本丸に立つ国宝の天守(2006年9月撮影)。江戸時代から残る現存天守で、屋根にはさまざまな形の破風が組み合わされている。
663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

滋賀県 · 彦根市

彦根城

ひこねじょう

Hikone Castle

滋賀県彦根市

城平山城日本100名城 53番

この城らしさ

国宝の天守は大津城から、ほかの建物や⁠石垣の石もよその城から運んで組み直したと⁠伝わる「リユースの城」。

なぜ?

彦根城は、関ケ原の戦いのあと⁠井伊家のために1604年から幕府の後押しで急いで築かれました。工事を早めるため、天守は大津城から移したと⁠伝わり、ほかの建物や⁠石垣の石も近くの城などから再利用したと⁠伝わります。そうして建った天守は江戸時代から一度も失われず、いまは国宝です。[3][1]

見逃したくない3つ

01
本丸に立つ国宝の天守(2006年9月撮影)。江戸時代から残る現存天守で、屋根にはさまざまな形の破風が組み合わされている。663highlandCC BY 2.5Wikimedia Commons

江戸時代から残る国宝の天守

見る場所
本丸。表門や⁠大手門から石段を約140段、高さで約50m上った⁠先
注目する部分
屋根に組み合わされた千鳥破風・唐破風などの破風、2階より上の花頭窓(かと⁠うまど)⁠。中に入ったら、60度を超える急な階段
ここが面白い
天守は1606〜1607年ごろに完成し、1952年に国宝になりました。高さは石垣5mを含めて20.5mと⁠大きくはありませんが、屋根の形の変化で見る方向ごとに表情が変わります。中の階段は1階から2階が62度、2階から3階が60度もあり、昔の天守の造りを体で感じられます。[1][2][3]
見られるか
外から見られる入城券で天守の中に入れる(天守は16:45閉門)⁠。混雑時は入場制限あり。
02
堀切にかかる廊下橋と天秤櫓(2013年8月撮影)。門をはさんで左右に櫓が並ぶ姿が天秤ばかりに似ている。MtiCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

天秤ばかりの形の天秤櫓と⁠廊下橋

見る場所
表門から上った先、本丸へ向かう途中の鐘の丸と⁠本丸の⁠間
注目する部分
堀切(尾根を断ち切った⁠空堀)⁠にかかる廊下橋と、門をはさんで左右に2階建ての櫓が並ぶ姿。橋の下から見上げる石垣
ここが面白い
左右対称に櫓が並ぶ形が天秤ばかりに見えることから、この名があります。長浜城から移したと⁠いう言い伝えがあります。敵が攻めてきたら橋を落と⁠して本丸への道を断つしかけで、国の重要文化財です。[2][7]
見られるか
外から見られる入城券で通り抜けられ、中も見学できる(16:45閉門)⁠。
03
紅葉の玄宮園と、丘の上の天守(2009年11月撮影)。玄宮園は1677〜1679年に造られた大名庭園で、入城券で入れる。OilstreetCC BY 2.5Wikimedia Commons

大名庭園・玄宮園から見上げる天守

見る場所
城の北東、内堀の外にある玄宮園
注目する部分
池と⁠築山の向こう、丘の上に小さく見える天守
ここが面白い
玄宮園は1677〜1679年⁠に城内に造られた大名庭園です。城の中から天守を見上げるのとはちがい、庭の景色の一部と⁠して天守を見られます。入城券に入園料が含まれています。[2][3]
見られるか
外から見られる入城券で入れる(入場は16:30まで⁠)⁠。

訪問の目安

最寄り駅
JR彦根駅から徒歩約15分
登り
急な登り
所要時間の目安編集部の目安
天守・天秤櫓と⁠玄宮園で2時間ほど。博物館も見るなら3時間が目安
料金
一般1,000円、小・中学生300円(2024年10月1日から)⁠。30名以上の団体は2割引
時間
8:30〜17:00(入場16:30まで。天守・天秤櫓・太鼓門櫓・西の丸三重櫓・馬屋は16:45閉門)
立入り
自由に見学できる

城内は有料(入城券に玄宮園を含む)⁠。天守・天秤櫓・太鼓門櫓・西の丸三重櫓・馬屋の中を見学できる。開国記念館と⁠馬屋は無料。城内は鳥獣特別保護地区。

確認日:

この城の物語

01
史実

東と⁠西を結ぶ道の交わる場所

彦根は琵琶湖と⁠山の間の狭い平地で、中山道と⁠北陸道が合わさる交通の要でした。関ケ原の戦いのあと、徳川家康の重臣・井伊直政がこの地を任され、石田三成の居城だった佐和山城に入りました。[3][7]

02
史実

井伊直継が築き始め、直孝が完成

直政は1602年に亡くなり、長男の直継が1604年7月から、佐和山から1kmほど離れた彦根山(標高約136m)⁠で新しい城を築き始めました。工事は幕府が全面的に後押しし、近くの大名も手伝いました。大坂の陣でいったん中断し、弟の直孝が引き継いで、1622年に城下町を含めて完成しました。[1][3]

03
研究上の解釈

井伊家14代、約260年の拠点

江戸時代を通して、彦根城は井伊家の居城でした。14人の藩主のなかには、幕府の大老と⁠して開国の問題に取り組み、江戸で暗殺された井伊直弼もいます。彦根市は、大名と⁠重臣が城の中に屋敷を構えて政治を行った江戸時代の仕組みが、ここに最もよく残っていると⁠説明しています。[3][5]

04
史実

1878年、取り壊し寸前で残される

明治になって藩がなくなると、1878年に天守などの建物を取り壊すことが決まりました。しかし明治天皇に同行して彦根を訪れた大隈重信がこれを見て保存を提案し、城は残されることになりました。保存を願う市民の⁠思いもかなった、と彦根市の世界遺産のサイトは紹介しています。[3]

05
史実

天守と⁠櫓、堀と⁠石垣がそろって残る

天守と⁠附櫓・多聞櫓が国宝、天秤櫓・太鼓門櫓・西の丸三重櫓・佐和口多聞櫓・馬屋が重要文化財です。もとは内堀・中堀・外堀の三重の堀に囲まれた大きな城で、中堀より内側は石垣で区切られた城の形がとてもよく残っています。[1][7]

06
史実

特別史跡、そして世界遺産をめざして

1944年に井伊家から彦根市に寄付され、1951年に史跡、1956年に特別史跡になりました。1992年に世界遺産の暫定一覧表に載り、2026年9月3日、国の文化審議会が世界文化遺産と⁠して推薦することを内定しました。市は2028年の登録をめざしています。[1][3][5]

この城の人びと

年表

  1. 井伊直継が彦根城の築城を始める[1][3]

  2. 1606年末〜1607年初めごろ

    天守が完成[3]

  3. 城下町を含めて彦根城が完成[1][3]

  4. 明治天皇により保存が決まる[3]

  5. 天守が国宝に指定される[1][3]

  6. 特別史跡に指定される[1][3]

  7. 世界文化遺産の国内推薦が内定[5]

建物と⁠遺構

天守の状態

現存天守

現存天守(三重三階、複合式望楼型)⁠。1952年に国宝。大津城の天守を移したと⁠伝わる。

城全体のいま

中堀の内側(約50万㎡)⁠が特別史跡と⁠して残り、天守・櫓・堀・石垣・庭園を見学できる。表御殿の跡には彦根城博物館が建つ。城内は鳥獣特別保護地区。

主な建物

現存国宝

天守・附櫓及び多聞櫓

1952年に国宝。中を見学できる。[1][7]

現存国重要文化財

天秤櫓

長浜城から移したと⁠伝わる。中を見学できる。[2][7]

現存国重要文化財

太鼓門櫓

本丸への入口。中を見学できる。[2][7]

現存国重要文化財

西の丸三重櫓

中を見学できる。[2][7]

現存国重要文化財

馬屋

無料で入れる。[2][7]

現存国重要文化財

二の丸佐和口多聞櫓

中堀に面した佐和口に残る。[7]

現存しない

表御殿

跡地に彦根城博物館が建つ。[3]

基本データ

種類
城
地形による分類
平山城平地の中の丘に築いた⁠城編集部記事
時代
近世編集部記事
天守の状態
現存天守江戸時代以前に建てられた天守が今も残る編集部記事
築城者
井伊直継・直孝日本城郭協会
築城
慶長9年(1604)日本城郭協会
主な城主
井伊氏日本城郭協会
廃城
1874年(明治7年)Wikipedia
見られる遺構
櫓・櫓台・門・石垣・土塁・堀・曲輪・天守台編集部記事
文化財指定
国宝(天守・附櫓及び多聞櫓)(1952年)⁠、国特別史跡(彦根城跡)(1956年)⁠、国重要文化財(天秤櫓など5棟)(1951年)編集部記事
名城選定
日本100名城 53番日本城郭協会

旅の情報

立入り

自由に見学できる

城内は有料(入城券に玄宮園を含む)⁠。天守・天秤櫓・太鼓門櫓・西の丸三重櫓・馬屋の中を見学できる。開国記念館と⁠馬屋は無料。城内は鳥獣特別保護地区。

住所

〒522-0061 滋賀県彦根市金亀町1-1[1]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR彦根駅JR東海道線(琵琶湖線)⁠。米原駅から約5分

徒歩約15分 · 急⁠な登り

駅から城まで徒歩約15分。城の門から本丸まで石段約140段、高低差約50m。[4][1]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

彦根城(玄宮園を含む)
時間
8:30〜17:00(入場16:30まで。天守・天秤櫓・太鼓門櫓・西の丸三重櫓・馬屋は16:45閉門)
休館・休み
年中無休
料金
一般1,000円、小・中学生300円(2024年10月1日から)⁠。30名以上の団体は2割引[2]
確認日: 2026-10-03
彦根城博物館
時間
8:30〜17:00(入館16:30まで⁠)
休館・休み
未確認(展示替えの休館は博物館の案内を確認)
料金
一般700円、小・中学生350円。彦根城とのセット券は一般1,500円・小中学生550円[2]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

名神高速道路彦根ICから国道306号で約10分。二の丸駐車場(普通車40台、8:30〜17:00)など観光駐車場あり。[4]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
8:30〜17:00[2]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安編集部の目安
天守・天秤櫓と⁠玄宮園で2時間ほど。博物館も見るなら3時間が目安
階段・坂・足もと
本丸までは石段約140段・高低差約50m。天守の中の階段は60度以上の急な傾き。[1]
車椅子・ベビーカー
未確認(本丸への道は石段、天守内は急な階段)確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
未確認
英語案内・音声ガイド
公式サイトの観覧案内は日本語と⁠英語で書かれている。城内の英語案内は未確認。[2]
季節の楽しみ
春は桜、秋は玄宮園の紅葉。2026年は9月19日〜12月5日⁠の毎週土曜と⁠特定日に「秋彩の国宝・彦根城夜間特別公開」(18:00〜20:00、最終入城19:30、荒天中止)⁠がある。[6]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
連休などは天守の中が大変混み、入場制限があることがある。10月11日(日)⁠・11月22日(日)なども夜間特別公開を行う。[9][6]確認日: 2026-10-03

周辺の楽しみ

博物館

彦根城博物館

表御殿の跡に建つ博物館。井伊家に伝わる品々を展示する。[2][3]

確認日: 2026-10-03

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

江戸時代から残る本物の天守に上りたい人、城の守りのしかけを見るのが好きな人、庭園も楽しみたい人に向く。駅から歩けるので城めぐりがはじめての人にも。

ここを見ると⁠面白い

天守のほか、天秤櫓と⁠廊下橋、太鼓門櫓、西の丸三重櫓と、江戸時代の建物が続けて見られるのが彦根城ならでは。堀切の下から天秤櫓を見上げると、本丸への道の守りの固さが分かる。

訪ねる前に

本丸までは石段が続き、天守の中の階段は60度以上の急こう配。荷物は少なめに、歩きやすい靴で。入城料は2024年10月⁠に一般1,000円⁠に変わった。

楽しみかた

天守に上ったあとは玄宮園へ下り、庭の池ごしに天守を見上げたい。秋の夜間特別公開の日なら、ライトアップされた天守も見られる。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    国宝彦根城公式ウェブサイト(トップ・城の概要)彦根城運営管理センターofficial確認日:
  2. 2
    観覧案内彦根城運営管理センターofficial確認日:
  3. 3
    おしろをしろう⁠!(彦根城を知る⁠)彦根市(彦根城を世界遺産に⁠)municipal確認日:
  4. 4
    アクセス・交通公益社団法人彦根観光協会tourism確認日:
  5. 5
    「彦根城」が世界文化遺産の国内推薦に内定彦根市municipal確認日:
  6. 6
    秋彩の国宝・彦根城夜間特別公開彦根城運営管理センターofficial確認日:
  7. 7
    彦根城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  8. 8
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  9. 9
    お知らせ一覧彦根城運営管理センターofficial確認日:
  10. 10
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  11. 11
    Wikipedia「彦根城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  12. 12
    Wikidata Q1012374Wikidatawikidata確認日:
  13. 13
    OpenStreetMap way/209262408© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
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  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

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