温度による分類
分析書では、湧き出すときの温度(源泉温度)で4つに分けます。
- 冷鉱泉: 25℃未満
- 低温泉: 25℃以上34℃未満
- 温泉: 34℃以上42℃未満
- 高温泉: 42℃以上
全国の源泉の約6割が42℃以上の高温泉で、そのまま入れる34〜42℃の源泉は2割ほどしかありません。つまり多くの温泉は、冷ますか温めるかの工夫をしています。
冷ます方法いろいろ
- **加水**: いちばん簡単。成分は薄まる。
- **湯もみ・時間湯**(草津): 板で湯をかき回して冷まし、48℃前後の湯に3分だけ入る。
- **湯畑・湯樋**(草津、湯村): 源泉を長い木の樋に流し、空気に触れさせて冷ます。湯の花も採れる。
- **距離をとる**(高湯、十津川): 源泉から浴槽までの配管を長くして自然に冷ます。
- **熱交換**: 源泉の熱で別の水を温め、源泉自体はぬるくする。成分はそのまま。
- **貯湯槽で寝かせる**: 一晩置いて冷ます。鮮度は落ちる。
どの方法かは、脱衣所の掲示「加水あり/なし」と、公式サイトの説明で分かります。
Aspere · CC0
Kusatsu Onsen
群馬県 · 日本を知る100温泉 No.25
酸性硫黄硫酸塩塩化物
毎分3万2千リットル、pH2.1の酸の湯が町の真ん中から湧き出し、木の樋を流れて冷めていく。
Asturio Cantabrio · CC BY-SA 4.0
Yumura Onsen
兵庫県 · 日本を知る100温泉 No.64
塩化物硫酸塩炭酸水素塩
98℃の湯が毎分470リットル、川べりの岩の間から噴き出す。人はそこで卵を茹で、冷めた湯に足を浸ける。
Purplepumpkins · CC BY-SA 3.0
Takayu Onsen
福島県 · 日本を知る100温泉 No.22
硫黄
9本の源泉、毎分2,589リットル。加水も加温もせず、山の高低差だけで湯を冷まして届ける白い湯。
浴槽の温度: 日本は熱い
日本の浴槽は41〜43℃が普通で、海外の温泉プール(36〜38℃)よりかなり熱い。共同浴場はさらに熱いことがあり、草津の時間湯は48℃、那須の鹿の湯は最高48℃の浴槽があります。熱い湯には「かぶり湯」(入る前に頭から湯をかける)や「分割浴」(短く何度も入る)の作法が生まれました。
一方、35〜38℃の「ぬる湯」に30分以上入る湯治の文化もあります。ぬる湯は体への負担が小さく、長く入って成分と時間を味方にする入り方です。
Miyuki Meinaka · CC BY-SA 4.0
Nasu Onsenkyō
栃木県 · 日本を知る100温泉 No.30
硫黄酸性
41℃から48℃まで6つの浴槽。入る前に頭から湯を200回かぶる。630年から続く那須湯本「鹿の湯」の作法。
浅野ます道 · CC BY 3.0
Shimobe Spa
山梨県 · 日本を知る100温泉 No.45
単純硫黄
足元の岩から30℃の湯が湧く「信玄の隠し湯」。ぬる湯に一時間、高温の新源泉で温め直す、二本立ての湯治場。
As6022014 · Public domain
Iya Onsen
徳島県 · 日本を知る100温泉 No.83
硫黄単純
傾斜42度の崖をケーブルカーで約5分、170メートル下った川べりで、38℃の源泉がそのまま浴槽に注ぐ。
このアトラスの記録
温泉地のページの「源泉温度」は、資料にある源泉の温度(複数あれば範囲)です。浴槽の温度は、詳しい記事で施設・浴槽ごとに分かったものだけを「浴槽温度」として別に載せています。源泉温度だけを見て「熱い温泉」と決めないでください。98℃の源泉でも、浴槽は41℃かもしれません。
用語
- 時間湯
- 草津で続く入浴法。湯長の指示で高温の湯に3分だけ入る。
- かぶり湯
- 入る前に頭から湯をかぶり、血圧の急な変化を防ぐ作法。
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Asturio Cantabrio · CC BY-SA 4.0
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Miyuki Meinaka · CC BY-SA 4.0
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浅野ます道 · CC BY 3.0
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