満開のエドヒガン(2010年3月撮影)。寄居町の天然記念物で、高さ18m、推定樹齢150年以上。
MocchyPublic domainWikimedia Commons

埼玉県 · 寄居町

鉢形城

はちがたじょう

Hachigata Castle

埼玉県寄居町

城平山城日本100名城 22番

この城らしさ

土塁の表面に川原の石を階段のように積んだ、北条氏の戦国の城。

なぜ?

三の曲輪では、発掘で見つかった「石積土塁」が復元されています。土塁の表面に川原石を約1mずつ階段状⁠に積み上げたもので、裏込め石を使わない点で西日本の石垣とは技術が違うため、寄居町は「石積」と⁠呼んでいます。川原の石を使った関東の戦国時代の城づくりを、目で確かめられる場所です。[2][1]

見逃したくない3つ

01
川原石を階段状に積んだ石積土塁(2019年9月撮影)。裏込め石を使わないため、町は「石積」と呼んでいる。柴錬アワーCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

三の曲輪の石積土塁

見る場所
三の曲輪(伝秩父曲輪)⁠。鉢形城歴史館のある外曲輪から堀をこえた⁠先
注目する部分
土塁の表面に川原石を階段状に積んだ段と、城兵が駆け上がったと⁠みられる階段
ここが面白い
約1m積むごとに少し奥へ控えをつくり、さらに積み上げて土塁全体を高くしています。裏込め石がないので、近世の石垣とは別の技術と⁠して「石積」と⁠呼ばれます。1998〜2001年⁠の発掘で見つかり、その成果をもとに復元されました。[2][1]
見られるか
外から見られる公園内で自由に見られる(無料)⁠。
02
三の曲輪に復元された板屋根の四脚門と石段(2019年9月撮影)。発掘の礎石と石段をもとにした想定の復元。柴錬アワーCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

復元された四脚門と⁠庭園の⁠池

見る場所
三の曲輪の南側(門)⁠と⁠北側(池と⁠四阿)
注目する部分
板屋根の四脚門、素朴な池と、そのほとりの四阿(あずまや⁠)
ここが面白い
門は発掘で見つかった礎石と⁠石段から四脚門と⁠考えられました。近くに戦国時代の建物が⁠残っていないため、「洛中洛外図屏風」に描かれた細川管領邸の板屋根を手本にし、木材はほとんどヒノキです。池は地面を掘って底に小石を散らしただけのつくりで、雨水をためていたとみられます。戦場の城に庭があったことが分かります。[2]
見られるか
外から見られる公園内で自由に見られる。
03
本曲輪から見下ろした荒川と寄居の町(2006年10月撮影)。城の中心部は川にのぞむ崖の上にある。TaketarouCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

荒川の断崖の上の本曲輪

見る場所
本曲輪(伝御殿曲輪)⁠。城の北側、荒川の右岸
注目する部分
崖の下を流れる荒川と、対岸の寄居の町並み、作家・田山花袋の漢詩碑
ここが面白い
城の中心部は、荒川と⁠深沢川にはさまれた断崖の上にあり、川そのものが守りになっていました。本曲輪には城主の館があったと⁠伝わります。花袋が1918年に訪れて詠んだ漢詩の碑もあり、文字は武者小路実篤が書いています。[1][3]
見られるか
外から見られる公園内で自由に見られる。崖の近くでは足元に注意。

訪問の目安

最寄り駅
寄居駅から徒歩約25分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
歴史館と⁠公園の主な見どころで1時間半〜2時間⁠が目安
料金
一般200円(団体100円)⁠、学生等100円(団体50円)⁠。70歳以上・中学生以下・障害者手帳を持つ人は無料。団体は20名以上
時間
9:30〜16:30(入館は16:00まで⁠)
立入り
自由に見学できる

鉢形城公園は無料で、休園は管理上やむを得ないときだけ。鉢形城歴史館は有料。日本100名城スタンプ⁠は歴史館の受付(開館日の9:30〜16:00)⁠にあり、閉館時は駐車場正面入口右側⁠の郵便ポストの中に置かれている。

確認日:

この城の物語

01
史実

二つの川にはさまれた崖の⁠上

鉢形城の中心部は、荒川と⁠深沢川にはさまれた断崖の上に築かれ、自然の要害になっていました。この場所は交通の要所で、上州(いまの群馬県)⁠や⁠信州(長野県)⁠の方面を望む大事な地点でした。[1]

02
伝承

長尾景春が築いたと⁠伝わる

鉢形城は、1476年に関東管領・山内上杉氏の家臣だった長尾景春が築いたと⁠伝えられています。その後、小田原の北条氏康の四男・氏邦が、地元の豪族・藤田泰邦の家に婿と⁠して入り、城を整えて広げ、いまの大きさになりました。[1]

03
史実

北関東をおさえ、甲斐・信濃に備える

関東でも有数の大きさの鉢形城は、北条氏が北関東を治める拠点であり、甲斐(山梨県)⁠・信濃(長野県)からの攻撃に備える大事な城でした。城内には四角い「角馬出」が6か⁠所あったと⁠推定され、町はこれを北条氏の城の特徴と⁠しています。[1][4]

04
史実

1590年、1か月あまりの籠城の末に開城

1590年に豊臣秀吉が小田原の北条氏を攻めたとき、鉢形城は前田利家・上杉景勝らの北国軍に囲まれました。1か月あまり城にこもって戦ったあと、北条氏邦は6月14日、城兵の命を助けることを条件に城を明け渡しました。その後は徳川家康の代官が、この地を治めました。[1]

05
史実

堀と⁠土塁が区切る曲輪が残る

城の建物は⁠残っていませんが、堀や⁠土塁がよく残っていて、それで区切られた本曲輪・二の曲輪などの広がりをいまも⁠確かめられます。二の曲輪の発掘では、掘立柱の建物の跡や⁠鍛冶の工房の跡も⁠見つかっています。[1][5]

06
史実

国史跡から鉢形城公園へ

鉢形城跡は1932年に国の史跡になりました。1997〜2001年度⁠に二の曲輪・三の曲輪・笹曲輪の発掘が行われ、その成果をもとに馬出や⁠堀・土塁が復元整備されました。2004年10月17日⁠に鉢形城公園が開園し、同時にガイダンス施設⁠の鉢形城歴史館が開館しました。2006年には日本100名城⁠に選ばれています。[1][6]

この城の人びと

年表

  1. 長尾景春が築城したと⁠伝わる[1]

  2. 北国軍に囲まれ、6月14日に北条氏邦が開城[1]

  3. 国の史跡に指定[1]

  4. 二の曲輪などの発掘調査が始まる(〜2001年度)[1]

  5. 鉢形城公園が開園し、鉢形城歴史館が開館[6]

  6. 日本100名城⁠に選ばれる[1]

建物と⁠遺構

天守の状態

もともと⁠天守なし

戦国時代の城で天守はない(城郭協会の一覧も天守は「−」)⁠。

城全体のいま

城跡は鉢形城公園(無料)⁠と⁠して整備され、堀・土塁・馬出・石積土塁・四脚門・池などが復元されている。外曲輪の一角に鉢形城歴史館がある。園内の遊歩道は深沢川の渓谷や⁠カタクリの群生地をめぐる。

主な建物

再建(復興)

四脚門(三の曲輪)

発掘の礎石と⁠石段から門の形を推定。意匠は洛中洛外図屏風⁠の細川管領邸を参考にした想定の復元。[2]

再建(復興)

四阿と⁠池(三の曲輪)

池の遺構と⁠掘立柱建物跡をもとに整備。四阿の意匠も屏風を参考にした想定。[2]

跡地のみ

石積土塁

発掘で確認され、復元整備された。[2]

跡地のみ

角馬出(伝御金蔵曲輪)

二の曲輪と⁠三の曲輪の間。発掘で門跡と⁠石積土塁を確認。[4]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
中世編集部記事
天守の状態
もともと⁠天守なし天守は⁠建てられなかった編集部記事
築城者
長尾景春、北条氏邦日本城郭協会
築城
文明8年(1476)⁠、永禄年間(1558~1570)日本城郭協会
主な城主
長尾氏、上杉氏、小田原北条氏日本城郭協会
廃城
1590年(天正18年)Wikipedia
見られる遺構
土塁・堀・石垣・門・曲輪・虎口編集部記事
文化財指定
国史跡(鉢形城跡)(1932年)⁠、寄居町天然記念物(鉢形城公園のエドヒガン)(2003年)編集部記事
名城選定
日本100名城 22番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

鉢形城公園は無料で、休園は管理上やむを得ないときだけ。鉢形城歴史館は有料。日本100名城スタンプ⁠は歴史館の受付(開館日の9:30〜16:00)⁠にあり、閉館時は駐車場正面入口右側⁠の郵便ポストの中に置かれている。

住所

埼玉県大里郡寄居町大字鉢形2692-2(鉢形城公園)[1]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

寄居駅JR八高線・秩父鉄道・東武東上線

徒歩約25分 · 少⁠し登る

鉢形城歴史館まで徒歩約25分。イーグルバス(寄居駅発・和紙の里行き)⁠で「鉢形城歴史館前」下車、徒歩約5分。[7]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

鉢形城歴史館
時間
9:30〜16:30(入館は16:00まで⁠)
休館・休み
月曜(祝日の場合は翌日)⁠、祝日の翌日、年末年始
料金
一般200円(団体100円)⁠、学生等100円(団体50円)⁠。70歳以上・中学生以下・障害者手帳を持つ人は無料。団体は20名以上[8][11]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

関越自動車道の花園ICから国道140号バイパス⁠を秩父・長瀞方面へ約6km、約15分。歴史館の駐車場は開館日の9:00〜17:00に使える(台数・料金は未確認)⁠。[7][8]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
公園は無料で、休園は管理上やむを得ないときのみ(開園時間の定めは公式に記載なし)[1]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
歴史館と⁠公園の主な見どころで1時間半〜2時間⁠が目安
階段・坂・足もと
公園内は土の道や⁠坂が多く、本曲輪は荒川の崖の上にある。[1]
車椅子・ベビーカー
未確認確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
未確認
季節の楽しみ
町の天然記念物のエドヒガン(高さ18m・推定樹齢150年以上⁠)⁠は3月下旬〜4月初めに咲く。カタクリは3月下旬〜4月下旬⁠に土塁の北側・西側の斜面などで見られる。[10][12]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
鉢形城歴史館で共催展「埼玉の古代窯業」を2026年11月7日〜12月20日⁠に開催(入館料は通常どおり)⁠。[11]確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

天守のない戦国の城で、堀や⁠土塁、馬出と⁠いった「土の城」の守りを歩いて確かめたい人に向く。北条氏や⁠1590年の小田原攻めに興味がある人なら、小田原城や⁠八王子城と⁠あわせて見ると⁠面白い。

ここを見ると⁠面白い

三の曲輪の石積土塁は、西日本の石垣と⁠比べながら見ると⁠違いがよく分かる。四角い角馬出と⁠堀の組み合わせ、荒川の崖の上に立つ本曲輪の地形もぜひ。

訪ねる前に

城の建物は残っておらず、門や⁠四阿は発掘をもとにした想定の復元。まず歴史館で城の全体の形をつかむと⁠分かりやすい。歴史館は月曜と⁠祝日の翌日が休館。公園は土の道が多いので歩きやすい靴で。

楽しみかた

3月下旬〜4月初めならエドヒガンの大木と⁠カタクリの花が一度に見られる。歴史館のサイトには鉢形城ボランティアガイド⁠の案内ページもある(内容は歴史館に確認)⁠。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    鉢形城公園案内寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  2. 2
    三の曲輪寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  3. 3
    本曲輪寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  4. 4
    馬出寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  5. 5
    二の曲輪寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  6. 6
    施設案内寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  7. 7
    アクセス寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  8. 8
    開館時間・休館日・入館料寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  9. 9
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  10. 10
    エドヒガン寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  11. 11
    開催します!「埼玉の古代窯業」寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  12. 12
    カタクリ寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  13. 13
    日本100名城スタンプ⁠について寄居町(鉢形城歴史館)municipal確認日:
  14. 14
    鉢形城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  15. 15
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  16. 16
    Wikipedia「鉢形城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  17. 17
    Wikidata Q2969388Wikidatawikidata確認日:
  18. 18
    OpenStreetMap node/1946250346© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

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