始めました。当初は2022年12月⁠の完成をめざしていましたが、天守台の石垣をどう守るかで専門家や⁠文化庁との検討が続き、期限は延期されました。2026年2月⁠の市民説明会の資料では、着工時期・完成時期は「未定」です。いまは天守台まわりの石垣の保存工事(2024年度から⁠)⁠を進めながら、現天守の解体と⁠木造復元の計画について文化庁の許可を得る手続きに向けた準備をしています。一方、本丸御殿の復元は2018年に完成しました。[4][1][3][6]

この城の人びと

年表

  1. 家康が大名20家に命じて築城を始める[10]

  2. 金の鯱をのせた天守が完成[2][9]

  3. 本丸御殿が完成[6]

  4. 天守・本丸御殿など24棟が城郭で最初の国宝に[11]

  5. 5月の空襲で天守と⁠本丸御殿が焼失[9][6]

  6. 天守を鉄骨鉄筋コンクリート⁠で再建[2]

  7. 本丸御殿の復元が完成。天守は5月に閉館[6][4]

建物と⁠遺構

天守の状態

戦後の再建(復興)

1945年焼失、1959年に鉄骨鉄筋コンクリート⁠造⁠で再建(外観は旧天守を再現)⁠。2018年5月から閉館中。木造で史実に忠実に復元する計画があるが、着工・完成時期は未定(2026年2月⁠の市民説明会資料)⁠。

城全体のいま

本丸・二之丸・西之丸・御深井丸が名古屋城と⁠して公開され(有料)⁠、名古屋市が管理する特別史跡。本丸御殿は2018年に復元。天守(1959年再建)⁠は閉館中で外から見るだけ。三之丸は官庁街になっている。

主な建物

再建(復興)

大天守・小天守

1959年再建⁠の鉄骨鉄筋コンクリート造。2018年5月から閉館。[2][4]

木造で復元

本丸御殿

1945年焼失。史料にもと⁠づき木造で復元し2018年完成。障壁画の多くは重要文化財と⁠して残る。[6][11]

現存国重要文化財

西南隅櫓

1612年ごろ建造。1921年に倒壊し1923年⁠に宮内省が再建修復。通常非公開。[7][11]

現存国重要文化財

東南隅櫓

1612年ごろ建造。鬼瓦に葵紋。通常非公開。[7][11]

現存国重要文化財

西北隅櫓

1619年ごろの建造と⁠みられる外観三重の櫓。通常非公開。[7][11]

現存国重要文化財

本丸表二之門・二之丸大手二之門・旧二之丸東二之門

江戸時代から残る門。[11]

基本データ

種類
城
地形による分類
平城平地に堀をめぐらせて築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
戦後の再建(復興)昭和以降に建て直した天守。形や⁠位置が当時と⁠違う場合がある編集部記事
築城者
徳川家康日本城郭協会
築城
慶長20年(1615)日本城郭協会
主な城主
徳川家康日本城郭協会
廃城
1871年(明治4年)Wikipedia
見られる遺構
櫓・櫓台・門・石垣・堀・曲輪・天守台編集部記事
文化財指定
国特別史跡(名古屋城跡)(1952年)⁠、国重要文化財(隅櫓3棟・門3棟・旧本丸御殿障壁画など⁠)(1950年)⁠、国名勝(名古屋城二之丸庭園)(1953年)編集部記事
名城選定
日本100名城 39番日本城郭協会

旅の情報

立入り

一部のみ見学できる

城内は有料で入れる(正門・東門)⁠。天守は閉館中で中に入れない。隅櫓の内部は通常非公開。本丸御殿・西の丸御蔵城宝館は観覧料に含まれる。ペットはリードをつければ城内に入れるが、本丸御殿など建物の中には入れない(補助犬は可)⁠。

住所

〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸1番1号[13]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

地下鉄名古屋城駅 7番出口名古屋市営地下鉄名城線

徒歩約5分 · 未確認

7番出口から徒歩5分。名古屋駅からは地下鉄で約15分(乗り換え1回)⁠。[16][17]

確認日: 2026-10-03
名鉄東大手駅名鉄瀬戸線

徒歩約15分 · 未確認

東門側へ徒歩15分。[16]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

名古屋城(城内・本丸御殿・西の丸御蔵城宝館)
時間
9:00〜16:30。本丸御殿と⁠西の丸御蔵城宝館の入場は16:00まで(建物の入口までに着いていること⁠)
休館・休み
12月29日〜31日、1月1日(催事等で変更あり)
料金
大人1,000円(2026年10月1日から。それまでは500円)⁠、名古屋市内在住⁠の65歳以上300円、中学生以下無料。30人以上の団体900円。徳川園との共通券1,040円。現金・クレジットカード・交通系IC・コード決済が使える[13][14][15]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

正門前駐車場(普通車308台)⁠と二の丸東駐車場(普通車123台)⁠。いずれも普通車30分ごと⁠250円(2026年6月改定)⁠、先着順。名古屋高速黒川出口から約8分、丸の内出口から約5分。[16][17][15]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
9:00〜16:30(城内)[13]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安
公式の目安は本丸御殿を含めて1時間〜1時間30分[13][17]
階段・坂・足もと
平城で城内は広い。正門・東門から本丸御殿までは歩いて10分ほど。坂や⁠段差の詳しい情報は未確認。[13]
車椅子・ベビーカー
車いす・ベビーカーを正門・東門で貸し出し(数に限りあり・予約不可)⁠。城内に⁠車いす⁠用トイレ⁠が3か所、正門前駐車場にもある。本丸御殿は北側のスロープから入り、御殿内専用の車いすがある。天守は閉館中。[17][18][6]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
城内にトイレあり(場所はガイドマップ)⁠。本丸御殿の中にはトイレも冷暖房もない。[18][6]
英語案内・音声ガイド
英語の公式サイトがある。本丸御殿には音声ガイドがある(対応言語は未確認)⁠。[20][6]
季節の楽しみ
桜は約900本、梅は約70本。天守のライトアップは毎日日没から23時まで(毎月8日は21時30分まで⁠)⁠。[17]
撮影のルール
本丸御殿の中は撮影できるが、障壁画を守るためフラッシュ⁠は禁止。[17][6]
工事・休館・立入制限
天守は閉館中(2018年5月から)⁠。2026年10月1日から観覧料が大人1,000円⁠に改定。天守台北側などの石垣保存対策工事⁠が行われている。[5][15][21][4]確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

金色の障壁画が並ぶ御殿の豪華さを見たい人、江戸時代の櫓や⁠大名たちが積んだ石垣に興味がある人に向く。天守に上れないことを先に知っておけば、見どころは十分にある。

ここを見ると⁠面白い

まず本丸御殿で、部屋ごとに天井や⁠欄間のつくりが変わるところを見比べる。外に出たら、天守を外から眺めつつ、3つの隅櫓と⁠清正石、石垣の刻印を探して歩くとよい。

訪ねる前に

天守は2018年から閉館中で、木造復元の完成時期は未定。観覧料は2026年10月1日から大人1,000円⁠になった。本丸御殿の入場は16:00まで、正門・東門から御殿まで歩いて10分ほどかかるので時間に余裕を。

楽しみかた

城内の「ステップなごや」では、木造天守の実物大の階段模型を上り下りでき、復元される天守の姿をVR映像でも見られる。夜は天守のライトアップを外から眺めるのもよい。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    天守閣整備事業⁠の進捗情報名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  2. 2
    天守閣整備事業⁠の概要名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  3. 3
    天守閣整備事業⁠の経緯名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  4. 4
    令和7(2025)年度名古屋城天守閣整備事業市民説明会(2026年2月11日開催・説明資料)名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  5. 5
    観覧ガイド天守閣名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  6. 6
    観覧ガイド本丸御殿名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  7. 7
    観覧ガイド隅櫓名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  8. 8
    観覧ガイド石垣・清正石名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  9. 9
    観覧ガイド金鯱名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  10. 10
    名古屋城の概要(特別史跡名古屋城)名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  11. 11
    名古屋城の文化財一覧名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  12. 12
    名古屋城の歴史前史・那古野城跡名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  13. 13
    利用案内名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  14. 14
    料金名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  15. 15
    名古屋城観覧料・駐車場料金の改定について名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  16. 16
    アクセス名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  17. 17
    よくある質問名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  18. 18
    設備案内名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  19. 19
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  20. 20
    Nagoya Castle Official Website (English)名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  21. 21
    石垣保存対策工事名古屋城総合事務所(名古屋市)official確認日:
  22. 22
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  23. 23
    Wikipedia「名古屋城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  24. 24
    Wikidata Q648629Wikidatawikidata確認日:
  25. 25
    OpenStreetMap node/12818799098© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

現地の変化や⁠誤り、使ってよい写真をご存じでしたらお知らせください。

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