紅葉に囲まれた本丸北西隅の御隅櫓(2018年11月撮影)。市制100周年を記念して建てられた建物で、最上階は展望台になっている。
くろふねCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

秋田県 · 秋田市

久保田城

くぼたじょう

Kubota Castle

秋田県秋田市

城平山城日本100名城 9番

この城らしさ

20万石をこえる大名の城なのに、石垣はほとんどなく、天守も最初から造らなかった。

なぜ?

久保田城は、秋田藩主・佐竹氏が自然の台地を使って築いた城で、堀と⁠土を盛った土塁で守りました。天守を造らなかった理由について、秋田市は国替えによるお金の事情や⁠幕府への奉仕、徳川への遠慮などが考えられると⁠しています。[1][2]

見逃したくない3つ

01
千秋公園の内堀(2013年8月撮影)。久保田城は石垣をほとんど使わず、堀と土を盛った土塁で守った。掬茶CC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

石垣のかわりの土塁と⁠堀

見る場所
千秋公園の本丸・二の丸のまわりと、駅前の広小路に面した大手門の堀・穴門の⁠堀
注目する部分
土を盛り上げた高い土手(土塁)と、その下の堀。石を積んだ壁がほとんどないこと
ここが面白い
西日本の城のような高い石垣はなく、堀と⁠土塁をめぐらせて守ったのが久保田城の特徴です。大手門の堀と⁠穴門の堀は城の時代からの堀で、いまは駅から歩いてすぐの町なかで見られます。大手門の堀には2024年に水に浮かぶ遊歩道ができ、夏はハスの中を歩けます。[1][2][11][12]
見られるか
外から見られる公園は終日開放。堀の遊歩道は12月〜3月は利用できず、夜は22時から日の出まで使えない。
02
紅葉に囲まれた本丸北西隅の御隅櫓(2018年11月撮影)。市制100周年を記念して建てられた建物で、最上階は展望台になっている。くろふねCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

展望台のある御隅櫓

見る場所
本丸の北西の⁠隅
注目する部分
最上階の展望台からの秋田の町の眺めと、中の佐竹氏の歴史のパネル
ここが面白い
櫓は見張りと⁠武器の保管のための建物で、久保田城には隅櫓が8つありました。いまの御隅櫓は、市制100周年⁠を記念して、記録にある2階造りを基本に建てられたもので、天守のない城で町を見下ろせる場所になっています。[3]
見られるか
外から見られる内部は有料(一般150円)⁠。12月1日〜3月31日⁠は休館。
03
御物頭御番所(2013年8月撮影)。城内に唯一残る江戸時代の役所の建物で、秋田市指定文化財。掬茶CC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

城内に唯一残る江戸時代の建物・御物頭御番所

見る場所
二の丸から本丸へ上る長坂の途中、長坂門(二ノ門)⁠の近く
注目する部分
番所の建物そのものと、門を見張る位置
ここが面白い
門の開け閉めと⁠城下の警備、火事の消火を受け持った物頭(ものがしら)⁠の詰所です。1758〜1778年⁠の間に建てられたと⁠推定され、城内に残る藩政時代の役所の建物はこれだけです。秋田市の指定文化財です。[4][5][7]
見られるか
一部見られる開館時間は9:00〜16:30(2026年度)⁠。外からはいつでも見られる。

訪問の目安

最寄り駅
JR秋田駅から徒歩約15分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
公園を歩いて御隅櫓に上るなら約1時間、佐竹史料館も見るなら1時間半〜2時間⁠が目安
料金
一般150円(団体120円)⁠、高校生以下無料
時間
9:00〜16:30(市立小中学校の夏休み期間は19:00まで⁠)
立入り
自由に見学できる

千秋公園は終日開放。御隅櫓と⁠佐竹史料館は有料。公園内への車の乗り入れはできない。

確認日:

この城の物語

01
史実

秋田へ移された佐竹氏の新しい⁠城

佐竹氏は常陸国(いまの茨城県)⁠の大名でしたが、関ヶ原の戦いのあと、1602年に出羽国秋田へ移されました。佐竹義宣は、もとの領主・秋田氏の湊城ではなく、久保田の神明山(いまの千秋公園)⁠に新しい城を築き、城下町をつくりました。[2][13]

02
史実

1603年、佐竹義宣が築城を始める

築城は1603年5月⁠に始まり、翌1604年8月⁠に義宣が城に入って、湊城は⁠取⁠り⁠壊されました。そのあとも工事は続き、完成は1631年ごろと⁠いわれています。佐竹氏はここから、1869年の版籍奉還まで12代267年間、20万5800石⁠の秋田藩を治めました。[1][2]

03
研究上の解釈

石垣と⁠天守のない守り

久保田城は複数の曲輪(くるわ)⁠をもつ平山城で、自然の台地を使い、石垣をほとんど使わずに堀と⁠土塁で囲みました。天守ははじめから⁠造られませんでした。その理由と⁠して、国替えによるお金の事情や⁠幕府への奉仕の負担、徳川への遠慮などが⁠考えられています。[1][2]

04
史実

城から公園へ

明治になって城はその役目を終え、1880年の大火で城内の建物はほとんど⁠焼けたとされます。1896年、近代公園づくりの先駆けと⁠される長岡安平の設計で公園と⁠して整えられ、秋田の「秋」に長く続く意味の「千」をつけて「千秋公園」と⁠名付けられました。[1][15]

05
史実

残ったのは番所ひとつ

城の建物のうち、いまも残る藩政時代の役所の建物は御物頭御番所だけです。門の開け閉めや⁠城下の警備、消火を受け持った物頭の詰所で、1758〜1778年ごろの建物と⁠推定されています。堀では大手門の堀と⁠穴門の堀が、城の時代から残っています。[4][11]

06
史実

櫓と⁠門の再建、そして名勝に

1984年、佐竹氏15代の佐竹義榮の遺志で、公園は秋田市に寄贈されました。市制100周年⁠を記念して御隅櫓が建てられ、本丸の正門だった表門は絵図や⁠発掘の成果をもとに、1999年から2か年の工事で木造で再建されました。2008年には千秋公園が名勝に指定され、2025年には佐竹史料館が建て替えを終えて再開しました。[1][3][5][16]

この城の人びと

年表

  1. 佐竹義宣が神明山に築城を始める[2]

  2. 義宣が入城し、湊城を取り壊す[2]

  3. 版籍奉還。佐竹氏12代267年⁠の治世が終わる[1]

  4. 長岡安平の設計で公園になり、千秋公園と⁠名付けられる[1]

  5. 佐竹家から秋田市へ寄贈される[1]

  6. 1999年から2か年の工事

    本丸表門を木造で再建[5]

  7. 千秋公園が名勝に指定される[1]

建物と⁠遺構

天守の状態

もともと⁠天守なし

天守ははじめから造られなかった(秋田市)⁠。

城全体のいま

本丸・二の丸は千秋公園と⁠して市民の公園になっている。園内に御隅櫓(再建)⁠、表門(木造で再建)⁠、御物頭御番所(江戸時代の建物)⁠、佐竹史料館がある。三の丸側には文化施設が建ち、南側の大手門の堀と⁠穴門の堀が駅前の通りに面して残る。

主な建物

現存秋田市指定文化財

御物頭御番所

1758〜1778年⁠の間の建築と⁠推定。城内に唯一残る藩政時代の役所建物。[4]

再建(復興)

御隅櫓

市制100周年記念⁠で建設。史料の2階造りを基本にした設計で、最上階は展望台。[3]

木造で復元

本丸表門(一の門)

絵図や⁠発掘調査の成果をもとに1999年から2か年で木造2階建ての櫓門と⁠して再建。⁠高⁠さ約12.46m。日没から日の出までライトアップ。[5]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
もともと⁠天守なし天守は⁠建てられなかった編集部記事
築城者
佐竹義宣日本城郭協会
築城
慶長8年(1603)日本城郭協会
主な城主
佐竹氏日本城郭協会
廃城
1880年(明治13年)Wikipedia
見られる遺構
土塁・堀・門・曲輪・櫓・櫓台編集部記事
文化財指定
名勝(千秋公園(久保田城跡)⁠)(2008年)⁠、秋田市指定文化財(御物頭御番所)編集部記事
名城選定
日本100名城 9番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

千秋公園は終日開放。御隅櫓と⁠佐竹史料館は有料。公園内への車の乗り入れはできない。

住所

秋田県秋田市千秋公園(佐竹史料館: 千秋公園1番4号)[6]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR秋田駅JR秋田新幹線・奥羽本線・羽越本線ほか

徒歩約15分 · 少⁠し登る

駅から公園入口のポケットパークまで徒歩約5分、二の丸跡まで約15分。佐竹史料館へは西口から徒歩約15分。[1][6]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

久保田城御隅櫓
時間
9:00〜16:30(市立小中学校の夏休み期間は19:00まで⁠)
休館・休み
12月1日〜3月31日
料金
一般150円(団体120円)⁠、高校生以下無料[3]
確認日: 2026-10-03
秋田市立佐竹史料館
時間
9:00〜16:30
休館・休み
年末年始(12月29日〜1月3日)⁠、展示替⁠え期間など
料金
常設展500円(20名以上の団体400円)⁠、高校生以下無料。企画展は別料金。年間観覧料1,300円⁠で史料館と⁠御隅櫓を1年間何度でも観覧可[6]
確認日: 2026-10-03
御物頭御番所
時間
9:00〜16:30
休館・休み
未確認
料金
未確認[7]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

秋田自動車道秋田中央ICから約15分。大手門通⁠り有料駐車場(31台・24時間・30分100円)と、松下門跡付近の大坂有料駐車場(14台・4月1日〜11月30日、桜まつり中は使えない⁠)⁠がある。[1][8]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
終日開放[1]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
公園を歩いて御隅櫓に上るなら約1時間、佐竹史料館も見るなら1時間半〜2時間⁠が目安
階段・坂・足もと
公園は台地の上にあり、二の丸から本丸へは長坂を上る。[5][4]
車椅子・ベビーカー
バリアフリートイレ⁠が園内4か⁠所(御隅櫓北側・本丸東側・胡月池北側・二の丸東側)⁠。佐竹史料館のショップで車いす1台を貸し出し(予約不可、9:00〜16:30)⁠。[9]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
園内に複数あり。バリアフリートイレ⁠は4か所(場所は市のパークマップに記載)⁠。[9]
英語案内・音声ガイド
市の公式サイトに自動翻訳の英語版がある。現地の英語表示は未確認。[1]
季節の楽しみ
園内には約630本の桜があり、約8割がソメイヨシノ。台地の上にあるため、気象庁の開花発表より二の丸で1〜2日、本丸で4〜5日ほど遅れて咲き、満開は例年3日間ほど。大手門の堀のハスは例年7月上旬〜9月中旬。[10][12]
撮影のルール
公園で催し物などを行う場合は許可が必要。個人の撮影ルールは未確認。[1]
工事・休館・立入制限
佐竹史料館は2026年10月1日(木)〜9日(金)⁠は全館閉鎖。御隅櫓は12月1日〜3月31日休館。大手門の堀の遊歩道は12月〜3月は利用できない。[6][3][12]確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

石垣や⁠天守とはちがう東日本の土の城を見たい人、桜や⁠ハスの季節に町なかの公園を歩きたい人、秋田駅の近くで短い時間に歴史を感じたい人に向く。

ここを見ると⁠面白い

駅から広小路を歩いて堀を見たら、長坂を上って御物頭御番所へ。本物の江戸時代の建物を見たあと、本丸の表門をくぐり、御隅櫓の展望台から町を見下ろすと、石垣のない台地の城の形がよく分かる。

訪ねる前に

天守はもともとなく、御隅櫓と⁠表門は近年の再建。御隅櫓は⁠冬(12〜3月)⁠は入れない。佐竹史料館は2026年10月1日〜9日は閉まっている。

楽しみかた

春は二の丸と⁠本丸で桜の咲く時期が数日ずれるので、二つを見比べられる。夏は大手門の堀の浮き遊歩道でハスの中を歩きたい。年間観覧料を使えば佐竹史料館と⁠御隅櫓に何度も入れる。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    千秋公園の概要秋田市municipal確認日:
  2. 2
    久保田城について秋田市立佐竹史料館official確認日:
  3. 3
    久保田城御隅櫓案内秋田市立佐竹史料館official確認日:
  4. 4
    久保田城御物頭御番所⁠について秋田市立佐竹史料館official確認日:
  5. 5
    千秋公園久保田城表門秋田市municipal確認日:
  6. 6
    来館案内秋田市立佐竹史料館official確認日:
  7. 7
    久保田城御隅櫓および御物頭御番所⁠の開館について秋田市立佐竹史料館official確認日:
  8. 8
    千秋公園の駐車場について秋田市municipal確認日:
  9. 9
    バリアフリー設備⁠について秋田市municipal確認日:
  10. 10
    千秋公園のさくらについて秋田市municipal確認日:
  11. 11
    千秋公園お堀秋田市municipal確認日:
  12. 12
    遊歩道の概要について(大手門の堀遊歩道)秋田市municipal確認日:
  13. 13
    佐竹氏について秋田市立佐竹史料館official確認日:
  14. 14
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  15. 15
    久保田城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  16. 16
    佐竹史料館について秋田市立佐竹史料館official確認日:
  17. 17
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  18. 18
    Wikipedia「久保田城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  19. 19
    Wikidata Q6133648Wikidatawikidata確認日:
  20. 20
    OpenStreetMap node/8553116272© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

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