薬研堀(やげんぼり)と石垣の上に立つ中津城の天守。1964年に建てられた模擬天守で、中は奥平家歴史資料館(2017年撮影)
そらみみCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

大分県 · 中津市

中津城

なかつじょう

Nakatsu Castle

大分県中津市

城海城続日本100名城 189番

この城らしさ

天守の下の石垣に、黒田官兵衛の石積みと⁠細川忠興の石積みがつなぎ目を見せて並んでいる。

なぜ?

中津城は1588年に黒田官兵衛(孝高)⁠が築き始め、関ヶ原の戦いのあとに入った細川忠興が大きく手を入れました。本丸の北側では、戦乱の時代にがっちり組んだ黒田の石垣と、そのあとに自然の石を使って積み足した細川の石垣が見比べられます。黒田時代の石垣は九州でいちばん古い近世城郭の石垣と⁠されます。[6][9][1]

見逃したくない3つ

01
天守の西の石垣に見える積み方の境目。撮影者は左を細川時代、右を黒田時代の石垣と説明している(2013年撮影)MukaiCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

黒田と⁠細川の石垣のつなぎ目

見る場所
本丸の北側。天守の下の石垣
注目する部分
石の形や⁠積み方が途中で変わる境目。黒田の石垣と、そのあとに細川が加工しない自然の石で積み足した部分
ここが面白い
大分県は、黒田孝高が戦乱の時代に本丸にふさわしい堅い石垣を組み、細川忠興は平和な時代に加工しない自然石で合理的に石を組んだと⁠説明しています。二人の城主の時代の違いが、一つの壁の上で見比べられます。[6][13]
見られるか
外から見られる城跡(中津城公園)から外観を見られる。
02
水面に天守が映る薬研堀。堀には海水が入り、潮の満ち引きで水の高さが変わるとされる(2026年1月撮影)RosedanjyoCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

海の水が入る「水城」の⁠堀

見る場所
天守の下の薬研堀(や⁠げんぼり)と、本丸南側の⁠堀
注目する部分
堀の水面と⁠石垣。時間をおいて見ると⁠水の高さが変わる
ここが面白い
中津城は中津川の河口に築かれ、北は海に面していました。堀には海水が引き込まれ、潮の満ち引きで水位が変わると⁠されます。中津市はこの城を今治城・高松城と⁠並ぶ「日本三大水城」の一つと⁠紹介しています。本丸南側の堀と⁠石垣は中津市が修復・復元しました。[8][13]
見られるか
外から見られる城跡のまわりから自由に見られる。
03
薬研堀(やげんぼり)と石垣の上に立つ中津城の天守。1964年に建てられた模擬天守で、中は奥平家歴史資料館(2017年撮影)そらみみCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

奥平家の宝を伝える模擬天守

見る場所
本丸の北東。天守の中は奥平家歴史資料館
注目する部分
奥平家に伝わる衣装・刀剣・陣道具・古絵図・古文書。2025年からは館内が花で飾られている
ここが面白い
江戸時代の中津城に天守があったかどうかははっきりせず、いまの天守は1964年に旧藩主の奥平家と⁠市民の寄付で建てられた模擬天守です。1717年から明治まで城主だった奥平家の資料が見られます。[1][2][3][13]
見られるか
一部見られる外観は自由に見られる。中は有料(中学生以上1,000円・ドリンク付き)⁠。

訪問の目安

最寄り駅
JR中津駅から徒歩約15分
登り
登りなし
所要時間の目安編集部の目安
城跡と⁠天守の中で約1時間、なかはくもあわせて1時間半〜2時間⁠が目安
料金
中学生以上1,000円(ドリンク付き)⁠。小学生以下は保護者同伴で無料。先生などが引率する子どもの団体は1人500円。高齢者・団体・障がい者手帳などの割引はない。中津城・中津市歴史博物館・福澤諭吉旧居の三館共通観覧券1,500円
時間
9:00〜17:00
立入り
自由に見学できる

城跡(中津城公園)⁠は自由に歩ける。天守の⁠中(奥平家歴史資料館)⁠は有料。続日本100名城スタンプ⁠は中津城に置かれている(2025年の休館中は中津耶馬渓観光協会⁠に移されていた)⁠。

確認日:

この城の物語

01
史実

川の河口、海に面した場所

1587年、豊臣秀吉から豊前国(いまの大分県北部と⁠福岡県東部)⁠の6つの郡を与えられた黒田官兵衛は、翌1588年、領地の中心にあたる山国川(当時の高瀬川)⁠の河口で城づくりを始めました。北は海、西は川に面し、海と⁠川を守りに使える場所でした。[1][13]

02
史実

黒田官兵衛から細川忠興へ

関ヶ原の戦いのあと、黒田家は筑前(福岡)⁠へ移り、かわって細川忠興が入って城を大きく作り直しました。城の形が扇に似ていたことから「扇城」とも呼ばれました。細川家が熊本へ移ったあとは小笠原家、1717年からは奥平家が城主と⁠なり、明治まで続きました。[1][3][13]

03
史実

取り壊しと⁠御殿の焼失

廃藩置県のころ、城の建物のほとんどが取り壊され、御殿だけが役所と⁠して残りました。その御殿も1877年の西南戦争のときに⁠焼けてしまいました。いまは石垣と⁠堀が残り、本丸は中津城公園になっています。[3][11]

04
史実

1964年の模擬天守と⁠「花城」

1964年、旧藩主の奥平家が中心と⁠なり、市民の寄付も合わせて天守が建てられました。江戸時代の天守を再現したものではない模擬天守です。天守や櫓は民間の会社が持ち、運営しています。2025年5月⁠のリニューアルで館内が花で飾られ、2026年1月には四季の花が楽しめる庭園が完成しました。[3][4][5][13]

この城の人びと

年表

  1. 黒田官兵衛が豊前6郡を与えられる[13]

  2. 中津城の築城が始まる[8][1]

  3. 関ヶ原の戦いのあと⁠細川忠興が入り、城を改修[13][6]

  4. 奥平昌成が入り、明治まで奥平家の居城に[3]

  5. 西南戦争で残っていた御殿が焼失[3]

  6. 奥平家と⁠市民の寄付で模擬天守が建つ[3][13]

  7. リニューアルし「花城」と⁠してプレオープン[4]

建物と⁠遺構

天守の状態

模擬天守

1964年に建てられた鉄筋コンクリート⁠の模擬天守。江戸時代の絵図には天守が描かれておらず、天守があったかどうかははっきりしない。城郭協会の一覧では天守は「−」。

城全体のいま

本丸を中心に中津城公園と⁠なり、模擬天守(奥平家歴史資料館)⁠、大鞁櫓、黒田官兵衛資料館⁠や神社が並ぶ。石垣と⁠堀が残り、本丸南側の堀と⁠石垣は市が修復・復元した。三ノ丁の中津市歴史博物館から石垣を見られる。

主な建物

再建(復興)

天守(奥平家歴史資料館)

1964年の模擬天守。民間会社が所有・運営。[3][13]

再建(復興)

大鞁櫓

天守の南に建つ二重櫓。江戸時代の建物ではない。[13]

現存しない

御殿

廃藩後も役所と⁠して残ったが、1877年の西南戦争で焼失。[3]

現存県史跡(中津城跡)⁠の一部

本丸の石垣(黒田・細川時代)

本丸北側に両時代の石垣の境目が見られる。[6][7]

基本データ

種類
城
地形による分類
海城海に面し、海水を堀に引き込んだ⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
模擬天守天守がなかった城や、姿の分からない城に建てた観光用の天守編集部記事
築城者
黒田孝高日本城郭協会
築城
天正16年(1588)日本城郭協会
主な城主
黒田氏、細川氏、小笠原氏、奥平氏日本城郭協会
廃城
明治4年(1871年)Wikipedia
見られる遺構
石垣・堀・曲輪編集部記事
文化財指定
大分県史跡(中津城跡)編集部記事
名城選定
続日本100名城 189番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城跡(中津城公園)⁠は自由に歩ける。天守の⁠中(奥平家歴史資料館)⁠は有料。続日本100名城スタンプ⁠は中津城に置かれている(2025年の休館中は中津耶馬渓観光協会⁠に移されていた)⁠。

住所

〒871-0050 大分県中津市二⁠ノ丁本丸[2]

確認日: 2026-10-04

最寄り駅と⁠行き方

JR中津駅JR日豊本線(博多駅から特急ソニックで約70分、小倉駅から約30分)

徒歩約15分 · 登りなし

駅から城まで徒歩約15分。平らな市街地を歩く。[2][8]

確認日: 2026-10-04

開館時間・料金

中津城(奥平家歴史資料館)
時間
9:00〜17:00
休館・休み
年中無休(臨時休館あり)
料金
中学生以上1,000円(ドリンク付き)⁠。小学生以下は保護者同伴で無料。先生などが引率する子どもの団体は1人500円。高齢者・団体・障がい者手帳などの割引はない。中津城・中津市歴史博物館・福澤諭吉旧居の三館共通観覧券1,500円[2][14][15]
確認日: 2026-10-04
中津市歴史博物館(なかはく⁠)
時間
9:00〜17:00(入館16:30まで⁠)
休館・休み
月曜(祝日の場合は翌日)⁠、12月29日〜1月3日
料金
展示室は一般300円(20人以上の団体100円)⁠、中学生以下無料。石垣シアターや⁠カフェは無料で利用できる[9]
確認日: 2026-10-04

車・駐車場

中津ICから国道10号線と⁠県道を通って中津公園の無料駐車場へ。[2][10]

確認日: 2026-10-04
公園・城域の開放時間
中津城公園の利用時間は市の案内で確認できなかった確認日: 2026-10-04
所要時間の目安編集部の目安
城跡と⁠天守の中で約1時間、なかはくもあわせて1時間半〜2時間⁠が目安
階段・坂・足もと
平地の城で、駅から坂はない。天守の中は階段。[2]
車椅子・ベビーカー
中津城公園に身障者用トイレ⁠がある。天守の中のバリアフリーは未確認。[10]確認日: 2026-10-04
トイレ・休憩
中津城公園にトイレ(身障者用を含む)⁠がある。[10]
英語案内・音声ガイド
中津城の公式サイトに外国語のページがある。館内の英語表示は未確認。[2]
季節の楽しみ
2026年1月⁠に完成した約2,500㎡の庭園には、サザンカ・ツバキ・桜・アジサイ・サルスベリなど約50種類が植えられ、季節ごとに花が楽しめる。[5]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
飲食物の持ち込み、ペット連れ、敷地内での喫煙(電子タバコを含む)⁠は断っている。小学生以下だけでの入城はできない。2026年8月から運営会社がクラウドファンディング⁠を行っている。続日本100名城スタンプ⁠は2025年の休館中、中津耶馬渓観光協会(中津駅南口)⁠に移されていた。[2][16][17]確認日: 2026-10-04

歩きかたの⁠例

中津駅から城下町をめぐる2〜3時間コース 150分

  1. JR中津駅を出発し、寺町へ(徒歩10分)
  2. 寺が並ぶ寺町を歩き、福澤諭吉旧居・記念館へ(徒歩8分)
  3. 中津城(奥平家歴史資料館)⁠へ(徒歩8分)⁠。天守の下で黒田と⁠細川の石垣を見比べる
  4. 中津市歴史博物館(なかはく)⁠へ(徒歩2分)⁠。ガラス越しに石垣を見る
  5. 村上医家史料館⁠へ(徒歩8分)
  6. 中津駅へ戻る(徒歩10分)

中津市の徒歩モデルコース。見学を含めて2〜3時間が市の目安(歩く時間の合計は約46分)⁠。

周辺の楽しみ

博物館

福澤諭吉旧居・記念館

福澤諭吉が長崎に学びに出るまでの幼少・青年期を過ごした家と⁠記念館。中津城から徒歩8分。9:00〜17:00、高校生以上400円・小中学生200円。[8]

確認日: 2026-10-04

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

黒田官兵衛や⁠細川忠興が好きな人、石垣の見比べが好きな人、福澤諭吉ゆかりの城下町も歩きたい人に向く。駅から歩けて平らなので行きやすい。

ここを見ると⁠面白い

いちばんの見どころは天守の下の石垣の境目。天守は1964年の模擬天守なので、建物より石垣と⁠堀に注目したい。海水の入る堀は、時間をおいて見ると⁠水位の変化に⁠気づくかもしれない。

訪ねる前に

天守は江戸時代の建物の復元ではなく模擬天守で、民間の会社が運営している。入城料は中学生以上1,000円で、各種割引はない。飲食物の持ち込みはできない。

楽しみかた

城の後に中津市歴史博物館⁠へ寄り、ガラス越しに石垣を見ると、城の石垣が城下まで続いていたことが分かる。寺町や⁠福澤諭吉旧居と⁠あわせて、城下町を半日かけて歩くのがおすすめ。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    中津城(奥平家歴史資料館)中津市municipal確認日:
  2. 2
    ご利用案内中津城(奥平家歴史資料館)公式サイトofficial確認日:
  3. 3
    奥平家と⁠中津城の歴史中津城(奥平家歴史資料館)公式サイトofficial確認日:
  4. 4
    令和7年5月1日(木)中津城プレオープン⁠のお知らせ中津城(奥平家歴史資料館)公式サイトofficial確認日:
  5. 5
    中津城庭園完成披露式典開催中津城(奥平家歴史資料館)公式サイトofficial確認日:
  6. 6
    中津城の石垣大分県municipal確認日:
  7. 7
    県指定・選択文化財一覧大分県教育委員会heritage確認日:
  8. 8
    なかつ城下町観光モデルコース(徒歩)中津市municipal確認日:
  9. 9
    中津市歴史博物館(愛称:なかはく⁠)中津市municipal確認日:
  10. 10
    中津城公園中津市municipal確認日:
  11. 11
    中津城公園・独立自尊碑中津市municipal確認日:
  12. 12
    続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  13. 13
    中津城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  14. 14
    城下町周遊三館共通観覧券⁠について中津城(奥平家歴史資料館)公式サイトofficial確認日:
  15. 15
    子ども料金について中津城(奥平家歴史資料館)公式サイトofficial確認日:
  16. 16
    中津城クラウドファンディング!本日、スタート!!中津城(奥平家歴史資料館)公式サイトofficial確認日:
  17. 17
    休館期間の変更、並びに続100名城のスタンプと⁠御城印につきまして中津城(奥平家歴史資料館)公式サイトofficial確認日:
  18. 18
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  19. 19
    Wikipedia「中津城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  20. 20
    Wikidata Q10875792Wikidatawikidata確認日:
  21. 21
    OpenStreetMap node/1423861515© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

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