二の丸側から見た本丸の東虎口櫓門(中央)と、左右の北櫓・南櫓(2009年8月撮影)。櫓門は1994年の木造復元、両側の櫓は明治に城外へ移され、1949年に戻ってきた建物。
くろふねCC BY 3.0Wikimedia Commons

長野県 · 上田市

上田城

うえだじょう

Ueda Castle

長野県上田市

城平城日本100名城 25番

この城らしさ

徳川を2度追い返した真田の城。でも、いま立つ櫓は真田が去ったあとに建てられた。

なぜ?

真田昌幸が築いた上田城は、1585年と⁠1600年の2度、徳川の大軍を退けました。しかし関ヶ原の戦いのあと⁠徳川方に取り壊され、⁠真田家も松代へ移ります。いま本丸に残る櫓や⁠石垣は、そのあと⁠入った仙石忠政が1626年から立て直したものが元になっています。[2][10]

見逃したくない3つ

01
二の丸側から見た本丸の東虎口櫓門(中央)と、左右の北櫓・南櫓(2009年8月撮影)。櫓門は1994年の木造復元、両側の櫓は明治に城外へ移され、1949年に戻ってきた建物。くろふねCC BY 3.0Wikimedia Commons

東虎口櫓門と⁠南櫓・北櫓、そして真田石

見る場所
本丸の東の入口。二の丸橋を渡って西へ進んだ⁠先
注目する部分
門の両側に並ぶ2つの櫓、左右で張り出し方が違う石垣、石垣にはめこまれた直径約3mの大きな「真田石」
ここが面白い
両側の南櫓と⁠北櫓は、明治に売られて城の外で⁠使われていたのを、市民の会が買い戻して1949年に元の場所へ戻した建物です。間の櫓門は、明治の古写真が見つかったことで1994年に木造で復元されました。真田石は、⁠真田信之が松代へ移るときに⁠持って⁠行けなかったと⁠伝わる石です。[1][4][8][10][12]
見られるか
外から見られる外観と⁠門の通り抜けは無料。南櫓・北櫓の中は有料で、水曜・祝日の翌日と⁠11月中旬〜3月⁠は入れない。
02
尼ヶ淵から見上げた本丸南側の崖と石垣、その上に立つ櫓(2009年8月撮影)。かつてはこの下を千曲川の分流が流れ、天然の堀になっていた。くろふねCC BY 3.0Wikimedia Commons

尼ヶ淵の崖と、江戸時代から残る西櫓

見る場所
本丸の南側。崖の下の「尼ヶ淵」(やぐら下の広場)から見上げる。西櫓は本丸の南西の⁠角
注目する部分
崖と⁠石垣の上にそびえる櫓の並び。西櫓の黒い下見板張りの壁と、太い格子の⁠窓
ここが面白い
尼ヶ淵には昔、千曲川の分かれた流れが入りこみ、崖の下が天然の堀になっていました。西櫓は、取り壊しや⁠移築をまぬがれて江戸時代から同じ場所に残る、上田城でただ一つの櫓です。南櫓・北櫓とともに長野県宝になっています。[2][3][4][8]
見られるか
一部見られる外観のみ。西櫓の中は非公開(上田市のサイトで360度映像を公開)⁠。
03

鬼門よけの「隅欠(すみおとし)⁠」

見る場所
本丸の北東の角。上田城跡北駐車場⁠の近く
注目する部分
本丸を囲む土塁と⁠堀の角が、内側へへこむように削られているところ
ここが面白い
北東は⁠鬼(悪いもの⁠)⁠が出入りする「鬼門」と⁠されたため、角をつくらないことで魔よけにしたと⁠考えられています。上田市によると、江戸時代にはこの欠けた角の両側にわざわざ櫓を2棟並べていました。[3][4]
見られるか
外から見られる公園内から自由に見られる。

訪問の目安

最寄り駅
上田駅から徒歩約12分
登り
未確認
所要時間の目安編集部の目安
外まわりだけなら30分〜1時間、櫓と⁠博物館に入るなら約2時間(信州上田観光協会⁠の目安)
料金
一般300円、高校生以上の学生200円、小・中学生100円(20人以上の団体割引あり)⁠。上田城櫓とのセット券は一般500円
時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで⁠)
立入り
自由に見学できる

上田城跡公園は24時間入れて無料。南櫓・北櫓(上田城櫓)⁠と上田市立博物館⁠は有料。西櫓の中は非公開。

確認日:

この城の物語

01
史実

川と⁠崖を守りにした平地の⁠城

上田城は上田盆地のほぼ真ん中、千曲川がけずった段丘の端に建てられました。南は千曲川の分流が⁠流れこむ⁠尼⁠ヶ⁠淵⁠の崖、北は太郎山の山並みがあり、自然の地形を守りに使っています。それまでの真田氏の城よりも交通の便がよい場所で、江戸時代には北国街道が通りました。[3]

02
史実

真田昌幸が築き、徳川を2度退けた

1583年、⁠真田昌幸が徳川氏の力を借りて城づくりを始めました。ところが2年後、昌幸は徳川家康の命令にそむいて上杉氏につき、1585年の第一次上田合戦⁠で7千余りの徳川軍を2千足らずで退けます。1600年の関ヶ原の戦いのときには、昌幸と⁠次男の信繁(幸村)⁠が城にこもり、徳川秀忠の3万8千人の軍を足止めしました(第二次上田合戦)⁠。[2]

03
史実

取り壊され、仙石忠政が立て直した

関ヶ原で徳川方が勝つと、1601年に城は明け渡されて取り壊され、昌幸・信繁父子は九度山へ送られました。城跡は長男の信之に渡されましたが、信之は1622年に松代へ移ります。代わりに小諸から来た仙石忠政が1626年に復興工事を始めましたが、1628年に亡くなったため、工事は未完成のまま終わりました。[2][10]

04
史実

本丸は「倉庫」だった江戸時代

1706年からは松平氏が明治まで城主を務めました。藩主は三の丸の屋敷(いまの上田高校の場所)⁠で政治を行い、本丸の櫓は武具や⁠道具をしまう倉庫と⁠して⁠使われていました。本丸と⁠二の丸が実際には倉庫の役目だけを持っていた、珍しい城だと⁠上田市は説明しています。[2][3]

05
史実

売られた櫓が、市民の手で帰ってきた

明治に入ると⁠城は民間に払い下げられ、7つあった櫓と⁠2つの櫓門は西櫓をのぞいて解体されたり⁠売られたりしました。本丸の櫓2棟は1877年に遊郭の建物と⁠して移され、のちに東京の料亭に売られます。1942年に結成された上田城阯保存会⁠がこの2棟を買い戻し、戦争での中断をはさんで1949年に南櫓・北櫓と⁠して元の場所に戻しました。[2][10]

06
史実

櫓門の復元と、これからの復元計画

本丸の東虎口櫓門は、明治の古写真や⁠発掘調査の成果をもとに1994年に復元されました。上田市はいま、本丸にあった7つの櫓のうちまだ戻っていない4つの櫓と⁠西虎口櫓門、二の丸東虎口のまわりの復元を目指して調査を進めています。[2][6][10]

この城の人びと

年表

  1. 真田昌幸が築城を始める[2]

  2. 第一次上田合戦。徳川軍を退ける[2]

  3. 第二次上田合戦。徳川秀忠の軍を足止め[2]

  4. 徳川方に明け渡され、取り壊される[2]

  5. 仙石忠政が復興工事を始める(1628年に中断)[2]

  6. 買い戻した櫓2棟が南櫓・北櫓と⁠して戻る[2]

  7. 東虎口櫓門を復元[2][4]

建物と⁠遺構

天守の状態

確認中

江戸時代の上田城に天守はなく、本丸には櫓7棟と⁠櫓門2棟があった。真田昌幸の時代に天守があったかどうかは⁠確かめられていない。

城全体のいま

本丸と⁠二の丸の一帯が上田城跡公園。本丸跡には眞田神社、二の丸には上田市立博物館⁠がある。二の丸の北側の大きな堀の跡は陸上競技場と⁠野球場に、二の丸の堀の一部はけやき並木⁠の遊歩道になっている。藩主の屋敷があった三の丸は上田高校の敷地。

主な建物

現存長野県宝

西櫓

江戸時代から同じ場所に残る唯一の櫓。1959年に県宝。内部非公開。[2][4]

移築して現存長野県宝

南櫓

明治に城外へ移された本丸の櫓を買い戻し、1949年に元の位置へ移築復元。内部は有料で見学できる(冬期休館)⁠。[2][8]

移築して現存長野県宝

北櫓

南櫓と⁠同じく1949年に元の位置へ移築復元。内部は有料で見学できる(冬期休館)⁠。[2][8]

木造で復元

東虎口櫓門

1994年に古写真と⁠発掘調査をもとに木造で復元。南櫓・北櫓と⁠つながる。[2][4][12]

基本データ

種類
城
地形による分類
平城平地に堀をめぐらせて築いた⁠城編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
確認中天守の有無・状態は確認中編集部記事
築城者
真田昌幸日本城郭協会
築城
天正11年(1583)日本城郭協会
主な城主
真田氏、仙石氏、松平(藤井)⁠氏日本城郭協会
廃城
1874年(明治7年)Wikipedia
見られる遺構
櫓・櫓台・石垣・土塁・堀・虎口・門・曲輪編集部記事
文化財指定
国史跡(上田城跡)(1934年)⁠、長野県宝(西櫓・南櫓・北櫓)(1959年)編集部記事
名城選定
日本100名城 25番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

上田城跡公園は24時間入れて無料。南櫓・北櫓(上田城櫓)⁠と上田市立博物館⁠は有料。西櫓の中は非公開。

住所

〒386-0026 長野県上田市二⁠の丸6263番地⁠イ[1][5]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

上田駅JR北陸新幹線・しなの鉄道・上田電鉄別所線(3駅が併設)

徒歩約12分 · 未確認

駅から徒歩12分。上田市街地循環バス「あかバス」で公園前下車(200円)⁠もある。[1][5]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

上田市立博物館
時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで⁠)
休館・休み
水曜、祝日の翌日(水曜にあたるときはその翌日)⁠、12月29日〜1月3日。臨時の休館・開館あり
料金
一般300円、高校生以上の学生200円、小・中学生100円(20人以上の団体割引あり)⁠。上田城櫓とのセット券は一般500円[8]
確認日: 2026-10-03
上田城櫓(南櫓・北櫓・東虎口櫓門)
時間
9:00〜17:00(入館は16:30まで⁠)
休館・休み
水曜、祝日の翌日、11月中旬〜3月⁠の冬期
料金
一般300円、高校生以上の学生200円、小・中学生100円。博物館とのセット券は一般500円[1][8]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

上信越自動車道上田菅平ICから約4km・約15分。上田城跡北駐車場(普通車216台)⁠と南駐車場(83台)⁠はどちらも有料で、入庫後1時間無料、以後1時間100円・1日上限500円(桜・連休・紅葉の特別期間は3時間500円・上限1,000円)⁠。北駐車場からは本丸まで高低差なく行ける。バス・大型車は予約制の上田城跡バス駐車場へ。[5]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
24時間入園可・休みなし[1]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
外まわりだけなら30分〜1時間、櫓と⁠博物館に入るなら約2時間(信州上田観光協会⁠の目安)
階段・坂・足もと
平地の城で、北駐車場から二の丸・櫓門・本丸までは高低差がない。南駐車場や⁠尼ヶ淵の広場から本丸へは階段を上る。櫓の中は急な階段。[5][9]
車椅子・ベビーカー
北駐車場に車いす使用者優先区画(6台)などがあり、本丸まで高低差なく行ける。歩くのが難しい人が乗るバスは、公園西側の体育館駐車場横⁠の北側道路で乗り降りし、平らな道で公園に入れると⁠上田市は案内している。[5]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
信州上田観光協会⁠に英語の観光サイトがある。現地の英語表示・音声ガイドは未確認。[1]
季節の楽しみ
春は「上田城千本桜まつり」、秋は「上田城紅葉まつり」。けやき並木の新緑や⁠紅葉も見どころ。夜は尼ヶ淵からライトアップされた櫓が見える。[4][5][10]
撮影のルール
出版・放送などのために博物館の中を撮影する場合は事前の申請が必要。一般の来館者の館内撮影ルール⁠は未確認。[8]
工事・休館・立入制限
上田市立博物館⁠で企画展「上田城と⁠城主たち―上田城って誰の城?―」を開催中(2026年9月3日〜11月10日)⁠。上田城櫓は11月中旬から3月まで冬期休館。[9][1]確認日: 2026-10-03

歩きかたの⁠例

無料見学コース(30分〜1時間) 45分

  1. 東虎口櫓門をくぐって本丸へ
  2. 眞田神社に参り、その奥の西櫓を外から見る
  3. 本丸のお堀を一周する

信州上田観光協会⁠が紹介するコース。所要時間も同協会の目安。

櫓・博物館見学コース(約2時間) 120分

  1. 東虎口櫓門
  2. 上田市立博物館⁠で歴代城主の甲冑などを見る
  3. 上田城櫓(北櫓・南櫓)⁠の中を見学
  4. 眞田神社と⁠西櫓
  5. 本丸のお堀を一周

信州上田観光協会⁠が紹介するコース。櫓は11月中旬〜3月⁠は入れない。

周辺の楽しみ

体験

眞田神社

本丸跡にある神社。もとは松平氏をまつる神社で、のちに歴代城主をあわせてまつるようになった。「落ちない城」にちなみ合格祈願の参拝者が多い。[1][10]

確認日: 2026-10-03

博物館

上田市立博物館

公園内の博物館。真田氏・仙石氏・松平氏の歴代城主の甲冑など、上田地域の歴史資料を展示している。[4][8]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

真田家の物語が好きな人、天守ではなく櫓や⁠堀・崖の使い方で城を見たい人に向く。上田駅から歩ける平地の城なので、新幹線の途中下車でも回りやすい。

ここを見ると⁠面白い

まず東虎口で、門の両側の櫓と⁠真田石を見る。そのあと⁠尼ヶ淵の下へ降りて、崖の上に並ぶ櫓を見上げると、川と⁠崖を守りにした城のつくりがよく分かる。本丸北東の隅欠も忘れずに。

訪ねる前に

上田城に天守はない。いまの櫓や⁠石垣は真田時代ではなく、江戸時代の仙石氏の復興が元になっている。櫓の中は11月中旬〜3月⁠は入れず、博物館と⁠櫓は水曜休み。

楽しみかた

南櫓・北櫓の中では、遊郭と⁠して使われていた時代のあとも見られると⁠観光協会は紹介している。明治に売られた建物が戻ってきた経緯を知ってから入ると、建物の見え方が変わる。

訪問者レビュー

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評価

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    上田城跡公園信州上田観光協会tourism確認日:
  2. 2
    上田城の歴史上田市municipal確認日:
  3. 3
    上田城の特徴上田市municipal確認日:
  4. 4
    上田城の見どころ上田市municipal確認日:
  5. 5
    アクセス・駐車場上田市municipal確認日:
  6. 6
    上田城の調査・整備・復元上田市municipal確認日:
  7. 7
    城内マップ(散策おすすめコース)上田市municipal確認日:
  8. 8
    利用案内上田市立博物館official確認日:
  9. 9
    上田市立博物館(お知らせ・企画展情報)上田市立博物館official確認日:
  10. 10
    【上田城ガイド】信州上田おもてなし武将隊⁠がご案内信州上田観光協会tourism確認日:
  11. 11
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  12. 12
    上田城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  13. 13
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  14. 14
    Wikipedia「上田城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  15. 15
    Wikidata Q2968344Wikidatawikidata確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

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