三の丸から見上げる人質郭(三十間台)の高石垣(2014年10月撮影)。標高362mの霊亀山の山上に石垣だけが残る。
TT mk2CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

島根県 · 津和野町

津和野城

つわのじょう

Tsuwano Castle

島根県津和野町

城山城日本100名城 66番

この城らしさ

秋から冬の朝、霧にしずんだ赤瓦の城下町の上に、山上の高石垣だけが浮かび上がる。

なぜ?

津和野城は、町から約200m高い霊亀山(標高362m)⁠の山上にある山城です。秋から冬にかけて条件がそろうと、町をすっぽり覆う朝霧の上に城跡の石垣が浮かび、町はこの姿を「天空の城」と⁠紹介しています。見ごろはおおむね午前7時前後で、その時期は観光リフトも早朝に運行します。[2][4][5]

見逃したくない3つ

01
三の丸から見上げる人質郭(三十間台)の高石垣(2014年10月撮影)。標高362mの霊亀山の山上に石垣だけが残る。TT mk2CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

三十間台と⁠人質郭の高石垣

見る場所
山上の本城(本丸)⁠。リフト降り場から歩いて約20分
注目する部分
段々に積まれた高い石垣と、三十間台から見下ろす赤瓦(石州瓦)⁠の城下町、その向こうの青野山(標高907m)
ここが面白い
関ヶ原の戦いのあと⁠城主になった坂崎直盛が、吉見氏の中世の山城を高石垣の近世の城に造り変えました。建物は明治に解体されましたが、山上には段々に連なる高石垣が残り、人の力で行われた大工事の跡が見られます。町は三十間台を写真のいちばんのおすすめ場所と⁠して紹介しています。[2][5][8]
見られるか
外から見られる見学自由。リフトか登山道で上る。
02
天守台の石垣(2014年10月撮影)。三重の天守は1686年に落雷で焼け、再建されなかった。TT mk2CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

三重天守があった天守台

見る場所
本城の三十間台の西側
注目する部分
天守台の石垣と、その上の平地
ここが面白い
本丸・二ノ丸には三重天守と⁠櫓がありましたが、天守は1686年に雷で焼け、その後は建て⁠直されませんでした。いまは石垣だけが、かつて山上に天守が立っていたことを伝えています。[5][2][10]
見られるか
外から見られる見学自由。
03

本城と⁠別に築かれた出丸(織部丸)

見る場所
本城の北側
注目する部分
出丸の高石垣と、二重櫓の礎石
ここが面白い
津和野城は本城のほかに出丸をもつ「一城別郭」の城で、そのあいだに大手道を通した実戦向きの山城でした。出丸は坂崎直盛の時代に、工事を指揮した家老・浮田織部の名から織部丸とも呼ばれます。[2][5][6]
見られるか
外から見られる見学できる(2026年8月時点⁠で出丸・本丸とも見学可)⁠。

訪問の目安

最寄り駅
JR津和野駅から徒歩約60分
登り
急な登り
所要時間の目安編集部の目安
リフトを使って本丸まで往復し、城跡を見て回るなら1時間半ほど(リフト降り場から本丸まで往復約40分)
料金
往復大人700円・小学生以下500円、片道大人400円・小学生以下300円。20名以上の団体と⁠障がい者割引は往復大人600円・小学生以下400円
時間
9:00〜16:30(下りの最終は16:20)
立入り
自由に見学できる

城跡は見学自由。観光リフトか登山道(中国自然歩道など)⁠で上る。日本100名城スタンプ⁠は観光リフト⁠乗⁠り⁠場⁠にあり、リフト運休日でも押せる。

確認日:

この城の物語

01
史実

三方を川が巡るけわしい⁠山

津和野城は霊亀山の上にあり、けわしい山の三方を津和野川が巡る地形を生かした山城です。中世の城の縄張り(城の区画の配置)⁠は南北約2kmにもおよびます。[6][5]

02
伝承

吉見氏が築いた中世の山城

城は1295年に能登から地頭と⁠して来た吉見頼行が築き始め、30年後の1324年、子の頼直の代に完成したと⁠伝えられます。吉見氏は14代にわたってこの城を本拠と⁠しました。[5][8]

03
史実

坂崎直盛が石垣の城に造り変えた

関ヶ原の戦いのあと、1601年に3万石の大名と⁠して入った坂崎直盛が、高石垣をもつ近世の城へと⁠大改修し、出丸も築きました。1617年には亀井政矩が因幡の鹿野城から4万3千石で入り、それから明治維新まで亀井氏11代の居城と⁠なりました。藩の役所や⁠藩主の屋敷は、けわしい山の上ではなくふもとに置かれました。[5][6][10]

04
史実

天守は落雷で、建物は明治に消えた

三重天守は1686年に雷で焼けて再建されず、残った建物の多くも1874〜1875年⁠に解体されました。山上には石垣と⁠堀切や⁠竪堀が残り、中世の山城と⁠近世の城の遺構が同じ山で見られます。ふもとには、藩主の屋敷の櫓だった馬場先櫓と⁠物見櫓が残っています。[5][8][10][6]

05
史実

国史跡と⁠リフト、ライトアップ

城跡は1942年に国の史跡になり、1971年には山上への観光リフトができました。2006年に日本100名城⁠に選ばれています。2023年7月からは毎晩ライトアップされ、ふもとから山上の石垣を見上げられます。[10][3][5]

この城の人びと

年表

  1. 吉見頼行が築城を始めたと⁠伝わる(1324年に完成)[5]

  2. 坂崎直盛が入り、高石垣の城に大改修[5]

  3. 亀井政矩が入り、以後亀井氏11代の居城に[5]

  4. 三重天守が落雷で焼失[5][8]

  5. 城の建物の大半が解体される(〜1875年)[5]

  6. 国の史跡に指定[10]

  7. 山上への観光リフトが完成[10]

建物と⁠遺構

天守の状態

天守は失われた

三重天守は1686年に落雷で焼失し、再建されなかった。天守台のみ残る(城郭協会の表記)⁠。

城全体のいま

霊亀山の山上に本城と⁠出丸の石垣・曲輪・堀切などが残る。建物はない。ふもとの藩邸跡には馬場先櫓と⁠物見櫓が残る。

主な建物

現存しない

天守

1686年に落雷で焼失。[5]

現存島根県指定文化財

馬場先櫓(藩邸の櫓)

ふもとの藩邸表門の隅櫓。[10]

現存

物見櫓(藩邸の櫓)

ふもとの藩邸の櫓と⁠して残る。[10]

基本データ

種類
城
地形による分類
山城山の上に築いた城。登りがある編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
天守は失われた天守はあったが、今は残っていない(天守台などが残る場合がある⁠)編集部記事
築城者
吉見頼行、坂崎直盛日本城郭協会
築城
永仁3年(1295)⁠、慶長6年(1601)日本城郭協会
主な城主
吉見氏、坂崎氏、亀井氏日本城郭協会
廃城
明治4年(1871年)Wikipedia
見られる遺構
櫓・櫓台・石垣・堀・曲輪・虎口・天守台編集部記事
文化財指定
国史跡(津和野城跡)(1942年)編集部記事
名城選定
日本100名城 66番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡は見学自由。観光リフトか登山道(中国自然歩道など)⁠で上る。日本100名城スタンプ⁠は観光リフト⁠乗⁠り⁠場⁠にあり、リフト運休日でも押せる。

住所

〒699-5605 島根県鹿足郡津和野町後田[8][7]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR津和野駅JR山口線

徒歩約60分 · 急⁠な登り

全部歩くと⁠駅から約1時間。リフトを使う場合は、駅からリフト乗り場まで車で約5分、リフトで約5分、降り場から本丸まで歩いて約20分。ふもとから歩いて登ると⁠本丸まで約40分。[7][8]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

津和野城跡観光リフト
時間
9:00〜16:30(下りの最終は16:20)
休館・休み
12月1日〜2月末⁠の平日は運休(土日祝と⁠1月1〜3日は運行)⁠。点検などによる臨時運休あり
料金
往復大人700円・小学生以下500円、片道大人400円・小学生以下300円。20名以上の団体と⁠障がい者割引は往復大人600円・小学生以下400円[1]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

観光リフト⁠乗⁠り⁠場⁠に無料駐車場(15台)⁠。カーナビは「津和野城跡観光リフト」か「太皷谷稲成神社」で設定(神社の約100m手前⁠がリフト乗り場)⁠。[1]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
見学自由。夜はライトアップ(10〜4月は18:00〜21:00、5〜9月は19:00〜22:00)されるが、夜のリフト運行はなく、ふもとから見上げるもの。[8][3]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
リフトを使って本丸まで往復し、城跡を見て回るなら1時間半ほど(リフト降り場から本丸まで往復約40分)
階段・坂・足もと
リフト降り場から本丸までは山道を歩く(歩きやすい靴で)⁠。ふもとからの標高差は約200m。[1][5]
車椅子・ベビーカー
未確認確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
未確認
季節の楽しみ
秋から冬の朝は、霧に浮かぶ「天空の城」が見られることがある(見ごろはおおむね午前7時前後。この時期はリフトの早朝運行あり)⁠。紅葉の時期もおすすめ。[4][8]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
2026年9月14〜15日⁠は定期点検でリフト運休(運休中も歩いて登れる)⁠。2026年8月時点⁠で出丸・本丸とも見学でき、太皷谷稲成神社下・鷲原八幡宮・城山大手登城路からの登山ルートも通行可能。[6]確認日: 2026-10-03

歩きかたの⁠例

リフトで上る山上の石垣めぐり 90分

  1. 観光リフト乗り⁠場(百名城スタンプ⁠もここ)からリフトで約5分
  2. 降り場から山道を約20分歩いて本城へ
  3. 三段櫓跡・東門跡を通って本丸へ
  4. 天守台と⁠三十間台・人質郭の高石垣を見る
  5. 三十間台から城下町と⁠青野山を眺める
  6. 同じ道を戻り、リフトで下る(下りの最終は16:20)

リフトと⁠徒歩の時間は津和野町・島根県の案内による。合計は城跡を見る時間を含めた編集部の目安。出丸まで回るなら時間を足すこと。

周辺の楽しみ

城下町

太皷谷稲成神社

観光リフト⁠乗⁠り⁠場⁠のすぐ先にある神社。津和野城の御城印もここで扱っている。[1][6]

確認日: 2026-10-03

博物館

津和野町日本遺産センター

幕末の津和野を描いた「津和野百景図」を紹介する施設。百景図の第一図・第二図に津和野城の本丸と⁠出丸が描かれている。[2]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

山上の石垣と⁠見晴らしを楽しみたい人、霧の朝に「天空の城」を狙いたい人に向く。リフトがあるので、本格的な山城のわりに行きやすい。

ここを見ると⁠面白い

三十間台に立って、赤瓦の城下町と⁠青野山を見下ろしたい。人質郭や⁠天守台の高石垣を下から見上げると、山の上にこれだけの石を積んだ工事の大きさが分かる。時間があれば出丸にも足をのばしたい。

訪ねる前に

リフトは⁠冬(12月〜2月)⁠の平日は運休し、下りの最終は16:20。降り場から本丸までは山道を約20分歩く。建物は山上になく、石垣と⁠曲輪だけ。

楽しみかた

秋から冬に泊まるなら、朝7時ごろに国道9号沿いなど⁠町⁠を見下ろす高い場所から霧に浮かぶ城跡を探してみたい。夜は町からライトアップされた石垣を見上げられる。

訪問者レビュー

レビュー募集中

この城を訪ねた方の声を募集しています。

レビューを書く
評価

体験に基づかない投稿・宣伝・個人情報を含む投稿は公開しません。

異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    観光リフトの運行情報津和野町municipal確認日:
  2. 2
    日本一の山城を体感!津和野城跡から城下町を一望して旅の思い出を作ろう津和野町municipal確認日:
  3. 3
    ライトアップで夜空に浮かぶ日本一の山城を堪能しよう津和野町municipal確認日:
  4. 4
    秋・冬の季節限定朝霧に⁠浮かぶ津和野城址⁠は天空の城!津和野町municipal確認日:
  5. 5
    津和野城跡(津和野文化ポータル)津和野町教育委員会municipal確認日:
  6. 6
    津和野城跡・観光リフトに関するお知らせ津和野町観光協会tourism確認日:
  7. 7
    津和野城跡津和野町観光協会tourism確認日:
  8. 8
    津和野城跡(しまね観光ナビ)島根県観光連盟tourism確認日:
  9. 9
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  10. 10
    津和野城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  11. 11
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  12. 12
    Wikipedia「津和野城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  13. 13
    Wikidata Q846305Wikidatawikidata確認日:
  14. 14
    OpenStreetMap node/2460030752© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

現地の変化や⁠誤り、使ってよい写真をご存じでしたらお知らせください。

情報の訂正・写真の提供