中堀ごしに見た巽櫓(2020年10月撮影)。1989年に復元された、上から見るとL字形の珍しい櫓。
江戸村のとくぞうCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

静岡県 · 静岡市葵区

駿府城

すんぷじょう

Sunpu Castle

静岡県静岡市葵区

城平城日本100名城 45番

この城らしさ

公園の地面の下から、家康が築いた二つの時代の天守台が重なって出てきた。

なぜ?

駿府城の天守台は明治時代に取り壊され、その土で堀が⁠埋められていました。静岡市が2016年から発掘したところ、家康が戦国時代(天正期)⁠に築いた天守台と、江戸時代(慶長期)⁠に築き直した天守台が重なって見つかり、金箔瓦も出てきました。市はこれを現地で見せる野外展示施設を造っていて、2027年度当初⁠の公開を予定しています。[1][2][3]

見逃したくない3つ

01
発掘調査で掘り出された天守台の石垣(2022年7月撮影)。見学できた発掘現場は2025年12月に閉じ、いまは野外展示施設の工事中(2027年度当初に公開予定)。Saigen JiroCC0Wikimedia Commons

重なった二つの天守台

見る場所
本丸の北西、天守台跡(野外展示施設の工事区域)
注目する部分
戦国時代と⁠江戸時代の天守台の石垣の重なり、天守台の中の作り、本丸堀
ここが面白い
家康は天守を2度建て、その土台が地中に重なって残っていました。天守は1635年の火事で焼けたあと⁠再建されず、天守台も1896年に壊されたため、発掘で初めてその大きさや⁠位置が⁠確かめられました。石垣には工事に加わった大名が付けたとされる刻印も見られます。[1][2][3][13]
見られるか
見られない発掘現場の見学ゾーンと⁠「発掘情報館きゃっしる」は2025年12月26日⁠に閉じ、いまは野外展示施設の工事中。野外展示施設は2027年度当初、となりのガイダンス施設(VRシアター・出土品展示)⁠は2027年初夏⁠に開く予定。
02
中堀ごしに見た巽櫓(2020年10月撮影)。1989年に復元された、上から見るとL字形の珍しい櫓。江戸村のとくぞうCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

巽櫓と⁠東御門

見る場所
二ノ丸の南東。東御門橋で中堀をわたった⁠先
注目する部分
上から見ると⁠L字形になった巽櫓と、門の中の資料展示
ここが面白い
巽櫓は1989年、東御門は1996年に復元されました(東御門は伝統工法)⁠。巽櫓のL字形の平面は櫓と⁠してはほかに例が少なく、守りに優れた櫓だったと⁠公式は説明しています。中では園内で発掘された品や、家康が幼いころに学んだと⁠伝わる部屋の復元「竹千代手習いの間」を見られます。[4][5][6]
見られるか
外から見られる外観は自由に見られる。中は有料(大人200円)⁠。月曜休館(祝日は開館)⁠。
03
二ノ丸の南西に立つ坤櫓(2021年5月撮影)。2014年に伝統工法で復元された。Akahito YamabeCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

床と⁠天井を外した坤櫓

見る場所
二ノ丸の南西の⁠角
注目する部分
1階から3階の梁まで見通せる吹き抜けと、強化ガラスの床から見える床下の組み方
ここが面白い
2014年に伝統工法で復元された櫓で、各階の床と⁠天井をあえて外し、木の骨組みを見せています。櫓の床下の作りまで見られるのは珍しく、復元工事の映像や⁠火縄銃(ゴム鉄砲)⁠の射的もあります。[4][5][7]
見られるか
外から見られる中は有料(大人100円)⁠。月曜休館(祝日は開館)⁠。

訪問の目安

最寄り駅
JR静岡駅から徒歩約15分
登り
登りなし
所要時間の目安編集部の目安
公園と⁠櫓を回って1時間半〜2時間⁠が目安
料金
3施設共通券大人360円・小中学生120円。個別は東御門・巽櫓大人200円、坤櫓大人100円、紅葉山庭園大人150円、小中学生は各50円。静岡市在住の70歳以上は無料
時間
9:00〜16:30(入館は16:00まで⁠)
立入り
一部のみ見学できる

駿府城公園は自由に歩ける。東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園は有料。天守台跡は工事中で入れない(野外展示施設は2027年度当初に公開予定)⁠。日本100名城スタンプ⁠の場所は未確認。

確認日:

この城の物語

01
史実

今川氏の駿府に家康が城を築いた

駿府は室町時代から駿河の守護・今川氏が治めた町で、城のあたりに今川氏の館があったと⁠考えられています。駿河など5か国の大名になった徳川家康は、1585年からここを居城と⁠して城づくりを始め、1589年にいまの二ノ丸より内側を完成させました。[4]

02
史実

将軍を退いた家康の最後の⁠城

江戸幕府を開いた家康は、1605年に将軍職を息子の秀忠に譲り、駿府に移りました。1607年、全国の大名に命じて石垣と⁠三重の堀を持つ城に大きく造り直させ(天下普請)⁠、本丸の北西に5重(または6重)7階と⁠いわれる天守を建てました。完成直後に火事で焼けましたが、すぐに再建し、天守は1610年に完成しました。[1][4]

03
史実

江戸と⁠並ぶ政治の中心

家康がいたころの駿府は、江戸とともに二つの中心で政治が動く形になっていて、政治や⁠経済の中心と⁠してにぎわいました。家康は駿府城で、アジアの国々や⁠オランダ、スペイン、イギリスなどとの交易や⁠外交も行いました。[1][4]

04
史実

焼けた天守は建て直されなかった

1616年に家康が亡くなり、のちに城主と⁠なった徳川忠長(家光の弟)⁠が1631年に処分を受けると、駿府城は城主のいない城となり、幕末まで城代が守りました。1635年の火事で天守などほとんどの建物が焼け、櫓や門は建て直されましたが、天守は再建されませんでした。[1][4]

05
史実

陸軍が来て本丸の堀が埋められた

明治になって城は市に払い下げられ、1896年に陸軍歩兵第34連隊⁠を迎えました。このとき天守台は取り壊され、その土で本丸の堀が埋められました。三ノ丸は役所や⁠学校の土地になり、いまも静岡県庁などが立っています。中堀と⁠外堀の多くと、その石垣は残っています。[1][4][11]

06
史実

櫓の復元と、天守台の発掘

戦後、本丸と⁠二ノ丸は公園になり、巽櫓(1989年)⁠、東御門(1996年)⁠、坤櫓(2014年)⁠が復元されました。天守台は2016年8月から2020年3月まで掘って調べ、2022年3月⁠に報告書がまとめられました。2025年12月⁠に見学ゾーンを閉じて野外展示施設の工事に入り、2027年度当初に公開する予定です。[1][3][4]

この城の人びと

年表

  1. 徳川家康が駿府城の築城を始める[4][10]

  2. 将軍を退いた家康が天下普請で大改修[1][4]

  3. 家康が亡くなる[4]

  4. 火事で天守などが焼け、天守は再建されず[1]

  5. 天守台を壊し、本丸堀を埋める[1]

  6. 天守台の発掘調査が始まる(〜2020年)[1]

  7. 天守台跡の野外展示施設が公開予定(年度当初)[3]

建物と⁠遺構

天守の状態

天守は失われた

1635年に焼失して再建されず、天守台も1896年に取り壊された。発掘で天正期・慶長期の二つの天守台が見つかっている。天守の形は確かな資料がない。

城全体のいま

本丸・二ノ丸は駿府城公園。三ノ丸は静岡県庁などの官庁街。中堀・外堀の多くと⁠石垣が残る。天守台跡は野外展示施設の工事中。

主な建物

確認中

巽櫓

1989年に市制100周年記念⁠で復元(構造・工法は未確認)⁠。L字形の平面。[4][6]

木造で復元

東御門

1996年に伝統工法で復元。資料館と⁠して公開。[4][6]

木造で復元

坤櫓

2014年に伝統工法で復元。床と⁠天井を外して骨組みを見せている。[4][7]

跡地のみ

天守台

1896年に取り壊され、地中の石垣が発掘された。野外展示施設と⁠して整備中。[1][2]

基本データ

種類
城
地形による分類
平城平地に堀をめぐらせて築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
天守は失われた天守はあったが、今は残っていない(天守台などが残る場合がある⁠)編集部記事
築城者
徳川家康日本城郭協会
築城
天正13年(1585)⁠、慶長12年(1607)日本城郭協会
主な城主
徳川氏日本城郭協会
廃城
1869年(明治2年)Wikipedia
見られる遺構
石垣・堀・櫓・櫓台・門・曲輪・天守台編集部記事
名城選定
日本100名城 45番日本城郭協会

旅の情報

立入り

一部のみ見学できる

駿府城公園は自由に歩ける。東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園は有料。天守台跡は工事中で入れない(野外展示施設は2027年度当初に公開予定)⁠。日本100名城スタンプ⁠の場所は未確認。

住所

〒420-0855 静岡県静岡市葵区駿府城公園1-1[5]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR静岡駅JR東海道新幹線・東海道本線

徒歩約15分 · 登りなし

徒歩約15分。バスなら「県庁・静岡市役所葵区役所前」で降り、東御門・巽櫓まで徒歩3〜5分。[5]

確認日: 2026-10-03
静岡鉄道新静岡駅静岡鉄道静岡清水線

徒歩約12分 · 登りなし

徒歩約12分。[5]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園
時間
9:00〜16:30(入館は16:00まで⁠)
休館・休み
月曜(祝日・休日は開館し、振替休館なし)⁠、12月29日〜1月3日
料金
3施設共通券大人360円・小中学生120円。個別は東御門・巽櫓大人200円、坤櫓大人100円、紅葉山庭園大人150円、小中学生は各50円。静岡市在住の70歳以上は無料[5][6][7]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

東名高速静岡ICから約17分、新東名高速新静岡ICから約18分。公園に専用駐車場はなく、近くの有料駐車場を使う。[5]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
未確認確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
公園と⁠櫓を回って1時間半〜2時間⁠が目安
階段・坂・足もと
平地の城跡で坂は少ないが、復元した櫓や⁠門の中には段差や⁠狭い所がある。[8]
車椅子・ベビーカー
各施設に車いすを1台ずつ用意(紅葉山庭園は屋外用)⁠。東御門・巽櫓と⁠坤櫓は展示保護のため館内で室内用車いすに乗り換える。ベビーカーは入口に置く。伝統工法の建物のため段差や⁠狭い所がある。問い合わせは⁠二⁠ノ丸施設管理事務所(054-251-0016)⁠。[8]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
公式サイトに英語ページがある。市は城跡の散策地図「駿府城独案内」の英語版を出している。[1][5]
季節の楽しみ
未確認
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
天守台跡は野外展示施設の工事中(2027年度当初に公開予定、ガイダンス施設⁠は2027年初夏⁠に開館予定)⁠。東御門・巽櫓は2026年9月28日〜11月30日(予定)⁠に入口通路と⁠外側の格子柵の修繕工事があるが、通常どおり開館。[1][3][9]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

博物館

静岡市歴史博物館

城のそば(葵区追手町)⁠にある市立の歴史博物館。市の「駿府城AR」のスポットにもなっている。開館9:00〜18:00。[12][3]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

徳川家康の晩年に興味がある人、発掘で城の姿がどう⁠分かってくるかを知りたい人、復元された櫓の木の骨組みを見たい人に向く。駅から歩けるので立ち寄りやすい。

ここを見ると⁠面白い

巽櫓と⁠東御門、坤櫓の3つの復元建物と、中堀の石垣。坤櫓では床と⁠天井を外した骨組みが見もの。天守台は工事中なので、2027年の野外展示公開後⁠にもう一度訪れたい。

訪ねる前に

天守は1635年に焼けて以来なく、天守台跡も2025年12月から工事中で見学できない。施設は月曜休館(祝日は開館)⁠。共通券が割安。

楽しみかた

市が配る散策地図「駿府城独案内」を持って堀の石垣をたどると、公園の外に広がっていた城の大きさが分かる。スマートフォン⁠で昔の城を重ねて見る「駿府城AR」も2026年度から園内外に設けられる予定。

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    駿府城跡・駿府城跡天守台発掘調査静岡市municipal確認日:
  2. 2
    駿府城跡天守台野外展示事業静岡市municipal確認日:
  3. 3
    報道資料 9月12日、13日駿府城夏まつりで駿府城AR体験イベント⁠と⁠スタンプラリー⁠を開催(2026年9月3日発表)静岡市municipal確認日:
  4. 4
    駿府城公園の歴史駿府城公園(静岡市)official確認日:
  5. 5
    ご利用案内・アクセス駿府城公園(静岡市)official確認日:
  6. 6
    東御門・巽櫓駿府城公園(静岡市)official確認日:
  7. 7
    坤櫓駿府城公園(静岡市)official確認日:
  8. 8
    施設内バリアフリー情報(東御門・巽櫓、紅葉山庭園、坤櫓)駿府城公園(静岡市)official確認日:
  9. 9
    【修繕工事の⁠お⁠知らせ】東御門・巽櫓、紅葉山庭園駿府城公園(静岡市)official確認日:
  10. 10
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  11. 11
    駿府城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  12. 12
    静岡市歴史博物館公式サイト静岡市歴史博物館official確認日:
  13. 13
    駿府城跡天守台発掘調査(調査の概要)静岡市municipal確認日:
  14. 14
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  15. 15
    Wikipedia「駿府城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  16. 16
    Wikidata Q1038629Wikidatawikidata確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

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