二の丸に立つ篠山城大書院(2019年5月撮影)。1944年に焼失し、2000年に木造で復元された。手前の地面には御殿の間取りが平面で表示されている。
先従隗始CC0Wikimedia Commons

兵庫県 · 丹波篠山市

篠山城

ささや⁠まじょう

Sasayama Castle

兵庫県丹波篠山市

城平山城日本100名城 57番

この城らしさ

天守台はあるのに、天守は一度も建たなかった。

なぜ?

篠山城は1609年、徳川家康が西日本の大名に命じて、1年足らずで築かせた城です。本丸の東南に天守台を築きましたが、天守は⁠建てられませんでした。市は完成を急いだことと⁠実戦向きの城にしたためと⁠説明し、家康が「天守は敵の目印になるだけで無用」と⁠言ったと⁠いう話も伝わっています。[1][3]

見逃したくない3つ

01
二の丸に立つ篠山城大書院(2019年5月撮影)。1944年に焼失し、2000年に木造で復元された。手前の地面には御殿の間取りが平面で表示されている。先従隗始CC0Wikimedia Commons

木造で復元された大書院

見る場所
二の丸。北廊下門跡から二重の枡形を通って入る
注目する部分
こけら葺きの大きな入母屋屋根、正面の唐破風の車寄せ、藩主が座った上段の⁠間
ここが面白い
大書院は築城と⁠同時に建てられた御殿の中心で、明治に城のほかの建物が壊されたあとも唯一残りました。1944年に焼失しましたが、古絵図・古写真・発掘調査をもとに、市民の寄付で2000年に木造で復元されました。大名の書院と⁠しては破格の大きさで、市は京都・二条城の二の丸御殿遠侍に匹敵すると⁠説明しています。[2][4][3]
見られるか
外から見られる中は有料(大人500円)⁠。月曜休館。
02
土塁で囲まれた南馬出(2010年10月撮影)。南門の前に築かれた出入口の守りで、土塁と堀がほぼ完全に残る。ブレイズマンCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

土塁と⁠堀がそのまま残る南馬出

見る場所
外堀の南側、南門の土橋の⁠外
注目する部分
四角く土塁をめぐらせた出入口の前の小さな曲輪と、そのまわりの水堀
ここが面白い
馬出(うまだし)は、城の出入口の前に置いて守りを固める小さな曲輪です。篠山城は⁠北(大手)⁠・東・南の3つの門すべてに角馬出を備えていました。大手馬出は1921年に堀が⁠埋められましたが、南馬出は土塁と⁠堀がほぼ完全に、東馬出も堀と⁠石垣が残ります。国史跡に指定された理由の一つにもなりました。[3][1]
見られるか
外から見られる外から自由に見られる。
03
天守台の上から篠山盆地を囲む山々を望む(2019年5月撮影)。先従隗始CC0Wikimedia Commons

天守のない天守台と、そこからの眺め

見る場所
本丸の東南の隅。二の丸から往時の石段を上る
注目する部分
内堀からそびえる天守台の高石垣と、上から見える盆地の町並みと⁠山々
ここが面白い
天守台はつくられたのに天守が建たなかったことが、この城のいちばんの不思議です。いまの天守台は城下町や⁠八上城跡のある高城山など、篠山盆地を囲む山々を見渡す展望地になっています。天守台の石垣は1991〜1998年⁠に修理されました。[3][1]
見られるか
外から見られる城跡は自由に歩ける。天守台へは石段を上る。

訪問の目安

最寄り駅
ウイング神姫バス「二階町」バス停(JR篠山口駅からバス)から徒歩約5分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
大書院と⁠城跡をひと回りして1時間〜1時間半⁠が目安
料金
大人(18歳以上⁠)500円、高校生以下300円。20名以上の団体は大人400円・高校生以下200円。2館共通券は大人800円・高校生以下400円、4館共通券(歴史美術館・武家屋敷安間家史料館・青山歴史村と⁠共通)⁠は大人1,000円・高校生以下600円で、2日間有効。障害者手帳を持つ人と⁠介助者、保護者同伴の6歳未満などは無料(2026年7月1日改定)
時間
9:00〜17:00(受付は16:30まで⁠)
立入り
自由に見学できる

城跡は自由に歩ける。大書院の中は有料。城跡の中には篠山小学校があり、その区域には入らない。二の丸南西の石垣の裾を通って埋門へ行く通路は、石垣の傷みのため通行が規制されていると⁠市の計画書にある(現状は現地で確認を⁠)⁠。

確認日:

この城の物語

01
史実

大坂を囲み、西の大名をおさえる

関ヶ原の戦いのあとも、大坂城には豊臣秀頼がいました。徳川家康は大坂を囲み、豊臣家と⁠つながりのある西日本の大名をおさえるため、1609年に山陰道の要所である丹波篠山に新しい城を築かせました。場所は盆地の真ん中にある「笹山」と⁠いう独立した丘で、丘全体がかたい岩盤でした。[1][4]

02
史実

15か国20大名による「天下普請」

工事は幕府が大名に命じる「天下普請」で、豊臣家に恩のある大名の財力を減らす目的もあったとされます。15か国20の大名が動員され、総奉行は池田輝政、縄張(城の設計)⁠は藤堂高虎がつとめました。1年に満たない突貫工事で完成し、初代城主の松平康重が八上城から移りました。[1][4][3]

03
史実

四角い城を二重の堀と⁠馬出で守る

城は一辺約400mの四角形で、本丸と⁠二の丸を高石垣で固め、内堀と⁠幅の広い外堀の二重の堀で囲みました。四角い城は出入口が弱点になるため、北・東・南の3つの門の前に馬出を置いて守りを厚くしました。天守台は築かれましたが天守は建てられず、隅櫓と⁠塀にと⁠どまりました。[1][3]

04
史実

大坂の陣と、譜代大名の城へ

完成から5年後の大坂冬の⁠陣(1614年)⁠と翌年の夏の陣で、城主の松平康重は篠山城から出陣し、城は家康のねらいどおりの役割を果たしました。その後は西日本の大名をおさえる城と⁠して、幕府が信頼する譜代大名の松平氏3家と⁠青山家が続けて治め、1748年からは青山家が明治まで城主をつとめました。[1][4]

05
史実

最後に残った大書院も焼けた

1873年の取り壊しで城の建物や⁠土塁のほとんどが壊されました。大書院は解体に費用がかかるため残され、元藩士の安藤直紀の努力で保存されて、小学校や⁠公会堂と⁠して使われました。しかし1944年1月6日⁠の夜に火事で焼け、篠山城は建物をすべて失いました。それでも本丸・二の丸の石垣と⁠外堀、南馬出はよく残っています。[3][4]

06
史実

町の人が守り、大書院を取り戻した

戦後は公園化が進みましたが、住民の運動で1956年に国の史跡になりました。民有地だった南馬出は地元の団体が買い取って守りました。石垣の修理を重ね、2000年には市民の寄付で大書院が木造で復元され、2002年には御殿の間取りを地面に示す整備も終わりました。2004年には城跡を含む城下町が国の重要伝統的建造物群保存地区⁠に選ばれています。[3][4][5][6]

この城の人びと

年表

  1. 徳川家康の命で、天下普請により篠山城が完成[1][5]

  2. 大坂冬の陣。城主松平康重が篠山城から出陣[1]

  3. 青山家が城主と⁠なり、明治まで治める[4]

  4. 城の建物の取り壊し。大書院だけが残される[3][4]

  5. 1月6日、大書院が火事で焼失[2][4]

  6. 国の史跡に指定[5]

  7. 市民の寄付で大書院を木造で復元[2][4]

建物と⁠遺構

天守の状態

もともと⁠天守なし

築城時に天守台は築かれたが、天守は⁠建てられなかった。日本城郭協会の表現は「天守台のみ残る」。

城全体のいま

城跡は史跡公園と⁠して自由に歩ける。二の丸に復元された大書院(有料の展示施設)⁠と⁠御殿跡の平面表示があり、本丸には明治に建てられた青山神社がある。外堀には水がたたえられ、まわりは城下町の町並み(重要伝統的建造物群保存地区)⁠。

主な建物

木造で復元

大書院

1609年築、1944年焼失。古絵図・古写真・発掘調査をもとに2000年に木造復元。床面積739.33㎡、入母屋造・こけら葺き。[2][4]

跡地のみ

二の丸御殿跡

立体的に復元できる資料がないため、江戸時代中期ごろの間取り図をもとに地面に平面表示(2002年完成)⁠。[4]

跡地のみ

天守台

天守は⁠建てられなかった。石垣は1991〜1998年⁠に修理。[3]

跡地のみ

南馬出・東馬出

南馬出は土塁と⁠堀がほぼ完全に残る。東馬出は堀と⁠石垣が残る。大手馬出は1921年に堀が埋められ、土塁の一部のみ。[3]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
もともと⁠天守なし天守は⁠建てられなかった編集部記事
築城者
徳川家康日本城郭協会
築城
慶長14年(1609)日本城郭協会
主な城主
松平氏、青山氏日本城郭協会
廃城
1871年(明治4年)Wikipedia
見られる遺構
石垣・堀・曲輪・土塁・虎口・天守台編集部記事
文化財指定
国史跡(篠山城跡)(1956年)⁠、国の重要伝統的建造物群保存地区(丹波篠山市篠山・城下町)(2004年)編集部記事
名城選定
日本100名城 57番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡は自由に歩ける。大書院の中は有料。城跡の中には篠山小学校があり、その区域には入らない。二の丸南西の石垣の裾を通って埋門へ行く通路は、石垣の傷みのため通行が規制されていると⁠市の計画書にある(現状は現地で確認を⁠)⁠。

住所

〒669-2332 兵庫県丹波篠山市北新町2-3(篠山城大書院)[4][8]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

ウイング神姫バス「二階町」バス停(JR篠山口駅からバス)JR福知山線篠山口駅からウイング神姫バス「篠山営業所」行き

徒歩約5分 · 少⁠し登る

篠山口駅からバスで城下町まで約15分、「二階町」で降りて大書院まで徒歩約5分。大書院は二の丸の上にあり、城跡の入口からは上り道になる。[8][9][4]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

篠山城大書院
時間
9:00〜17:00(受付は16:30まで⁠)
休館・休み
月曜(祝日の場合は開館し翌日休館)⁠、12月25日〜1月1日
料金
大人(18歳以上⁠)500円、高校生以下300円。20名以上の団体は大人400円・高校生以下200円。2館共通券は大人800円・高校生以下400円、4館共通券(歴史美術館・武家屋敷安間家史料館・青山歴史村と⁠共通)⁠は大人1,000円・高校生以下600円で、2日間有効。障害者手帳を持つ人と⁠介助者、保護者同伴の6歳未満などは無料(2026年7月1日改定)[4][8][10]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

舞鶴若狭自動車道・丹南篠山口ICから東へ約10分。城のまわりに市営の有料駐車場がある。2026年7月1日から市営駐車場の料金が普通車で通常期500円・繁忙期(4・5・9・10・11月)800円に改定(1時間未満は無料のまま⁠)⁠と⁠市の広報が案内している。[8][10]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
城跡(公園)⁠の開園時間の定めは確認できなかった。確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
大書院と⁠城跡をひと回りして1時間〜1時間半⁠が目安
階段・坂・足もと
城は小さな丘の上にあり、城跡の入口から大書院・二の丸庭園までは上り道。本丸・天守台へは石段を上る。[4][3]
車椅子・ベビーカー
大書院の館内はすべてバリアフリーで、車いす3台の貸し出しと⁠車いす⁠用スロープ⁠がある。城跡の入口から大書院・二の丸庭園までの上り道に使える電動車いすを無料で貸し出している(2日前までに電話予約、利用は2時間まで、一人で乗れて同行者がいることなどが条件)⁠。本丸・天守台へは石段のみ。[4][3]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
英語の案内は確認できなかった。大書院のシアター室でビデオ「篠山城物語」を9時30分から15分ごとに上映。スタッフによる案内解説は予約制。[4][8]
季節の楽しみ
外堀沿いに桜が植えられ、春は花見の名所になる。毎年8月15・16日には三の丸広場でデカンショ祭が開かれる(Wikipedia)⁠。[11]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
2026年7月1日から大書院の入館料と⁠市営駐車場の料金が改定された。[10][4]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

城下町

篠山の城下町(重要伝統的建造物群保存地区)

篠山城跡を中心に、武家屋敷・商家・寺院が並ぶ城下町。1609年の築城の翌年から町づくりが始まり、武家地と⁠町人地の町割りがよく残ると⁠して国の重要伝統的建造物群保存地区(40.2ha)⁠に選ばれている。[6][3]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

城の設計(縄張)⁠や⁠堀・馬出のしくみに興味がある人、木造の御殿建築を見たい人、城下町歩きと⁠あわせて楽しみたい人に向く。

ここを見ると⁠面白い

大書院の大きさと⁠上段の間、天守のない天守台、そして外堀の外に残る南馬出。四角い城の弱点を馬出で補った工夫を、地面の形で確かめられる。

訪ねる前に

天守は最初からなく、大書院は2000年の復元。大書院は月曜休館(祝日なら翌日)⁠。入館料は2026年7月⁠に上がった。城の周囲は有料駐車場。

楽しみかた

まず大書院のビデオと⁠模型で城の全体像をつかみ、天守台から盆地を見渡してから、外堀をぐるりと⁠歩いて東馬出・南馬出を回ると、城の形がよく分かる。共通券を使えば城下町の資料館もお得に回れる。

訪問者レビュー

レビュー募集中

この城を訪ねた方の声を募集しています。

レビューを書く
評価

体験に基づかない投稿・宣伝・個人情報を含む投稿は公開しません。

異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    篠山城跡丹波篠山市municipal確認日:
  2. 2
    篠山城跡大書院施設情報丹波篠山市municipal確認日:
  3. 3
    史跡篠山城跡保存活用計画第3章史跡篠山城跡⁠の概要丹波篠山市report確認日:
  4. 4
    篠山城大書院の公式ページ(2026年7月4日更新)篠山城大書院(withsasayama)official確認日:
  5. 5
    国指定文化財等データベース篠山城跡文化庁heritage確認日:
  6. 6
    国指定文化財等データベース丹波篠山市篠山(重要伝統的建造物群保存地区)文化庁heritage確認日:
  7. 7
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  8. 8
    篠山城大書院(2026年8月14日更新)丹波篠山市公式観光サイト「ぐるり!丹波篠山」tourism確認日:
  9. 9
    観光モデルコース丹波篠山市公式観光サイト「ぐるり!丹波篠山」tourism確認日:
  10. 10
    広報丹波篠山2026年4月号料金改定⁠のお知らせ(市営駐車場・市立歴史文化施設4館)丹波篠山市municipal確認日:
  11. 11
    篠山城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  12. 12
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  13. 13
    Wikipedia「篠山城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  14. 14
    Wikidata Q2760134Wikidatawikidata確認日:
  15. 15
    OpenStreetMap way/369701041© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

現地の変化や⁠誤り、使ってよい写真をご存じでしたらお知らせください。

情報の訂正・写真の提供