BUSINESS
もんじゃ店の経営
もんじゃ店を開きたい人のための面。公開情報で確認できる数字と、こちらが置いた仮定を混ぜない。確認できたものには出所と年を書き、仮定には「推定」と書く。
CONFIRMED NUMBERS
公開情報で確認できた数字
年と出所を必ず添える。
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| もんじゃ焼店の登録件数の推移 | 2005〜2014年の10年でほぼ横ばい 同期間にお好み焼き店の登録件数は約30%減った。もんじゃは減らなかった。 | NTTタウンページ(タウンページデータベース、2015年2月発表) 出典 |
| 人口10万人あたりのもんじゃ焼店(都道府県) | 1位 東京都/2位 沖縄県/3位 群馬県(2014年) 九州・四国では登録が1件もない県が5県あった。沖縄が2位という結果は、本土の系譜とは別の経路を疑わせる。次回の更新で追う。 | NTTタウンページ(タウンページデータベース、2015年2月発表) 出典 |
| 月島もんじゃ振興会協同組合の加盟店数 | 48店(2026年8月12日時点の組合公式サイト掲載数) 農林水産省「うちの郷土料理」は54店舗と記載している。掲載時期の違いか、実際の減少かは特定できていない。 | 月島もんじゃ振興会協同組合 公式サイト 出典 |
| 月島の店の平均予算(組合公式の申告値) | 2,000〜3,000円が最多(47店中25店) 1,500〜2,500円が9店、3,000〜4,000円が8店。客単価はこの帯に収まると考えてよい。 | 月島もんじゃ振興会協同組合 各加盟店ページの「平均予算」 出典 |
| 外食産業の市場規模 | 12兆4,686億円(2012年) **もんじゃ単独の市場規模を示す公的統計は見つからなかった。**この数字は外食産業全体であり、もんじゃの規模ではない。参考として置いている。J-Net21のこのページは2013年9月の内容確認で止まっている。 | 中小企業基盤整備機構 J-Net21「お好み焼き店」市場調査データ 出典 |
MODEL
業態の構造
もんじゃ業態の構造的な強み
原価が軽い。 主材料は小麦粉とキャベツと出汁。海鮮や肉は「変わり種」として単価を上げる側に置ける。
調理を客がやる。 厨房の作業は仕込みと配膳に寄る。焼く工程が客席で完結するため、調理人の技能への依存が小さい。
滞在時間が長い。 焼きながら食べるので酒が出る。組合加盟店の8店が「お酒の種類が豊富」を掲げている。客単価はもんじゃ本体ではなくドリンクで積む構造になりやすい。
構造的な弱み
回転が上がらない。 滞在時間の長さは、そのまま回転率の低さである。席数の少ない個人店では、これが売上の天井になる。
排気設備が要る。 全席に鉄板を置くので、ダクトと排気が必須になる。月島には「全席に排煙ダクトを設置」を売りにしている店がある。設備投資が「うちは臭くない」という商品価値に直結する業態である。
説明コストがある。 焼き方が分からない客に説明が要る。外国語対応が必要な立地では、この負担が人件費に乗る。
立地の型
月島型。 商店街に集まって並ぶ。集積そのものが集客になる代わり、隣と比較され続ける。組合の加盟と、通りの何番街にあるかが効く。
駅ビル・商業施設型。 チェーンの主戦場。KISSUI GROUPの公式一覧を見ると、渋谷スクランブルスクエア、新丸ビル、ルクア大阪、ミッドランドスクエア、COCONO SUSUKINO、沖縄パルコシティなど、施設内が中心になっている。もんじゃの全国展開は、路面店ではなく商業施設で進んだ。
郊外・アウトレット型。 三井アウトレットパーク(木更津・岡崎・滋賀竜王)に同グループの店がある。家族客と滞在時間の長さが噛み合う。
海外型。 現状ほぼ前例がない。確認できたのはバンコクの One Bangkok の1件と、現地の日本料理店がメニューの一部として出す形。
出さない数字
開業費(鉄板テーブル1台あたりの価格、ダクト・排気設備の工事費)、FL比率、坪効率、フランチャイズの加盟金・ロイヤリティについては、信頼できる公開情報を確認できなかったため、数字を出さない。推定値を並べることはできるが、根拠のない金額は開業を考える人を誤らせる。次回の更新で、設備業者の公開価格表とFC募集要項の一次情報を当たる。