唐門をくぐった先に建つ国宝・二の丸御殿(2017年7月撮影)。手前の車寄(くるまよせ)が御殿の入口。
CCP2017CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

京都府 · 京都市中京区

二条城

にじょうじょう

Nijō Castle

京都府京都市中京区

城平城日本100名城 49番

この城らしさ

江戸幕府が始まった年に建ち、幕府が政権を返すと⁠告げた広間がいまも残る城。

なぜ?

二条城は1603年、徳川家康が京都での拠点と⁠して築きました。264年後の1867年、15代将軍徳川慶喜⁠は二の丸御殿の大広間に大名の重臣を集めて意見を聞き、政権を朝廷に返す「大政奉還」を表明しました。始まりと⁠終わりの両方の舞台が、同じ城に建物ごと⁠残っています。[1][5][6][15]

見逃したくない3つ

01
唐門をくぐった先に建つ国宝・二の丸御殿(2017年7月撮影)。手前の車寄(くるまよせ)が御殿の入口。CCP2017CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

国宝・二の丸御殿の大広間

見る場所
唐門の奥にある二の丸御殿(有料・建物内を順路で歩く⁠)
注目する部分
将軍が座った一の⁠間(上段の間)⁠の床の間・違棚と、狩野探幽が描いた松の障壁画、大広間四の間の「松鷹図」。歩くと⁠鳴る廊下の「鶯張り」にも耳を向けたい。
ここが面白い
二の丸御殿は6棟が斜めに連なる書院造の御殿で、33室・800畳あまりあります。大広間は将軍が大名や⁠公家と⁠会う公式の部屋で、1867年に大政奉還の意思が示された場所でもあります。廊下の鳴る音は、床を留める金具と⁠釘がこすれて出るものと⁠公式は説明しています。[2][4][8][10][13]
見られるか
一部見られる中は見学できるが撮影禁止。御殿の障壁画の多くは模写で、原画の一部は「二条城障壁画展示収蔵館」で公開。1月・7月・8月・12月の毎週火曜などは御殿の観覧休止日。
02
二の丸御殿の正門・唐門(2015年9月撮影)。屋根の前後に唐破風(からはふ)が付き、鶴や松竹梅、唐獅子の彫刻で飾られる。そらみみ (Soramimi)CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

極彩色の彫刻で飾った唐門

見る場所
二の丸御殿の正面。東大手門から入って、番所の先を左手へ
注目する部分
屋根の前後にある丸くうねった唐破風(からはふ)と、門の内側の鶴・松竹梅・唐獅子の彫刻
ここが面白い
二の丸御殿の正門で、ここから先が将軍の御殿だと⁠見せつける門です。松竹梅に鶴は長寿を、唐獅子は聖域を守る意味をもつと⁠公式は説明しています。国の重要文化財で、外から自由に見られます。[4][13]
見られるか
外から見られる入城券だけで見られる。
03
内堀に面して立つ天守台の石垣(2006年4月撮影)。ここにあった五重の天守は1750年の落雷で焼け、再建されなかった。+-CC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

天守台と、宮家の御殿を移した本丸御殿

見る場所
内堀に囲まれた本丸。南西の角が天守台、その隣に本丸御殿と⁠本丸庭園
注目する部分
天守台の石垣と、その上から見下ろす本丸御殿・本丸庭園・京都の町並み
ここが面白い
ここには伏見城から移したと⁠伝わる五重の天守がありましたが、1750年の落雷で焼け、再建されませんでした。いまの本丸御殿は、1893〜94年⁠に京都御所の北にあった桂宮(かつらのみや⁠)家の御殿を移したものです。江戸時代にさかのぼる大きな宮家の御殿はここにしか残っていないと⁠公式は説明しています。2024年に18年ぶりに公開が再開されました。[3][4][11][13]
見られるか
一部見られる天守台と⁠本丸庭園は入城券で見られる。本丸御殿の中は事前予約制・別料金で、撮影禁止。

訪問の目安

最寄り駅
二条城前駅から徒歩約1分
登り
登りなし
所要時間の目安編集部の目安
入城と⁠二の丸御殿で1時間半ほど。本丸御殿も見るなら2時間半〜3時間⁠が目安
料金
入城券一般800円・中高生400円・小学生300円。入城券+二の丸御殿一般1,300円。小学生未満無料。一般団体(30名以上⁠)⁠は入城700円・セット1,100円
時間
8:45〜16:00が入城受付(閉城17:00)⁠。二の丸御殿の受付は16:10まで
立入り
一部のみ見学できる

城内は有料(入城券が必要)⁠。二の丸御殿は別料金(セット券あり)⁠、本丸御殿は事前予約制・別料金。櫓の内部は通常非公開。清流園の一部と⁠香雲亭は通常非公開。御殿内は撮影禁止、城内はドローン禁止。日本100名城スタンプ⁠は総合案内所。

確認日:

この城の物語

01
史実

天皇の御所を守り、将軍が泊まるための⁠城

江戸幕府の政治の中心は江戸でしたが、天皇がいるのは京都でした。二条城は、京都御所を守ることと、将軍が京都に来たときに泊まることを目的に、徳川家康が1603年に完成させました。将軍がいない間は、江戸から送られた「二条在番」の武士が守っていました。[1][6]

02
史実

家康が建て、天皇を迎えるために広げた

家康は1601年に西日本の大名に工事を命じ、1603年にいまの二の丸の部分が完成しました。1624年からは2代秀忠と⁠3代家光の時代に大きく広げられ、1626年に本丸・天守ができて今の広さになりました。この年、後水尾天皇が二条城を訪れ、5日間滞在しています。狩野探幽たちの障壁画も、このときに合わせて描かれました。[1][2][5][6]

03
研究上の解釈

城で天皇をもてなし、力を見せる

天皇を立派な城に迎えることで、幕府の支配が安定していることを世の中に示したと、公式は説明しています。正門の東大手門は、もとは2階建ての門でしたが、行幸のときに天皇を2階から見下ろさないよう1階建てに建て替えられたと⁠みられています。[1][4][13]

04
史実

1867年、ここで政権が返された

1867年10月13日、15代将軍徳川慶喜⁠は二の丸御殿の大広間に、京都にいた40藩の重臣を集めて意見を聞きました。翌14日に政権を朝廷に返すことを申し出て、15日に朝廷が認めました。これが大政奉還で、約260年続いた江戸幕府はここで幕を下ろしました。[5][6]

05
史実

天守は雷で、本丸御殿は大火で失われた

五重の天守は1750年に落雷で焼け、1788年には京都の大火で本丸御殿や⁠北側の隅櫓が焼けました。一方、二の丸御殿は江戸時代の姿のまま残り、6棟が国宝、東大手門や⁠唐門、隅櫓など22棟が重要文化財になっています。明治以降は皇室の離宮と⁠なり、1893年に桂宮家の御殿が本丸へ移されました。[1][3][4][6]

06
史実

京都市が受け継ぎ、世界遺産に

1939年に宮内省から京都市に下げ渡され、1940年から一般公開されています。1994年に「古都京都の文化財」の一つとして世界文化遺産に登録されました。2011年からは建物の本格的な修理が続いていて、本丸御殿は修理を終えて2024年9月⁠に公開が再開されました。[1][3][6][15]

この城の人びと

年表

  1. 二条城(いまの二の丸部分)⁠が完成し、家康が入城[6]

  2. 寛永の大改修で本丸・天守ができ、後水尾天皇が行幸[5][6]

  3. 落雷で五重の天守が焼ける[6]

  4. 徳川慶喜が二の丸御殿で大政奉還を表明[5][6]

  5. 桂宮御殿を本丸に移す(翌年完了)[3][6]

  6. 京都市が「恩賜元離宮二条城」として一般公開[6]

  7. ユネスコ世界文化遺産⁠に登録[1][6]

建物と⁠遺構

天守の状態

天守は失われた

1626年ごろの五重の天守(伏見城から移したと⁠伝わる⁠)⁠は1750年の落雷で焼失し、再建されていない。天守台の石垣だけが残る。

城全体のいま

京都市が管理する「元離宮二条城」として、外堀の内側全体が有料で公開されている。広さは約27万5千㎡、外周約2km。城内は砂利道が多い。

主な建物

現存国宝

二の丸御殿(6棟)

遠侍・式台・大広間・蘇鉄の間・黒書院・白書院。障壁画1016面⁠は重要文化財(御殿内は主に模写)⁠。[1][2][4]

移築して現存国重要文化財

本丸御殿

1893〜94年⁠に桂宮御殿の一部を移築。2024年9月から公開再開(事前予約制)⁠。[3][11]

現存国重要文化財

唐門

二の丸御殿の正門。檜皮葺で前後に唐破風。[4]

現存国重要文化財

東大手門

いまの入城口。現在の門は1662年の建築。[4]

現存国重要文化財

東南隅櫓・西南隅櫓

かつて9棟あった櫓のうち、残るのはこの2棟だけ。内部は通常非公開。[4]

現存しない

天守

1750年の落雷で焼失。天守台に上れる。[4]

基本データ

種類
城
地形による分類
平城平地に堀をめぐらせて築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
天守は失われた天守はあったが、今は残っていない(天守台などが残る場合がある⁠)編集部記事
築城者
徳川家康、徳川家光日本城郭協会
築城
慶長8年(1603)⁠、寛永3年(1626)日本城郭協会
主な城主
徳川氏日本城郭協会
廃城
1873年(明治6年)⁠、廃城令により存城処分を受ける。Wikipedia
見られる遺構
曲輪・門・櫓・櫓台・天守台・石垣・堀・井戸編集部記事
文化財指定
国史跡(城内全体)⁠、国宝(二の丸御殿6棟)(1952年)⁠、国重要文化財(東大手門など22棟)(1952年)⁠、特別名勝(二の丸庭園)(1953年)⁠、国重要文化財(二の丸御殿障壁画1016面)(1982年)⁠、世界文化遺産「古都京都の文化財」(1994年)編集部記事
名城選定
日本100名城 49番日本城郭協会

旅の情報

立入り

一部のみ見学できる

城内は有料(入城券が必要)⁠。二の丸御殿は別料金(セット券あり)⁠、本丸御殿は事前予約制・別料金。櫓の内部は通常非公開。清流園の一部と⁠香雲亭は通常非公開。御殿内は撮影禁止、城内はドローン禁止。日本100名城スタンプ⁠は総合案内所。

住所

〒604-8301 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541[8][13]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

二条城前駅京都市営地下鉄東西線

徒歩約1分 · 登りなし

駅を出てすぐ(公式は「徒歩すぐ」)⁠。京都駅からは地下鉄烏丸線で烏丸御池駅へ約6分、東西線に乗り換えて約2分。[9]

確認日: 2026-10-03
JR二条駅JR嵯峨野線(京都駅から約5分)

徒歩約17分 · 登りなし

駅から城まで徒歩約17分。[9]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

元離宮二条城(入城・二の丸御殿)
時間
8:45〜16:00が入城受付(閉城17:00)⁠。二の丸御殿の受付は16:10まで
休館・休み
休城日は12月29日〜31日。二の丸御殿は1月・7月・8月・12月の毎週火曜(祝日なら翌日)⁠、12月26日〜28日、1月1日〜3日は観覧休止
料金
入城券一般800円・中高生400円・小学生300円。入城券+二の丸御殿一般1,300円。小学生未満無料。一般団体(30名以上⁠)⁠は入城700円・セット1,100円[7][8]
確認日: 2026-10-03
本丸御殿
時間
観覧受付9:30〜16:00(事前予約・時間指定のWEBチケット。来城日の30日前から販売)
休館・休み
毎月第3月曜と⁠その翌日(祝日は観覧可)⁠、12月26日〜28日、1月1日〜3日
料金
一般1,000円・中高生300円・小学生200円(入城券は別に必要)[7][8][11]
確認日: 2026-10-03
二条城障壁画展示収蔵館
時間
未確認(年間240日ほど開館し、展示は季節ごとに替わる⁠)
休館・休み
未確認
料金
100円(入城券は別に必要)[7][13]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

二条城来城者専用⁠の有料駐車場あり。第1駐車場(東側・乗用車120台、3〜6月・9〜11月は54台)⁠は40分ごと⁠600円・当日最大1,800円(3月10日〜4月10日⁠と11月は40分ごと⁠700円・最大2,800円)⁠。入庫8:15〜16:00、出庫18:00まで。公式は公共交通機関の利用をすすめている。[9]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
8:45〜17:00(入城は16:00まで⁠)[8]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
入城と⁠二の丸御殿で1時間半ほど。本丸御殿も見るなら2時間半〜3時間⁠が目安
階段・坂・足もと
城内はほぼ平らだが砂利道が多い。天守台へは石段を上る。東大手門から本丸御殿までは約850m・15〜20分。御殿は靴を脱いで上がる(本丸御殿は靴下着用)⁠。[11][12]
車椅子・ベビーカー
城内は砂利道のため、総合案内所で電動車いすを無料で貸し出している(アシスト機能は介添人の操作が必要)⁠。二の丸御殿・本丸御殿には屋内用の車いすもある(予約不可)⁠。視覚に障害のある人向けの触地図(無料)⁠もある。[12]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認(城内の場所は公式ガイドマップ⁠で確認を⁠)
英語案内・音声ガイド
公式サイトに英語ページがある。有料の音声ガイド機の貸出しと、専門ガイドによる公式ガイドツアー(毎日⁠)⁠がある。音声ガイド・ツアーの対応言語は未確認。[12][13]
季節の楽しみ
秋の「二条城まつり2026」は10月23日〜12月6日。期間中の昼の入城は二の丸御殿込みで一般1,300円。夜のライトアップ(10月23日〜12月5日、18:00〜22:00)⁠は別料金。[16]
撮影のルール
屋外の観覧ルート⁠上では撮影できる。二の丸御殿・本丸御殿の中は写真・動画とも禁止。一脚・三脚は遠慮、ドローンは禁止。仕事と⁠しての撮影や⁠出版物への使用は10日前までに申請が必要。[10]
工事・休館・立入制限
12月6日(日)⁠は寛永行幸の行列再現イベント⁠のため、入城受付が正午まで。本丸御殿は人数制限があり、当日券は総合案内所で若干数のみ。[16][11]確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

江戸時代の歴史の大きな場面を、その部屋で感じたい人。日本の城の「御殿」が実際どんなものだったかを見たい人。天守がなくても楽しめる城を探している人にも向く。

ここを見ると⁠面白い

まずは二の丸御殿。虎の絵がある遠侍から大広間、黒書院、白書院へと⁠奥へ進むほど、部屋の絵や⁠雰囲気が変わっていく。次に本丸へ渡り、天守台の上から本丸御殿と⁠京都の町を見渡すと、城の広さと⁠二重の堀の形がよく分かる。

訪ねる前に

本丸御殿は事前予約制で、東大手門から歩いて15〜20分かかるので、予約時間に余裕を持って入城したい。二の丸御殿は冬と⁠夏の火曜などに休むので、日にちを確かめておくと⁠安心。御殿は靴を脱いで上がる。

楽しみかた

二の丸御殿の廊下では足音に耳をすませて「鶯張り」の音を聞いてみたい。御殿の障壁画は多くが模写なので、本物を見たい人は展示収蔵館へ。秋は紅葉と⁠夜のライトアップ、春は桜の時期がにぎわう。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    二条城の歴史・見どころ概要元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  2. 2
    二の丸御殿・庭園元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  3. 3
    本丸御殿・庭園元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  4. 4
    城内の文化財と⁠施設元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  5. 5
    歴史元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  6. 6
    年表元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  7. 7
    料金元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  8. 8
    開城時間・休城日等元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  9. 9
    交通アクセス元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  10. 10
    ご観覧にあたっての注意事項元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  11. 11
    本丸御殿の観覧について元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  12. 12
    各種サービス元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  13. 13
    Cultural assets and facilities within the castle (English)Nijo-jo Castle Office, Kyoto Cityofficial確認日:
  14. 14
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  15. 15
    二条城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  16. 16
    「二条城まつり2026」を開催元離宮二条城事務所(京都市)official確認日:
  17. 17
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  18. 18
    Wikipedia「二条城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  19. 19
    Wikidata Q1013399Wikidatawikidata確認日:
  20. 20
    OpenStreetMap way/57111281© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

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