水堀に囲まれて島のように残る出丸の跡(2015年1月撮影)。台地の下の低い所を守るしかけだった。
Nankou OronainCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

千葉県 · 佐倉市

佐倉城

さくらじょう

Sakura Castle

千葉県佐倉市

城平山城日本100名城 20番

この城らしさ

石垣のない土と⁠水の城から、江戸幕府の老中が9人も出た。

なぜ?

佐倉城は、台地の先と⁠いう地形を生かし、水堀・空堀・土塁で守りを固めた城です。江戸に近い大事な場所だったため、幕府に信頼された譜代大名が城主になり、幕府の要職につくと⁠佐倉へ移される傾向がありました。歴代城主のうち9人が老中になり、その数は全国の藩でいちばん多いと⁠佐倉市は説明しています。石垣は⁠使われていません。[1][2][13]

見逃したくない3つ

01
芝生におおわれた深い空堀(2015年9月撮影)。石垣を使わず、土を掘ってつくった守り。EXECUTORPublic domainWikimedia Commons

巨大な馬出し⁠空⁠堀

見る場所
佐倉城址公園の⁠中(場所は公園の散策マップや⁠現地の案内図で確認)
注目する部分
芝生におおわれた深い空堀の幅と⁠深さ、堀に囲まれた小さな曲輪(馬出し)⁠の⁠形
ここが面白い
馬出し(うまだし)は、門の前に置いた小さな出撃用の区画です。石垣を使わない佐倉城では、土を掘り、盛ることで守りをつくりました。公園の案内でも「必見」と⁠される、土の城らしさがいちばん分かる場所です。[2][1][13]
見られるか
外から見られる公園内で自由に見られる。
02

天守跡と⁠樹齢約400年⁠の夫婦モッコク

見る場所
本丸跡の天守跡
注目する部分
天守が建っていた土の高まりと、その脇に立つモッコクの大木
ここが面白い
本丸にはかつて天守や⁠銅櫓、角櫓がありましたが、建物は残っていません。天守跡の脇の「夫婦モッコク」は千葉県の天然記念物で、高さ11.6m。もとは3本が接して2本が根元で⁠合わさっていましたが、腐った2本を切り、残る1本を守っています。[1][2][4]
見られるか
外から見られる公園内で自由に見られる。
03
水堀に囲まれて島のように残る出丸の跡(2015年1月撮影)。台地の下の低い所を守るしかけだった。Nankou OronainCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

水堀に守られた南出丸・西出丸

見る場所
城址公園の西側・南側の低い⁠所(姥が池の方向)
注目する部分
水堀に⁠囲まれて⁠島のように残る出丸(でまる。本体から張り出した小さな曲輪)⁠の⁠形
ここが面白い
佐倉城は北に印旛沼、西と⁠南に鹿島川・高崎川が流れる低地に突き出した台地の先にあります。出丸と⁠水堀は、その低地側を守るしかけです。市は南出丸・西出丸も「必見」と⁠して挙げていて、城に残るただ一つの建物、小さな薬医門も西出丸にあります。[1][2]
見られるか
外から見られる公園内で自由に見られる。

訪問の目安

最寄り駅
京成佐倉駅から徒歩約20分
登り
少し登る
所要時間の目安編集部の目安
城址公園だけなら約1時間、歴史民俗博物館⁠も見るなら半日が目安
料金
未確認(公式に記載なし)
時間
4〜10月 9:00〜17:00、11〜3月 9:00〜16:30
立入り
自由に見学できる

佐倉城址公園と⁠して自由に歩ける(無料)⁠。市は公園内に立ち入り制限の区域があると⁠案内しているので、現地の表示に従うこと。日本100名城スタンプ⁠は公園東端の佐倉城址公園センター⁠の建物内と⁠扉の前にあり、24時間365日押せる。

確認日:

この城の物語

01
史実

沼と⁠川に囲まれた台地の⁠先

佐倉城は、標高30mほどの台地が西へ突き出した先にあります。北には印旛沼、西と⁠南には鹿島川と⁠高崎川が流れる低地が⁠広がっていました。城はこの地形を生かし、水堀・空堀・土塁で守りを固め、東に続く台地の上に武家屋敷と⁠町屋を置いて城下町をつくりました。[1][2]

02
史実

戦国の城をもとに土井利勝が築く

この台地は鹿島山と⁠呼ばれ、戦国時代に千葉氏の一族・鹿島幹胤が城を築いた場所と⁠伝わります。1610年に佐倉の領主になった土井利勝が、翌1611年から城づくりを始め、7年ほどかけて完成させました。[1][3][5]

03
史実

江戸の東を守る、老中を生んだ⁠城

佐倉城は江戸の東を守る要の城と⁠され、有力な譜代大名が城主になりました。城主の多くが老中など幕府の要職につき、9人の老中は全国の藩で最多と⁠市は説明しています。城主はよく⁠入⁠れ⁠替わりましたが、1746年に堀田正亮が入ってからは、明治維新まで堀田家が治めました。[1][2][5]

04
史実

開国を進めた藩主・堀田正睦

幕末の藩主・堀田正睦は老中を2度つとめ、日本を開国へ導いた人物と⁠して知られます。佐倉では藩校を広げて蘭学など西洋の学問を取り入れ、1843年には蘭方医の佐藤泰然が城下に医学塾兼診療所「順天堂」を開きました。城址公園の茶室・三逕亭の前には正睦の銅像が立っています。[5][6]

05
史実

陸軍の兵営になり、建物は消えた

1873年、城内に陸軍の佐倉営所が置かれると、城の建物は順に⁠取⁠り⁠壊されました。その後は歩兵第2連隊、のちに第57連隊(佐倉連隊)⁠が置かれ、1945年の終戦まで軍の土地でした。城の建物で残るのは、西出丸にある小さな薬医門だけです。一方、大手門跡から西の台地は地形がよく残り、土の城の姿をたどれます。[1][2][3]

06
史実

城址公園と⁠歴史博物館に

城跡は1962年に市の史跡になりました。1979年度から公園の本格的な整備が始まり、水堀や⁠本丸跡、出丸跡が整えられました。公園のとなりには国立歴史民俗博物館⁠が建っています。公園の東端の佐倉城址公園センターでは、明治初めの古写真や⁠模型、出土品を展示しています。2006年に日本100名城⁠に選ばれ、千葉県で唯一の100名城です。[1][2][3][10]

この城の人びと

年表

  1. 土井利勝が佐倉城の築城を始める[1][3]

  2. 堀田正亮が入り、以後明治まで堀田家が治める[5]

  3. 陸軍の佐倉営所が置かれ、城の建物が⁠取⁠り⁠壊されていく[3]

  4. 市の史跡に指定[3]

  5. 佐倉城址公園の本格的な整備が始まる(年度)[2]

  6. 公園のとなりに国立歴史民俗博物館⁠が開館(市の説明)[2]

  7. 日本100名城⁠に選ばれる(千葉県で唯一)[1][10]

建物と⁠遺構

天守の状態

天守は失われた

本丸に天守があったが現存しない。いまは天守跡の地形と⁠解説が残る。

城全体のいま

城跡の大部分が佐倉城址公園(市の公園)⁠になっていて、空堀・土塁・水堀・天守跡などの地形が残る。北西側には国立歴史民俗博物館⁠が建つ。陸軍の兵営だった時代の遺構もある。

主な建物

現存

薬医門(西出丸)

市によると⁠城内に残る唯一の建物。小規模な門。[1]

現存しない

天守・銅櫓・角櫓

本丸にあったが、建物は残っていない。[1]

確認中

佐倉城址公園センター

城の建物ではない。城郭風の管理センターで、古写真・模型・出土品を展示し、100名城スタンプ⁠がある。[1][2]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
中世・近世・近代以降編集部記事
天守の状態
天守は失われた天守はあったが、今は残っていない(天守台などが残る場合がある⁠)編集部記事
築城者
千葉氏?、土井利勝日本城郭協会
築城
天文年間(1532~55)⁠?、慶長16年(1611⁠(日本城郭協会
主な城主
土井氏、石川氏、松平(形原)氏、堀田氏、松平(大給)氏、大久保氏、戸田氏、稲葉氏日本城郭協会
廃城
1873年(明治6年)Wikipedia
見られる遺構
堀・土塁・曲輪・天守台・⁠門編集部記事
文化財指定
市史跡(佐倉城跡)(1962年)⁠、県天然記念物(佐倉城の夫婦モッコク)(1952年)編集部記事
名城選定
日本100名城 20番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

佐倉城址公園と⁠して自由に歩ける(無料)⁠。市は公園内に立ち入り制限の区域があると⁠案内しているので、現地の表示に従うこと。日本100名城スタンプ⁠は公園東端の佐倉城址公園センター⁠の建物内と⁠扉の前にあり、24時間365日押せる。

住所

千葉県佐倉市城内町官有無番地(佐倉城址公園)[2]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

京成佐倉駅京成本線

徒歩約20分 · 少⁠し登る

公園センターまで徒歩約20分。南口からバス(田町車庫行き)⁠で「国立博物館入口」または「国立歴史民俗博物館」下車、徒歩約5分。[1][2][8]

確認日: 2026-10-03
JR佐倉駅JR総武本線・成田線

徒歩約25分 · 少⁠し登る

公園センターまで徒歩約25分。北口1番乗り場からバス(田町車庫行き)⁠で「国立博物館入口」または「国立歴史民俗博物館」下車、徒歩約5分。[1][2][8]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

佐倉城址公園センター(管理センター)
時間
4〜10月 9:00〜17:00、11〜3月 9:00〜16:30
休館・休み
1月1日〜3日
料金
未確認(公式に記載なし)[1]
確認日: 2026-10-03
国立歴史民俗博物館
時間
3〜9月 9:30〜17:00、10〜2月 9:30〜16:30(入館は閉館30分前まで⁠)
休館・休み
月曜(休日の場合は開館⁠し翌平日休館)⁠、年末年始(2026年12月27日〜2027年1月5日)⁠、ほかに臨時休館あり
料金
一般900円、大学生500円、高校生以下無料(20人以上の団体は一般800円・大学生400円)[7]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

公園の駐車場あり(台数・料金は未確認)⁠。となりの国立歴史民俗博物館⁠の駐車場は博物館利用者用なので、公園へ来る人は公園の駐車場を使うよう市が求めている。桜と⁠菖蒲の季節は満車・渋滞になりやすく、公共交通機関がすすめられている。[2]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
未確認(スタンプは24時間押せると⁠市は案内)[1]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
城址公園だけなら約1時間、歴史民俗博物館⁠も見るなら半日が目安
階段・坂・足もと
台地の上と⁠下に分かれていて、出丸や⁠姥が池のある低い所へは坂を下る。[1][2]
車椅子・ベビーカー
未確認確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
城址公園の英語案内は未確認。歴史民俗博物館⁠は総合展示の解説を聞けるスマートフォン用音声ガイドアプリ(無料)⁠を提供している(対応言語は未確認)⁠。[7]
季節の楽しみ
公園の桜は約740本(博物館の区域を入れると⁠約1,100本)で、3月下旬〜4月上旬⁠が見ごろ。ハナショウブ約9,000株⁠は6月上旬〜中旬、梅は2月下旬〜3月上旬、カエデは11月中旬〜12月中旬。[2]
撮影のルール
城址公園の撮影ルールは未確認。歴史民俗博物館⁠の総合展示室は個人利用に限り撮影できる(フラッシュ・三脚は不可、一部撮影禁止あり)⁠。企画展示室は撮影禁止。[7]
工事・休館・立入制限
国立歴史民俗博物館⁠は2026年9月30日から通常どおり開館しているが、博物館へ上る坂道(愛宕坂)⁠が土砂崩れで通行止め。迂回路を使うよう案内していて、博物館の専用駐車場も使えない(2026年9月29日発表)⁠。[9]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

城下町

佐倉武家屋敷

土塁と⁠生垣の通りに、江戸時代後期の佐倉藩士の家3棟が公開されている。9:00〜17:00、月曜休館。一般250円(旧堀田邸・佐倉順天堂記念館との三館共通券600円)⁠。JR佐倉駅から徒歩約15分。[11]

確認日: 2026-10-03

庭園

旧堀田邸(さくら庭園)

最後の佐倉藩主・堀田正倫の明治時代の邸宅で、国の重要文化財。庭園は国の名勝。9:30〜16:30、月曜休館、一般350円。[12]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

石垣や⁠天守ではなく、土を掘り盛ってつくった城の形を見たい人に向く。日本史全体を見られる国立歴史民俗博物館⁠と一緒に回れるので、歴史好きなら一日楽しめる。桜や⁠菖蒲の季節は公園と⁠しても人気。

ここを見ると⁠面白い

まず馬出し空堀の深さと⁠広さ。次に天守跡で、天守が建っていた場所と⁠夫婦モッコクを見る。最後に低い所へ下りて水堀に囲まれた出丸を見ると、台地の上と⁠下で守り方が違うことが分かる。

訪ねる前に

城の建物はほとんど残っていない。明治初めの古写真や⁠模型は公園東端の公園センターで見られるので、先に寄ると⁠形がつかみやすい。博物館へ上る愛宕坂が土砂崩れで通行止め(2026年9月29日発表)なので、最新のお知らせを確かめて行くこと。

楽しみかた

公園センターで見た古写真の場所を、現地の解説板と⁠見比べながら歩くと、失われた門や⁠櫓の位置が分かる。三逕亭の前では、開国を進めた藩主・堀田正睦の銅像も見ておきたい。

訪問者レビュー

レビュー募集中

この城を訪ねた方の声を募集しています。

レビューを書く
評価

体験に基づかない投稿・宣伝・個人情報を含む投稿は公開しません。

異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    佐倉城・100名城スタンプラリー⁠について佐倉市(公園緑地課)municipal確認日:
  2. 2
    佐倉城址公園について佐倉市(公園緑地課)municipal確認日:
  3. 3
    佐倉市の文化財-史跡(1)「城跡・遺跡・古墳」佐倉市(文化課)municipal確認日:
  4. 4
    佐倉市の文化財-天然記念物佐倉市(文化課)municipal確認日:
  5. 5
    佐倉の歴史佐倉市(文化課)municipal確認日:
  6. 6
    佐倉城址公園内・堀田正睦公の銅像について佐倉市(公園緑地課)municipal確認日:
  7. 7
    開館時間・入館料国立歴史民俗博物館official確認日:
  8. 8
    アクセス国立歴史民俗博物館official確認日:
  9. 9
    9月30日(水)以降の開館・開苑に関するお知らせ(2026年9月29日)国立歴史民俗博物館official確認日:
  10. 10
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  11. 11
    【佐倉武家屋敷】(旧河原家住宅・旧但馬家住宅・旧武居家住宅)佐倉市(文化課)municipal確認日:
  12. 12
    【旧堀田邸】〔国重要文化財・名勝〕(さくら庭園)佐倉市(文化課)municipal確認日:
  13. 13
    佐倉城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  14. 14
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  15. 15
    Wikipedia「佐倉城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  16. 16
    Wikidata Q8014937Wikidatawikidata確認日:
  17. 17
    OpenStreetMap node/2458769106© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

現地の変化や⁠誤り、使ってよい写真をご存じでしたらお知らせください。

情報の訂正・写真の提供