三の郭の城壁(2010年3月撮影)。護佐丸の時代に増築された部分で、多角形に加工した石をかみ合わせる相方積み(亀甲乱積み)で積まれ、角が反り上がるような曲線を描く。
663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

沖縄県 · 中城村

中城城

なかぐすくじょう

Nakagusuku Castle

沖縄県中城村

グスク山城日本100名城 99番

この城らしさ

ペリー艦隊の探検隊が目を見張った石垣。野面積み・布積み・相方積みの三つの積み方を、一つのグスクで見比べられる。

なぜ?

中城城は、14世紀後半から先中城按司(さきなかぐすくあじ)⁠が数代かけて築き、15世紀に護佐丸(ごさまる⁠)⁠が増築したグスクです。古い郭は自然石を組む野面積みや⁠四角い石を段に積む布積み、新しい郭は多角形の石をかみ合わせる相方積みで、時代とともに技術が進んだ様子がそのまま残ります。1853年に訪れたペリー艦隊の探検隊は、漆喰を使わずに組まれた石造りをほめる記録を残しました。[1][2][3][15]

見逃したくない3つ

01
三の郭の城壁(2010年3月撮影)。護佐丸の時代に増築された部分で、多角形に加工した石をかみ合わせる相方積み(亀甲乱積み)で積まれ、角が反り上がるような曲線を描く。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

三の郭と⁠北の郭の相方積み

見る場所
城の北東側の三の郭と⁠北の⁠郭
注目する部分
多角形に加工した石がすき⁠間なくかみ⁠合⁠う石積みと、角が反り上がるような曲線
ここが面白い
相方積み(亀甲乱積み)は、石を多角形に加工して⁠互いにかみ⁠合わせる技法で、強度と⁠耐久性に優れます。護佐丸の時代に築かれた三の郭と⁠北の郭で見られ、三の郭は後から増築されたため「新城(みーぐすく⁠)⁠」とも呼ばれます。南の郭の野面積み、一の郭・二の郭の布積みと⁠見比べると⁠違いがよく分かります。[3][6][7]
見られるか
外から見られる城跡は有料。順路から間近に見られる。
02
北東に向いた裏門のアーチ(2010年3月撮影)。1853年に訪れたペリー艦隊の探検隊が「エジプト式」と評した門。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

ペリーが「エジプト式」と評した裏門

見る場所
北の郭の北東側にある裏門
注目する部分
石を積んで造ったアーチ形の門と、その厚み
ここが面白い
1853年、日本へ向かう途中で琉球に立ち寄ったペリー艦隊は、探検隊を送って中城城を調べ、絵図や⁠測量図を残しました。公式サイトは、一行がこの裏門のアーチを「エジプト式」と評したと⁠紹介しています。アメリカの軍人が琉球の石造技術の高さに驚いた記録が残るのは、この城ならではです。[1][8][15]
見られるか
外から見られる順路から見学できる。
03
南の郭にある首里遙拝所(2010年3月撮影)。首里の王を拝む場所で、城内には全部で八つの拝所があり、いまも拝む人が訪れる。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

南の郭の拝所

見る場所
正門を入ってすぐの南の⁠郭
注目する部分
首里の王を拝む首里遙拝所、神の島・久高島を⁠拝⁠む久高遙拝所などの石の拝所
ここが面白い
城内には八つの拝所があり、いまも拝む人が絶えないと⁠公式サイトは紹介しています。グスクは按司の住まいと⁠守りの拠点であると⁠同時に、祈りの⁠場でもありました。世界遺産の評価でも、こうした琉球独自の信仰が今も生きていることが重視されています。[4][17]
見られるか
外から見られる見学できる。いまも使われている祈りの場なので、触れたり供え物を⁠動かしたりしない。

訪問の目安

所要時間の目安編集部の目安
六つの郭をひと回りして1時間ほどが目安
料金
大人500円、中高生300円、小学生200円。20名以上の団体は大人400円・中高生200円・小学生100円。保護者同伴の未就学児は無料
時間
観覧受付8:30〜17:00(5〜9月は18:00まで⁠)⁠。閉門は受付終了の30分後
立入り
自由に見学できる

城跡は有料。料金所から城跡の奥の正門付近まで無料の電動カートがある(正門側から順路どおりに見学できる)⁠。ペットは抱きかかえるかケージに入れれば入場できる。立入禁止の場所には入らない。

確認日:

この城の物語

01
史実

断崖の上の細長い⁠丘

中城城は、中城村と⁠北中城村にまたがる標高150〜170mの石灰岩の丘の上にあります。南東側は15m以上の切り立った崖、北西側は急な斜面で、城に近づけるのは北東と⁠南西の尾根沿いだけ。守りやすく⁠攻めにくい場所です。東に中城湾と⁠太平洋、西に東シナ海まで見渡せる眺めの良さでも知られます。[1]

02
史実

先中城按司と⁠護佐丸

築城の年ははっきりしませんが、14世紀後半に地元の有力者「先中城按司」の一族が数代かけて、南の郭・西の郭・一の郭・二の郭を⁠築いたとされます。1440年ごろ、座喜味城の城主だった護佐丸が王の命令で移ってきて、三の郭と⁠北の郭を当時最高の技術で増築しました。按司(あじ)とは、各地を治めた領主のことです。[1][2]

03
伝承

1458年、護佐丸・阿麻和利の⁠乱

護佐丸が中城に置かれたのは、力をつけていた勝連城主・阿麻和利(あまわり)⁠をけん制するためでした。1458年、阿麻和利が王府軍の総大将と⁠して中城城を攻め、護佐丸は自害して滅びました。伝承では、阿麻和利が「護佐丸に謀反の企てあり」と⁠王に告げ口をし、護佐丸は王への忠義から戦わずに命を絶ったとされ、組踊などの題材にもなっています。ただしこれは首里王府の見方で、阿麻和利を英雄と⁠する説もあります。[1][2]

04
史実

番所、村役場、そして戦争

護佐丸の死後、中城は王府の直轄地と⁠なり、やがて王の世継ぎ「中城王子」の領地になりました。1729年には一の郭に中城間切(まぎり)⁠の番所(役所)⁠が置かれ、明治以降も役場と⁠して使われました。1945年の沖縄戦で役場の建物は焼けましたが、城壁の被害は小さく、県内のグスクの中でも最も元の形をとどめていると⁠公式サイトは説明しています。[1][2][5]

05
史実

動物園のある公園から世界遺産へ

戦後、中城城跡は沖縄で最初の公園になり、1950年に開園して動物園や⁠遊園地も置かれました。1955年に琉球政府の文化財に指定され、1961〜1968年には石垣の修復が行われました。1972年の本土復帰とともに国の史跡と⁠なり、2000年に世界遺産「琉球王国のグスク⁠及⁠び関連遺産群」の一つに登録、2006年には日本100名城⁠に選ばれました。いまは中城村と⁠北中城村が共同で管理しています。[1][2]

この城の人びと

年表

  1. 14世紀後半

    先中城按司の一族が石積みのグスクを築く[2]

  2. 1440年ごろ

    護佐丸が王命で移り、三の郭・北の郭を増築[1][2]

  3. 阿麻和利の攻撃を受け、護佐丸が滅ぶ[2]

  4. ペリー艦隊の探検隊が調査し、絵図や⁠測量図を残す[1][2]

  5. 沖縄戦で城内の村役場が焼失[2]

  6. 本土復帰とともに国の史跡になる[1][2]

  7. 世界遺産「琉球王国のグスク⁠及⁠び関連遺産群」に登録[1][16]

建物と⁠遺構

天守の状態

もともと⁠天守なし

グスクには天守にあたる建物はない。一の郭に正殿があった。

城全体のいま

城跡全体が有料の史跡と⁠して公開され、中城村と⁠北中城村の共同管理協議会⁠が運営している。六つの郭の城壁と⁠門、井戸、拝所が残り、木造の建物はない。

主な建物

現存

城壁(六つの郭)

琉球石灰岩の城壁。戦争の被害が小さく、1961〜1968年⁠に修復された。[1][2]

現存

正門

南西に向いた門で、両側に石垣がせり出す。近くの城壁の一部が取り除かれた場所は、戦時中に日本軍が防空壕を掘ろうと⁠して、石垣が固すぎてあきらめた跡と⁠される。[9]

現存

裏門

北東に向いたアーチ形の石門。[8][15]

現存しない

正殿・番所(一の郭)

一の郭に正殿があり、のちに番所、村役場が置かれたが、1945年に焼失した。[5][2]

基本データ

種類
グスク琉球(沖縄・奄美)⁠の石積みの城。祈りの場でもあった
地形による分類
山城山の上に築いた城。登りがある編集部記事
時代
中世編集部記事
天守の状態
もともと⁠天守なし天守は⁠建てられなかった編集部記事
築城者
先中城按司、護佐丸日本城郭協会
築城
14世紀後半頃日本城郭協会
主な城主
先中城按司、護佐丸日本城郭協会
廃城
1458年Wikipedia
見られる遺構
門・石垣・曲輪編集部記事
文化財指定
国史跡(中城城跡)(1972年)⁠、世界遺産「琉球王国のグスク⁠及⁠び関連遺産群」の構成資産(2000年)編集部記事
名城選定
日本100名城 99番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡は有料。料金所から城跡の奥の正門付近まで無料の電動カートがある(正門側から順路どおりに見学できる)⁠。ペットは抱きかかえるかケージに入れれば入場できる。立入禁止の場所には入らない。

住所

沖縄県中頭郡中城村字泊1258番地(史跡の位置)⁠。管理事務所は〒901-2314 沖縄県中頭郡北中城村字大城503番地[3]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

中城城跡
時間
観覧受付8:30〜17:00(5〜9月は18:00まで⁠)⁠。閉門は受付終了の30分後
休館・休み
年中無休(天候・整備・行事などで予告なく観覧を制限することがある⁠)
料金
大人500円、中高生300円、小学生200円。20名以上の団体は大人400円・中高生200円・小学生100円。保護者同伴の未就学児は無料[11][10]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

沖縄自動車道の北中城ICから、第一安谷屋交差点・安谷屋交差点を経て道なりに進むと⁠駐車場。駐車場は無料(乗用車約50台・大型バス7台、一般向けと⁠大型バス用は場所が別)⁠。公共交通は、高速バスで喜舎場、または路線バスでイオンモール沖縄ライカム付近まで行き、オンデマンド交通「mobi」に乗り継ぐ方法を公式が案内している。[12]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
城跡の公開時間に同じ(上記)[11]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
六つの郭をひと回りして1時間ほどが目安
階段・坂・足もと
史跡内には上り坂や⁠階段がある。[13]
車椅子・ベビーカー
車いす・ベビーカーでの観覧はできない(貸出もなし)⁠。障害者用トイレ⁠はある。盲導犬・聴導犬・介助犬は入場できる。障害者手帳などの提示で本人と⁠介助者1名は無料。[10]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
障害者用トイレあり(場所の詳細は公式に記載なし)[10]
英語案内・音声ガイド
英語版の公式サイトがある。城内の見どころにはスマートフォン⁠で解説を読める案内がある(対応言語は未確認)⁠。[19][20]
季節の楽しみ
季節の見どころは公式に記載なし。夜の城跡を歩くナイトウォークなどの行事がある。[11]
撮影のルール
営利目的や⁠会費を集めて行う撮影・ロケーションは、事前に中城城跡共同管理協議会⁠の許可が必要。ドローン(ラジコン機)⁠の持ち込み・使用は禁止。[14]
工事・休館・立入制限
台風の接近時は臨時閉園がある。2026年10月10日(土)19:30〜21:00に「世界遺産ナイトウォーク」(定員30名・予約制・有料)⁠が開かれる。[11][21]確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

石垣の積み方の違いを自分の目で見比べたい人、琉球の歴史の名場面「護佐丸・阿麻和利の乱」の舞台を歩きたい人、海と⁠丘を見渡す眺めが好きな人に向く。那覇から車で行きやすい。

ここを見ると⁠面白い

南の⁠郭(野面積み)⁠、一の郭・二の⁠郭(布積み)⁠、三の郭・北の⁠郭(相方積み)と、郭ごとに石の積み方が変わるところ。さらに裏門のアーチ、北の郭の大井戸、南の郭の拝所。城の歴史と⁠祈りの場の両方が一度に見られる。

訪ねる前に

城跡には坂や⁠階段があり、車いす・ベビーカーでは見学できない。正門は入口から見て城の奥にあるので、無料の電動カートで正門付近まで行くと⁠順路どおりに回れる。グスクには天守や⁠櫓はなく、石垣と⁠郭が見どころ。

楽しみかた

城内のスポットガイド⁠をスマートフォン⁠で読みながら歩くと、郭の名前と⁠役割が分かりやすい。予約制で地元の文化財案内人「グスクの会」の案内も受けられる(予約受付日から7日後以降)⁠。城跡からは東に中城湾と⁠太平洋、西に東シナ海側まで見渡せるので、郭を移るたびに景色も楽しみたい。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    沖縄の世界遺産「中城城跡」について中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  2. 2
    中城城跡の歴史中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  3. 3
    石積みについて中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  4. 4
    南の⁠郭中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  5. 5
    一の⁠郭中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  6. 6
    三の⁠郭中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  7. 7
    北の⁠郭中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  8. 8
    裏門中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  9. 9
    正門中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  10. 10
    ご利用案内中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  11. 11
    トップページ(料金・受付時間・お知らせ)中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  12. 12
    アクセス中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  13. 13
    無料送迎カート中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  14. 14
    制限及⁠び禁止事項中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  15. 15
    中城城跡(世界遺産構成資産⁠の解説)文化遺産オンライン(文化庁)heritage確認日:
  16. 16
    琉球王国のグスク⁠及⁠び関連遺産群文化遺産オンライン(文化庁)heritage確認日:
  17. 17
    Gusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of RyukyuUNESCO World Heritage Centreheritage確認日:
  18. 18
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  19. 19
    Nakagusuku Castle Ruins (English)中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  20. 20
    城内ガイド中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  21. 21
    第4回 2026世界遺産ナイトウォーク中城城跡共同管理協議会(公式サイト)official確認日:
  22. 22
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  23. 23
    Wikipedia「中城城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  24. 24
    Wikidata Q1013209Wikidatawikidata確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認中

近くの⁠城

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