
Satellite Lab — Experiment 001 / 継続観測中
沖縄北部
混雑ウォッチ
ジャングリア沖縄 × 沖縄美ら海水族館
雲を透過する衛星レーダーが、やんばるの上を5〜6日ごとに通過する。 2つの施設の駐車場の「活動の呼吸」を、同一条件の相対値で記録し続けている。
空中写真:国土地理院(海洋博公園沖・色調補正)
ジャングリア 直近90日の活動レベル
…/ 100
相対活動指数(開業後平均=50)・レーダー…観測の平均
ジャングリア 休日と平日の差
…dB
休日のほうがレーダー反射が強い
車=金属は電波を強く返す。休日に車が多い、という仮説と向きが一致
観測の蓄積
…回
開業からのレーダー観測
約5〜6日に1回、台風の日も夜も自動で増えていく(最終 …)
どうやって見ているのか
① 光学写真(Sentinel-2・10m)
ふつうの「上から見た写真」。ただし1ピクセルが10m四方なので、駐車場は見えても車1台は見えない。 しかも晴れた日にしか撮れない(沖縄では月2〜3回)。
② レーダー画像(Sentinel-1・主役)
衛星から電波を打ち、跳ね返りの強さを画像にしたもの(明るい=強い)。雲でも夜でも撮れて、金属=車は電波を強く返す。 毎回夕方18時半ごろ、5〜6日おきに撮影される。
駐車場の反射の強さを
同じ条件どうしで比べる
= 相対活動指数(平均50)
③ 判定のしかた
駐車場の範囲だけを切り出し、レーダー反射の平均を同じ軌道(同じ角度から撮った回)どうしで比較して0〜100に換算。 車が多い日ほど高くなる——という仮説を、報道との照合で検証しながら運用している。
この土地の40年 — 森から、テーマパークへ
Landsat(1992〜2024)+ Sentinel-2(2026)実画像
30年間ほぼ変わらなかった森が、2020年代に入って切り拓かれ、2025年夏にパークが開業した—— その全過程が無料衛星のアーカイブに残っています。開業後の「混雑」はこの続きとして観測しています。
開業からの活動の呼吸
月ごとの平均・50=開業後の平均的な状態
開業直後の2025年7〜8月がピーク(71.9/74.4)、秋に低下し、年末年始に第2の山(2026年1月 62.4)、 春は中位で推移、直近90日はやや低め——という相対的な起伏。この2つの山は報道の来場実態と独立に一致しています(下の照合参照)。 夏の繁忙期は進行中で、次の数観測で更新されます。
休日は、電波がよく返ってくる
衛星は毎回夕方18時半ごろに上空を通る。ジャングリアはまだ営業中の時間。 同じ軌道どうしで比べると、駐車場からのレーダー反射は休日のほうが+0.5〜+0.9dB強い。
決定的なのは、同じ手法・同じ期間で見た美ら海水族館ではこの差が消えること (… dB)。 美ら海は18時半には閉館間際で、駐車場が空きはじめている。 「車が多いと反射が強い」という読みと、2施設の営業時間の違いがきれいに整合する。
観測数がまだ限られるため「予備的なシグナル」。ただし方向は一貫しています。
報道と突き合わせてみた
指数は報道を見ずに構築 → 事後に照合(2026-07-13)
一致 ✓ 開業ピーク
指数の最高値は開業直後の2025年7月(71.9)・8月(74.4)。 報道の「開業直後に来場が集中、その後は想定を下回るペース」と形が一致。
一致 ✓ 年末年始の山
指数の第2の山は2026年1月(62.4)。 報道の「年末年始には開業直後に匹敵する来場があった」と独立に一致。 衛星だけでこの山を捉えていた。
不一致 △ 2026年5月の谷
新アトラクション「やんばるトルネード」(2026-04-29)後なのに5月の指数は36.3と低い。 沖縄の梅雨(濡れた路面はレーダー反射を下げる)の影響の可能性。未解決として記録。
| 指数の読み | 報道の事実 | 判定 |
|---|---|---|
| 最高値は開業直後(2025年7月 71.9・8月 74.4) | 「開業直後に来場が集中、以降は想定を下回るペース」(琉球新報) | 一致 ✓ |
| 第2の山は2026年1月(62.4) | 「年末年始には開業直後に匹敵する来場があった」(coki・沖縄タイムス) | 一致 ✓ |
| 2026年5月が低い(36.3) | 新アトラクション「やんばるトルネード」4/29開業+上限引き上げ | 不一致 △ 梅雨の影響疑い・未解決として記録 |
| 指数の絶対水準 | 開業半年で65万人・日平均約3,500人・初年度見込み200万→100〜150万人に下方修正 | 検証不能(相対値のため。実測照合=段階02が必要) |
いちばん価値があるのは2行目です。指数は報道を一切見ずに衛星データだけから構築し、 その後で記事を照合したら「年末年始の山」の位置が当たっていた—— 後付けの調整が入りようがない独立の一致であり、 この指数が実際の来場変動を捉えている可能性を支持します。 一致だけでなく不一致も表に残しているのは、これが宣伝ではなく検証記録だからです。
出典:琉球新報(開業半年で65万人)/沖縄タイムス(上限引き上げ)/coki(年末年始・新アトラクション)(いずれも2026-07-13確認)。美ら海水族館の月別入館者数は非公開(達成マイルストーンのみ)のため、今後は沖縄県の入域観光客統計(月次)と照合予定。
考察
この指数はどこまで信頼できるか、どう精度を上げるか
物理的な根拠がある。車は金属の箱で、平らな路面より電波を強く跳ね返す——これはSARリモートセンシングで確立した性質であり、 「願望でそう見えている」類のものではない。実際、休日差がジャングリア(営業中に観測)にだけ現れ、 閉館間際の美ら海で消えることも、この仕組みと整合する。
独立の照合に2点一致した。開業ピークと年末年始の山。相対的な「形」については、既に実データで裏付けが取れはじめている。
精度をさらに上げる道筋:
- ▸ 実測照合(段階02) — 衛星通過時刻の駐車台数を数十日分記録すれば、指数を台数レンジに変換できる
- ▸ 降雨補正 — 気象データで雨の観測日を補正し、「2026年5月の谷」が梅雨のせいか来場減か切り分ける
- ▸ 高解像度データの追加 — 商用SAR(1m級)や毎日撮影の光学(3m級)を要所で使えば、車両の列まで見える。無料データで「どこを買うべきか」を絞ってから投資できるのがこの基盤の強み
- ▸ 駐車場範囲の公式照合 — ポリゴンを公式情報で確定すればノイズが減る
美ら海水族館との相対比較
それぞれ「その施設の平均=50」の相対値なので、施設間の絶対的な多い・少ないは比べられません。 読むのは動きの向き——両方が同時に動けば北部全体、ジャングリアだけなら施設固有の変化。
正直な注記 — 美ら海の混雑はまだうまく測れていない
理由はレーダーの通過時刻です。観測は毎回夕方18時半=美ら海の閉館間際で、 駐車場がすでに空きはじめており、混雑の山(昼間)を見られていません。 だから美ら海の線は季節や天候のゆらぎが主で、混雑の指標としての信頼度は低い—— その代わり「車が少ない時間の駐車場」として、ジャングリアの休日シグナルが本物かを確かめる対照(コントロール)として働いています。 美ら海の昼の混雑を測るには、11時台に撮る光学衛星(雲に弱い)か、時刻を指定できる商用衛星が必要です。


精度は、観測を重ねるほど上がる
相対推定
現在地衛星レーダーの反射強度から、同一条件で比べた活動レベルの高い・低いを読む。いまはこの段階。車の台数はまだ分からない。
実測との照合
衛星が通過する時刻(昼11時台・夕方18時台)の実際の駐車台数を記録し、指数と突き合わせる。ここで初めて精度を数字で言える。
台数の推定
照合データが貯まったら、指数を台数レンジ(例:500〜800台)に変換する。観測のたびに精度が上がっていく。
レーダー観測は約5〜6日に1回、天候に関係なく自動で貯まる。実測照合(02)を始めた瞬間から、過去回分の蓄積が全部生きてくる。
最新の眼
方法と限界(正直な注記)
指数は、駐車場ポリゴン内のレーダー後方散乱(VV)を同一軌道内で標準化し、開業後平均=50として0〜100に変換した相対値です。 舗装状態・雨・入射角などでも変わるため、1点の値ではなく数観測の傾向で読んでください。 駐車場の範囲は暫定(衛星判読+OpenStreetMap)で、公式情報との照合はこれからです。 失敗した解析も含めた全記録はFindingsとAnalysisにあります。
Contains modified Copernicus Sentinel data (2024–2026)/Landsat imagery courtesy of USGS/空中写真:国土地理院/© OpenStreetMap contributors