05 — 装い

装いを読む

図の番号を押すか、下のリストを読んでください。よく知られていても花街自身が確認していない事柄は、そう書いています。

舞妓の背中に垂れるだらりの帯の先端。丸い紋のような模様
AI生成イメージコンセプトビジュアル:だらりの帯の垂れ先。描かれた紋は架空のもので、実際は置屋の紋が入るとされる(通説)。
静かな廊下に立つ舞妓の全身。顔は伏せてぼかし、簪からおこぼまで装い全体が見える
AI生成イメージ図は舞妓の装いを示すAI生成の概念図で、実在の人物ではありません。番号の位置はおおよそです。

装いの一つひとつ

白粉(白塗り) oshiroi / shironuri

温めた鬢付け油を背中・襟足・首・顔に薄く伸ばし、水で溶いた練り白粉を板刷毛で塗り、パフで均す。最初は姉さんに手伝ってもらう。目元と眉には紅を入れ若さを表す。灯りの暗い座敷で顔がはっきり見えるためという説明が広く伝わる。

年数による違い: 舞妓は自分で塗る。芸妓もほぼ同じ下地だが目元の紅は控えめで落ち着いた印象(通説)。新人の舞妓がいちばん「赤い」。

通説。公式ページでは未確認
紅(下唇だけ) beni

店出ししたばかりの舞妓は下唇にだけ紅をさし、おちょぼ口に見せる。1年ほどたつと上下両方にさす。棒紅を水で溶いて使う。

年数による違い: 下唇だけ=1年目、両唇=2年目以降。「店出ししたばかりの舞妓は下唇だけ」はおおきに財団で確認。「約1年」は通説。

花街・市の公式ページで確認
襟足の「足」(二本足・三本足) eri-ashi / nihon-ashi / sanbon-ashi

襟足の白粉は素肌の筋を残して塗り、これを「足」と呼ぶ。普段のお座敷は二本足、黒紋付を着る正装の日は三本足。首を長く美しく見せるためとされる。

年数による違い: 年数ではなく場面(正装か普段か)で変わる。

通説。公式ページでは未確認
日本髪(割れしのぶ・おふく・奴島田・勝山・先笄) wareshinobu / ofuku / yakko-shimada / katsuyama / sakko

舞妓は地毛を結う(芸妓は鬘)。割れしのぶ=見習い・店出しから約2年、鹿の子が前後から見える。おふく=約2年目以降、髷が大きく四角く、鹿の子は後ろだけ。奴島田=正月や八朔など黒紋付の日の正装、主におふくの舞妓。勝山=祇園祭の期間だけ(7月10日〜24日ごろ)。先笄=衿替え前の約2週間。髪は髪結さんが週に1度ほど結い、高枕で寝る。

年数による違い: 割れしのぶ(新人)→おふく(先輩)→先笄(最後の2週間)。奴島田と勝山は場面で結う。

通説。公式ページでは未確認
花簪(月ごと) hana-kanzashi

絹の花びらで作る簪を月替わりでさし、季節を告げる。よく伝わる一覧:1月 松竹梅・鶴・稲穂(始業式の稲穂は公式) / 2月 梅(節分の玉飾りも) / 3月 菜の花・牡丹・水仙 / 4月 桜(蝶・ぼんぼり) / 5月 藤・菖蒲 / 6月 柳・紫陽花 / 7月 祇園祭の団扇・七夕・金魚 / 8月 すすき・朝顔・花火 / 9月 桔梗・萩 / 10月 菊 / 11月 紅葉・銀杏 / 12月 まねき(顔見世で役者にサインをもらう)・餅花。1月の稲穂と12月のまねきは公式・祇園商店街サイトで確認。月ごとの一覧は簪職人・案内サイトによるもので花街や置屋で差がある。

年数による違い: 1年目は小さな花を多くつけ、顔の横に下がり(ぶら)が揺れる。2〜3年目は大きな花を少なく、下がりなし、落ち着いた色。例:秋なら新人は小菊、先輩は大菊一輪。

通説。公式ページでは未確認
裾引き(お引きずり)・振袖 susohiki / hikizuri / furisode

長い袖の振袖で裾を引く(裾引き・お引きずり)。子どもの着物のように肩上げ・袖上げがあり、若さを表す。外では左褄をとって歩く。半衿は赤で、年数とともに白い刺繍が増え(通説)、衿替えで白衿になる。

年数による違い: 赤い半衿は年数とともに白い刺繍が増える。肩上げは舞妓のしるし。芸妓は普通丈の袖と白衿で地味な着物。

通説。公式ページでは未確認
だらりの帯 darari no obi

丸帯を結び、端を足元近くまで垂らす。公式サイトは「約5メートル」でとても重く男衆が結ぶと記す。垂らした端に置屋の紋が入り、どの屋形の子か分かる。見習いは半だらり。

年数による違い: 見習いは半だらり、舞妓はだらり、芸妓は普通の帯をお太鼓に。

通説。公式ページでは未確認
ぽっちり(帯留) pocchiri / obidome

帯締めに通す大ぶりの帯留。舞妓ならではの装飾で、置屋の持ち物であることが多いとされる。

年数による違い: 舞妓だけ。芸妓はつけない。

通説。公式ページでは未確認
おこぼ okobo

舞妓が履く厚底の木の履物。高さは10〜12cmほど(市観光サイトは約12cm)。鼻緒は新人が赤で、年数で色が変わるとされる。芸妓は草履。

年数による違い: 鼻緒の色は年数で変わる(通説)。芸妓は草履。

通説。公式ページでは未確認
足袋 tabi

白い足袋。予備の足袋入れをお座敷かごに入れて持ち歩く。

年数による違い: 年数による変化なし。

花街・市の公式ページで確認
お座敷かごと中身(舞扇・扇子・手ぬぐい・千社札など) ozashiki-kago / mai-ogi / sensu / tenugui / senjafuda

竹編みに縮緬の巾着カバーをかけた約13×30cmのお座敷かごを小脇に抱える。夏は絽・紗で薄い色、朝顔などの柄。中身は舞扇・扇子・手ぬぐい・棒紅・懐紙・足袋入れ・千社札(花名刺)・黒文字。初夏には名前と屋形の紋を入れた団扇をお茶屋やご贔屓に配る(通説・小丸屋の京丸うちわ)。

年数による違い: 決まった変化はない。先輩舞妓も芸妓も同じような物を持つ。

通説。公式ページでは未確認
芸妓の装い(鬘・白衿・普通の帯・草履) geiko no yosooi

芸妓は島田の鬘、白衿、落ち着いた色の普通丈の袖の着物、普通の帯、草履で、髪飾りは少ない。衿替えで真新しい鬘を受け取ると公式ページにある。

年数による違い: 衿替え後の姿。

花街・市の公式ページで確認
情報確認日 2026-09-18
02

季節ごとに

祇園の茶屋と行灯の並ぶ小さな川に垂れる桜
AI生成イメージ春:をどりの季節。
夏の夕暮れ、鴨川沿いに並ぶ納涼床
AI生成イメージ夏:納涼床と八朔。
京都の石畳の小路にかかる紅葉と一つの行灯
AI生成イメージ秋:二度目の公演の季節。
揺れる振袖の長い袖。季節の柄の絹
AI生成イメージ舞とともに動く長い袖。
雪の積もった町家の瓦屋根と、小路に灯る行灯
AI生成イメージ冬:事始めと静かな月。
01

をどりの季節。3月下旬に北野をどり、4月は都をどり(祇園甲部歌舞練場)と京おどり、5月に鴨川をどり。簪は菜の花・水仙(3月)、桜と蝶(4月)、藤・菖蒲(5月)。4/15-16平安神宮例大祭奉納舞踊。2月初めの節分お化けは仮装でお茶屋回り。

02

6月は五花街合同公演「都の賑い」(フィナーレは舞妓20人)。初夏に名入り団扇を配る。祇園東の浴衣会。7月は祇園祭、舞妓は勝山に団扇の簪、24日の花傘巡行に参加。ギオンコーナーは7/16休館。8月1日は八朔、絽の黒紋付で奴島田(舞妓)・島田(芸妓)の挨拶回り。8/16は五山送り火で休館。簪:柳・紫陽花(6月)、団扇・金魚(7月)、すすき・朝顔・花火(8月)。

03

9月は稽古。10月は温習会(祇園甲部)、みずゑ会(宮川町)、水明会(先斗町)、22日時代祭。11月は祇園をどり(祇園東・秋唯一の本公演)と寿会(上七軒)、円山公園で祇園小唄祭。簪:桔梗・萩(9月)、菊(10月)、紅葉・銀杏(11月)。

04

12月初めは顔見世総見、まねきの簪に役者のサイン。12/1北野天満宮献茶祭(上七軒)。12/13事始めに鏡餅。12/31おことうさん。1/7(上七軒は9日)始業式、黒紋付に稲穂の簪。1/13初寄り。ギオンコーナーは12/1〜3/11火〜金のみ、12/26〜1/4休館。2/25梅花祭では上七軒の芸舞妓が野点。簪:まねき・餅花(12月)、松竹梅・鶴(1月)、梅(2月)。