鶴山を段々に包む津山城跡の石垣。上の段に白い備中櫓(2005年の木造復元)が見える(2009年12月撮影)。
663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

岡山県 · 津山市

津山城

つやまじょう

Tsuyama Castle

岡山県津山市

城平山城日本100名城 67番

この城らしさ

建物は櫓ひとつだけ。それでも、丘をまるごと⁠三段の石垣で包んだ姿が城の大きさを語る。

なぜ?

津山城は、鶴山(つるやま)⁠という丘を石垣で三段に整え、上から本丸・二の丸・三の丸とした城です。明治のはじめに建物はすべて⁠取⁠り⁠壊されましたが、石垣はほぼそのまま残りました。2005年に木造で復元された備中櫓が、かつて石垣の上に60棟をこえる櫓が並んでいた姿を想像する手がかりになります。[2][4][5]

見逃したくない3つ

01
鶴山を段々に包む津山城跡の石垣。上の段に白い備中櫓(2005年の木造復元)が見える(2009年12月撮影)。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

丘を包む「一二三段」の石垣

見る場所
城跡(鶴山公園)全体。三の丸から二の丸、本丸へと⁠上りながら、また城の外の吉井川側から見上げて
注目する部分
段ごとに高く積み上げられた石垣の重なりと、角の部分の鋭い反り
ここが面白い
津山城は、まわりの町から約50m高⁠い⁠丘を、石垣で三段に整形して造られました。この形は「一二三段(ひふみだん)⁠」⁠と呼ばれます。建物がない分、石垣の重なりそのものがよく見え、城の骨組みがそのまま分かります。[2][4][8]
見られるか
外から見られる鶴山公園の中は入園料が必要。石垣の一部は公園の外からも見える。
02
本丸の南に張り出した備中櫓と、その先に広がる津山の町(2009年12月撮影)。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

畳敷きの部屋が並ぶ備中櫓

見る場所
本丸の南側。本丸から南へ張り出した位置
注目する部分
外は白壁と⁠格子窓の守りの櫓、中はすべて畳敷きの御殿のような部屋
ここが面白い
城の中で天守に次ぐ大きな櫓で、中は10の部屋に分かれ、すべて畳敷きでした。藩主の住まいから渡り廊下を通ってしか入れなかったため、藩主の家族の暮らしの場だったと⁠考えられています。2005年に当時と⁠同じ材料と⁠技術で復元され、中に入って見学できます。[4][5][8]
見られるか
外から見られる内部も公開(9:00〜16:30)⁠。備中櫓の入館は無料だが、鶴山公園の入園料が必要。
03
天守台。ここに5重の天守が建っていたが、1874〜75年に取り壊された(2010年4月撮影)。上条ジョーCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

5重の天守が建っていた天守台

見る場所
本丸の西の⁠端
注目する部分
高さ約6mの石の土台と、その上の広さ
ここが面白い
ここには、破風などの飾りをほとんど持たない5重の天守が建っていました。高さは約22mで、鉄砲を撃つ穴が101か所、矢を射る穴が59か所ありました。天守は本丸の中でも石垣と⁠門で区切られ、いざと⁠いうときは天守のまわりだけで立てこもれる造りでした。[5][6]
見られるか
外から見られる天守台は外から見られる。天守の建物は残っていない。

訪問の目安

最寄り駅
JR津山駅から徒歩約10分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
本丸まで上って備中櫓に入るなら1時間〜1時間半⁠が目安
料金
大人(高校生以上⁠)310円、30名以上の団体240円、中学生以下無料。障がい者手帳を持つ人と⁠付き添い1人は無料
時間
4〜8月 8:40〜19:00、3・9月 8:40〜18:00、1・2・10〜12月 8:40〜17:00(最終入園は各30分前)⁠。津山さくらまつり期間⁠は7:30〜22:00
立入り
自由に見学できる

城跡は鶴山公園と⁠して公開(有料)⁠。備中櫓は内部も見学できる(無料・入園料は必要)⁠。

確認日:

この城の物語

01
史実

川と⁠丘を守りにした場所

城が建つ前の美作国(いまの岡山県北部)は、戦国時代に強い勢力がなく、まわりの大名が奪い合う土地でした。1603年に美作一国をまかされた森忠政は、吉井川の北にある独立した丘・鶴山に城を築きました。東を流れる宮川を堀の代わりにし、北・西・南は堀と⁠土塁で囲みました。[4][5]

02
史実

森蘭丸の弟が13年かけて築いた

城を築いた森忠政は、本能寺の変で織田信長とともに亡くなった森蘭丸のいちばん下の弟です。18万6500石⁠の大名と⁠して、1604年に工事を始め、1616年まで足かけ13年をかけて城と⁠城下町を完成させました。城の主は森家が4代続いたあと、徳川家の一族である松平家にかわり、明治維新まで続きました。[1][4][5]

03
研究上の解釈

60をこえる櫓と、立てこもれる天守

三段の石垣の上には、60をこえる櫓が並んでいました。天守は本丸の真ん中ではなく西の端に置かれ、まわりを石垣と⁠門で区切って、最後の守りの場所にできるようにしていました。天守の中には便所や⁠湯殿まであり、長く立てこもることを考えた造りだったと⁠津山市の解説は説明しています。[2][5][6]

04
史実

1809年の火事で本丸御殿を失う

1809年の火事で、本丸の御殿と、本丸の入口だった表鉄門・裏鉄門などが焼けました。表鉄門は扉が鉄板で覆われていた門で、2階が御殿の玄関を兼ねていました。いまも東側の石垣には、熱を受けて赤く変わった石が残っています。[5]

05
史実

建物は消え、石垣と⁠桜が残った

1873年の廃城令のあと、天守・御殿・櫓はすべて取り壊され、城跡は一時荒れ果てました。1900年に「鶴山公園」と⁠して生まれ変わり、町の人たちが桜を植えました。1928年には約2000本が植えられ、山全体が桜で覆われる景色になりました。いまは木の間隔を整えるなどの管理をして、約1000本の桜があります。[4][7]

06
史実

国史跡と⁠備中櫓の復元

城跡は1963年に国の史跡になりました。築城開始から400年の記念事業と⁠して、備中櫓が当時と⁠同じ材料と⁠技術で復元され、2005年春から公開されています。2025年には、昔の津山城を3DCGで見られる案内画面が備中櫓などに置かれました。[3][4][8]

この城の人びと

年表

  1. 森忠政が美作一国18万6500石⁠を与えられる[4][5]

  2. 築城を始める[2][5]

  3. 城と⁠城下町が完成[1][5]

  4. 火事で本丸御殿や⁠表鉄門が焼ける[5]

  5. 廃城。その後、天守や⁠櫓がすべて取り壊される[1][4]

  6. 国の史跡に指定[4]

  7. 備中櫓が木造で復元され公開[1][8]

建物と⁠遺構

天守の状態

天守は失われた

5重の層塔型天守があったが、明治のはじめに取り壊された。いまは天守台だけが残る。

城全体のいま

城跡は鶴山公園(有料)⁠と⁠して整備され、桜の名所になっている。建物は復元した備中櫓だけで、石垣と⁠天守台がよく残る。

主な建物

現存しない

天守

1616年ごろ完成、明治初めに取り壊し。天守台が残る。[5][10]

木造で復元

備中櫓

築城400年の記念事業で木造復元、2005年公開。中は畳敷き。[4][5][8]

跡地のみ

表中門

三の丸から二の丸へ入る櫓門の跡。長さ約32mで城内最大。礎石の一部が地表に出ている。[5]

跡地のみ

表鉄門

本丸の入口の櫓門。1809年の火事で焼失。[5]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
天守は失われた天守はあったが、今は残っていない(天守台などが残る場合がある⁠)編集部記事
築城者
森忠政日本城郭協会
築城
慶長9年(1604)日本城郭協会
主な城主
森氏、松平氏日本城郭協会
廃城
明治6年(1873年)Wikipedia
見られる遺構
石垣・堀・櫓・櫓台・曲輪・天守台・虎口編集部記事
文化財指定
国史跡(津山城跡)(1963年)編集部記事
名城選定
日本100名城 67番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡は鶴山公園と⁠して公開(有料)⁠。備中櫓は内部も見学できる(無料・入園料は必要)⁠。

住所

岡山県津山市山下135[1][8]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR津山駅JR姫新線・津山線

徒歩約10分 · 少⁠し登る

駅から徒歩約10分(津山観光協会の案内)⁠。城跡の中は石段を上って本丸へ向かう。[8][10]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

津山城(鶴山公園)
時間
4〜8月 8:40〜19:00、3・9月 8:40〜18:00、1・2・10〜12月 8:40〜17:00(最終入園は各30分前)⁠。津山さくらまつり期間⁠は7:30〜22:00
休館・休み
12月29日〜31日
料金
大人(高校生以上⁠)310円、30名以上の団体240円、中学生以下無料。障がい者手帳を持つ人と⁠付き添い1人は無料[8]
確認日: 2026-10-03
備中櫓
時間
9:00〜16:30(津山さくらまつり期間⁠は18:30まで⁠)
休館・休み
鶴山公園に準じる
料金
無料(鶴山公園の入園料が必要)[8][1]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

中国自動車道の津山IC・院庄ICから約15分。津山観光センター駐車場(普通車30台・バス6台・無料。津山さくらまつりの期間は有料)⁠。[8]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
上の「津山城(鶴山公園)⁠」⁠の時間を参照(季節で変わる⁠)[8]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
本丸まで上って備中櫓に入るなら1時間〜1時間半⁠が目安
階段・坂・足もと
石垣に囲まれた三段の丘を石段で上る。本丸まではかなりの上り。[2][5]
車椅子・ベビーカー
未確認確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
備中櫓などにある3DCGの案内画面は、日本語・英語・フランス語・中国語など6言語に対応。[3]
季節の楽しみ
春は約1000本の桜が咲き、「日本さくら名所100選」に選ばれている。4月1日〜15日⁠は津山さくらまつり。5月ごろ藤と⁠ヒラドツツジ、9月中旬に彼岸花、11月ごろ紅葉。夜は1年を通して21時までライトアップ(さくらまつり期間⁠は22時まで⁠)⁠。[1][7][8]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
確認日時点で、公式に工事や⁠立入制限のお知らせは見当たらなかった。[8]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

庭園

衆楽園

津山城の北約500mにある、江戸時代初めの津山藩の大名庭園。国の名勝。池を4つの島で仕切り、まわりを歩いて巡る。[11]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

石垣を見るのが好きな人、桜の季節に城を歩きたい人に向く。天守がなくても城の形を楽しめる人ほど満足できる。

ここを見ると⁠面白い

まずは段々に重なる石垣。本丸へ上る途中、表中門の跡では城内最大の門の礎石が見られる。本丸では備中櫓の畳の部屋に入り、天守台で消えた5重の天守の大きさを想像したい。東側の石垣では、1809年の火事で赤く変わった石も探してみたい。

訪ねる前に

鶴山公園は有料で、閉園時間が季節で変わる(冬は17時まで⁠)⁠。備中櫓は16時30分まで。城跡は石段が多い。

楽しみかた

桜の時期は4月1日〜15日⁠の津山さくらまつりに合わせると、夜のライトアップも楽しめる。備中櫓の3DCG画面で昔の城を見てから歩くと、石垣の上に何があったかが分かりやすい。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    津山城(鶴山公園)津山市municipal確認日:
  2. 2
    日本有数の櫓の数を誇る津山城津山市municipal確認日:
  3. 3
    3DCGで再現!現在の津山のまちによみがえるありし日の「津山城」(2025年5月24日)津山市municipal確認日:
  4. 4
    津山城の歴史と⁠魅力津山まちじゅう博物館(津山市ほか⁠)municipal確認日:
  5. 5
    解説津山城津山まちじゅう博物館(津山市ほか⁠)municipal確認日:
  6. 6
    津山城天守の知られざる内部津山まちじゅう博物館(津山市ほか⁠)municipal確認日:
  7. 7
    鶴山公園の四季津山まちじゅう博物館(津山市ほか⁠)municipal確認日:
  8. 8
    津山城(鶴山公園)津山観光WEB(津山市観光協会)tourism確認日:
  9. 9
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  10. 10
    津山城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  11. 11
    衆楽園津山まちじゅう博物館(津山市ほか⁠)municipal確認日:
  12. 12
    津山市城東重伝建地区津山まちじゅう博物館(津山市ほか⁠)municipal確認日:
  13. 13
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  14. 14
    Wikipedia「津山城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  15. 15
    Wikidata Q767818Wikidatawikidata確認日:
  16. 16
    OpenStreetMap node/1909471047© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

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  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
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