城の西の入口・下之橋御門(左)と、その横に建つ(伝)潮見櫓(右)(2022年9月撮影)。下之橋御門は2000年の不審火のあと2008年に二層の姿で復元された。(伝)潮見櫓は、調査で本来の潮見櫓ではないと分かった別の櫓。
HirhoCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

福岡県 · 福岡市中央区

福岡城

ふくおかじょう

Fukuoka Castle

福岡県福岡市中央区

城平山城日本100名城 85番

この城らしさ

大きな天守台は残るのに、その上に天守が⁠建っていたのかどうかが、いまも決着していない。

なぜ?

1646年の城の絵図には天守が描かれておらず、黒田家が幕府に遠慮して天守を建てなかったと⁠いう見方が長く⁠広まっていました。ところが近年、天守の欄干の修理を黒田長政が命じた古文書が確認され、2024年12月には「天守を建てた」と⁠書かれた新しい資料も見つかりました。福岡市は2025年度にはじめて天守台の発掘調査を行っています。[3][7]

見逃したくない3つ

01
本丸の奥にそびえる天守台の石垣(2015年8月撮影)。上は展望台になっている。そらみみ (Soramimi)CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

謎の天守台にのぼる

見る場所
本丸の⁠奥(城のいちばん高い所)
注目する部分
大・中・小の3つの天守台の石垣と、上の展望台からの眺め
ここが面白い
福岡城には天守台が3つあります。この上に天守があったかどうかは、研究者の間でも意見が⁠分かれてきました。市は天守に関する資料の収集と⁠天守台の発掘を進めており、2025年度の発掘の成果は2026年8月⁠に報告会で発表されました。いまは展望台と⁠して、福岡の街や⁠博多湾を見わたせます。[3][7][8]
見られるか
外から見られる無料で上れる。上るには階段がある。
02
南丸の多聞櫓(2007年2月撮影)。江戸時代から元の場所に残るただ一つの櫓で、国の重要文化財。PontafonCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

江戸時代から残る多聞櫓

見る場所
南丸(二の丸の南の郭)
注目する部分
高い石垣の上に長く続く平櫓と、端の二層の隅櫓。石落としや⁠鉄砲狭間
ここが面白い
江戸時代から元の場所に残るただ一つの櫓で、国の重要文化財です。平櫓は63mあり、中が16の小部屋に⁠分かれているのが特徴です。平櫓は1853〜54年⁠に建て替えられたものです。[4]
見られるか
一部見られる外観は見られる。中はふだん非公開で、イベントのときなどに公開される。
03
城の西の入口・下之橋御門(左)と、その横に建つ(伝)潮見櫓(右)(2022年9月撮影)。下之橋御門は2000年の不審火のあと2008年に二層の姿で復元された。(伝)潮見櫓は、調査で本来の潮見櫓ではないと分かった別の櫓。HirhoCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

下之橋御門と、2つの潮見櫓

見る場所
城の北西側。下之橋御門のすぐ横に(伝)潮見櫓、三の丸の北西のすみに2025年に復元された潮見櫓
注目する部分
復元された潮見櫓の柱や⁠梁のうち、茶色い江戸時代の古材と⁠白い新材のちがい。屋根の古い瓦と⁠新しい瓦の色のちが⁠い
ここが面白い
下之橋御門の横の櫓は長く潮見櫓と⁠伝えられてきましたが、調査で別の櫓と⁠分かり⁠「(伝)潮見櫓」と⁠呼ばれるようになりました。本物の潮見櫓は明治に崇福寺へ払い下げられて仏殿になっていましたが、1991年からの市の調査で、小屋裏の棟札からそれと⁠分かりました。市は残っていた古材と⁠伝統の工法で復元し、2025年3月⁠に完成しました。[5][6][9]
見られるか
外から見られる潮見櫓は1階を無料公開(10:00〜16:00、月曜休館・祝日の場合は翌平日)⁠。

訪問の目安

最寄り駅
福岡市地下鉄赤坂駅 2番出口から徒歩約10分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
天守台・多聞櫓・下之橋御門・潮見櫓をめぐって1時間半〜2時間
料金
未確認(城跡は入場無料)
時間
10:00〜16:00(1階のみ公開)
立入り
自由に見学できる

城跡(舞鶴公園)⁠は入場無料(イベント期間は例外あり)⁠。多聞櫓の中はふだん非公開。日本100名城スタンプ⁠は福岡城むかし探訪館と⁠三の丸スクエアにある。

確認日:

この城の物語

01
史実

広い城下町をつくれる場所へ

関ヶ原の戦いで徳川家康に味方した黒田長政は、筑前国ほぼ一国(52万石余)⁠を与えられ、豊前中津から移ってきました。はじめは名島城に入りましたが、城下の平野がせまく十分な町をつくれないため、福崎(いまの舞鶴公園)⁠に新しい城を築くことにしました。[1]

02
史実

黒田官兵衛・長政の親子が7年かけて

1601年から7年かけて、東西約1km・南北約700mの大きな平山城を築きました。城の名は、黒田家ゆかりの地、備前国(いまの岡山県)⁠の福岡からとったものです。父の黒田官兵衛(如水)⁠も築城にかかわりました。海から見ると⁠鶴が羽を広げた姿に似ていたことから「舞鶴城」とも呼ばれました。[1][10][11]

03
史実

50ほどの櫓が並ぶ守りの⁠城

城のまわりは堀で囲まれ、上之橋・下之橋・追廻橋の3つの橋からしか中に⁠入れませんでした。城内には50ほどの櫓があったと⁠いわれ、天守台・本丸・二の丸・三の丸の4段の構えでした。本丸には藩主が政治を行い暮らす御殿がありましたが、2代藩主忠之が三の丸に御殿を建ててからは、儀式の場になりました。[2]

04
研究上の解釈

天守はあったのか

1646年の絵図に天守がないことから、官兵衛と⁠長政は幕府に遠慮して天守を建てなかったと⁠長く⁠考えられてきました。しかし、天守の欄干が腐ったので直すよう長政が家臣に指示した古文書が確認され、2024年12月には「天守を建てた」と⁠書かれた新しい資料も見つかりました。市はこれまで一度も⁠行っていなかった天守台の発掘を2025年度に行いました。[3][7]

05
史実

残ったのは石垣と⁠縄張り

建物の多くは失われましたが、石垣と⁠城の区画(縄張り)⁠はほぼ当時のまま残り、国の史跡になっています。多聞櫓は国の重要文化財で、下之橋御門と⁠(伝)潮見櫓は県の文化財です。本丸表御門は黒田家の菩提寺・崇福寺の山門と⁠して移されています。[1][12]

06
史実

門と⁠櫓を少しずつ取りもどす

2000年に不審火で半焼した下之橋御門は、2008年に二層の本来の姿で復元されました。2023年からは潮見櫓の復元工事が進み、2025年3月⁠に完成、5月から1階が公開されています。福岡市は「福岡みんなの城基金」で寄付を集め、これからも門や⁠櫓の復元を進めると⁠しています。[5][9]

この城の人びと

年表

  1. 黒田長政が福崎で築城を始める(7年かけて完成)[1][5]

  2. 城の絵図「福博惣絵図」に天守が描かれていない[3]

  3. 潮見櫓が崇福寺に払い下げられ仏殿になる[9]

  4. 下之橋御門を二層の姿で復元[6]

  5. 12月、「天守を建てた」と⁠書かれた新資料が見つかる[3]

  6. 潮見櫓の復元が完成。天守台ではじめての発掘調査[3][9][8]

建物と⁠遺構

天守の状態

確認中

大・中・小3つの天守台が残る(城郭協会は「天守台のみ残る」)⁠。天守があったかどうかは公式も「定かではない」としており、1646年の絵図には描かれていない一方、天守の欄干修理を命じた古文書や⁠2024年12月発見⁠の「天守を建てた」と⁠する新資料がある。研究者の間で意見が分かれ、検討が続いている。

城全体のいま

城跡は舞鶴公園と⁠して整備され、西どなりは大濠公園。石垣と⁠縄張りがよく残り、城内には古代の外交施設・鴻臚館の跡もある。案内施設の福岡城むかし探訪館と⁠三の丸スクエアがある。

主な建物

現存国重要文化財

南丸多聞櫓

江戸時代から元の場所に残る唯一の櫓。平櫓は1853〜54年⁠の建て替え。内部はふだん非公開。[4]

移築して現存

潮見櫓

崇福寺の仏殿になっていた建物を、古材を使って三の丸北西隅に移築復元(2025年3月完成)⁠。1階を公開。[9]

木造で復元県指定有形文化財

下之橋御門

2000年に不審火で半焼し、2008年に二層の姿で復元。[1][6]

移築して現存県指定有形文化財

(伝)潮見櫓

大正時代に黒田家別邸へ移された櫓を1956年に城内へ再移築。本来の潮見櫓とは別の櫓と⁠分かった。[1][5][12]

移築して現存市指定・県指定有形文化財

名島門・旧母里太兵衛邸長屋門

名島城の脇門と、黒田二十四騎の一人・母里太兵衛の屋敷門。それぞれ1961年・1965年に城内へ移築。[1][5]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
確認中天守の有無・状態は確認中編集部記事
築城者
黒田長政日本城郭協会
築城
慶長6年(1601)日本城郭協会
主な城主
黒田氏日本城郭協会
廃城
1871年Wikipedia
見られる遺構
櫓・櫓台・門・石垣・堀・曲輪・天守台編集部記事
文化財指定
国史跡(福岡城跡)⁠、国重要文化財(南丸多聞櫓)編集部記事
名城選定
日本100名城 85番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡(舞鶴公園)⁠は入場無料(イベント期間は例外あり)⁠。多聞櫓の中はふだん非公開。日本100名城スタンプ⁠は福岡城むかし探訪館と⁠三の丸スクエアにある。

住所

〒810-0043 福岡県福岡市中央区城内[1]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

福岡市地下鉄赤坂駅 2番出口福岡市地下鉄空港線

徒歩約10分 · 少⁠し登る

2番出口から徒歩約10分で城跡へ。三の丸スクエアへは大濠公園駅5番出口から徒歩約10分。[1]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

潮見櫓
時間
10:00〜16:00(1階のみ公開)
休館・休み
月曜(祝日の場合は翌平日)
料金
未確認(城跡は入場無料)[9]
確認日: 2026-10-03
福岡城むかし探訪館
時間
9:00〜17:00
休館・休み
12月29日〜1月3日
料金
無料[10]
確認日: 2026-10-03
三の丸スクエア(福岡城・鴻臚館案内処)
時間
9:00〜17:00(入館16:30まで⁠)
休館・休み
12月29日〜1月3日
料金
無料[14]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

城内に第1〜第4駐車場(有料、計約450台)⁠。[1]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
未確認(ボタン・シャクヤク園は9:00〜17:00)[5]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
天守台・多聞櫓・下之橋御門・潮見櫓をめぐって1時間半〜2時間
階段・坂・足もと
城跡は広く、天守台へは石段や⁠坂を上る。[5]
車椅子・ベビーカー
未確認(無料ガイドツアー⁠は1週間前までの予約で車いす参加可、1回2台まで⁠)[9]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
無料ガイドツアー⁠は日本語のみ。そのほかの英語対応は未確認。[9]
季節の楽しみ
1〜2月は梅と⁠スイセン、3月下旬〜4月上旬⁠は⁠桜⁠(「福岡城さくらまつり」で夜もライトアップ)⁠、4月ボタン、5月シャクヤク、4〜5月フジ、夏は堀のハスと⁠スイレン、11月は紅葉。[5]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
「ふくおか歴史文化遺産ウィーク」(2026年10月17日〜11月30日)⁠で鴻臚館北館東門⁠の公開記念イベントなどが行われる。福岡城・潮見櫓の無料ガイドツアー⁠は土日祝と⁠水曜の10:00と⁠13:00(三の丸スクエア集合・予約不要・約60分)⁠。[15][9]確認日: 2026-10-03

歩きかたの⁠例

福岡城・潮見櫓無料ガイドツアー(公式・約60分) 60分

  1. 三の丸スクエアに集合
  2. 名島門
  3. 下之橋御門
  4. (伝)潮見櫓
  5. 三の丸広場
  6. 潮見櫓

土日祝と⁠水曜、10:00と⁠13:00の1日2回(休みの場合あり)⁠。各回先着10名ほど、予約不要、日本語のみ。内容は変わることがある。

周辺の楽しみ

博物館

鴻臚館跡展示館

城内にある、古代の外交施設・鴻臚館の跡を見せる展示館。発掘されたままの遺構と、海外との交流を⁠示⁠す陶磁器などを展示している。[5]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

「天守はあったのか」と⁠いう謎に興味がある人、石垣の大きさで城の力を感じたい人、福岡の街なかで気軽に城歩きをしたい人に向く。

ここを見ると⁠面白い

まず天守台に上り、大・中・小3つの天守台の配置と⁠眺めを確かめたい。次に、江戸時代から残る多聞櫓と、2025年に古材で復元された潮見櫓を見比べると、残った建物と⁠よみがえった建物のちがいが分かる。

訪ねる前に

天守は残っておらず、建っていたかどうかもはっきりしていない。城跡は広いので、歩きやすい靴で。潮見櫓は月曜休館。

楽しみかた

最初に福岡城むかし探訪館で400分の1の再現模型を見てから歩くと、いまは失われた櫓や⁠門の位置がつかみやすい。週末なら無料ガイドツアー⁠で2つの潮見櫓の話を聞くのもおすすめ。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    福岡城(国史跡)【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  2. 2
    城の構え【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  3. 3
    天守台【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  4. 4
    多聞櫓【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  5. 5
    城内散策のすゝめ【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  6. 6
    下之橋御門【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  7. 7
    令和6年9月定例会一般質問(9月5日)会議録福岡市議会municipal確認日:
  8. 8
    福岡城天守台発掘調査報告会⁠のお知らせ(2026年8月10日)福岡市の文化財(福岡市文化財活用課)municipal確認日:
  9. 9
    『潮見櫓』復元・公開【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  10. 10
    福岡城むかし探訪館【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  11. 11
    黒田官兵衛(孝高・如水)【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  12. 12
    (伝)潮見櫓【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  13. 13
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  14. 14
    三の丸スクエア【公式】福岡城・鴻臚館(福岡市)official確認日:
  15. 15
    「ふくおか歴史文化遺産ウィーク」開催のお知らせ(2026年10月2日)福岡市の文化財(福岡市文化財活用課)municipal確認日:
  16. 16
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  17. 17
    Wikipedia「福岡城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  18. 18
    Wikidata Q1143944Wikidatawikidata確認日:
  19. 19
    OpenStreetMap way/345642780© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

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