04 — 芸

芸と稽古

舞妓であることの本質は、絵になることではありません。何年もかかり、衿替えの後も終わらない芸を身につけることです。

畳に置かれた三味線と撥。障子越しの午後の光
AI生成イメージ稽古は初めてのお座敷よりずっと前に始まる。
誰もいない稽古場。磨かれた板の間、畳の縁、並べられた扇、朝の光
AI生成イメージ稽古前の稽古場。コンセプトビジュアル。

京都市が挙げる稽古の芸事:舞、長唄、小唄、常磐津、清元、鳴物、笛、琴、茶道、書道、華道。

01

舞踊(花街ごとの流派)

祇園甲部=京舞井上流、宮川町=若柳流、先斗町=尾上流、上七軒=花柳流、祇園東=藤間流。京舞井上流は約200年の歴史をもつ座敷舞で、主に女性が継承し、能や人形浄瑠璃の影響を受け、腰を落とした前重心の抑えた動きが特徴。「踊り」ではなく「舞」と呼ぶ。五世井上八千代が祇園甲部の芸舞妓を指導し、都をどり・温習会を指揮する。

02

唄(長唄・小唄・常磐津・清元)

京都市は長唄・小唄・常磐津・清元を稽古の芸事として挙げる。「祇園小唄」は舞妓が最初に習う曲とされ、毎年11月に円山公園で祇園小唄祭が行われる。

03

三味線

舞や唄の伴奏。地方の芸妓が受け持つ。八坂女紅場学園でも必修科目。

04

鳴物(小鼓・大鼓・太鼓)・笛

小鼓・大鼓・太鼓と笛。舞台やお座敷の曲で用いる。琴も稽古科目にある。

05

茶道

おもてなしの教養として稽古し、をどり公演では開演前に芸舞妓がお点前で茶を出す(お茶席付き券がある)。

06

華道・書道

京都市は華道・書道を芸事と並ぶ教養として挙げる。

07

行儀作法・京言葉

主に仕込み期間に学ぶ。花街の作法、座り方、お酌、挨拶、京言葉。公式サイトは京言葉を舞と同じくらい大事と記す。

08

お座敷遊び(とらとら・金毘羅船々など)

地方の唄に合わせて行う簡単な遊びで、負けると罰杯を飲む。とらとら(和藤内):屏風の両側で拍子に合わせて姿を決める。槍を持つ和藤内は虎に勝ち、虎は杖の老母に勝ち、老母は和藤内に勝つ。金毘羅船々:向かい合って台(はかま)を挟み、「おいてに帆かけてシュラシュシュシュ」に合わせ交互に手を出す。台があればパー、相手が取っていればグー。間違えたら負け。国立国会図書館レファレンス協同DBは相原恭子『京都舞妓と芸妓の奥座敷』(文藝春秋2001)、『祇園のしきたり』(青心出版社2009)、『先斗町のすべて』(淡交社2010)など16冊を挙げる。