本丸と中の丸の間の深い堀切に架かる橋(2019年8月撮影)。この場所に橋が架けられていた跡があることは、国の史跡の説明でも注目されている。
柴錬アワーCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

東京都 · 八王子市

滝山城

たきやまじょう

Takiyama Castle

東京都八王子市

城平山城続日本100名城 112番

この城らしさ

石垣も天守もない。土を削って盛った堀と⁠土塁だけで、武田信玄の攻撃をしのいだと⁠伝わる北条氏照の城。

なぜ?

滝山城は多摩川を見下ろす丘の上に、土塁・堀・馬出(うまだし)⁠・曲輪を組み合わせて造られた城で、八王子市は「関東屈指の平山城」と⁠紹介しています。1569年には武田信玄の軍に攻められ、氏照が自ら指揮をとって守ったと⁠いわれます。いまも土の城のしかけが、森の中にほぼそのまま残っています。[1][4]

見逃したくない3つ

01
下の道から見上げた橋と大きな堀切。尾根を深く断ち切って、本丸へ渡る道を橋だけにしていた。三つ⁠鱗CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

本丸の前の深い堀切と⁠橋

見る場所
本丸と、その手前の曲輪(中の丸)⁠の⁠間
注目する部分
尾根を深く断ち切った堀切(ほりきり)と、そこに架かる木の橋。下の道から見上げると⁠堀切の深さがよく分かる
ここが面白い
国の史跡の説明では、本丸の前の深い切通しに橋を架けた跡があることを「注意すべき」点として挙げています。尾根伝いに攻めてきた敵は、ここで足を止められます。橋を落とせば本丸への道が⁠断たれるしかけです。[4][5]
見られるか
外から見られる散策路から自由に見られる。いまは木の橋が架かっていて渡ることもできる。
02
二の丸と伝わる曲輪のまわりの深い空堀と土塁(2020年1月撮影)。三つ⁠鱗CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

二の丸を囲む土塁・堀と⁠馬出

見る場所
二の丸と⁠伝わる曲輪のまわり
注目する部分
深い空堀と⁠高い土塁、出入口の前に張り出した馬出の⁠形
ここが面白い
滝山城は、土塁・堀・馬出・曲輪を巧みに配置した城と⁠市は説明しています。二の丸のまわりには馬出がいくつも残り、敵を細かく分けて狭い出入口へ誘い込むつくりになっていたと⁠考えられています。石を使わずに、土だけでここまで守りを固められることが分かります。[1][5]
見られるか
外から見られる散策路から見られる。散策路の外は私有地を含むので入らない。
03
中の丸から北を見た眺め。木々の間から多摩川沿いの平地と町並みが見える。城の北側は川に面した急な崖になっている。柴錬アワーCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

中の丸から見る多摩川と⁠北側の⁠崖

見る場所
中の⁠丸(続日本100名城⁠のスタンプと⁠トイレもここ)
注目する部分
木々の間から広がる多摩川沿いの平地と、城の北東側の急な⁠崖
ここが面白い
城の北東側は多摩川に面した急な崖で、ここから攻め込むのは非常に⁠難しかったと⁠市⁠は説明しています。南が大手⁠(正面)⁠、北が搦手(裏側)⁠と⁠され、崖を背にした城の形が眺めから実感できます。[1][2][4]
見られるか
外から見られる自由に見られる。木々の茂る季節は眺めが限られる。

訪問の目安

最寄り駅
滝山城址下バス⁠停から徒歩約15分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
バス停から本丸まで往復して主な遺構を見るなら2時間ほどが目安
立入り
自由に見学できる

城跡(都立滝山公園)⁠は散策路を自由に歩ける。となりや中に私有地があるので、散策路の外には入らない。ヘビや⁠ハチを見かけても刺激しない。火気厳禁。続日本100名城スタンプ⁠は中の丸広場のほか、加住市民センター⁠と⁠道の駅八王子滝山にもある。

確認日:

この城の物語

01
史実

多摩川を見下ろす丘の⁠城

滝山城は加住北丘陵の上にあります。北側は多摩川に面した急な崖、南側は谷地川沿いの平地です。この地形を生かして、南を正面(大手)⁠、北を裏側(搦手)とし、尾根の上に本丸・二の丸などの曲輪を並べました。[1][4]

02
伝承

大石家が築き、北条氏照が広げた

城は1521年に大石定重が⁠築いたとされます。大石家は北条家に従い、北条氏康の子・氏照を養子に迎えました。城を⁠受⁠け⁠継いだ氏照⁠が大きく広げたといわれ、2021年には築城500年を迎えました。[1][4][7]

03
伝承

1569年、武田信玄が攻めてきた

1569年、小田原をめざす武田信玄⁠の軍が滝山城を攻め、氏照が指揮をとって守りました。軍記物の『甲陽軍鑑』には、氏照が二の丸の門の上で指揮をとり、武田勝頼が三度攻め寄せたと⁠いう話が書かれています。ただし、実際にどのくらいの戦いがあったのかは⁠分かっていません。[1]

04
史実

八王子城へ移り、土の城が残った

武田軍との戦いから十数年後、氏照は本拠を八王子城へ移しました。滝山城は⁠使われなくなりましたが、建物を持たない土の城だったため、土塁や堀、曲輪の形がよく残りました。国の史跡の説明も、堀・土塁がよく昔の姿をとどめ、地形を生かした縄張りが巧みだと⁠しています。[1][4]

05
史実

国の史跡と⁠桜の名所

1951年に国の史跡に指定されました。1971年度には地元の住民と⁠行政が協力して桜を植え、いまでは都内有数の桜の名所です。城跡は都立滝山公園(滝山自然公園)⁠として整備され、2017年に続日本100名城⁠に選ばれ、日本遺産「桑都物語」の構成文化財にもなっています。[1][2]

この城の人びと

年表

  1. 大石定重が築いたとされる[4][6]

  2. 武田信玄の軍に攻められ、北条氏照が守る[1]

  3. 武田軍との戦いから十数年後

    氏照が八王子城へ本拠を移す[1]

  4. 国の史跡に指定される[1]

  5. 地元と⁠行政が協力して桜を植える[2]

  6. 続日本100名城(123番)⁠に選ばれる[2][6]

建物と⁠遺構

天守の状態

もともと⁠天守なし

戦国時代の土の城で、天守はない(城郭協会の一覧でも「−」)⁠。

城全体のいま

城跡の大部分は都立滝山公園(滝山自然公園)⁠として散策路が整備されている。土塁・堀・馬出・曲輪などの遺構がよく残る。まわりには私有地が残る。

主な建物

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
中世編集部記事
天守の状態
もともと⁠天守なし天守は⁠建てられなかった編集部記事
築城者
大石定重日本城郭協会
築城
大永元年(1521)日本城郭協会
主な城主
北条氏日本城郭協会
廃城
天正1?年頃Wikipedia
見られる遺構
土塁・堀・竪堀・井戸・虎口・曲輪・堀切編集部記事
文化財指定
国史跡(滝山城跡)(1951年)⁠、日本遺産「霊気満山高尾山 〜人々の祈りが紡ぐ桑都物語〜」構成文化財(2020年)編集部記事
名城選定
続日本100名城 112番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡(都立滝山公園)⁠は散策路を自由に歩ける。となりや中に私有地があるので、散策路の外には入らない。ヘビや⁠ハチを見かけても刺激しない。火気厳禁。続日本100名城スタンプ⁠は中の丸広場のほか、加住市民センター⁠と⁠道の駅八王子滝山にもある。

住所

東京都八王子市丹木町2丁目・3丁目、高月町、加住町1丁目(史跡の範囲)[1]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

滝山城址下バス⁠停JR八王子駅北口・京王八王子駅から、戸吹行き・秋川駅行き・戸吹スポーツ公園入口行き・サマーランド⁠行きのバス

徒歩約15分 · 少⁠し登る

バス停から城跡まで徒歩約15分(八王子市の観光案内による)⁠。丘の上へ登る道になる。[2][1]

確認日: 2026-10-03

車・駐車場

中央道八王子ICから国道16号を拝島方面へ、左入交差点を左折して国道411号(滝山街道)へ。城跡の入口近くに市営の滝山観光駐車場(無料・29台、うち1台は身体障がい者優先)⁠。利用は8:00〜18:00(11月1日〜2月末⁠は16:00まで⁠)⁠。閉場時刻を過ぎると⁠ゲートが上がって出られなくなる。桜の時期はとても混む。[1][3]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
未確認(駐車場は8:00〜18:00、11〜2月は16:00まで⁠)[3]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
バス停から本丸まで往復して主な遺構を見るなら2時間ほどが目安
階段・坂・足もと
丘陵の上の城で、散策路には上り下りがある。市は、都立自然公園と⁠して整備され歩きやすく、遺構を見ながらのハイキングに向くと⁠紹介している。[1]
車椅子・ベビーカー
未確認(駐車場に身体障が⁠い者優先スペース⁠が1台ある⁠)[3]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
中の丸にトイレがある。[2]
英語案内・音声ガイド
未確認
季節の楽しみ
春は⁠桜(ソメイヨシノ・ヤマザクラなど)⁠の名所で、毎年桜まつりが開かれる。ゴールデンウィークごろはヤマツツジが咲く。[1][2]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
散策路以外は私有地を⁠含むため立入禁止。スタンプは押印済みの用紙を用意していないので、現地で自分で押す。[2]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

博物館

八王子城跡

氏照が滝山城のあとに本拠とした山城で、日本100名城。国史跡で、ガイダンス施設⁠がある(9:00〜17:00、12月29日〜1月3日休館)⁠。[8]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

石垣ではなく土で造った戦国の城を見たい人、北条氏や⁠武田信玄の関東での戦いに興味がある人、桜や⁠ハイキングを楽しみたい人に向く。八王子城と⁠あわせて回るのもよい。

ここを見ると⁠面白い

本丸前の堀切と⁠橋、二の丸まわりの土塁・堀・馬出、中の丸からの多摩川の眺めの3つを押さえたい。堀の底から土塁の高さを見上げると、土の城の守りの強さがよく分かる。

訪ねる前に

建物はなく、天守もない。散策路には上り下りがあるので歩きやすい靴で。私有地が残るので散策路から外れないこと。車なら駐車場の閉場時刻(冬は16時)⁠に注意。

楽しみかた

市の「滝山三城マップ」を手に入れると、近くの高月城・根小屋城もあわせて歩ける。NPOのボランティアガイド⁠もある。桜の季節は混むので、紅葉や⁠冬の落葉期は堀や⁠土塁の形が見やすい。

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    滝山城跡(国指定史跡)八王子市municipal確認日:
  2. 2
    都立滝山公園・滝山城跡八王子市商業観光課municipal確認日:
  3. 3
    滝山観光駐車場八王子市municipal確認日:
  4. 4
    滝山城跡(文化遺産データベース)文化庁heritage確認日:
  5. 5
    滝山城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  6. 6
    続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  7. 7
    滝山城築城500年記念マンガ⁠について八王子市municipal確認日:
  8. 8
    八王子城跡ガイダンス施設八王子市municipal確認日:
  9. 9
    滝山三城マップ八王子市municipal確認日:
  10. 10
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  11. 11
    Wikipedia「滝山城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  12. 12
    Wikidata Q11565113Wikidatawikidata確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

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