上杉神社への参道。手前の橋で米沢城本丸の堀を渡り、鳥居の先がかつての本丸(2025年7月撮影)。
掬茶CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

山形県 · 米沢市

米沢城

よねざわじょう

Yonezawa Castle

山形県米沢市

城平城続日本100名城 109番

この城らしさ

上杉謙信をまつる神社の境内は、伊達政宗が生まれた城の本丸の跡でもある。

なぜ?

米沢は戦国時代に伊達家の本拠で、政宗はここで⁠生まれ⁠育ちました。江戸時代には上杉家の城になり、本丸には謙信の遺骸を納めた御堂が置かれました。明治になって本丸の跡に上杉神社が建ち、いまは同じ公園の中に謙信の神社と⁠政宗の生誕碑が並んでいます。[11][6][5]

見逃したくない3つ

01
本丸の東南隅、上杉謙信の遺骸を納めた御堂があった場所。いまは柵に囲まれた石碑と説明板が立つ。掬茶CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

謙信の遺骸を納めた御堂の⁠跡

見る場所
本丸(上杉神社の境内)⁠の東南隅の高台。戊辰戦争などの戦死者をまつる大きな招魂碑が立つ場所
注目する部分
高⁠さ約3.4mの招魂碑と、御堂がここにあったことを伝える説明板
ここが面白い
上杉景勝は、甲冑を着せて甕に納めたと⁠伝わる謙信の遺骸を米沢城に運び、1609年に本丸の東南隅に御堂を建てました。二の丸には御堂に仕える寺を並べました。本丸に遺骸を、二の丸に寺を置いた城は珍しいと⁠市は説明しています。遺骸は1876年に上杉家の墓所(御廟所)⁠へ移されました。[6][8][19]
見られるか
外から見られる公園の中なので自由に見られる。御堂の建物は残っていない(長命寺に移されて本堂になった)⁠。
02
冬の本丸の堀と土塁。雪の積もった土の土手が堀に沿って続く(2024年1月撮影)。SycedCC0Wikimedia Commons

石垣ではなく土で囲んだ本丸の堀と⁠土塁

見る場所
上杉神社(本丸跡)⁠のまわり。北東隅の土塁の上には、天守代わりの「御三階」が建っていた
注目する部分
水堀と、その内側に盛り上がる土の土手(土塁)⁠。北東隅の土塁に立つ巨大な石碑(上杉斉憲の顕彰碑)⁠が御三階のあった目印
ここが面白い
米沢城には天守がなく、本丸の隅に建てた三階の⁠櫓(やぐら)⁠を「御三階」と⁠呼んで天守の代わりにしました。城のまわりも石垣は少なく、土塁と⁠堀で守りを⁠固めていたとされます。いまは桜の名所と⁠して、土塁の上を歩けます。[7][18]
見られるか
外から見られる堀と⁠土塁は公園と⁠して自由に見られる。御三階などの建物は残っていない。
03
松が岬公園の中にある「伊達政宗公生誕の地」の碑。掬茶CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

伊達政宗生誕の地の⁠碑

見る場所
松が岬公園(米沢城跡)⁠の⁠中
注目する部分
「伊達政宗公生誕之地」と刻まれた石碑
ここが面白い
米沢はかつて伊達家の領地で、政宗は米沢城で生まれ、24歳で豊臣秀吉の命令で岩出山へ移るまでここで過ごしました。上杉家の城と⁠して知られる場所に、伊達家の歴史も重なっています。ただし、伊達時代の米沢城が本当にここにあったのかは、2001年の調査以降、近くの舘山城だった可能性も言われています。[11]
見られるか
外から見られる公園の中で自由に見られる。

訪問の目安

最寄り駅
上杉神社前(上杉城史苑)バス停から
登り
登りなし
所要時間の目安編集部の目安
本丸跡(上杉神社)⁠と松岬神社をひと回りして約40分。上杉博物館も見るなら2時間ほどが目安
料金
常設展一般410円、高校・大学生210円、小・中学生110円(20名以上の団体は割引)⁠。企画展は別料金
時間
9:00〜17:00
立入り
自由に見学できる

城跡(松が岬公園)⁠は自由に入れる。上杉神社の本殿は17時に閉門し、そのあとは社殿の前まで進めないが、公園には入れる。南口の菱門橋は補修中で通れない(2026年10月確認)⁠。

確認日:

この城の物語

01
伝承

伊達家の本拠だった米沢

米沢城は鎌倉時代の1238年に長井時広が築いたと⁠伝わりますが、はっきりしません。戦国時代には伊達家の本拠になり、伊達政宗はこの城で生まれて24歳まで過ごしました。1591年ごろ、政宗は豊臣秀吉の命令で岩出山(いまの宮城県)⁠へ移りました。[17][11][18]

02
史実

上杉景勝と⁠直江兼続が城と⁠町をつくり直した

関ヶ原の戦いで負けた側についた上杉景勝は、1601年に会津120万石から米沢30万石へ減らされて移ってきました。家臣と⁠その家族の数万人が一緒に移ったと⁠いわれ、小さな城下町は⁠人であふれました。重臣の直江兼続は本丸と⁠二の丸を整え、三の丸を新しく造り、侍町・町人町や⁠水路まで、短い間に町の骨組みをつくりました。[12][13]

03
史実

本丸に謙信をまつった⁠城

景勝は、養父の上杉謙信の遺骸を越後から会津、米沢へと⁠運び、1609年に本丸の東南隅の高台に御堂を建てて安置しました。二の丸には御堂に仕える真言宗の寺を並べました。御堂には歴代藩主の位牌も置かれ、城の中でいちばん大切な場所と⁠されました。[6]

04
史実

天守の代わりに「御三階」

米沢城には天守がありませんでした。本丸の隅に三階の櫓を建て、「御三階」と⁠呼んで天守の代わりにしました。北東隅の御三階があった土塁の上には、いまは12代藩主・上杉斉憲をたたえる大きな石碑が立っています。[7][18]

05
史実

城は神社と⁠公園になり、御堂はお寺に

明治になると⁠城の建物は取り壊され、1876年に本丸の跡へ上杉神社の社殿が建ちました。謙信の遺骸は上杉家の墓所(御廟所)⁠へ移され、空になった御堂は1877年に長命寺へ移されて本堂になりました。市はこれを、いまに残るただ一つの米沢城の建物と⁠しています。[5][6][18]

06
史実

大火のあとの再建と⁠続日本100名城

1919年の米沢大火で上杉神社はほとんど焼けましたが、1923年に米沢出身の建築家・伊東忠太の設計で再建されました。二の丸の跡には旧上杉伯爵邸(いまの上杉記念館)⁠が残ります。城跡は松が岬公園と⁠して親しまれ、2017年に続日本100名城⁠に選ばれました。[1][5][9][17][18]

この城の人びと

年表

  1. 伝承

    長井時広が築いたと⁠伝わる[17][18]

  2. 上杉景勝が会津から米沢30万石へ移る[12][13]

  3. 本丸の東南隅に謙信の御堂を建てる[6]

  4. 本丸の跡に上杉神社の社殿が建ち、謙信の遺骸は御廟所へ[5][6]

  5. 御堂が長命寺へ移され本堂になる[6]

  6. 1919年の大火で焼けた上杉神社を伊東忠太の設計で再建[1][5]

  7. 続日本100名城(109番)⁠に選ばれる[17][18]

建物と⁠遺構

天守の状態

もともと⁠天守なし

天守は建てられず、本丸の隅の三階櫓「御三階」が天守の代わりだった。

城全体のいま

本丸の跡は上杉神社の境内で、まわりの堀と⁠土塁が残る。城跡一帯は松が岬公園。二の丸の跡には上杉記念館(旧上杉伯爵邸)⁠、近くに米沢市上杉博物館⁠がある。

主な建物

現存しない

御三階(三階櫓)

本丸北東隅の土塁の上に建っていた。跡には上杉斉憲の顕彰碑(1891年)⁠が立つ。[7]

移築して現存

謙信の御堂(現・長命寺本堂)

1850年に再建された御堂を、1877年に長命寺(米沢市中央三丁目)⁠へ移して本堂にした。市は現存する唯一の米沢城の建物と⁠している。[6]

確認中

上杉神社社殿

城の建物ではない。1876年に本丸跡に創建、1919年の大火で焼け、1923年に伊東忠太の設計で再建。[1][5]

基本データ

種類
城
地形による分類
平城平地に堀をめぐらせて築いた⁠城編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
もともと⁠天守なし天守は⁠建てられなかった編集部記事
築城者
長井時広?日本城郭協会
築城
歴仁元年(1238)⁠?日本城郭協会
主な城主
伊達氏、蒲生氏、上杉氏日本城郭協会
廃城
1871年Wikipedia
見られる遺構
土塁・堀・石垣・曲輪編集部記事
名城選定
続日本100名城 109番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡(松が岬公園)⁠は自由に入れる。上杉神社の本殿は17時に閉門し、そのあとは社殿の前まで進めないが、公園には入れる。南口の菱門橋は補修中で通れない(2026年10月確認)⁠。

住所

〒992-0052 山形県米沢市丸⁠の内1丁目4-13(上杉神社)[3]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

上杉神社前(上杉城史苑)バス停JR米沢駅(山形新幹線・奥羽本線・米坂線)⁠の米沢駅前から市街地循環路線(右回り)⁠で約12分

登りなし

バス停は神社の前。右回りは1日11便(2026年4月〜11月⁠の夏ダイヤ)⁠。タクシーなら駅から約10分。[16][3][15]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

米沢市上杉博物館(伝国の杜)
時間
9:00〜17:00
休館・休み
4〜11月は第4水曜、12〜3月は月曜(休日なら直後の平日)⁠、12月29日〜1月3日。展示により変わることがある
料金
常設展一般410円、高校・大学生210円、小・中学生110円(20名以上の団体は割引)⁠。企画展は別料金[10]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

米沢中央IC・米沢北IC・八幡原ICから約15分。上杉神社に参拝者用の駐車場はなく、堀の北側の市営「松が⁠岬おまつり広場駐車場」(約300台)⁠を使う。[3][4][15]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
公園は自由に入れる。上杉神社は夏季(4〜10月)6:00〜17:00、冬季(11〜3月)7:00〜17:00に開門[2][4]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
本丸跡(上杉神社)⁠と松岬神社をひと回りして約40分。上杉博物館も見るなら2時間ほどが目安
階段・坂・足もと
平地の城で、大きな坂や⁠階段はない。本丸へは堀にかかる橋を渡って入る。[17][15]
車椅子・ベビーカー
未確認確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
米沢観光NAVIに英語のページと⁠パンフレットがある。現地の英語表示は未確認。[14]
季節の楽しみ
堀の土塁は桜の名所。4月29日からの「米沢上杉まつり」と⁠冬の「上杉雪灯篭まつり」の会場になる。[1][5][15]
撮影のルール
上杉神社は、所蔵する肖像画などの画像の無断使用を禁じている。境内での撮影ルールは未確認。[1]
工事・休館・立入制限
上杉神社の南口・菱門橋は補修中で使えない。[2]確認日: 2026-10-03

歩きかたの⁠例

上杉景勝・直江兼続コース(米沢観光NAVIのモデルコース) 53分

  1. 上杉城史苑の駐車場から歩いて3分で米沢市上杉博物館⁠へ
  2. 徒歩5分で上杉神社(本丸跡)⁠へ
  3. 徒歩5分で松岬神社へ
  4. 徒歩15分で神達明神へ
  5. 徒歩5分で法泉寺へ
  6. 御徒町を通って(10分)⁠、徒歩10分で上杉城史苑へ戻る

minutes は公式の区間ごとの所要時間を足したもので、見学の時間は含まない。

周辺の楽しみ

博物館

米沢市上杉博物館

城跡のすぐ西側。上杉家の米沢入りから鷹山の改革までを展示し、国宝「上杉本洛中洛外図屏風」の世界を体験するコーナーもある。[10]

確認日: 2026-10-03

庭園

上杉家廟所

歴代米沢藩主の墓所で国の史跡。正面中央の奥に謙信の廟がある。米沢市御廟一丁目。[20]

確認日: 2026-10-03

城下町

舘山城跡

米沢市の南西部にある山城の跡で、2016年に国の史跡になった。伊達時代の城があった場所ではないかと⁠いわれている。[11]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

上杉謙信・景勝・直江兼続・上杉鷹山が好きな人、伊達政宗のふるさとを見たい人、天守のない土の城を見てみたい人に向く。

ここを見ると⁠面白い

神社に⁠お⁠参りするだけでなく、本丸を囲む堀と⁠土塁をぐるりと⁠歩き、東南隅の御堂跡と⁠北東隅の御三階跡を探すと、ここが城だったことが実感しやすい。

訪ねる前に

城の建物は残っておらず、天守も最初からない。石垣も少ない。上杉神社の社殿は大正時代の再建で、城の建物ではない。駅から少し離れているので、バスの本数を確かめておくと⁠安心。

楽しみかた

上杉博物館で城と⁠城下町の姿を頭に入れてから歩くと、何もない土塁の角に御三階が建っていた様子が想像しやすい。時間があれば、御堂が移された長命寺や、謙信の眠る上杉家廟所まで足をのばしたい。

訪問者レビュー

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評価

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    御由緒上杉神社official確認日:
  2. 2
    ご参拝の案内上杉神社official確認日:
  3. 3
    アクセス上杉神社official確認日:
  4. 4
    よくある質問上杉神社official確認日:
  5. 5
    城下町ふらり歴史探訪 12.上杉神社米沢市文化課municipal確認日:
  6. 6
    城下町ふらり歴史探訪 75.長命寺本堂米沢市文化課municipal確認日:
  7. 7
    城下町ふらり歴史探訪 68.従三位上杉曦山公之碑米沢市文化課municipal確認日:
  8. 8
    城下町ふらり歴史探訪 25.招魂碑米沢市文化課municipal確認日:
  9. 9
    城下町ふらり歴史探訪 24.上杉記念館米沢市文化課municipal確認日:
  10. 10
    米沢市上杉博物館米沢市municipal確認日:
  11. 11
    米沢の偉人伊達政宗米沢観光NAVI(米沢市観光キャンペーン推進協議会)tourism確認日:
  12. 12
    米沢の偉人上杉景勝米沢観光NAVI(米沢市観光キャンペーン推進協議会)tourism確認日:
  13. 13
    米沢の偉人直江兼続米沢観光NAVI(米沢市観光キャンペーン推進協議会)tourism確認日:
  14. 14
    観光モデルコース米沢観光NAVI(米沢市観光キャンペーン推進協議会)tourism確認日:
  15. 15
    上杉神社米沢観光NAVI(米沢市観光キャンペーン推進協議会)tourism確認日:
  16. 16
    市街地循環路線右回⁠り(夏ダイヤ)米沢市municipal確認日:
  17. 17
    続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  18. 18
    米沢城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  19. 19
    城下町ふらり歴史探訪一覧米沢市文化課municipal確認日:
  20. 20
    城下町ふらり歴史探訪 2.御廟所米沢市文化課municipal確認日:
  21. 21
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  22. 22
    Wikipedia「米沢城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  23. 23
    Wikidata Q11262656Wikidatawikidata確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

現地の変化や⁠誤り、使ってよい写真をご存じでしたらお知らせください。

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