安土山の頂上にある天主台の跡(2023年8月撮影)。天主は失われ、石垣に囲まれた台地に礎石が並ぶだけになっている。
Mont Blank richCC0Wikimedia Commons

滋賀県 · 近江八幡市

安土城

あづちじょう

Azuchi Castle

滋賀県近江八幡市

城山城日本100名城 54番

この城らしさ

信長が建てた五層七階の天主は、完成からわずか3年ほどで焼け、山頂には礎石だけが整然と⁠並んでいる。

なぜ?

織田信長は1579年に完成した天主に⁠移⁠り⁠住みましたが、1582年の本能寺の変のあと⁠まもなく、天主と⁠まわりの建物は⁠焼けてしまいました。いま天主台には、地階にあたる部分の礎石が約1.2mおきに並ぶだけです。それでも国は、全山を高石垣で覆い高層の天主をそびえさせたこの城に、後の城の原形を⁠見ることができると説明しています。[1][2][4]

見逃したくない3つ

01
安土山の頂上にある天主台の跡(2023年8月撮影)。天主は失われ、石垣に囲まれた台地に礎石が並ぶだけになっている。Mont Blank richCC0Wikimedia Commons

天主台に並ぶ礎石

見る場所
安土山の山頂、本丸跡の先にある天主跡
注目する部分
背丈ほどの石垣に囲まれた約28m四方の台地と、約1.2mおきに整然と⁠並ぶ礎石
ここが面白い
ここは天主の地階(穴蔵)⁠にあたる部分で、この上に五層七階、高さ約33mの天主が建っていたと⁠管理する摠見寺側は説明しています。宣教師ルイス・フロイスがヨーロッパにもないほど壮大だと⁠書いた建物の、足もとだけが残っている場所です。天主跡からは琵琶湖や⁠内湖も見えます。[3][5]
見られるか
外から見られる入山料を納めて大手道から登れば見られる。
02
受付からまっすぐ上へのびる大手道の石段(2017年4月撮影)。両側には家臣の屋敷跡が並ぶ。HikaruKinkakujiCC BY-SA 4.0Wikimedia Commons

まっすぐのびる大手道と、石段に使われた石仏

見る場所
受付を通ってすぐの大手道
注目する部分
山の上へまっすぐ続く幅の広い石段と、石段にまぎれた石仏。左右の伝前田利家邸跡・伝羽柴秀吉邸跡
ここが面白い
大手道は城の表玄関にあたる道です。築城のとき、石材は近くの山から集めましたが、石仏や⁠墓石も⁠含まれていました。見つかった石仏は、築城のいきさつを示すものとして発見時のまま保存されています。[3][6]
見られるか
外から見られる入山料が必要。石段が続き、足もとが悪い所も多い。
03
安土山から見た西の湖(2014年2月撮影)。そらみみCC BY-SA 3.0Wikimedia Commons

焼け残った摠見寺の三重塔と⁠二王門

見る場所
天主跡から戻り、摠見寺跡から受付へ下る道の途中
注目する部分
室町時代の三重塔と⁠二王門(楼門)⁠、摠見寺跡から見下ろす西の⁠湖
ここが面白い
摠見寺は信長が築城のときに他所から移して自らの菩提寺とした寺です。1854年(安政元年)⁠の火災で本堂などは焼けましたが、三重塔(1454年建立)⁠と二王門は残り、どちらも国の重要文化財です。安土城跡で古い建物を見られる貴重な場所です。[3][5][6]
見られるか
外から見られる外から見られる。摠見寺の特別拝観(不定期)⁠は別料金。

訪問の目安

最寄り駅
JR安土駅から徒歩約25分
登り
急な登り
所要時間の目安編集部の目安
城跡一周は約45〜90分(公式の目安)
料金
大人700円、小人(高校生以下⁠)200円。団体・障害者などの割引はない。2026年7月29日から当面の間、滋賀県内在住の小・⁠中学生は無料(保護者同伴)⁠。摠見寺の特別拝観(不定期)⁠は別に500円
時間
8:30〜17:00(入場受付は16:00まで。季節により変わる⁠)
立入り
一部のみ見学できる

城跡全域が摠見寺の土地で、受付で入山料(拝観料)⁠を納めて入る。順路は大手道から信長公本廟・本丸跡・天主跡へ上り、摠見寺跡・三重塔・二王門を通って下る一周コース。ペットは同伴不可。城跡の中にトイレはない。足もとの悪い所が多く、受付横に杖が用意されている。

確認日:

この城の物語

01
史実

琵琶湖に突き出た安土山

安土城は、琵琶湖に向かって半島のように突き出た独立した丘、安土山(標高約199m)⁠に築かれました。岐阜城より京都に近く、北陸と⁠東海を結ぶ要の場所でした。[2][3]

02
史実

1576年、信長が築く

1576年(天正4年)1月、織田信長は重臣の丹羽長秀を総普請奉行にして築城を始め、翌月には岐阜から移りました。石垣・天主・御殿を造りながら城下町も整え、1579年5月⁠に完成した天主に移り住みました。[2][3]

03
研究上の解釈

天下統一の拠点、近世の城の原形

安土城は信長が天下統一の拠点と⁠して築いた城です。それまでの土でつくる城とちがい、全山を高い石垣で覆い、高層の天主がそびえていました。国の解説は、ここに後の近世城郭の原形を⁠見ることができるとしています。本丸には天皇を迎えるための「御幸の間」があったと⁠『信長公記』に書かれています。[1][3]

04
史実

1582年、本能寺の変のあとに焼失

1582年6月、信長は京都の本能寺で家臣の明智光秀に討たれました。その後まもなく天主などが焼け、焼けた理由ははっきりしていません。城はその後しばらく使われましたが、まもなく廃城になり、近くの城を築くために石材も⁠持⁠ち⁠去られました。[2][8]

05
史実

建物は失われ、石垣と⁠礎石が残る

天主や⁠御殿はすべて失われましたが、本丸・二の丸などの石垣、石段、天主台、井戸、堀の跡はよく残っています。二の丸跡には、羽柴秀吉が信長の遺品を埋めて建てた信長公本廟があります。城の建物でなく、摠見寺の三重塔と⁠二王門だけが古い建物と⁠して残っています。[2][3][5]

06
史実

特別史跡と⁠して調査と⁠整備が続く

1926年に史跡、1952年に特別史跡になりました。城跡の全域は摠見寺の土地で、安土山保勝会が⁠守⁠り運営しています。滋賀県は1989年から20年かけて大手道などを発掘・整備し、2023年度からは「幻の安土城」復元プロジェクト⁠として新たな調査・整備を進めています。[2][3][7][8]

この城の人びと

年表

  1. 信長が丹羽長秀を奉行に築城を始め、岐阜から移る[2][3]

  2. 完成した天主に信長が移り住む[2]

  3. 本能寺の変。まもなく天主などが焼ける[2]

  4. 国の史跡に指定[2]

  5. 特別史跡に指定[8]

  6. 滋賀県が20年計画の調査・整備を始める[8]

  7. 「幻の安土城」復元プロジェクト⁠の調査・整備事業が始まる[7]

建物と⁠遺構

天守の状態

天守は失われた

1579年完成⁠の天主は1582年に焼失。天主台の石垣と⁠礎石が残る(城郭協会は「天守台の遺構が現存」)⁠。

城全体のいま

安土山全体が特別史跡。全域が摠見寺の所有地で、安土山保勝会が運営し、入山は有料。山中に石垣・石段・天主台・曲輪跡が残り、摠見寺の仮本堂・三重塔・二王門がある。

主な建物

現存しない

天主

五層七階と⁠伝わる。1582年焼失。天主台に礎石が残る。[2][5]

跡地のみ

本丸御殿

天皇を迎える「御幸の間」があったと⁠伝わる。跡地のみ。[3]

跡地のみ

黒金門跡

中心部への入口。大きな石の石垣が残る。[3]

現存国重要文化財

摠見寺三重塔・二王門

城の建物ではなく寺の建物。三重塔は1454年建立。[3][6]

基本データ

種類
城
地形による分類
山城山の上に築いた城。登りがある編集部記事
時代
中世・近世編集部記事
天守の状態
天守は失われた天守はあったが、今は残っていない(天守台などが残る場合がある⁠)編集部記事
築城者
織田信長日本城郭協会
築城
天正4年(1576)日本城郭協会
主な城主
織田氏日本城郭協会
廃城
1585年(天正13年)Wikipedia
見られる遺構
天守台・曲輪・石垣・堀・虎口編集部記事
文化財指定
国史跡(1926年)⁠、国特別史跡(安土城跡)(1952年)編集部記事
名城選定
日本100名城 54番日本城郭協会

旅の情報

立入り

一部のみ見学できる

城跡全域が摠見寺の土地で、受付で入山料(拝観料)⁠を納めて入る。順路は大手道から信長公本廟・本丸跡・天主跡へ上り、摠見寺跡・三重塔・二王門を通って下る一周コース。ペットは同伴不可。城跡の中にトイレはない。足もとの悪い所が多く、受付横に杖が用意されている。

住所

〒521-1311 滋賀県近江八幡市安土町下豊浦6371(摠見寺・安土山保勝会)[5][4]

確認日: 2026-10-03

最寄り駅と⁠行き方

JR安土駅JR琵琶湖線(新快速は停車しない⁠)

徒歩約25分 · 急⁠な登り

受付まで徒歩約20〜25分(管理者は約20分、市の観光サイトは約25分)⁠。レンタサイクル⁠で約10分、タクシーで約7分。受付から先は大手道の石段を上る。[5][4]

確認日: 2026-10-03

開館時間・料金

安土城跡(入山受付)
時間
8:30〜17:00(入場受付は16:00まで。季節により変わる⁠)
休館・休み
年中無休(悪天候などで休山することがある⁠)
料金
大人700円、小人(高校生以下⁠)200円。団体・障害者などの割引はない。2026年7月29日から当面の間、滋賀県内在住の小・⁠中学生は無料(保護者同伴)⁠。摠見寺の特別拝観(不定期)⁠は別に500円[5][4]
確認日: 2026-10-03
城なび館(特別史跡安土城跡ガイダンス施設)
時間
9:00〜17:00
休館・休み
月曜(休日を除く⁠)⁠・休日の翌日・年末年始。3月15日〜11月30日⁠は無休
料金
大人200円、小・中学生100円、小学生未満無料[10]
確認日: 2026-10-03

車・駐車場

名神高速道路の八日市ICから約25分、蒲生スマートICから約20分、竜王ICから約35分。城跡の下に無料駐車場(大型バス可)⁠。[5]

確認日: 2026-10-03
公園・城域の開放時間
8:30〜17:00(入場受付16:00まで⁠)[5]確認日: 2026-10-03
所要時間の目安
城跡一周は約45〜90分(公式の目安)
階段・坂・足もと
城跡の中は坂と⁠石段ばかりで、足もとの悪い所が多い。歩きやすい靴で。[5]
車椅子・ベビーカー
坂と⁠石段ばかりでバリアフリーになっておらず、車いすで城跡を巡るのはほぼ不可能と⁠管理者は案内している。[5]確認日: 2026-10-03
トイレ・休憩
城跡内にはない。入山前に駐車場横のガイダンス施設(城なび館)⁠のトイレを使う。[5][11]
英語案内・音声ガイド
英語の案内は確認できなかった。
季節の楽しみ
春は大手道まわりや⁠江藤の丘の桜。[4]
撮影のルール
未確認
工事・休館・立入制限
安土築城450年⁠にあわせ、2026年7月29日から当面の間、滋賀県内在住の小・中学生の入山料が無料(保護者同伴)⁠。[4]確認日: 2026-10-03

歩きかたの⁠例

城址一周コース(公式の順路) 90分

  1. 受付で入山料を納める
  2. 大手道の石段を上る(左右に家臣の屋敷跡、石段の石仏)
  3. 上りきったら右へ、黒金門跡を通る
  4. 二の丸跡の信長公本廟に立ち寄る
  5. 本丸跡を通って天主跡へ
  6. 来た道を戻り摠見寺跡へ(西の湖を見渡す)
  7. 三重塔・二王門をくぐって受付方面へ下る

所要約45〜90分(公式の目安)⁠。

周辺の楽しみ

編集部ガイド(見どころレビュー)

資料と⁠確認した情報をもとにした編集部の解説です。現地訪問の体験談ではありません。

こんな人におすすめ

織田信長が好きな人、天守の「始まり」の城を見たい人、山歩きをしながら石垣を見たい人に向く。

ここを見ると⁠面白い

大手道のまっすぐな石段と⁠石仏、黒金門跡の大きな石の石垣、そして天主台の礎石。建物がないぶん、石の並びから天主の大きさを想像するのが楽しみ方。

訪ねる前に

天主は残っておらず、石垣と⁠礎石の城跡。入山料が必要で、入場受付は16:00まで。城跡内にトイレはなく、石段がきついので、ふもとでトイレを済ませ歩きやすい靴で。安土駅は新快速が止まらない。

楽しみかた

先に城なび館で天主の模型や⁠VR映像を見てから登ると、礎石の上に建っていた姿を⁠思⁠い⁠浮かべやすい。天主跡からは琵琶湖と⁠内湖を見渡したい。

訪問者レビュー

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異説・未確認の⁠点

出典

  1. 1
    特別史跡安土城跡文化遺産オンライン(文化庁)heritage確認日:
  2. 2
    安土城跡文化遺産オンライン(文化庁)heritage確認日:
  3. 3
    安土城址を散策する摠見寺・一般社団法人安土山保勝会official確認日:
  4. 4
    安土城跡近江八幡市観光情報サイト(近江八幡観光物産協会)tourism確認日:
  5. 5
    拝観案内摠見寺・一般社団法人安土山保勝会official確認日:
  6. 6
    織田信長の安土城址と⁠摠見寺(トップ・三重塔・二王門)摠見寺・一般社団法人安土山保勝会official確認日:
  7. 7
    県政の取組資料⁠(「幻の安土城」復元プロジェクト・特別史跡安土城跡整備基本計画)(PDF)滋賀県municipal確認日:
  8. 8
    安土城(補助資料)Wikipedia日本語版other確認日:
  9. 9
    日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  10. 10
    近江八幡市特別史跡安土城跡ガイダンス施設⁠のご案内近江八幡市municipal確認日:
  11. 11
    安土城跡の入山時間と⁠駐車場、トイレの案内(2019年4月)摠見寺・一般社団法人安土山保勝会official確認日:
  12. 12
    日本100名城・続日本100名城一覧公益財団法⁠人日本城郭協会jokaku確認日:
  13. 13
    Wikipedia「安土城」Wikipedia日本語版wikipedia確認日:
  14. 14
    Wikidata Q786888Wikidatawikidata確認日:
  15. 15
    OpenStreetMap node/2459046734© OpenStreetMap contributors (ODbL)osm確認日:

掲載の状況

  1. 候補を発見確認済み
  2. 城郭・城跡と⁠して確認確認済み
  3. 基本情報を掲載確認済み
  4. 詳細記事を掲載確認済み
  5. 写真の利用条件を確認確認済み
  6. 訪問情報を確認確認済み

近くの⁠城

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