虎伏山の上に立つ大天守と小天守(2021年7月撮影)。1945年の空襲で焼け、1958年に鉄筋コンクリートで再建された。
SuicasmoCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

和歌山県 · 和歌山市

和歌山城

わかやまじょう

Wakayama Castle

和歌山県和歌山市

城平山城日本100名城 62番

この城らしさ

堀の上に、屋根と⁠壁のついた廊下橋が斜めに傾いてかかっている。殿様と⁠奥女中が人目につかずに渡るための橋だ。

なぜ?

御橋廊下は、殿様が暮らした二の丸と、庭を楽しんだ西の丸をつなぐ橋です。両岸の高さが違うので斜めにかかり、外から姿が⁠見えないよう屋根⁠と⁠壁で覆われています。市はこうした斜めの廊下橋を全国的にも珍しいと⁠説明していて、2006年に江戸時代の図面をもとに復元され、今は実際に歩いて渡れます。[2][9]

見逃したくない3つ

01
斜めにかかる御橋廊下を横から見たところ(2008年12月撮影)。両岸の高さが違うため、橋が傾いている。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

斜めにかかる御橋廊下

見る場所
二の丸と⁠西の⁠丸(西之丸庭園)⁠のあいだの⁠堀
注目する部分
傾いた橋の姿と、すべり止めのためにギザギザに組まれた床板
ここが面白い
殿様や⁠お付きの人、奥女中が二の丸と⁠西の丸を行き来するための専用の橋でした。風雨を避け、外から姿が見えないように屋根と⁠壁がつけられています。江戸時代の図面をもとに2006年に復元されました。[2][3]
見られるか
外から見られる中を歩いて渡れる。入場無料、9:00〜17:00(入場は16:45まで⁠)⁠。
02
岡口門(2025年8月撮影)。1621年に徳川家が建てた門で、空襲でも焼け残った国の重要文化財。SuikoteiCC BY 4.0Wikimedia Commons

空襲を生きのびた岡口門

見る場所
城の南東の入り口
注目する部分
2階建ての⁠門(櫓門)と、北側に続く土塀
ここが面白い
築城のころは正門(大手門)でしたが、浅野家の時代の途中から裏門になりました。いまの門は1621年に徳川家が建てたもので、空襲で焼けずに残った数少ない江戸時代の建物です。土塀とともに国の重要文化財です。[1][2]
見られるか
一部見られる門は⁠通⁠り⁠抜けでき⁠外から見られる。門の上の内部の公開は確認できなかった。
03

時代ごとに違う石垣の積み方

見る場所
城内のあちこち。天守へ上る坂の途中や⁠本丸のまわり
注目する部分
緑がかった自然石をそのまま積んだ石垣、割った石を組み合わせた石垣、四角く切った石をきっちり積んだ石垣の違い。石に刻まれた⁠印(刻印)
ここが面白い
豊臣秀長、浅野家、徳川家と⁠城主が代わるたびに城が広げられ、石の種類も積み方も変わりました。一つの城で積み方の移り変わりをたどれるのが面白いところです。公式サイトでは石垣散策マップ⁠を配っています。[10][9]
見られるか
外から見られる公園内を歩けば自由に見られる。

訪問の目安

最寄り駅
JR和歌山駅(中央口)から
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
公式の目安は、西之丸庭園と⁠御橋廊下を通って天守を見学し同じ道で戻るだけで少なくとも1時間30分。歴史館まで見るなら2時間〜2時間半⁠が編集部の目安
料金
大人410円、小・中学生200円。30名以上は団体割引。土曜日は小・中学生無料
時間
9:00〜17:30(入場は17:00まで⁠)
立入り
自由に見学できる

和歌山城公園は夜も散策できる。天守の中は有料。西之丸庭園・御橋廊下は無料(利用時間あり)⁠。日本100名城スタンプ⁠は天守閣にある。

確認日:

この城の物語

01
史実

紀ノ川の河口の山に、秀吉が城を命じた

1585年、紀州(いまの和歌山県)⁠をおさえた羽柴秀吉は、弟の秀長に命じて、紀ノ川の河口近くの「岡山」と⁠呼ばれた山に城を築かせました。いまの虎伏山です。これが和歌山城の始まりです。秀長はまもなく郡山城へ移り、家臣の桑山重晴が城を預かりました。[1]

02
史実

浅野家が天守を建て、町をつくった

1600年の関ヶ原の戦いのあと、浅野幸長が37万6千石で城主になりました。浅野家は天守と⁠櫓を回廊のようにつなげた「連立式」の天守を建て、本丸・二の丸・西の丸に屋敷を整えました。正門を岡口門から一の橋の側へ移し、城下町もつくりました。[1][2]

03
史実

徳川御三家・紀州藩の城に

1619年、徳川家康の10男・徳川頼宣が55万5千石で入り、紀州藩が生まれました。頼宣は幕府から資金を得て1621年から城の大改修を始め、二の丸を西へ広げ、砂の丸・南の丸を新しくつくりました。紀州徳川家は、徳川御三家の一つです。[1][2]

04
史実

落雷で焼けても、特別に建て直せた天守

天守は1798年に黒い板張りから白い壁に⁠改められましたが、1846年に雷が落ちて⁠焼けてしまいました。当時は天守を新しく建てることが厳しく制限されていましたが、御三家と⁠いうことで特別に認められ、1850年にほぼ元の姿で建て直されました。[1][2]

05
史実

国宝の天守が空襲で焼けた

天守は1935年に国宝になりました。戦争中は白い壁が目立って空襲の目標にならないよう、むしろで覆われていたことが写真から分かっています。それでも1945年7月9日から10日にかけての和歌山大空襲で⁠焼けてしまいました。一方、岡口門は焼け残り、いまも江戸時代⁠の姿を伝えています。[1][2]

06
史実

1958年の再建と、門・廊下橋の復元

市民の願いもあって、天守は1958年に鉄筋コンクリート⁠で再建されました。市は、空襲前の外観そのままに復元したと⁠説明しています。その後、明治に倒れた大手門が1982年に、御橋廊下が2006年に復元されました。2015年には城の歴史を紹介する「わかやま歴史館」が開きました。[2][1][9]

この城の人びと

年表

  1. 秀吉の命で、豊臣秀長が虎伏山に築城を始める[1]

  2. 浅野幸長が城主になる[1]

  3. 徳川頼宣が入り、紀州藩が生まれる[1]

  4. 落雷で焼けた天守を再建[1][2]

  5. 7月の和歌山大空襲で国宝の天守が焼失[1][2]

  6. 天守を鉄筋コンクリート⁠で再建[1][2]

  7. 御橋廊下を復元[1][2]

建物と⁠遺構

天守の状態

外観を復元

1945年に焼失し、1958年に鉄筋コンクリート⁠で再建(城郭協会の表記は層塔型三重三階・鉄筋コンクリート造一部木造)⁠。市は空襲前の外観そのままに復元したと⁠説明している。大天守・小天守と⁠櫓・門を多門櫓でつないだ連立式。

城全体のいま

本丸・二の丸一帯が和歌山城公園と⁠して整備され、天守、わかやま歴史館、西之丸庭園、動物園などがある。三の丸の跡には県庁や⁠市役所などが建ち、市の中心部になっている。

主な建物

外観を復元

大天守・小天守と⁠天守曲輪の櫓・⁠門

1945年焼失、1958年に鉄筋コンクリート⁠で再建。中は展示室。[1][2]

現存国重要文化財

岡口門(附土塀)

1621年に徳川家が建てた門。空襲でも焼け残った。1957年に重要文化財。[1][2]

現存

追廻門

江戸時代から残る門。解体修理で、もとは朱色だったことが分かった。[9]

再建(復興)

大手門と⁠一の⁠橋

大手門は1909年に倒れ、1982年に再建。[2]

木造で復元

御橋廊下

江戸時代の図面をもとに2006年に木造で復元。渡ることができる。[2][9]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
外観を復元外観は史料に基づいて復元。中は鉄筋コンクリート⁠の資料館など編集部記事
築城者
羽柴(豊臣)秀長、浅野幸長、徳川頼宣日本城郭協会
築城
天正13年(1585)⁠、慶長5年(1600)⁠、元和7年(1621)日本城郭協会
主な城主
羽柴(豊臣)氏、桑山氏、浅野氏、徳川氏日本城郭協会
廃城
1871年(明治4年)Wikipedia
見られる遺構
門・石垣・堀・櫓・櫓台・曲輪・天守台編集部記事
文化財指定
国史跡(和歌山城)(1931年)⁠、国重要文化財(岡口門)(1957年)⁠、国名勝(西之丸庭園・紅葉渓庭園)(1985年)編集部記事
名城選定
日本100名城 62番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

和歌山城公園は夜も散策できる。天守の中は有料。西之丸庭園・御橋廊下は無料(利用時間あり)⁠。日本100名城スタンプ⁠は天守閣にある。

住所

和歌山県和歌山市一番丁[9]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR和歌山駅(中央口)JR阪和線・紀勢本線ほか

少し登る

駅前から和歌山バス(0系統・25系統など「和歌山城方面」行き)⁠で約10分、「和歌山城前」バス停で降りてすぐ。[4]

確認日: 2026-10-03
南海和歌山市駅南海本線

徒歩約15分 · 少⁠し登る

駅から歩いて約15分。または和歌山バスで「市役所前」まで約5分。天守へは坂と⁠石段を上る。[4][5]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

和歌山城天守閣
時間
9:00〜17:30(入場は17:00まで⁠)
休館・休み
12月29日〜31日
料金
大人410円、小・中学生200円。30名以上は団体割引。土曜日は小・中学生無料[3]
確認日: 2026-10-03
わかやま歴史館(2階歴史展示室)
時間
9:00〜17:30(入場は17:00まで⁠)
休館・休み
12月29日〜31日
料金
大人(高校生を含む)100円、小・中学生無料。天守閣との共通券あり[3]
確認日: 2026-10-03
名勝西之丸庭園(紅葉渓庭園)
時間
9:00〜17:00(入園は16:45まで⁠)
休館・休み
12月29日〜31日
料金
無料[3]
確認日: 2026-10-03
御橋廊下
時間
9:00〜17:00(入場は16:45まで⁠)
休館・休み
12月29日〜31日
料金
無料[3]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

阪和自動車道の和歌山ICから約5.5km・約15分。和歌山城公園内⁠に有料駐車場(入口は南側、24時間利用可)⁠。観光バス駐車場⁠もあり予約不可。週末や⁠桜・紅葉の時期、イベント時は混む。[4][5]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
和歌山城公園は夜間も散策できる。夜はライトアップ⁠(「光の回廊」など)⁠がある。[5]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
公式の目安は、西之丸庭園と⁠御橋廊下を通って天守を見学し同じ道で戻るだけで少なくとも1時間30分。歴史館まで見るなら2時間〜2時間半⁠が編集部の目安
階段・坂・足もと
天守へは3つの坂がある。表坂(約300m・70段)⁠がいちばんゆるやか、裏坂(約225m・79段)⁠、新裏坂(約130m・102段)⁠がいちばん急。バス駐車場から天守まで歩いて15〜30分ほど。[5]
車椅子・ベビーカー
車いすの貸し出しが、わかやま歴史館1階⁠と⁠公園駐車場(乗用車用)⁠に1台ずつある。歩くのが難しい人には、「おもてなし忍者」が電動アシスト⁠車いす⁠等⁠で表坂登り口から天守閣前広場まで手伝う登城サポートがある(祝日を除く月・火曜は休み、天守の中はサポートなし、天候で利用できないこと⁠あり)⁠。[5][6]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
障害者用トイレ⁠は公園駐車場(オストメイトあり)⁠、観光バス駐車場、わかやま歴史館2階(オストメイトあり)⁠、岡口門付近にある。[5]
英語案内・音声ガイド
公式サイトは自動翻訳に対応し、多言語パンフレット⁠をダウンロードできる。館内の英語表示は未確認。[11]
季節の楽しみ
春は桜、秋は西之丸庭園の紅葉が見どころ。夜はライトアップがある。[5][2]
撮影のルール
公式は天守閣前広場・本丸跡・けやき大通りの写真スポットを撮影地と⁠してすすめている(けやき大通りからは御橋廊下と⁠堀に映る天守を一緒に撮れる)⁠。天守内の撮影ルールは未確認。[5]
工事・休館・立入制限
2026年12月9日(水)⁠は館内清掃のため天守閣が終日臨時休館。[7]確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

駅からバスですぐ行ける町なかの城を探している人、庭園や⁠門など天守以外の見どころもゆっくり見たい人に向く。夜も公園を歩けるので、夕方に着く旅でも寄りやすい。

ここを見ると⁠面白い

まず御橋廊下を実際に渡って、床の傾きと⁠ギザギザの床板を足で確かめたい。次に、空襲を生きのびた岡口門と、1958年に再建された天守を見比べると、この城が失ったものと⁠残したものがよく分かる。坂を上りながら石垣の積み方の違いを探すのも面白い。

訪ねる前に

いまの天守は1958年に鉄筋コンクリート⁠で再建されたもの。天守までは坂と⁠石段を上る。表坂がいちばんゆるやか。天守閣は年末(12月29〜31日)⁠と臨時の休館日があるので、公式サイトのお知らせを見てから行くと⁠安心。

楽しみかた

けやき大通りの写真スポットから、御橋廊下と⁠堀に映る天守を一緒に眺めてから城内に入ると、あとで橋を渡るときに位置関係がよく分かる。公式サイトの石垣散策マップ⁠を持って歩くのもおすすめ。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    和歌山城の生い立ち和歌山市(史跡和歌山城公式サイト)official確認日:
  2. 2
    和歌山城の施設・名所和歌山市(史跡和歌山城公式サイト)official確認日:
  3. 3
    施設の入場案内和歌山市(史跡和歌山城公式サイト)official確認日:
  4. 4
    交通アクセス和歌山市(史跡和歌山城公式サイト)official確認日:
  5. 5
    よくあるご質問和歌山市(史跡和歌山城公式サイト)official確認日:
  6. 6
    おもてなし忍者和歌山市(史跡和歌山城公式サイト)official確認日:
  7. 7
    12月9日(水)和歌山城天守閣臨時休館⁠のお知らせ和歌山市(史跡和歌山城公式サイト)official確認日:
  8. 8
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  9. 9
    和歌山城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  10. 10
    城内マップ(石垣散策マップ)和歌山市(史跡和歌山城公式サイト)official確認日:
  11. 11
    史跡和歌山城公式サイトトップ和歌山市official確認日:
  12. 12
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  13. 13
    Wikipedia「和歌山城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  14. 14
    Wikidata Q1151269Wikidatawikidata確認日:
  15. 15
    OpenStreetMap node/402167963© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
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