本丸に建つ三重三階の天守(2017年6月撮影)。宇和島伊達家2代の伊達宗利が1666年ごろに建てた、現存12天守の一つ。
SuicasmoCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

愛媛県 · 宇和島市

宇和島城

うわじまじょう

Uwajima Castle

愛媛県宇和島市

城平山城日本100名城 83番

この城らしさ

江戸時代の天守と、その天守を10分の1で作った江戸時代の木の模型が、どちらも残っている。

なぜ?

いまの天守は1666年ごろに完成し、1860年に大きな修理を受けました。そのとき作られた「天守雛形」は、柱の太さまで10分の1でそろえた精巧な模型で、作られた年が天守の中の木札に書かれています。市は、天守と⁠雛形がともに江戸時代のものとして残り、雛形の年代もはっきりしている例はとても珍しいと⁠説明しています。[3]

見逃したくない3つ

01
正面から見上げた天守(2019年5月撮影)。入口の唐破風の玄関や、各層の破風・懸魚の飾りが見どころ。TōjichiCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

伊達家が建てた飾りの多い天守

見る場所
城山(標高73m)⁠の頂上の本丸
注目する部分
入口の唐破風の玄関、各層の破風と⁠懸魚(げぎょ)⁠の飾り、白い漆喰で塗りこめた⁠壁
ここが面白い
宇和島伊達家2代⁠の伊達宗利が1666年ごろに建てた三重三階の層塔型天守です。届け出は「修理」でしたが、実際には藤堂高虎が岩の上に建てた望楼型の天守を取り払い、石垣の天守台をもつ当時最新の形に建て替えました。飾りの多い破風は太平の世を表すものとされ、小さいながら御殿のような意匠が見られます。現存12天守の一つで、国の重要文化財です。[1][2][3]
見られるか
外から見られる天守の中は有料(大人200円、高校生以下は無料)⁠。
02
本丸の石垣と、その上に見える天守(2020年12月撮影)。城山には藤堂高虎の時代から伊達家の時代まで、時代のちがう石垣が残る。Saigen JiroCC0Wikimedia Commons

時代のちがう石垣を見比べる

見る場所
登城道から本丸までの道すじ
注目する部分
石の形や⁠積み方のちがい。石に刻まれた文字や、石を割った⁠跡
ここが面白い
宗利は天守や⁠櫓・門を作り変えましたが、堀や⁠石垣などの城の設計(縄張)⁠は高虎のものをほぼ引き継ぎました。そのため城山には、高虎の時代から伊達家の時代まで新旧さまざまな石垣が残り、市は天守まで見比べながら登るのをすすめています。[1][4][6]
見られるか
外から見られる城山は無料で入れる(開門時間あり)⁠。2026年7月⁠の斜面崩壊で南側登城道の一部(上り立ち門から児童公園へ向かう区間)⁠は通行止めが続いている。
03
城山の南側の登城口に立つ上り立ち門(2020年12月撮影)。薬医門という形式の門で、市の有形文化財。Saigen JiroCC0Wikimedia Commons

大きな薬医門、上り立ち門

見る場所
城山の南側の登城口(搦手道の入口)
注目する部分
門全体を一つの屋根でおおう薬医門の形と、太い柱や⁠梁
ここが面白い
武家の正門と⁠される薬医門の形式で、城門と⁠して残る薬医門の中では最大級の大きさです。市は、つくられた時期が藤堂高虎の慶長期(1596〜1601年)までさかのぼる可能性があると⁠説明しています。市の有形文化財です。[4][6]
見られるか
外から見られる2026年8月1日から、上り立ち門から城山郷土館へ向かう登城道は暫定的に通れる。

訪問の目安

最寄り駅
JR宇和島駅から徒歩約15分
登り
急な登り
所要時間の目安編集部の目安
登城口から天守まで上り、天守を見て下りるまで1時間〜1時間半ほど
料金
大人200円、高校生以下無料、65歳以上160円、障がい者手帳を持つ人は無料(介助者1人も無料)⁠、団体(20人以上⁠)160円。当日現金のみ
時間
3〜10月 9:00〜17:00、11〜2月 9:00〜16:00
立入り
自由に見学できる

城山は開門時間内なら無料で歩ける。天守は有料。2026年7月4日⁠の斜面崩壊で南側(上り立ち門側)⁠の登城道が通行止めになり、8月1日から上り⁠立⁠ち門〜城山郷土館⁠の区間だけ暫定的に通れる(児童公園へ向かう区間は通行止めのまま)⁠。北側登城口の桑折氏武家長屋門⁠は2027年3月まで修理中だが、歩いて門を通って登城できる(車両は不可)⁠。日本100名城スタンプ⁠は天守の⁠中(登城がむずかしい人は観光情報センター「シロシタ」で押せる)⁠。

確認日:

この城の物語

01
史実

海に面した丘の⁠城

宇和島は入り⁠組んだリアス海岸⁠の奥にある町です。城はそのいちばん奥、いまの市街地のほぼ中央にある標高73mの丘に建っています。藤堂高虎が築いたころ、丘の大半は海に面していて、その地形をうまく使った縄張になっていました。[2]

02
伝承

藤堂高虎の城づくり

1596年から1601年にかけて、築城の名手と⁠して知られる藤堂高虎が城を築きました。外まわりの堀が五角形になる縄張で、のちに幕府の隠密がこれを四角形と⁠見誤って報告したことから、高虎の巧みな設計を語る「空角⁠(あきかく⁠)⁠の経始(なわ)⁠」⁠の話が生まれたと⁠いわれます。[1][2][14]

03
史実

伊達政宗の長男が入り「西国の伊達」に

1615年、伊達政宗の長男・伊達秀宗が宇和郡10万石⁠を与えられて宇和島城に入りました。こうして宇和島伊達家が生まれ、明治まで9代にわたって城主を務めます。2代宗利は1661〜1672年⁠に城を大きく改修し、多くの石垣や⁠櫓を直したうえで、いまの天守を建てました。[1][2]

04
史実

堀は埋められ、天守と⁠丘が残った

明治以降、堀はすべて埋められ、三之丸など城の外まわり約28万㎡は失われました。いまも道路の形に堀の⁠なごりが見られます。一方、本丸・二之丸をふくむ丘の部分約10万㎡は戦前まで伊達家が守り、1934年に天守が国の重要文化財、1937年に丘全体が国史跡に指定されました。1949年、伊達家は天守をふくむ丘を宇和島市に譲っています。[1][2]

05
史実

「平成普請」と⁠天守の完成年の検討

市は1994年から「平成普請」と⁠して、傷んだ本丸や⁠二之丸の石垣を調べながら修理しています。2019年に保存活用計画、2024年に整備基本計画をまとめました。天守の完成年は「1666年ごろ」と⁠されていますが、確定できる資料はなく、いまも検討が続いていると⁠市は説明しています。[5][9]

この城の人びと

年表

  1. 藤堂高虎が築城を始める(1601年完成)[1][2]

  2. 伊達秀宗が入り、宇和島伊達家が始まる[1][2]

  3. 1666年ごろ(完成年は検討中)

    伊達宗利がいまの天守を完成させる[1][3][9]

  4. 天守の大修理。このとき天守雛形が作られる[3]

  5. 天守が国の重要文化財に指定[1][2]

  6. 城山が国史跡に指定[1][2]

  7. 伊達家が天守と⁠城山を宇和島市に譲る[2]

建物と⁠遺構

天守の状態

現存天守

三重三階・層塔型・白漆喰総塗籠。1666年ごろ伊達宗利⁠が建て、1860年と⁠1960年に大修理。現存12天守の一つ(国重要文化財)⁠。

城全体のいま

城山(本丸・二之丸などの丘、約10万㎡)⁠が公園と⁠して残り、頂上に天守が建つ。堀と⁠三之丸などの外まわりは埋め立てられて市街地になった。

主な建物

現存国重要文化財

天守

1666年ごろ完成。⁠高さ15.72m。[1][3]

現存市指定有形文化財

上り立ち門

南側登城口の薬医門。慶長期にさかのぼる可能性がある。[4]

移築して現存

城山郷土館(旧山里倉庫)

1845年に三之丸に建てられた武器庫。1966年に城山へ移築し、無料の郷土館に。[4]

移築して現存市指定有形文化財

藩老桑折氏武家長屋門

家老桑折家の屋敷から1952年に北側登城口へ移築。2026年3月〜2027年3月⁠に修理工事。[4][7]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
現存天守江戸時代以前に建てられた天守が今も残る編集部記事
築城者
藤堂高虎日本城郭協会
築城
文禄4年(1596)日本城郭協会
主な城主
藤堂氏、富田氏、伊達氏日本城郭協会
廃城
明治4年(1871年)Wikipedia
見られる遺構
門・石垣・曲輪・天守台編集部記事
文化財指定
国重要文化財(天守)(1934年)⁠、国史跡(宇和島城)(1937年)編集部記事
名城選定
日本100名城 83番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城山は開門時間内なら無料で歩ける。天守は有料。2026年7月4日⁠の斜面崩壊で南側(上り立ち門側)⁠の登城道が通行止めになり、8月1日から上り⁠立⁠ち門〜城山郷土館⁠の区間だけ暫定的に通れる(児童公園へ向かう区間は通行止めのまま)⁠。北側登城口の桑折氏武家長屋門⁠は2027年3月まで修理中だが、歩いて門を通って登城できる(車両は不可)⁠。日本100名城スタンプ⁠は天守の⁠中(登城がむずかしい人は観光情報センター「シロシタ」で押せる)⁠。

住所

愛媛県宇和島市丸之内[6]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR宇和島駅JR予讃線・予土線

徒歩約15分 · 急⁠な登り

城山の登城口まで約1km・徒歩約15分。天守までは約35分。登城口から天守までは石段や⁠坂を上る。[6]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

宇和島城天守
時間
3〜10月 9:00〜17:00、11〜2月 9:00〜16:00
休館・休み
無休(台風など荒天時は臨時閉城あり)
料金
大人200円、高校生以下無料、65歳以上160円、障がい者手帳を持つ人は無料(介助者1人も無料)⁠、団体(20人以上⁠)160円。当日現金のみ[6]
確認日: 2026-10-03
城山郷土館(旧山里倉庫)
時間
3〜10月 9:00〜17:00、11〜2月 9:00〜16:00
休館・休み
未確認(休日の開館状況は電話0895-22-3904で照会可)
料金
無料[6]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

松山自動車道・宇和島朝日ICから約1km(約4分)⁠。城山下の駐車場は24時間・1時間100円、普通車46台。[6]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
城山の開門は3〜10月 6:00〜18:30、11〜2月 6:00〜17:00。天守のライトアップは日没〜22時(開門時間外は城山に入れない⁠)[6][8]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
登城口から天守まで上り、天守を見て下りるまで1時間〜1時間半ほど
階段・坂・足もと
標高73mの丘。登城道は石段や⁠坂が多い。南側の登城道は一部通行止⁠め⁠中なので、北側(長屋門側)⁠か上り⁠立⁠ち門〜郷土館⁠の区間を使う。[2][6][7]
車椅子・ベビーカー
未確認(長屋門の工事中は、体の不自由な人でも車両で入れない⁠)[7]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
未確認(城内にガイドは常駐しておらず、ガイドは宇和島市観光物産協会 0895-49-5700 へ問い合わせ)[11]
季節の楽しみ
春は桜。天守は日没〜22時にライトアップされ、啓発週間などに合わせて色が変わる(2026年は10月1〜7日ピンク、11月9〜23日ブルーなど)⁠。[8]
撮影のルール
商業的な撮影は都市整備課(0895-24-1111)への事前申請が必要。個人の撮影ルールは未確認。[12]
工事・休館・立入制限
南側(上り立ち門側)登城道は2026年7月4日⁠の斜面崩壊で通行止め。8月1日から上り⁠立⁠ち門〜城山郷土館⁠は暫定通行、児童公園へ向かう区間は通行止めが続く。北側の桑折氏武家長屋門⁠は2026年3月〜2027年3月⁠に修理(徒歩は通行可、車両不可)⁠。[6][7][13]確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

小さくても本物の江戸時代の天守を見たい人、石垣の積み方のちがいを探すのが好きな人、伊達政宗ゆかりの「もう一つの伊達家」の城を訪ねたい人に向く。

ここを見ると⁠面白い

天守の入口の唐破風の玄関と、各層の飾り。登る途中では、時代によって形のちがう石垣を見比べたい。南側から入るなら、上り立ち門の大きな薬医門も見のがせない。

訪ねる前に

天守までは駅から歩いて約35分で、石段や⁠坂が多い。2026年7月⁠の斜面崩壊で南側の登城道の一部が通れないので、行く前に市のお知らせで通れる道を確認しておくと⁠安心。天守の料金は当日現金のみ。

楽しみかた

天守のそばから宇和島湾をながめ、昔は丘のまわりの大半が海だったことを想像すると、高虎が海を守りに使った城の姿が見えてくる。帰りは城下の道で、堀の⁠なごりの道路の形を探してみたい。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    宇和島城のあらまし宇和島市municipal確認日:
  2. 2
    宇和島城(城山)⁠について宇和島市municipal確認日:
  3. 3
    宇和島城-天守⁠について⁠-宇和島市municipal確認日:
  4. 4
    上り立ち門・郷土館ほか宇和島市municipal確認日:
  5. 5
    保存・整備・活用(宇和島城の平成普請)宇和島市municipal確認日:
  6. 6
    アクセス・開城時間・料金ほか宇和島市municipal確認日:
  7. 7
    桑折氏武家長屋門⁠の改修工事を実施します(2026年4月15日)宇和島市municipal確認日:
  8. 8
    令和8年度宇和島城天守カラーライトアップスケジュール宇和島市municipal確認日:
  9. 9
    宇和島城天守の完成年について愛媛新聞に記事が掲載されました(2026年6月3日)宇和島市municipal確認日:
  10. 10
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  11. 11
    城内でのガイドを希望される方へ宇和島市municipal確認日:
  12. 12
    城内での商業的撮影・興行・行商などについて宇和島市municipal確認日:
  13. 13
    宇和島城南側登城口(上り立ち門側)⁠の暫定通行開始について(2026年7月31日)宇和島市municipal確認日:
  14. 14
    宇和島城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  15. 15
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  16. 16
    Wikipedia「宇和島城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  17. 17
    Wikidata Q909515Wikidatawikidata確認日:
  18. 18
    OpenStreetMap way/1339048111© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
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  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
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近くの⁠城

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