山の頂に石垣が連なる竹田城跡(2011年11月撮影)。建物は残っていないが、石垣はほぼ当時の形で残る。
Norio NAKAYAMACC BY-SA 2.0Wikimedia Commons

兵庫県 · 朝来市

竹田城

たけだじょう

Takeda Castle

兵庫県朝来市

城山城日本100名城 56番

この城らしさ

晩秋の晴れた朝、山頂の石垣だけが雲の海から顔を出す。

なぜ?

竹田城跡は標高353.7mの古城山の山頂にあり、ふもとの町より約250m高いところにあります。冷え込んだ晩秋の朝には谷に霧がたまり、雲の上に城跡が浮かぶように見えることから「天空の城」と⁠呼ばれるようになりました。建物はありませんが、石垣はほぼ当時の形で残っています。[4][6][14]

見逃したくない3つ

01
東の立雲峡から見た早朝の竹田城跡と雲海(2010年11月撮影)。雲海が出るかどうかは天気しだい。abokCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

雲海に浮かぶ「天空の城」

見る場所
城跡の中では足もとに雲海が広がる。雲の上に浮かぶ城の姿そのものは、城の東の向かいにある立雲峡などから眺めるもの
注目する部分
谷を埋める白い霧と、その上に連なる石垣の⁠列
ここが面白い
寒暖差が大きくなる晩秋は、1年でいちばん雲海が出やすい季節と⁠市は案内しています。2026年は12月6日まで朝5時から入城でき、11月の土日祝日は早朝の「雲海バス」が走ります。ただし雲海が出るかどうかは天気しだいです。[3][4][6][14][19]
見られるか
一部見られる天候しだいで、出ない日も多い。城跡と⁠立雲峡には灯りがないので懐中電灯が必要。⁠冬(1月4日〜2月末)⁠は閉山。
02
本丸と天守台の石垣(2013年5月撮影)。天守台の角は、長い石を交互に組む算木積み。Baku13CC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

本丸と⁠天守台の石垣

見る場所
城跡のほぼ中央、尾根のいちばん高いところにある本丸。天守台には上れる
注目する部分
大小さまざまな自然の石を組んだ野面積みの壁と、長い石を交互に組んで角を固めた算木積み
ここが面白い
市によると、竹田城の石垣は近江(いまの滋賀県)⁠の石工集団・穴太衆が築いたと⁠言われています。いま残る石垣は、1585年に城主と⁠なった赤松広秀のころに整えられたと⁠考えられています。[2][5][9][8]
見られるか
外から見られる城跡内は一方通行の見学ルートで回る。ルートの外は立入禁止。石垣に登るのは禁止。
03
花屋敷の曲輪跡(2009年4月撮影)。2026年8月から、平殿から花屋敷へ下る見学通路で石塁を間近に見られるようになった(曲輪の中には入れない)。ブレイズマンPublic domainWikimedia Commons

2026年8月⁠に近くなった花屋敷の石塁

見る場所
本丸の北西にある花屋敷。平殿から花屋敷へ下りる新しい見学通路
注目する部分
曲輪を囲む石塁の⁠形
ここが面白い
花屋敷の形は、豊臣秀吉が朝鮮出兵の拠点にした肥前名護屋城(佐賀県)⁠の遊撃丸と⁠よく似ていることで知られます。これまで立ち入りが制限されていましたが、2026年8月7日⁠に見学通路ができ、石塁を間近で⁠見られるようになりました。[10][14]
見られるか
一部見られる見学通路から見るだけ。曲輪の中は発掘や⁠保存の検討中のため立入禁止。

訪問の目安

最寄り駅
JR竹田駅から徒歩約40分
登り
急な登り
所要時間の目安編集部の目安
城跡の中だけで30〜60分(市の目安)⁠。駐車場や⁠駅からの登り下りを含めると⁠2〜3時間が目安
料金
大人(高校生以上⁠)500円、中学生以下無料。20名以上の団体は大人450円。障害者手帳を持つ人と⁠介助者1名は免除。年間パスポート1,000円(2026年度)⁠。現金・各種キャッシュレス決済⁠が使える
時間
春(3月1日〜5月31日)8:00〜17:00、夏・雲海シーズン(2026年は6月1日〜12月6日)5:00〜17:00、⁠冬(12月7日〜1月3日)10:00〜15:00。最終登城は閉門の30分前(冬は14:30)⁠、南登山道はさらに30分早い
立入り
自由に見学できる

有料。決められた入城時間以外は入れない。予約は不要。城跡内は一方通行の見学ルートで、ルートの外は立入禁止。駐車場から城跡まで登山道を含めて全面禁煙・火気厳禁。石垣に登る、石や⁠瓦を持ち出すなどは禁止。大雨・暴風などの警報や⁠落雷・凍結のときは入城が止められることがある。

確認日:

この城の物語

01
伝承

但馬の入口を守る⁠山

竹田城は、但馬(いまの兵庫県北部)⁠の守護・山名宗全(持豊)が、家臣の太田垣氏に命じて1443年ごろに築かせたのが始まりと⁠伝わります。ただしこれは言い伝え(口碑)で、確かな記録はありません。竹田は但馬から播磨・丹波へ出る入口にあたり、当時は播磨の赤松氏との争いが続いていました。[2][14][19]

02
史実

太田垣氏の城から秀長の城へ

太田垣氏は7代にわたって城主をつとめました。1577年、羽柴秀吉の命で但馬に攻め入った弟の羽柴(豊臣)秀長が竹田城を攻め落とし、城代と⁠して入って城の大改修を指示したと市は説明しています。1580年の秀吉の但馬攻めで太田垣氏の支配は終わり、桑山重晴が城主と⁠なりました。[2][11]

03
史実

赤松広秀が仕上げた総石垣の⁠城

1585年、播磨の龍野城主だった赤松広秀(斎村政広)⁠が2万石で入りました。いま残る石垣は、この広秀のころに整えられたと⁠考えられています。広秀は養蚕や⁠漆器づくりをすすめ、儒学者の藤原惺窩を助けるなど学問にも力を入れ、領民から「仁政の主君」と⁠慕われたと⁠伝わります。[2]

04
史実

関ヶ原のあと、城主の切腹で廃城に

1600年の関ヶ原の戦いで、広秀ははじめ西軍と⁠して丹後の田辺城を攻めました。西軍が敗れたあとは東軍の亀井茲矩に頼まれて鳥取城攻めに加わりましたが、城下に火を放った罪を問われて鳥取の真教寺で自刃し、竹田城も廃城になりました。[2]

05
史実

建物は消え、石垣はそのまま残った

廃城後、竹田は生野代官所の支配下に入りました。建物は⁠残っていませんが、城の石垣は当時の形のまま残り、本丸・天守台を中心に、南北にのびる曲輪が石垣で囲まれた姿を⁠見ることができます。1939年に竹田町の所有と⁠なり、1943年に国の史跡に指定されました。[2][4]

06
史実

「天空の城」の人気と⁠史跡を守るルール

雲海に浮かぶ写真が広まると⁠訪れる人が急に増え、市は観覧料を集めて管理を強め、冬は入城を⁠止めるようにしました。城跡の中は一方通行のルートで回り、ルートの外は立入禁止です。2009年には史跡の範囲が追加され、2026年8月には花屋敷へ下りる新しい見学通路ができました。[2][5][8][9][10][14][19]

この城の人びと

年表

  1. 言い伝え(口碑)⁠による

    山名宗全の命で竹田城が完成し、太田垣光景が初代城主と⁠なったと⁠伝わる[2]

  2. 羽柴秀長が但馬に攻め入り、竹田城を攻略して城代と⁠なる[11][2]

  3. 秀吉の但馬攻めで太田垣氏の支配が終わる[2]

  4. 赤松広秀が城主と⁠なる[2]

  5. 関ヶ原の戦いのあと⁠広秀が自刃し、竹田城は廃城と⁠なる[2]

  6. 国の史跡に指定(2009年に追加指定)[2]

  7. 花屋敷の石塁を間近に見る見学通路が開通[10]

建物と⁠遺構

天守の状態

天守は失われた

天守台の石垣だけが残る(日本城郭協会の表現は「天守台のみ残る」)⁠。

城全体のいま

古城山の山頂に、建物のない石垣の城跡が残る。有料の史跡と⁠して公開され、季節ごとに入城時間が決まっている。⁠冬(1月4日〜2月末)⁠は閉山。

主な建物

跡地のみ

天守台・本丸

石垣が残る。天守台には見学ルートで上れる。[5][9]

跡地のみ

大手口・三の丸の枡形虎口

敵を防ぐための枡形虎口や⁠食い違い虎口が各所に残る。[5]

跡地のみ

花屋敷

築城当時の遺構が未整備のまま残る。曲輪内は立入禁止で、見学通路から見る。[10]

跡地のみ

北千畳・南千畳

城の北と⁠南の端にある広い曲輪。北千畳にはベンチがあり、飲食はここでできる。[5][7]

基本データ

種類
城
地形による分類
山城山の上に築いた城。登りがある編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
天守は失われた天守はあったが、今は残っていない(天守台などが残る場合がある⁠)編集部記事
築城者
山名宗全、赤松広秀日本城郭協会
築城
嘉吉年間(1441~44)⁠、天正13年~慶長5年(1585~1600)日本城郭協会
主な城主
太田垣氏、桑山氏、赤松氏日本城郭協会
廃城
1600年(慶長5年)Wikipedia
見られる遺構
石垣・堀・井戸・曲輪・虎口・天守台編集部記事
文化財指定
国史跡(竹田城跡)(1943年)編集部記事
名城選定
日本100名城 56番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

有料。決められた入城時間以外は入れない。予約は不要。城跡内は一方通行の見学ルートで、ルートの外は立入禁止。駐車場から城跡まで登山道を含めて全面禁煙・火気厳禁。石垣に登る、石や⁠瓦を持ち出すなどは禁止。大雨・暴風などの警報や⁠落雷・凍結のときは入城が止められることがある。

住所

兵庫県朝来市和田山町竹田[14]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR竹田駅JR播但線

徒歩約40分 · 急⁠な登り

駅裏登山道(約700m)⁠で約40分。赤松広秀の屋敷跡を通る、舗装されていない急な山道。表米神社登山道⁠も約40分(急な坂と⁠460段の階段)⁠、舗装された南登山道は約50〜60分。昼間は駅から「天空バス」で山の中腹まで行けるが、中腹のバス停から城跡入口まで約900m(約20分)⁠は全員歩く。[3][4][6]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

竹田城跡(観覧料)
時間
春(3月1日〜5月31日)8:00〜17:00、夏・雲海シーズン(2026年は6月1日〜12月6日)5:00〜17:00、⁠冬(12月7日〜1月3日)10:00〜15:00。最終登城は閉門の30分前(冬は14:30)⁠、南登山道はさらに30分早い
休館・休み
1月4日〜2月末⁠は冬季閉山。悪天候時は入城制限あり
料金
大人(高校生以上⁠)500円、中学生以下無料。20名以上の団体は大人450円。障害者手帳を持つ人と⁠介助者1名は免除。年間パスポート1,000円(2026年度)⁠。現金・各種キャッシュレス決済⁠が使える[4][8][12][14][20]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

北近畿豊岡自動車道・播但連絡道路の和田山ICから約10分。いちばん近い「山城の郷」駐車場(普通車100台・無料)から西登山道(舗装路)⁠で約40分。国道312号沿いの竹田城跡・立雲峡駐車場(100台・無料)⁠と⁠竹田城下町観光駐車場(150台・無料)からは駅裏の登山道を使う。一般車は山城の郷より上へは行けない。10・11月の土日祝日は山城の郷が午前2〜3時ごろに満車になることがある。[1][4][3]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
入城時間は上の観覧料の欄のとおり。下山時の門は、西登山道が18:30、駅裏・表米神社・南登山道が18:00に閉まる(2026年6月1日〜12月6日)⁠。[4]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
城跡の中だけで30〜60分(市の目安)⁠。駐車場や⁠駅からの登り下りを含めると⁠2〜3時間が目安
階段・坂・足もと
山城なので坂と⁠石段が多い。駅裏・表米神社の登山道は舗装されていない山道で、城跡の中も舗装されておらず⁠石⁠の階段がある。スニーカーなど歩きやすい靴で。ハイヒールや⁠サンダルは向かない。早朝は懐中電灯と、野生動物よけの鈴などを持つよう市が求めている。[4][7][3]
車椅子・ベビーカー
急な坂や⁠段差の大きい石段があり、車いすでの入城はかなり難しいと⁠市は案内している。[8]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
城跡内にトイレはない。入る前に済ませる(周辺のトイレの場所は市の地図にある)⁠。[8]
英語案内・音声ガイド
英語の案内は確認できなかった。ボランティアガイド(有料・1週間前までに予約)⁠がある。[13]
季節の楽しみ
雲海がいちばん⁠出やすいのは晩秋。早朝の入城は2026年は12月6日まで。11月の土日祝日は早朝の「雲海バス」、昼間は「天空バス」が走る(12月はどちらも運休)⁠。春は城跡で桜が咲く。山頂は朝に氷点下になることもあり、防寒具と⁠雨具が要る。[3][4]
撮影のルール
ロケや⁠撮影の依頼は朝来市観光交流課⁠が受け付けている。個人の撮影ルール(三脚・ドローンなど)⁠は確認できなかった。[16]
工事・休館・立入制限
2026年10月11日(日)⁠は竹田秋祭りのため徒歩のみの登城。山城の郷は休業・立入禁止で西登山道は使えず、タクシー・天空バス・雲海バスも運休。駅付近の3本の登山道を使う(入城時間は5:00〜17:00のまま)⁠。[17]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

城下町

寺町通り・法樹寺

古城山のふもと、4つの寺と⁠表米神社が⁠並⁠ぶ約600mの散策路。白壁の塀や⁠小川が続く。法樹寺は最後の城主・赤松広秀の菩提寺で、境内の裏手に墓碑がある。[18]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

雲海の絶景を見たい人、天守がなくても石垣の迫力を味わいたい人、山歩きが好きな人に向く。

ここを見ると⁠面白い

尾根に沿って南北にのびる石垣の列と、天守台の角の積み方。2026年8月⁠にできた通路から見る花屋敷の石塁も新しい見どころ。

訪ねる前に

入城時間は季節で変わり、1月4日〜2月末⁠は入れない。雲海は天気しだいで、見られない日も多い。秋の早朝は駐車場が深夜に満車になることがあるので、平日か公共交通機関を考えたい。城跡の中にトイレはない。

楽しみかた

雲海をねらうなら、市のポータル「あさぶら」の雲海予報(参考情報)⁠を見てから出かけ、懐中電灯と⁠防寒具を忘れずに。帰りは寺町通りを歩いて、城主・赤松広秀ゆかりの法樹寺にも寄りたい。

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    竹田城跡公式ホームページ(トップ・アクセス)朝来市official確認日:
  2. 2
    竹田城の歴史朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  3. 3
    雲海シーズンの登城方法及⁠び駐車場⁠についてのご案内(2026年9月18日更新)朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  4. 4
    【竹田城跡】サマー&雲海シーズン(2026年6月1日から12月6日まで⁠)⁠の観覧時間朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  5. 5
    竹田城跡の縄張り・石垣朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  6. 6
    竹田城跡へお越しの皆さんへ(遠方からのアクセス)朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  7. 7
    登城時の注意事項(城跡は全面禁煙です)朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  8. 8
    一般、料金、見学のルールなど(Q&A)朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  9. 9
    【天守台入場可】城跡内見学ルート⁠について朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  10. 10
    「花屋敷の石塁」が間近で見られる、新たな見学通路がオープンしました⁠!(2026年8月7日更新)朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  11. 11
    豊臣秀長ゆかりの⁠地めぐりパンフレット⁠を公開朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  12. 12
    観覧料のお支払い方法(2026年9月10日更新)朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  13. 13
    竹田城跡ガイド⁠の申込について朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  14. 14
    国史跡竹田城跡あさごツーリズムビューロー(朝来市観光協会)tourism確認日:
  15. 15
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  16. 16
    撮影・取材のご依頼について朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  17. 17
    10月11日の登城方法【竹田秋祭り本宮⁠祭当日】朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  18. 18
    竹田城跡周辺朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  19. 19
    竹田城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  20. 20
    観覧時間について(季節ごとの入城時間)朝来市(竹田城跡公式ホームページ)official確認日:
  21. 21
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  22. 22
    Wikipedia「竹田城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  23. 23
    Wikidata Q8013060Wikidatawikidata確認日:
  24. 24
    OpenStreetMap way/674728054© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

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