夕暮れの空を背に、灯りのともるオフィスビルの窓が並んでいる
CAREER ESSAY
会社を
出る日まで
独立までの十年をたどる
// BOOK://

キャリアエッセイ

会社を出る日まで

独立までの十年をたどるキャリアエッセイ

辞めた日のことより、
辞めるまでの十年を書きたかった。

帯コピー
判型
四六判(128×188mm)の組版
推定ページ数
約140ページ
完成形式
EPUB+PDF
制作期間の目安
約3週間(日記の整理を含む)

CONTENTS

この本の目次

十年分の日記から「あとから見れば転機だった日」を拾い出し、時間の順に並べた構成です。

  1. はじめに3
  2. 第一章配属望まない部署から始まった9
  3. 第二章三年目の壁と、最初の師匠25
  4. 第三章小さな成功が、次の一歩を邪魔する39
  5. 第四章三十歳の夜学社外に出て、初めて気づいたこと53
  6. 第五章副業元年月三万円が教えてくれたこと67
  7. 第六章家族会議貯金の残高を見せた日曜日83
  8. 第七章引き継ぎ書は、長い手紙のように97
  9. 第八章会社を出る日111
  10. おわりに独立三年目の机から127

READING SAMPLE

本文サンプル

「はじめに」の全文と、第一章の冒頭を、実際の組版に近い形で載せています。

はじめに

先にお伝えしておきます。これは「会社を辞めよう」と勧める本ではありません。

わたしは十年勤めた会社を辞めて、小さな事務所をひとりで始めました。けれど、この本の主役は「辞めた日」ではありません。辞めるまでの十年です。派手な成功談も、劇的な退職の場面も出てきません。

独立の体験談は、たいてい辞めた日から始まります。退職願、送別会、開業届。でも振り返ってみると、本当の転機はもっと手前の、なんでもない日に散らばっていました。望まない部署に配属された一日目。先輩に企画書を全部書き直された夜。副業の売上が初めて三万円を超えた月末。家族に貯金の残高を見せた日曜日。

早朝の通勤路。人のいない歩道に、長い影が伸びている
十年ぶんの通勤路。景色は毎年少しずつ変わっていた。

この本は、日記アプリに十年間つけていた約三千件の記録がもとになっています。そこから「あとから見れば転機だった日」を拾い出し、時間の順に並べ直しました。当時のわたしは、それが転機だとはまったく気づいていません。だから、かっこいい決断の場面はひとつも出てきません。迷って、先延ばしにして、また迷う。その繰り返しです。

それでも本にしようと思ったのは、独立を考え始めたころのわたしが、いちばん読みたかったのがこういう本だったからです。成功した人の武勇伝ではなく、迷っている間の記録。決断の瞬間ではなく、決断までの十年。

いま会社にいて、このままでいいのかと時々思う人。その「時々」が、少しずつ増えてきた人。この本は、そういう人の隣に置いてもらうつもりで書きました。急がなくて大丈夫です。わたしも、十年かかりました。

3
片づけられた机の上に残された、革の名刺入れと小さな鍵
第八章「会社を出る日」より机の上に残ったのは、名刺入れと小さな鍵だけ。
第一章

配属

望まない部署から始まった

辞令は、たった一行だった。

「管理部総務課勤務を命ずる」。入社式の翌週、掲示板の前で、わたしは自分の名前を三回探した。同期のほとんどは営業か企画に配属されていて、総務はわたしを含めて二人だけだった。

営業をやりたくて入った会社だった。面接でもそう言ったし、内定者の集まりでも「配属は希望を考慮します」と聞いていた。だから最初の一週間は、何かの間違いだと本気で思っていた。人事に確認しに行こうとして、同期に止められたことも覚えている。

総務課の仕事は、地味という言葉がそのまま制服を着たようなものだった。備品の発注、会議室の管理、社内規程の改定、株主総会の準備。電話を取り、宅配便を受け取り、壊れたシュレッダーの業者を呼ぶ。夕方になると、今日一日で自分が何をしたのか、うまく言えない日が続いた。

同期の営業組は、初めての受注だ、初めての出張だと、集まるたびに新しい話題を持ってきた。わたしには、シュレッダーの話しかなかった。それを笑い話にできるようになるまで、ずいぶんかかった。

日記アプリを入れたのは、配属から二か月目の五月だった。最初の記録は一行だけ。「今日も何もなかった。何もなかったことを忘れそうなので、書いておく」。まさかこの一行が十年続き、一冊の本になるとは、当時のわたしは知らない。

転機らしきものは、半年後に来た。備品の発注をまとめて見直して、年間の消耗品費を二割減らしたのだ。誰に頼まれたわけでもない。毎日発注伝票を見ていたら、無駄が目についてしまっただけだった。部長は驚いて、それからは経費全体の見直しをわたしに任せるようになった。

このときはまだ気づいていなかった。「頼まれていないことを、数字で示す」——のちに独立してからのわたしの商売の中身は、要するにこれだけだ。その原型が、望まない部署の、退屈な伝票の山の中にあった。

望まない配属が良かった、と言うつもりはない。あの二年は、やはり長かった。ただ、十年分の日記を読み返して分かったのは、転機は望んだ場所からは来なかった、ということだ。

9

(第一章はここまでを抜粋。本編では第二章「三年目の壁と、最初の師匠」へ続きます)

誰もいない部屋の大きな窓。遠くの街並みに夕方の光が落ちている
第八章「会社を出る日」より最後の日の窓。ここから始まる、という日でもあった。

MATERIALS

どんな材料から作られたか

BOOK://の本づくりは、材料を持ち込むところから始まります。この一冊が何からできて、AIと人がそれぞれ何をしたかの記録です。

MATERIALS

持ち込んだ材料

  • 日記アプリ10年分の記録(約3,000件)
  • 当時の手帳とノート
  • AIインタビュー4回分の音声
  • 退職時の挨拶メールの下書き

AI

AIがしたこと

  • 約3,000件の日記から「あとから見れば転機だった日」を抽出し、年表に整理
  • 年表をもとにした章立て案の提示
  • 音声の文字起こしと、話し言葉を地の文へ整える下書き
  • 言い回しの重複と、時系列の矛盾の指摘

HUMAN

人が決めたこと

  • どの出来事まで書くか(書かないことの決定)
  • 登場する人の呼び方と、特定されない書き方
  • 章の並びと、各章の結び方
  • 最終的な文章の採否と書名

OUTPUT

完成形式

EPUB(リフロー型)PDF(四六判の組版)

この作例は、電子書籍で読まれることを第一に、リフロー型のEPUBで書き出した想定です。あわせて、紙で読みたい人のために、四六判の組版によるPDFも用意しました。文章が中心の本なので、どちらの形式でも読み心地は変わりません。EPUBは、電子書籍ストアへの登録(利用者ご自身のアカウントで行います)にそのまま使える形式です。

十年分の日記がなくても、始められる。

書くことから始めなくていい。話す、集める、選ぶところから、本づくりは始められます。AIインタビューに話すところからでも大丈夫です。

このサンプルは制作例として作成した架空の内容です。実在の人物・店舗・団体とは関係ありません。登場する場面や数字は、制作例のために一般化して書いています。

サンプルに使用している写真は、制作例として生成した画像です。

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