堀に映る大手隅櫓(2014年11月撮影)。大手門とともに1955年に再建された。
663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

兵庫県 · 赤穂市

赤穂城

あこうじょう

Akō Castle

兵庫県赤穂市

城平城日本100名城 60番

この城らしさ

忠臣蔵の大石内蔵助たちが集まった御殿の部屋割りが、本丸の地面に描かれている。

なぜ?

1701年、3代藩主浅野長矩⁠が江戸城で刃傷事件を起こして切腹し、浅野家は断絶しました。そのあと⁠大石内蔵助らが評定(話し合い)⁠に集まったのが本丸の御殿です。御殿は明治に失われましたが、永井家の文書から間取り図が見つかり、1989年に地面の上で部屋割りが復元されました。[3][5][6]

見逃したくない3つ

01
本丸庭園の大池泉(2014年11月撮影)。発掘で見つかった池を修復したもので、国の名勝「旧赤穂城庭園」の一部。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

御殿の間取りと⁠本丸庭園

見る場所
本丸。本丸門をくぐった⁠先
注目する部分
地面に示された表御殿・中奥・奥の部屋割りと、御殿の南にある大池泉の入江・中島・池底の敷石
ここが面白い
本丸庭園は発掘で見つかった池を修復したもので、浅野家の時代に造られ森家の時代に手が加えられた変化が分かるように整備されています。本丸北西隅の池からは「浅野内匠頭」「大石内蔵助」などの名前が書かれた木簡も見つかりました。本丸庭園と⁠二之丸庭園は「旧赤穂城庭園」として国の名勝です。[5][8][1]
見られるか
外から見られる本丸は9:00〜16:30(入園16:00まで⁠)⁠。年末年始(12月28日〜1月4日)⁠は閉門。
02
本丸の天守台と、地面に示された御殿の間取り(2005年2月撮影)。天守は最初から建てられなかった。ReggaemanCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

天守のない天守台

見る場所
本丸の南東部
注目する部分
城内でいちばん高い約9mの石垣と、上から見渡す本丸と⁠赤穂の⁠町
ここが面白い
天守台は築かれましたが、天守は最初から⁠建てられませんでした。1937年に崩れた角が直され、1985年に上る階段が整備されています。観光協会は、天守台から本丸と⁠赤穂の風景を広く眺められると⁠紹介しています。[5][2][6]
見られるか
外から見られる本丸の開園時間内に上れる。
03
折れ曲がりながら続く石垣と水堀(2014年11月撮影)。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

軍学で折り曲げた石垣

見る場所
本丸の西側の石垣、二之丸門跡のまわり
注目する部分
途中で大きく折れ曲がる石垣の線。屏風を広げたような鋭い⁠角
ここが面白い
赤穂城は甲州流の軍学をもとに設計され、石垣に取りついた敵を横から攻撃できる「横矢」の折れが随所にあります。特に本丸西側の城壁は鋭く折れています。二之丸門の虎口は、赤穂に流されていた軍学者・山鹿素行が手を加えたと⁠伝わります。[5][2]
見られるか
外から見られる外から自由に見られる。二之丸門は門も石垣も失われ、枡形の形の一部が発掘で分かっている。

訪問の目安

最寄り駅
JR播州赤穂駅から徒歩約20分
登り
登りなし
所要時間の目安編集部の目安
本丸と⁠二之丸庭園、大手門をひと回りして1時間〜1時間半⁠が目安
料金
未確認(公式の案内に料金の記載なし)
時間
9:00〜16:30(入園は16:00まで⁠)
立入り
自由に見学できる

城跡公園は自由に歩ける。本丸と⁠二之丸庭園だけは開園時間がある。本丸櫓門の上の展示室と⁠近藤源八宅跡長屋門⁠は特別公開日だけ入れる。城内の一部はペットと⁠自転車の乗り入れ禁止。

確認日:

この城の物語

01
史実

川と⁠海に面した三角州の⁠城

赤穂城は千種川(当時の熊見川)⁠がつくった三角州の先にある平城です。当時は二之丸の南半分と⁠三之丸の西側が瀬戸内海に面していて、海城でもありました。この場所には、関ヶ原の戦いのあと⁠姫路城主池田輝政⁠の弟・池田長政が、土を掻き上げた簡単な城を築いていました。[5][3][4]

02
史実

浅野長直が13年かけて築く

1645年、常陸国笠間(いまの茨城県)から5万3,500石⁠で入った浅野長直が、家臣で軍学者の近藤正純に設計を命じました。工事は1648年に始まり、13年かけて1661年に完成しました。[2][5]

03
史実

めずらしい「変形輪郭式」の海岸平城

本丸と⁠二之丸は二之丸が本丸を囲む輪郭式、二之丸と⁠三之丸は片側に寄せた梯郭式で、市はこれを近世の城の歴史でも非常にめずらしい変形輪郭式の海岸平城と⁠説明しています。10の隅櫓、12の門、5つの枡形を備えましたが、天守台だけが築かれ天守は⁠建てられませんでした。[2][5]

04
史実

刃傷事件と⁠忠臣蔵

1701年3月14日、3代藩主浅野長矩⁠が江戸城で刃傷事件を起こし、その日のうちに切腹と⁠なって浅野家は断絶しました。翌1702年12月、大石内蔵助をはじめと⁠する赤穂の旧家臣が吉良邸に討ち入りました。城はその後永井家、1706年からは森家の城と⁠なり、森家が12代続いて明治を迎えました。[4][3]

05
史実

壊され、田畑になった⁠城

1872年に廃城が決まり、明治10年代には門・櫓・蔵・御殿などが取り壊されて、城内の多くは田畑や⁠宅地になりました。1892年の千種川の洪水の復旧では、二之丸門から清水門までの石垣の石が護岸に使われています。1928年には本丸に中学校が建てられました。[3][4][5]

06
史実

国史跡になり、少しずつ姿を取り戻す

1955年に大手門と⁠大手隅櫓が再建され、1971年に国の史跡になってから、土地の買い上げと⁠整備が進みました。高校が1981年に城外へ移ると⁠本丸の発掘が始まり、1989年に御殿の間取りを復元、1992〜1996年⁠に本丸門、2001年に厩口門を復元しました。2002年には本丸と⁠二之丸の庭園が国の名勝になり、2006年に日本100名城⁠に選ばれています。[4][5][2][7]

この城の人びと

年表

  1. 浅野長直が常陸笠間から赤穂に入る[2]

  2. 1648年からの築城工事が完成[2][5]

  3. 浅野長矩の刃傷事件。浅野家が断絶[4]

  4. 森長直が入り、以後森家が明治まで治める[4][3]

  5. 大手門・大手隅櫓を再建[4]

  6. 国の史跡に指定[2][7]

  7. 本丸庭園・二之丸庭園が国の名勝「旧赤穂城庭園」に[2][8]

建物と⁠遺構

天守の状態

もともと⁠天守なし

天守台だけが築かれ、天守は当初から⁠建てられなかった。日本城郭協会の表現は「天守台のみ残る」。

城全体のいま

城跡は赤穂城跡公園と⁠して整備され、本丸と⁠二之丸庭園は開園時間がある。本丸には御殿の間取り復元と⁠庭園、復元された本丸門・厩口門があり、三之丸には大手門・大手隅⁠櫓(1955年再建)⁠や大石神社、大石良雄宅跡長屋門⁠がある。

主な建物

木造で復元

本丸門(一の門・二の門)

廃城後に失われ、発掘・絵図・古写真をもとに1992〜1996年⁠に木造で復元。櫓門と⁠高麗門からなる。[5]

木造で復元

厩口門

1996年の発掘で高麗門と⁠判明し、2001年に門・橋・土塀を整備。[5]

再建(復興)

大手門・大手隅⁠櫓

1955年に再建。隅櫓の一部は明治期の写真の形と⁠違うと⁠される。[4][11]

跡地のみ

本丸御殿

建物は失われた。1989年に間取りを地面に復元。[5]

現存赤穂市指定文化財

近藤源八宅跡長屋門

三之丸の家臣屋敷の長屋門。毎月の土日祝日に特別公開(10:00〜16:00)⁠。[2][1]

基本データ

種類
城
地形による分類
平城平地に堀をめぐらせて築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
もともと⁠天守なし天守は⁠建てられなかった編集部記事
築城者
浅野長直日本城郭協会
築城
慶安元年(1648)~寛文元年(1661)日本城郭協会
主な城主
浅野氏、永井氏、森氏日本城郭協会
廃城
1873年(明治6年)Wikipedia
見られる遺構
石垣・堀・曲輪・門・櫓・櫓台・虎口・天守台編集部記事
文化財指定
国史跡(赤穂城跡)(1971年)⁠、国名勝(旧赤穂城庭園本丸庭園・二之丸庭園)(2002年)編集部記事
名城選定
日本100名城 60番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡公園は自由に歩ける。本丸と⁠二之丸庭園だけは開園時間がある。本丸櫓門の上の展示室と⁠近藤源八宅跡長屋門⁠は特別公開日だけ入れる。城内の一部はペットと⁠自転車の乗り入れ禁止。

住所

〒678-0235 兵庫県赤穂市上仮屋1番地[6]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR播州赤穂駅JR赤穂線

徒歩約20分 · 登りなし

駅から南へ徒歩約20分。平地の城なので坂はほとんどない。[1][5]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

本丸・二之丸庭園
時間
9:00〜16:30(入園は16:00まで⁠)
休館・休み
年末年始(12月28日〜1月4日)⁠。ほかの区域は無休
料金
未確認(公式の案内に料金の記載なし)[1][6]
確認日: 2026-10-03
本丸櫓門階上展示室(特別公開)
時間
土日祝日の10:00〜16:00(最終入館15:30)⁠。7・8月と⁠1・2月は公開しない
休館・休み
平日
料金
未確認[1]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

山陽自動車道の赤穂ICから約10分、JR相生駅から約25分。城跡の駐車場は約70台・無料(先着順、予約不可)⁠。[1][6]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
本丸・二之丸庭園以外⁠の城跡公園は無休(時間の定めは案内なし)⁠。[1]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
本丸と⁠二之丸庭園、大手門をひと回りして1時間〜1時間半⁠が目安
階段・坂・足もと
平地の城で坂はほとんどない。天守台に上るには石段がある。[5]
車椅子・ベビーカー
未確認。本丸には休憩舎と⁠トイレがある。[5]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
本丸の蔵の跡にトイレがある。[5]
英語案内・音声ガイド
観光協会のサイトに外国語の切り替えがある。現地の英語案内は未確認。2025年に城の解説サイト「赤穂城デジタルミュージアム」が公開された。[6][1]
季節の楽しみ
二之丸南西部の花見広場(元禄桜苑)には、元禄期の品種など18種200本あまりの桜が植えられている。[5]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
日本100名城スタンプは、ふだんは本丸櫓門の下と⁠赤穂市立歴史博物館⁠の館内、年末年始(12月28日〜1月4日)⁠は歴史博物館の玄関前に置かれている。[1]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

博物館

赤穂市立歴史博物館(塩と⁠義士の館)

赤穂城跡のすぐ近くにある市立博物館で、赤穂の塩づくりと⁠赤穂義士を中心に紹介する。本丸の池から出た木簡の一部も展示。9:00〜17:00(入館16:30まで⁠)⁠、水曜休館(祝日の場合は翌日)⁠、12月28日〜1月4日休館。大人(高校生以上⁠)200円。[10][5]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

忠臣蔵の物語が好きな人、城の設計(縄張)⁠や⁠軍学に興味がある人、発掘をもとに復元された大名庭園を見たい人に向く。坂がほとんどないので、足に自信がない人でも回りやすい。

ここを見ると⁠面白い

本丸の御殿の間取りと⁠庭園、天守台からの眺め、そして石垣のジグザグの折れ。二之丸庭園の流れの池泉もあわせて見たい。

訪ねる前に

天守は最初からなく、大手門・隅櫓・本丸門は戦後の再建・復元。本丸と⁠二之丸庭園は16:30まで(入園16:00まで⁠)で、年末年始は入れない。

楽しみかた

先に赤穂市立歴史博物館⁠で赤穂の歴史と⁠赤穂事件を知っておくと、本丸の御殿跡に立ったときの見え方が変わる。大手門から入って本丸門をくぐり、天守台に上ってから二之丸庭園へ回ると⁠よい。

訪問者レビュー

レビュー募集中

この城を訪ねた方の声を募集しています。

レビューを書く
評価

体験に基づかない投稿・宣伝・個人情報を含む投稿は公開しません。

異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    国史跡赤穂城跡公式Webサイト(トップ・ご案内)赤穂市教育委員会official確認日:
  2. 2
    赤穂城とは赤穂市教育委員会(国史跡赤穂城跡公式Webサイト)official確認日:
  3. 3
    データBOX 赤穂城⁠の概要赤穂市教育委員会(国史跡赤穂城跡公式Webサイト)official確認日:
  4. 4
    赤穂城の歴史(赤穂城跡・赤穂城下町跡の歴史年表)赤穂市教育委員会(国史跡赤穂城跡公式Webサイト)official確認日:
  5. 5
    赤穂城史跡名勝⁠の探訪ガイド赤穂市教育委員会report確認日:
  6. 6
    赤穂城跡一般社団法人赤穂観光協会tourism確認日:
  7. 7
    赤穂城跡文化遺産オンライン(文化庁)heritage確認日:
  8. 8
    旧赤穂城庭園本丸庭園二之丸庭園文化遺産オンライン(文化庁)heritage確認日:
  9. 9
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  10. 10
    博物館について(利用案内)赤穂市立歴史博物館official確認日:
  11. 11
    赤穂城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  12. 12
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  13. 13
    Wikipedia「赤穂城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  14. 14
    Wikidata Q601598Wikidatawikidata確認日:
  15. 15
    OpenStreetMap way/1230875373© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

現地の変化や⁠誤り、使ってよい写真をご存じでしたらお知らせください。

情報の訂正・写真の提供