SPEED THROUGH WATER — URAGA CHANNEL
遅いのは、潮のせいか。
船が遅いとき、まず疑うのは潮。次が風。その次はエンジンや船体の汚れ——そこは船の中の話で、外からは分かりません。 このページにできるのは、潮のせいかどうかを消しこむことです。浦賀水道には潮流の実測があるので、それを差し引けます。
01 — NOW / いまの潮
02 — SHIPS / いま浦賀水道を通っている船
03 — WHAT TO SUSPECT / 遅いとき、何を疑うか
現役の船員に「船が遅いとき何を疑うか」を聞きました。返ってきた順番がこれです。 上から二つは公開データで消しこめます。下の二つは船の中の話なので、外からは分かりません。
浦賀水道の潮流は海上保安庁が実測して公開しています。このページで差し引いています。 瀬戸内なら来島・明石・備讃・関門にも実測があります(STRAITS)。
灯台・信号所・レーダー施設の実測風が10地点あります(ROUGH SEA CHECK)。 ただし圧流(横風で流される分)の計算はまだ入れていません。
船内のデータです。AISには含まれません。取得する方法がありません。
長い時間をかけて効いてくるものです。外からは見えません。
潮と風を消して、
それでも遅ければ、船の側。
Rule out the tide and the wind. What remains is the ship.
この順番は、現役の船員から聞いた実務の話です。当サイトが決めたものではありません。 3と4は取得する手段が無いので、当サイトでは扱いません。
04 — WHY HERE / なぜここだけができるのか
AISは世界中で見られます。足りないのは潮流のほうです。 船の速度から潮を差し引くには、その海域の潮流をリアルタイムで知る必要がありますが、 潮流の実測を公開している海域は、ほとんどありません。
調べた範囲では、東京湾で公開されているのは浦賀水道の1地点だけです (海上保安庁 東京湾海上交通センター・横須賀港沖/旧第三海堡)。 気象庁の潮位表に潮流は含まれず、海上保安庁の潮流推算に東京湾は入っていません。 日本水路協会は予測図を出していますが、10分ごとの画像で数値ではありません。
つまり——日本で最も船が通る場所に、潮流計とAISと入航予定が揃っている。 この3つが同時に手に入る海域は、そう多くありません。だからここから始めています。
実測
潮流
海上保安庁 東京湾海上交通センター。流向・流速・次回転流・次回最強潮流。浦賀水道の1地点。
実測
対地速度(SOG)
AISStream.io。船が自分で発信している位置・針路・対地速度。
計算
対水速度(STW)
対地速度ベクトルから潮流ベクトルを引いた大きさ。当サイトの計算値です。
05 — LIMITS / この数字の限界
潮流は1地点の値を、浦賀水道ぜんぶに当てはめています。 実際の潮流は場所で変わります。航路の東側と西側でも違います。公開されているのが1地点だけなので、こうするしかありません。
風による圧流(leeway)は引いていません。横風を受ければ船は横に流されるので、 本当の対水速度はもう少し違います。風の実測はあるので、いずれ入れられるかもしれません。
潮流の観測時刻とAISの受信時刻はズレます。潮流は数分ごと、AISは受信した瞬間。 転流の前後では、この差が効きます。
だからこの対水速度は目安です。ただし、AIS単体の対地速度をそのまま見るよりは、 船が出している力に近いはずです。「潮で得しているのか損しているのか」は、はっきり出ます。