石垣の上に立つ丸岡城天守(2010年5月)。江戸時代から残る天守で、国の重要文化財。2026年3月から2027年11月(予定)まで修理工事中で、足場と幕に覆われる時期がある。
baku13CC BY-SA 2.1 jpWikimedia Commons

福井県 · 坂井市

丸岡城

まるおかじょう

Maruoka Castle

福井県坂井市

城平山城日本100名城 33番

この城らしさ

地震で石垣ごと⁠崩れ落ちた天守を、元の木材を7割以上使って組み直した現存天守。

なぜ?

丸岡城の天守は、1948年の福井地震で石垣もろとも倒れました。それでも町の人々の願いと⁠全国からの寄付で修復が決まり、戦前の解体修理の記録をもとに、柱や⁠梁など主な部材の70%以上を再び使って1955年に元の姿へ戻されました。江戸時代以前の天守が残る全国12城のひとつで、北陸ではただ一つです。[1][2]

見逃したくない3つ

01
天守1階と野面積みの石垣(2010年5月)。屋根は石を薄く割った石瓦で葺かれている。baku13CC BY-SA 2.1 jpWikimedia Commons

石でできた瓦の屋根

見る場所
天守の屋根
注目する部分
灰色がかった石瓦の重なりと、木の芯に銅を張った⁠鯱
ここが面白い
約6,000枚⁠の瓦のうち2割ほどが、福井の足羽山のふもとでとれる笏谷石(しゃくだにいし)⁠でできています。1枚20〜60kgあり、屋根全体では120トンにもなります。市の調査では、石瓦の前はこけら葺き(薄い木の板の屋根)だったこともわかり、現存天守では例がないと⁠いいます。[3][4][7][9][16]
見られるか
見られない2026年3月〜2027年11月(予定)⁠の修理工事中は、天守に足場がかかり幕に覆われるため屋根は見えない。幕には実物大の天守の姿が印刷されている。
02
天守内の急な階段(2017年2月)。1階から2階は約65度、2階から3階は約67度あり、つかまるためのロープが付いている。藤谷良秀CC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

外から2階、中は3階。急な階段

見る場所
天守の内部
注目する部分
1階から2階へ約65度、2階から3階へ約67度の階段と、1階が上の階を支えるつくり
ここが面白い
外からは2階建てに見えますが、中は3階建てです。1階と⁠2・3階を通して貫く柱がなく、1階が上の階を支える古い形です。階段は全国でも珍しい急さで、ロープにつかまって上ります。[4][10][11]
見られるか
一部見られる修理工事中も時期を区切って公開。2026年は9月19日〜11月8日⁠に入場でき(1階は仮囲いで一部制限、窓から外は見えない⁠)⁠、10月26日〜30日⁠は3階に入れない。11月9日〜12月4日(予定)⁠は天守に入れない。
03
雪の残る丸岡城天守(2004年3月)。MndCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

自然の石を積んだ野面積みの石垣

見る場所
天守台(天守がのる石垣)
注目する部分
形を整えない石を積んだ⁠高⁠さ約6.2mの石垣と、南側に使われている供養塔の一部と⁠みられる⁠石
ここが面白い
野面積みはすき間が多く粗く見えますが、水はけがよく大雨でも崩れにくいと⁠いわれます。1948年の地震では天守台も崩れ、天守と⁠一緒に⁠積⁠み⁠直されました。[4][8][11]
見られるか
一部見られる修理工事のため、2026年8月1日〜2027年11月(予定)⁠は足場を含む天守まわりの一部が立入制限。平日8:00〜17:00は工事の作業中。

訪問の目安

最寄り駅
丸岡駅(バス乗り継ぎ)から
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
天守と⁠城山で約45分、手紙の館も見るなら1時間半が目安
料金
大人450円(30名以上の団体360円)⁠、小・中学生150円(団体120円)⁠。同じ料金で一筆啓上日本一短⁠い手紙の館にも入れる。障害者手帳をお持ちの方と⁠介助者1名は半額
時間
8:30〜17:00(最終入場16:30)
立入り
一部のみ見学できる

城山と⁠霞ヶ城公園は歩ける。天守は有料。修理工事中(2027年11月まで予定)は、天守まわりの一部が立入制限され、天守内部も時期によって入れない・一部しか見られない。城内と⁠公園は全面禁煙、ドローンの飛行・撮影は原則禁止。

確認日:

この城の物語

01
史実

山の中から平野の丘へ

1575年に越前の一向一揆をおさえた織田信長は、柴田勝家に越前の大部分を任せました。勝家は甥の勝豊に東の山あいの豊原を与え、勝豊は翌1576年に本拠を今の場所へ移して丸岡城を⁠築いたとされます。平野にある小高い丘を利用した平山城です。[3][2]

02
史実

柴田勝豊から本多家・有馬家へ

勝豊のあと⁠城主は何度か代わり、1613年に本多成重が城主と⁠なりました。1624年に成重は福井藩から独立した大名と⁠なり、丸岡藩が生まれます。その後、本多家が4代、有馬家が8代治め、明治を迎えました。[2][3]

03
史実

天守はいつ建ったのか

古い形の天守なので、長く「現存最古の天守」とも⁠呼ばれてきました。坂井市が2015〜2018年⁠に行った総合学術調査では、木の年輪などを調べた結果、いまの天守は寛永年間(1624〜1644年)⁠、本多成重の時代に整えられたことがわかりました。一部の板戸には東北産のヒバ材が使われていたことも⁠確かめられています。[3][7][17]

04
史実

払い下げ、国宝、そして倒壊

明治になると、天守や門、御殿などは民間に払い下げられ、城山には天守だけが残りました。地元の有志がお金を出し合って天守を買い戻し、1901年に町へ寄付しました。1934年には国宝に指定され、1940〜1942年⁠に解体修理が行われます。ところが1948年6月⁠の福井地震で、天守は石垣もろとも⁠倒れてしまいました。[2][3]

05
史実

7年でよみがえった「奇跡の修復城」

戦後まもない時期で再建は難しいと⁠思われましたが、町長をはじめ町民の願いが国に届き、全国からの寄付も集まりました。地震の6年前の解体修理の記録が残っていたため、1951〜1955年⁠の工事で地震前と⁠変わらない姿に⁠組⁠み⁠直されました。2026年3月からは、耐震対策を含む大規模な修理が2027年11月までの予定で進んでいます。[2][9]

この城の人びと

年表

  1. 柴田勝豊が丸岡城を築く[2][3]

  2. 本多成重が独立し丸岡藩が成立[2][3]

  3. 買い戻された天守が町に寄付される[2][3]

  4. 天守が国宝に指定(1950年に重要文化財)[3][6]

  5. 福井地震で天守が石垣ごと⁠倒壊[2]

  6. 部材の7割以上を再利用して修復が完了[1][2]

  7. 耐震対策を含む大規模修理が始まる(2027年11月まで予定)[9]

建物と⁠遺構

天守の状態

現存天守

江戸時代以前の天守が残る全国12城のひとつ(北陸で唯一)⁠。望楼型2重3階。1948年の地震で倒壊したが、元の部材の多くを使って1955年に⁠元どおり⁠組⁠み⁠直された。

城全体のいま

本丸のあった城山に天守が残り、まわりは霞ヶ城公園。内堀は明治から昭和にかけて埋め立てられ、外堀の一部は用水路と⁠して町に残る。

主な建物

現存国重要文化財

天守

寛永年間(1624〜1644年)⁠の建築と⁠判明。2026年3月〜2027年11月(予定)⁠に大規模修理。[6][7][9]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
現存天守江戸時代以前に建てられた天守が今も残る編集部記事
築城者
柴田勝豊日本城郭協会
築城
天正4年(1576)日本城郭協会
主な城主
柴田氏、安井氏、青山氏、今村氏、本多氏、有馬氏日本城郭協会
廃城
明治4年(1871年)Wikipedia
見られる遺構
門・石垣・天守台・⁠堀編集部記事
文化財指定
国重要文化財(丸岡城天守)(1934年)編集部記事
名城選定
日本100名城 33番日本城郭協会

旅の情報

立入り

一部のみ見学できる

城山と⁠霞ヶ城公園は歩ける。天守は有料。修理工事中(2027年11月まで予定)は、天守まわりの一部が立入制限され、天守内部も時期によって入れない・一部しか見られない。城内と⁠公園は全面禁煙、ドローンの飛行・撮影は原則禁止。

住所

〒910-0231 福井県坂井市丸岡町霞町1-59[5][3]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

丸岡駅(バス乗り継ぎ)ハピラインふくい

少し登る

駅そばのバス停からバスで丸岡城へ。福井駅から丸岡駅経由で約30分。[5]

確認日: 2026-10-03
芦原温泉駅(バス)北陸新幹線ほか

少し登る

京福バスで約20分。福井駅からは京福バスで約60分、タクシーで約30分。[5]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

丸岡城天守
時間
8:30〜17:00(最終入場16:30)
休館・休み
年中無休。ただし修理工事中⁠は入場できない期間がある(2026年11月9日〜12月4日予定)
料金
大人450円(30名以上の団体360円)⁠、小・中学生150円(団体120円)⁠。同じ料金で一筆啓上日本一短⁠い手紙の館にも入れる。障害者手帳をお持ちの方と⁠介助者1名は半額[4][10]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

北陸自動車道丸岡ICから一般道で約10分。丸岡城駐車場(乗用車40台)⁠、一筆啓上日本一短⁠い手紙の館北駐車場(乗用車140台・バス4台)⁠。いずれも6:30〜20:00、無料。[5]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
未確認確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
天守と⁠城山で約45分、手紙の館も見るなら1時間半が目安
階段・坂・足もと
天守のある城山へは階段を上る。天守内の階段は65〜67度と⁠非常に急。[4]
車椅子・ベビーカー
天守はバリアフリー対応ではない。丸岡城マチヨリマーケット⁠で車いすの貸し出しあり。[4]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
天守内にはない。丸岡城マチヨリマーケット⁠内⁠にある。[4]
英語案内・音声ガイド
公式サイトに英語ページがあり、修理中の公開案内も英語で出している。館内の英語表示は未確認。[12][13]
季節の楽しみ
例年3月下旬〜4月中旬⁠の桜の時期に「丸岡城桜まつり」があり、夜は桜がライトアップされる。毎年10月には武者行列などの「丸岡古城まつり」がある(2026年は交通規制あり)⁠。[8][14]
撮影のルール
自由に撮影できる。仕事と⁠しての撮影は事前に丸岡城管理事務所⁠へ相談。ドローンの飛行・撮影は原則禁止。[4]
工事・休館・立入制限
天守の大規模修理(2026年3月〜2027年11月予定)⁠。2026年は9月19日〜11月8日⁠に天守内に入れる(1階は一部制限、窓から外は見えない。10月26日〜30日⁠は3階に入れない)⁠。11月9日〜12月4日(予定)⁠は天守に入れない。平日は工事車両や⁠クレーンが動く。予定は変わることがあるので、行く前に坂井市の案内を確認したい。観光ボランティアガイド⁠の予約受付は停止中。[9][10][11][4]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

博物館

一筆啓上日本一短⁠い手紙の⁠館

本多重次が陣中から妻に送った短い手紙にちなむ館。「一筆啓上賞」の入賞作品などを展示。9:00〜17:00、年末年始休館。丸岡城の入城券で入れる(単独は大人200円)⁠。[15][4]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

江戸時代から残る本物の天守を見たい人、木造建築や⁠修理の技術に興味がある人、桜の名所を訪ねたい人に向く。

ここを見ると⁠面白い

天守の中に入れる時期なら、太い柱や⁠梁に注目したい。多くは地震で倒れたあとにもう一度組み直された江戸時代の木材で、継ぎ目を補修した跡も残る。急な階段や、1階が上を支える古い造りも体で感じられる。

訪ねる前に

2027年11月(予定)まで天守は修理工事中。外観は足場と⁠幕に覆われ、内部は入れない期間もある。訪れる前に坂井市と⁠丸岡城公式サイト⁠の公開予定を必ず確かめたい。天守内にトイレはない。

楽しみかた

工事中は、足場の幕に印刷された実物大の天守の外観と⁠断面図を見比べるのも、この時期だけの楽しみ方。同じ券で入れる手紙の館で、「お仙泣かすな」の手紙と⁠初代藩主・本多成重のつながりを知ってから天守を見ると、城の物語が身近になる。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    丸岡城(公式トップ)公益財団法人丸岡文化財団(丸岡城管理事務所)official確認日:
  2. 2
    歴史公益財団法人丸岡文化財団(丸岡城管理事務所)official確認日:
  3. 3
    丸岡城基本情報坂井市municipal確認日:
  4. 4
    ご利用案内・体験公益財団法人丸岡文化財団(丸岡城管理事務所)official確認日:
  5. 5
    マップ・アクセス公益財団法人丸岡文化財団(丸岡城管理事務所)official確認日:
  6. 6
    丸岡城天守文化遺産オンライン(文化庁)heritage確認日:
  7. 7
    丸岡城の調査で明らかになった事実坂井市municipal確認日:
  8. 8
    見どころ公益財団法人丸岡文化財団(丸岡城管理事務所)official確認日:
  9. 9
    丸岡城天守の大規模修理のお知らせ坂井市municipal確認日:
  10. 10
    丸岡城天守保存修理工事⁠の予定について(令和8年10月)坂井市municipal確認日:
  11. 11
    丸岡城を見学される皆様へ(立入制限)坂井市municipal確認日:
  12. 12
    Maruoka Castle (English)Maruoka Culture Foundationofficial確認日:
  13. 13
    Maruoka Castle Keep Partial Opening NoticeMaruoka Culture Foundationofficial確認日:
  14. 14
    丸岡古城まつりに伴う交通規制及⁠び駐車場⁠のご案内公益財団法人丸岡文化財団(丸岡城管理事務所)official確認日:
  15. 15
    関連周辺施設公益財団法人丸岡文化財団(丸岡城管理事務所)official確認日:
  16. 16
    工事中だけの特別演出!足場幕⁠に実物大天守登場!坂井市municipal確認日:
  17. 17
    丸岡城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  18. 18
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  19. 19
    Wikipedia「丸岡城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  20. 20
    Wikidata Q1143892Wikidatawikidata確認日:
  21. 21
    OpenStreetMap way/181455166© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

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