雲海の上に浮かぶ「天空の城」越前大野城(2019年11月、西の犬山の展望地点から撮影)。天守は1968年の再建。
Keisuke MAEDACC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

福井県 · 大野市

越前大野城

おおのじょう

Ōno Castle

福井県大野市

城平山城続日本100名城 135番

この城らしさ

秋から春の明け方、城下町が雲海に沈み、亀山の天守だけが雲の上に浮かぶ。

なぜ?

大野は四方を山に囲まれた盆地で、城は町の真ん中にある標高249mの小さな山・亀山の上に建っています。前の日に湿度が高く、朝との気温差が大きく、風が弱いと、盆地に雲海がたまり、亀山だけが浮かんで見えます。これが「天空の城越前大野城」で、西へ約1kmの犬山から眺められます。[3][4]

見逃したくない3つ

01
雲海の上に浮かぶ「天空の城」越前大野城(2019年11月、西の犬山の展望地点から撮影)。天守は1968年の再建。Keisuke MAEDACC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

犬山から見る「天空の城」

見る場所
城の西約1kmにある犬山(戌山城址・標高324m)⁠の南出丸下。国道158号側道から登る鍬掛(くわかけ)コースで約20分
注目する部分
雲海に包まれた城下町と、その上に浮かぶ亀山と⁠天守
ここが面白い
雲海の真下がそのまま城下町なので、雲が町を隠していき、晴れて町が現れていく様子まで見られます。出やすいのは10月〜4月末ごろ(とくに11月ごろ)⁠の⁠明⁠け方〜午前9時ごろ。年に十数回ほどしか確認されていない年もあり、市も「過度の期待は禁物」と⁠しています。[3][4][1]
見られるか
一部見られる気象条件しだいで見られない日が多い。登山道は山道で、クマの目撃情報もある。当日の様子は公式のライブカメラで確認できる。
02
本丸の野面積みの石垣(2021年8月撮影)。自然の石をほとんど加工せずに積んでいる。福井県指定文化財。UFnabeCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

野面積みの石垣と⁠「武者登り」

見る場所
亀山の山頂部、本丸と⁠天守台のまわり
注目する部分
形をほとんど整えない自然の石を、横に寝かせて奥へ押し込むように積んだ石垣と、すき間の詰め石
ここが面白い
野面積み(のづらづみ)⁠と⁠いう古い積み方で、一見粗く見えますが、短い期間で積めて水はけがよく、とても丈夫だと⁠現地の説明板にあります。明治に建物が壊されたあとも石垣は残り、福井県の指定文化財になっています。天守台は、亀が南を向いて首を東へ傾けた形をしていると⁠説明されています。[2][5]
見られるか
外から見られる山頂部は天守の開館期間外も外から見られる(冬は積雪に注意)⁠。
03
亀山の山頂に建つ天守と小天守(2019年1月撮影)。いまの天守は1968年に鉄筋コンクリートで再建されたもの。くろふねCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

昭和の再建天守と、土井家の資料

見る場所
本丸の天守(資料館)
注目する部分
歴代城主、とくに土井家の甲冑や⁠道具などの展示と、最上階からの大野盆地の眺め
ここが面白い
いまの天守は1968年、旧大野藩士の家の萩原貞が寄付して、鉄筋コンクリート⁠で再建したものです。当時の絵図や⁠同じ時代のほかの城を参考に「往時を推定して」建てたもので、江戸時代の天守をそのまま復元したものではありません。もとは望楼付き2層3階⁠の大天守でしたが、いまの天守は2層4階です。[2][5][6]
見られるか
外から見られる4〜11月に開館(有料)⁠。12〜3月は休館(3月下旬に特別開館することがある)⁠。

訪問の目安

最寄り駅
JR越前大野駅から徒歩約40分
登り
急な登り
所要時間の目安編集部の目安
登城口から天守を見て戻るまで1時間〜1時間半、城下町の散策も入れると⁠半日が目安
料金
大人400円、障がい者・30名以上の団体200円、中学生以下無料、年間パスポート1,000円
時間
4〜9月 9:00〜17:00、10〜11月 9:00〜16:00(閉館30分前までに入館)
立入り
自由に見学できる

亀山の遊歩道と⁠本丸の石垣は外から見学できる。天守(資料館)⁠は4〜11月のみ開館で有料。車で城まで上がることはできない。続日本100名城スタンプ⁠は開館中は越前大野城、冬期休館中は武家屋敷旧内山家(大野市城町10-7)⁠に置かれる(2025〜26年冬⁠の案内)⁠。

確認日:

この城の物語

01
史実

盆地の真ん中の小山に

1575年、織田信長は越前の一向一揆をおさめた金森長近と⁠原政茂に大野郡を分け与え、3分の2を長近が受け取ったと⁠いわれます。長近は翌1576年から、大野盆地の中にぽつんと⁠ある亀山に城を築き、その東のふもとに短冊状に区切られた城下町をつくり始めました。この町並みはいまも残り、「北陸の小京都」と⁠呼ばれます。[2][5][7]

02
史実

信長の家臣、金森長近が築いた

城は1580年ごろに完成しました。山頂の本丸には望楼付き2層3階⁠の大天守と⁠2層2階の小天守、天狗櫓などが並び、ふもとに二の丸・三の丸、まわりには二重の堀と⁠川をめぐらせていました。長近は1586年に飛騨高山へ移り、そのあとの城主はたびたび⁠入⁠れ⁠替わります。[2][5][7]

03
史実

土井家の大野藩と、大火

1682年に土井利房が城主になると、幕末まで土井家が大野藩を治めました。1775年には城下の大火が城に燃え移り、天守など本丸の建物が焼けます。1795年に再建されました。幕末の藩主・土井利忠は藩校をつくって人材を育て、蝦夷地(北海道)⁠の開拓や⁠全国の直営店「大野屋」で藩の財政を立て直したことで知られます。[5][7][8]

04
史実

払い下げで建物は消え、石垣が残った

明治になると、1872年に本丸が入札で商人など20人以上に払い下げられ、城の建物は⁠取⁠り⁠壊されました。残ったのは石垣と⁠堀の一部です。二の丸の正門だった鳩門は光明寺の山門に、本丸の不明門(あかずのもん)⁠は真乗寺の山門に移されたと⁠伝わり、町の中でいまも見られます。[8][5][6]

05
史実

1968年、寄付で天守が建つ

1968年、旧士族の萩原貞の寄付で、山頂に天守が再建されました。往時を推定して鉄筋コンクリート⁠で建てたもので、中は歴代城主の遺品を展示する資料館です。石垣は福井県の指定文化財で、2017年には続日本100名城⁠に選ばれました。[2][5][9]

この城の人びと

年表

  1. 金森長近が大野郡の3分の2を与えられる[7]

  2. 亀山で城と⁠城下町の建設が始まる[7]

  3. 大野城が完成[2]

  4. 土井利房が入り、以後幕末まで土井家が治める[7][8]

  5. 城下の大火が燃え移り、天守などが焼ける[7]

  6. 本丸が入札で払い下げられる[8]

  7. 萩原貞の寄付で天守を再建[2][5]

建物と⁠遺構

天守の状態

戦後の再建(復興)

1968年に鉄筋コンクリート⁠で再建した「復興天守」(公式の表現)⁠。絵図や⁠同時代の城を参考に往時を推定したもので、当時の天守(望楼付き2層3階)⁠の正確な復元ではない。いまの天守は連結式望楼型2層4階、小天守2層2階。

城全体のいま

亀山全体が公園のようになり、山頂の本丸に再建天守(資料館)⁠と⁠石垣が残る。ふもとには城下町の町並みが続き、移築された城門が寺の山門と⁠して残る。

主な建物

再建(復興)

天守・小天守

1968年再建。中は資料館。[2][5]

移築して現存

鳩門(現・光明寺山門)

二の丸の正門を移したと⁠伝わる。2階は改築され鐘楼門⁠になっている。[6]

移築して現存

不明門(現・真乗寺山門)

本丸の門を移したと⁠伝わる。側面に土井家の家紋がある。[6]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
戦後の再建(復興)昭和以降に建て直した天守。形や⁠位置が当時と⁠違う場合がある編集部記事
築城者
金森長近日本城郭協会
築城
天正3年(1575)以降日本城郭協会
主な城主
金森氏、松平氏、土井氏日本城郭協会
廃城
1873年(明治6年)Wikipedia
見られる遺構
石垣・堀・門・土塁・天守台編集部記事
文化財指定
福井県指定文化財(大野城の石垣)編集部記事
名城選定
続日本100名城 135番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

亀山の遊歩道と⁠本丸の石垣は外から見学できる。天守(資料館)⁠は4〜11月のみ開館で有料。車で城まで上がることはできない。続日本100名城スタンプ⁠は開館中は越前大野城、冬期休館中は武家屋敷旧内山家(大野市城町10-7)⁠に置かれる(2025〜26年冬⁠の案内)⁠。

住所

福井県大野市城町3-109[1][3]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR越前大野駅JR越美北線(九頭竜線)

徒歩約40分 · 急⁠な登り

駅から登城口まで徒歩約30分、登城口から城まで徒歩約10〜20分⁠の山道。まちなか循環バス(赤バス)⁠で⁠結ステーションまで行き、そこから歩くこともできる。福井駅からは京福バス55系統大野線⁠もある。[3]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

越前大野城(天守・資料館)
時間
4〜9月 9:00〜17:00、10〜11月 9:00〜16:00(閉館30分前までに入館)
休館・休み
12月1日〜3月31日(3月後半は積雪の状態などにより特別開館することがある。2026年は3月20日〜31日⁠に特別開館)
料金
大人400円、障がい者・30名以上の団体200円、中学生以下無料、年間パスポート1,000円[1][2][5]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

城までは車で上がれない。近くの駐車場と⁠して越前おおの⁠結ステーション多目的広場、城下町西広場、亀山南第1駐車場⁠が案内されている。[3][5]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
未確認確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
登城口から天守を見て戻るまで1時間〜1時間半、城下町の散策も入れると⁠半日が目安
階段・坂・足もと
亀山は標高249mの山で、登城口から城までは山道を10〜20分登る。江戸時代の登り道は百間坂で、ほかの遊歩道は明治以降に整備された。[3][6]
車椅子・ベビーカー
未確認(城までは山道)確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
公式サイトに英語ページがある。館内の英語表示は未確認。[1]
季節の楽しみ
雲海の「天空の城」は10月〜4月末ごろの明け方(とくに11月ごろ)⁠。冬は天守が休館する。[4][1]
撮影のルール
館内展示物の写真の転用は禁止と⁠されている(公式サイトの写真に注記)⁠。そのほかの撮影ルールは未確認。犬山の撮影スポットへは地元集落への配慮と⁠指定ルートの利用が求められている。[2][1]
工事・休館・立入制限
犬山の鍬掛ルート付近⁠でクマの目撃情報があり、撮影スポットへ行くときは鈴など音の出るものを持ち、単独行動を避けるよう呼びかけている。鍬掛ふれあい会館や⁠集落内の道への駐車は不可。[1]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

城下町

武家屋敷旧内山家

城下にある武家屋敷で、見学できる。冬は続日本100名城スタンプ⁠の置き場所になる。平日9:00〜16:00、日祝9:00〜17:00、火曜休み。[1]

確認日: 2026-10-03

城下町

柳廼社

亀山の南の登り口にある神社。名君と⁠いわれた土井利忠をまつり、名前も利忠の号「柳涯」から来ている。[6]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

雲海に浮かぶ城の写真を撮りたい人、短冊状の町割りが残る城下町を歩くのが好きな人、野面積みの石垣を見たい人に向く。

ここを見ると⁠面白い

山頂の野面積みの石垣と⁠天守台は、江戸時代以前から残る本物。天守は昭和の再建なので、石垣と⁠建物の「時代の違い」を意識して見ると⁠よい。町に移された鳩門・不明門も、数少ない本物の城の建物と⁠して見逃せない。

訪ねる前に

天守は12〜3月は休館。城へは車で上がれず、登城口から山道を歩く。雲海は条件がそろった朝にしか出ないので、狙うなら秋〜冬に数日の余裕を持ち、ライブカメラで確かめてから出かけたい。

楽しみかた

雲海の朝は犬山から城を眺め、日中は亀山に登って逆に町を見下ろすと、盆地の中の城と⁠いう立地がよく分かる。城下町の七間通りなどを歩き、長近が築いた町割りも味わいたい。

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    天空の城越前大野城(トップ・お知らせ)大野市official確認日:
  2. 2
    大野城の概要天空の城越前大野城(大野市)official確認日:
  3. 3
    アクセス天空の城越前大野城(大野市)official確認日:
  4. 4
    天空の城 / 撮影スポットへの⁠道天空の城越前大野城(大野市)official確認日:
  5. 5
    越前大野城施設紹介大野市municipal確認日:
  6. 6
    本丸の見どころ天空の城越前大野城(大野市)official確認日:
  7. 7
    歴史(越前大野歴史年表)天空の城越前大野城(大野市)official確認日:
  8. 8
    城主天空の城越前大野城(大野市)official確認日:
  9. 9
    続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  10. 10
    越前大野城越前おおの観光ガイド(越前おおの観光ビューロー)tourism確認日:
  11. 11
    大野城 (越前国)(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  12. 12
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  13. 13
    Wikipedia「大野城 (越前国)⁠」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  14. 14
    Wikidata Q1072530Wikidatawikidata確認日:
  15. 15
    OpenStreetMap way/713559628© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

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  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
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