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返事の<wbr>ない<wbr>声を<wbr>どう<wbr>届ける?のエピソード画像
午前0時の実験室

試験放送 #3

返事のない声をどう届ける?

三つの歌と生成AIの話から、届かないかもしれない声の送り方を試します。

チャプターから聴く

TRANSCRIPT

ふたりの会話を読む

音声とあわせて、今夜の掛け合いを文字でも楽しめます。

オープニング

ハル

こんばんは、「午前0時の実験室」です。今日も何かを試している、毎日8分のラジオです。

ハル

進行はハル。相方は、試して失敗して、それでもまた触るゲンさんです。

ゲンさん

ゲンさんです。今夜は声と品質を確かめる試験回だけど、作りはいつも通りなんだよね。

ハル

テーマは、返事がないかもしれない声をどう届けるか。「届かせ」「黙礼」「待合室」から試します。

今日のメイン

ハル

まず「届かせ」。J-Catalystの公開情報では、届かない推しに片道で叫ぶ歌。作詞・作曲はMASAです。

ゲンさん

片道という響きがいいなあ。返事の切符を最初から買っていない感じがする。

ハル

でも、届かせたいんですよね。返事はいらないのに、到着だけは願っている。

ゲンさん

僕には、相手を動かす声というより、自分が黙らないための声に聞こえるんだよね。

ハル

それ、試した? たとえで見せてください。

ゲンさん

たとえ話だけど、閉店後の店に向かって「また来るよ」と言う。店は答えないけど、言った側の足は少し前を向く。

ハル

推しを閉店扱いするのは、ちょっと待って。でも、片道の感じは分かります。

ゲンさん

たとえの看板を掛け違えたなあ。大事なのは、返事がなくても声を出した自分は残る、という感覚かな。

ハル

次は「黙礼」。嘘に気づいても黙って頷く歌で、こちらも作詞・作曲はMASAです。

ゲンさん

声を届ける話の次に、声を出さない題が来た。沈黙にも向きがあるように思えるね。

ハル

頷いたら、相手には賛成に見えませんか。黙っている側の事情は伝わりにくいです。

ゲンさん

そうなんだよね。自分では保留のつもりでも、相手には了承の判が押されたように見えるかもしれない。

ハル

じゃあ、黙礼は優しさですか。それとも、言葉を諦めた形ですか。

ゲンさん

もしもの話ね。苦手なお茶を勧められて黙って頷いたら、次も同じお茶が来る。優しさが予約票になってしまう。

ハル

その予約、取り消しの言葉が必要ですね。黙礼だけでは伝票が閉じない。

ゲンさん

黙ることが悪いんじゃなくて、頷きの意味を相手任せにしすぎないことかな。

ハル

そして「待合室」。父の涙に子が寄り添う歌で、作詞・作曲はMASAです。

ゲンさん

ここでは、大きな声も頷きも要らないように聞こえる。ただ隣にいることが返事になる感じだなあ。

ハル

支える側と支えられる側を、年齢だけで決めないところが好きです。涙の近くに椅子を置く感じ。

ゲンさん

いい表現だね。届かせるために近づくのではなく、離れないことで届く声もある、と僕は思う。

ハル

では小さな実験。三つの題を、言葉を足さずに姿勢だけで表してください。

ゲンさん

まあ、やってみてからだね。「届かせ」は胸を前へ、「黙礼」は肩を下へ、「待合室」は隣の椅子を空ける。

ハル

おお、全部違う。でも、どれも相手のいる方向を気にしています。

ゲンさん

声の大きさより、どこへ向けたかが残るのかもしれない。片道でも、沈黙でも、隣の椅子でもね。

2人の寄り道

ハル

ここで寄り道。声を投げる相手が人ではなく、生成AIだったらどうでしょう。

ゲンさん

ITmedia AI+によると、デジタルハリウッド大学はClaudeを11月から全学生と全教職員に提供すると発表したんだよね。

ハル

Claudeの全学導入は、国内の大学で初とのことです。見出しには、回数を気にせず使い放題、とあります。

ゲンさん

使い放題と聞くと、つい答えをたくさん集めたくなる。でも僕は、質問を直す回数のほうが気になるなあ。

ハル

一度で名回答を当てようとすると、質問する側も肩に力が入りますからね。

ゲンさん

ここは教えて、ハル。回数を気にしなくていいなら、最初に何を聞く?

ハル

私なら、完成した答えではなく「私の質問で曖昧なところはどこ?」と聞きます。まず自分の声を点検してもらう。

ゲンさん

なるほど。相手に走らせる前に、自分の地図の破れを探すわけだ。

ハル

そうです。私が迷っているのに、相手だけ正しい目的地へ行け、は難しいと思うんです。

ゲンさん

じゃあ、歌の説明を頼むならどうする? 今日の三つの題で試してみたい。

ハル

「説明して」だけで終わらず、「私はこう聞こえた。別の見え方はある?」と添えます。自分の受け取り方も渡す。

ゲンさん

片道の命令ではなく、往復できる材料を先に置くんだね。それなら返事を比べやすそうだ。

ハル

ただ、返事が来ても黙って頷くだけではもったいない。「そこは違う」と返すのも実験です。

ゲンさん

「黙礼」の話が戻ってきたなあ。頷き続けると、自分の違和感が会話から消えてしまう。

ハル

だから、届かせる、黙らず直す、必要なら隣で考える。この順で私は使ってみたいです。

ゲンさん

昔、似たようなことやってさ、と言いたいところだけど、これは今から試したい。質問にも姿勢が出るんだね。

今夜の一曲

ハル

今夜の一曲は、SHIKAKUの「心音」です。

ゲンさん

「八週と六日 僕だけ息を止めた」。この一節、喜びだけでは包めない怖さが聞こえるなあ。

ハル

私は、父になる怖さを認めた声に感じました。強がらないことも、誰かへ届く準備なのかもしれません。

ゲンさん

それでは聴いてください。SHIKAKUで「心音」。

♪ 心音(SHIKAKU)

エンディング

ハル

お聴きいただいたのは、SHIKAKUの「心音」でした。

ゲンさん

届く声は、大きな声とは限らない。怖いと認める声や、隣に座る気配も残るんだろうね。

ハル

今夜は、伝えたい言葉を声にする前に、誰へ向けているかだけ確かめてみてください。小さな実験です。

ゲンさん

返事がなくても、向きを選んだ声は自分に残るかもしれない。それでは、午前0時の実験室でした。

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